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东方香霖堂/东方外来韦编第5话/中日对照

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 春に花見は欠かせないが
 “今回”の酒宴はなぜか豪華になり……
 即便酒宴于春天的赏花必不可少
 “这次”的酒宴却不知为何变得豪华……
(第五話)春の自由人と、良心的な悪夢
(第五话)春天的自由人,与有良心的恶梦
 私の住んでいる街は雪が積もることは少なく、積もったとしても根雪になることはまず無い。だから春によって街が目覚めるということを理解しづらく、春はただ、桜と花粉の季節となっている。
 我所居住的城镇少有积雪,即便残有余雪也不会久存。因此我很难理解春意会让一个城镇觉醒,春季对我而言,成为了只不过是樱花与花粉的季节。
 春休みと言えば、長期休みの中では一番開放的な休みである。進学先、就職先の決まった者達が学生の身分を捨て、苟且の自由人を味わう期間であり、進級生も、うやむやにされる形だけの宿題を享受するだけで、自動的に先輩という絶大な権力が付加されるのである。上手くいかなかった一年をリセットし、再チャレンジの準備期間、それが春休みである。それだけに、意識の低い者達が遊んではしゃぐだけの期間になってしまっている。
 春假,是在所有长假中最具开放性的假期。这是决定了升学目标、就职对象的人们得以舍弃学生的身份,借此体会短暂的自由人生活的时期;对于升班的学生来说,也能够享受到可有可无般的作业,而名为前辈的巨大权力也会自然而然地附加在身上。重置掉不尽如人意的一年,为重新挑战做好准备的时段,这就是春假。也正因此,春假沦为了不上进的人们仅仅在玩乐的时期。
 春に起こる生命の目覚めは、浮かれた似非自由人によって穢されてしまったのだ。そもそも、何故学校は4月から始まるようになってしまったのだろうか。多くの国がそうしているように、一番長い夏休みの後からでも、何なら暦どおり一月からでも、良かったのでは無いだろうか。
 滋生于春天的万物复苏,已经被飘飘然的伪自由人玷污了。究其根本,为何学校要选在4月开学呢。就像大多数国家所做的那样,在最长的暑假之后开学,甚至是按照历法在一月开学,难道不好吗。
 だからといって、私は春休みが嫌いなわけではない。春休みにだけ現れる似非自由人とは違い、私は本当の自由人である。SNSで他人の行動を監視して嫉妬する事や、自分のお気に入りの作品を貶されて作者でもないのに何故か憤慨してしまうような、そんな共感を必要としていない。人々が浮かれる春休みの間、別世界に行って本来の春を味わう事が出来るのだから。雪深い幻想郷では、さぞかし生命力に満ちた美しい春が待っている事だろう。そんな期待を持って幻想郷に行ったのだが、実に不思議な出来事が起きたのだ。
 即便如此,我也并不厌恶春假。与那些只在春假时现身的伪自由人不同,我可是真正的自由人。在社交网络上监视并嫉妒他人的行动,抑或是在自己钟爱的作品被贬低后明明自己不是作者却无缘无故感到愤慨等等,我从不需要这些共鸣。因为在人们洋洋自得的春假之中,我能够前往其他世界体验原初的春天。在冰天雪地的幻想乡,即将迎来的想必是充盈着生命力的美妙之春。我抱着这样的期待前去幻想乡,却遇到了实为不可思议的事情。
 「――で、外の世界ではもう桜が咲いているのか」
 “——所以,在外面世界的樱花已经绽放了吗。”
 「そうねー、今年は冬が寒かったけど、三月に入ってから急に暖かくなったからねぇ」
 “是啊——今年虽然是个寒冬,但到了三月以后就突然暖和起来了。”
 「いいなぁ、いつか外の世界で花見をしてみたいぜ」
 “真好啊,有朝一日我也想去外面世界赏花。”
 神社で、霧雨魔理沙と宇佐見菫子が話していた。
 神社之中,雾雨魔理沙和宇佐见堇子正闲聊着。
 「やだやだ、外の世界の花見なんて、そんなに楽しい物じゃないわよ。公園で似非自由人達が昼間から酒呑んで騒いでるだけで、花見だなんて風流な呼び方は花に対して失礼だと思う」
 “不不,在外面世界赏花,可不是那么好玩的事情。顶多是一群伪自由人在公园里从白天就开始喝酒吵闹而已,赏花这种风流的说法我觉得对花太没礼貌了。”
 「似非、自由人?」
 “伪……自由人?”
 「あ、いや、普通の人って意味よ。普段は社会的通念が邪魔をして、昼間から外で酒を呑んだり出来ないような普通の人が、一時的に許されてそれをやっているという意味での自由人」
 “啊、不,就是一般人的意思。就是平时受社会上的共同观念阻挠,绝不会大白天就开始在外喝酒的一般人,得到一时的谅解才能去做上述之事这个意义上的自由人。”
 「なる程、よく判らん」
 “原来如此,不懂。”
 「社会的通念が放棄されているから、みんな騒ぐわゴミをそのままにするわ、酷いもんよ」
 “因为人们放弃了社会共识,大家都吵吵闹闹乱丢垃圾,很是可怕。”
 菫子は愚痴を言っている様だが、何故か嬉しそうである。
 堇子似乎是在抱怨,看起来却有些高兴。
 「幻想郷の花見はきっと美しいんだろうなー」
 “在幻想乡赏花一定会很美吧——”
 「つっても、外の世界の花見を知らんからなぁ。何処も一緒じゃないのか? 花見って言ったって、花なんて誰も見ていないぜ。みんな酒と肴に夢中だからな。花より団子って奴だ。それにもの凄く騒ぐぜ、バカみたいに」
 “你就算这么说,我也不知道在外面世界赏花是怎样的。在哪里不都一样吗? 就算说是赏花,也没有一个人会在意花。大家都沉浸在酒和菜肴里。正所谓是团子胜于花。而且我们也吵得厉害,像白痴一样。”
 「あら、思ったより外の世界と大差なさそうな」
 “哎呀,和想象中比起来感觉和外面世界也没什么太大区别。”
 菫子は少し残念そうだ。
 堇子看起来有些遗憾。
 「神社はまだまだだが、麓の方は少しずつ春めいているぜ。まだ花見をする時期じゃ無いけどさ、幻想郷の春を見たければ、色々見てきたらどうだ?」
 “神社虽然还要一段时间,但山麓那边已经逐渐入春了。虽然现在还没到赏花的时节,但你要想看幻想乡的春天,何不去转一转呢?”
 ――雪が溶け、少しだけ地面が見えている。古道具屋、香霖堂には、神社より一足早く春が訪れようとしていた。
 ——冰雪消融,少许地面显露而出。在旧道具店:香霖堂中,春天要比神社来得稍早一步。
 「もうそろそろ、ストーブの季節も終わりだな」
 “到了这个时候,暖炉的季节也差不多要结束了。”
 香霖堂の森近霖之助は、必然的に引き籠もる事が出来る冬が終わるのを寂しく思っていた。だが、春になったとしてもやることは変わらない。居心地の良い自分のお店に引き籠もり、趣味である読書を堪能するだけだ。
 香霖堂的森近霖之助,对于必然会使自己窝在家中的冬天迎来结束感到有些寂寞。不过就算春天到来,自己要做的事情也不会变。那就是继续窝在自己那舒适的店里,沉浸于自己读书的兴趣。
 霖之助は、お気に入りの小説を手に取った。現実に起こりえないような殺人事件が描かれた小説、推理小説だった。外の世界の小説のため、法律や職業、生活様式、小道具にいたるあらゆる部分で理解が困難であったが、それがファンタジックで楽しいのだ。
 霖之助,拿起了一本自己钟爱的小说。这是一本描写了现实中绝不会发生的杀人事件的小说,也就是推理小说。由于这是来自外面世界的小说,他难以理解法律和职业、生活方式、小道具等各个方面,但这却令他觉得充满幻想并乐在其中。
 その中で、特に気に入っていたのが、探偵や刑事がよく口に咥える描写がある、煙草だった。煙草を咥えて思考を整理するシーンは、事件の難しさを想像させるには十分だった。もしこれが煙草ではなくて、千歳飴や焼き鳥ではとても格好が付かないだろう。
 其中,他尤为喜爱的事物,是经常被描写到衔在侦探、刑警口中的东西,香烟。叼着香烟整理思绪的情景,足以让人想象事件的困难程度。如果他们口中的不是香烟,而是千岁糖或者烤鸟肉串那就很不成样子了。
 しかし幻想郷にある煙草はキセルであって、かろうじて香霖堂には水煙草の道具がある程度である。紙巻き煙草と呼ばれる、シガレットというものが流れ着くことは殆ど無い。何故なら完全な消耗品であるシガレットは道具ではない為、不要になってもタダのゴミとなるだけで、幻想郷には流れ着きにくいのだろう。
 然而幻想乡中的人们吸烟只靠烟斗,除此之外,顶多在香霖堂里会有水烟器具而已。被人们称为卷烟的纸卷香烟,很少流落到幻想乡。完全是消耗品的香烟并非道具,就算被人们抛弃也只会成为垃圾,可能因此香烟很难流落到幻想乡。
 それでも、ごく稀に何かの荷物に紛れて流れ着くこともある。香霖堂には、何本か本物のシガレットをストックしていた。これは売り物でもあるが、非常に高価であり、それゆえ売れることは無かった。霖之助はその高価なシガレットを一本手に取り、マッチで火を着けた。
 即便如此,在极其罕见的情况下香烟也会混在某些行李中流落到幻想乡。香霖堂中,就有几支真正的香烟上架。虽然这些香烟是商品,但却极为昂贵,因此也无人问津。霖之助拿起其中一支昂贵的香烟,用火柴点上了火。
 「煙草の煙で目が染みる中、お気に入りの小説を読む。これが、贅沢な時間の使い方って奴だ。春が来た記念だな」
 “用香烟的烟雾微微刺激着眼睛,读着喜爱的小说。这就是所谓的,奢华地度日。权且当作春天到来的纪念吧。”
 ――チリンチリン。
 ——叮铃叮铃。
 「いらっしゃい。おお、菫子君か」
 “欢迎光临。哦哦,是堇子君啊。”
 「どうもー。思ったより寒かったわ。春が来たと言っても、まだまだ雪だらけねぇ」
 “你好——这儿比我想象得还要冷。就算说是春天来了,也还到处都是雪啊。”
 「残雪、は春を意味する言葉だよ。春だからといって、雪が全てなくなる訳では無い」
 “残雪,是象征着春天的词语。即便是春天,也不代表雪会完全消融。”
 「へえ、知らなかったわ。こっちは都会育ちなんでねぇ……」
 “这样啊,真是闻所未闻。毕竟我是城里长大的……”
 菫子は店内を漂う煙をかいで、眉をひそめた。
 堇子闻了闻弥漫在店里的烟气,蹙起眉头。
 「……この匂い、もしかして煙草?」
 “……这种气味,难道是香烟?”
 「いかにも。誰も客が来そうになかったから、高尚な時間を過ごそうと思ってね」
 “正是。因为我不觉得会有任何客人光顾,就打算这样度过一段高雅的时间。”
 霖之助は自慢げに、煙草を吸って見せた。余り慣れていないのか、少しむせていたが。
 霖之助有些得意,当着面抽了一口烟。不过可能是还未习惯,他有些被呛到。
 「えー、煙草吸ってるのー? ダサーい。今どき煙草吸って格好付けても、学がない様に見えるだけなのにねぇ」
 “什么啊——你抽烟的吗——?太逊了——如今抽着烟装模作样,只会被视作没有文化的人。”
 「な、何だって⁉ と言うことは、君は吸わないのかい」
 “你、你说什么!? 这么说,你不吸的吗。”
 「吸わないわよ。そもそも未成年だもん。今どき若い人で煙草吸っている奴なんて、不良でも殆どいないわよ。煙草を吸っているのは、時代に付いていけないおじさん位よ。このお店、分煙してないでしょ? 古道具が臭くならないように、外で吸ったら? まあ、最近は条例で外でも全面禁煙になってるところが増えてきてるけど。煙草の煙は、受動喫煙の方が害があるんだって。だから嫌われて当然なのよ」
 “我可不吸。再说我还是未成年人。如今还抽烟的年轻人,就算是小混混里也没几个了。现在还抽烟的,也只有跟不上时代的大叔了。这家店,没有隔离的吸烟室吧? 为了不让旧道具带上烟味,你为什么不去外面吸? 不过,最近根据法规的话很多地方就算是室外也全面禁烟了。据说香烟的烟气,对吸二手烟的人危害更大。所以吸烟的人被嫌弃是理所应当的。”
 「そ、そうなのか……」
 “是、是这样吗……”
 霖之助はショックだった。格好良いと思って我慢して吸っていた煙草が、小娘にここまでぼろくそに言われて、全く優雅に感じ無くなってしまった。明らかに落ち込んでいる霖之助に気が付いて、慌てて菫子はフォローを入れた。
 霖之助倍受打击。觉得很帅才强忍着去吸的香烟,被小姑娘说得一无是处,已经完全感觉不到任何优雅了。注意到显然消沉下去的霖之助,堇子连忙加以安慰。
 「ま、さっきのはネットでよく見かける禁煙家の言い分ね。そいつ等は喫煙家ならどんなに叩いても正当化できると思っている奴らだから。私はそこまで嫌ってはないし、一人で吸って健康を損ねても何にも文句はないけどね。あー、でも病気になって、高額な健康保険使われるのも癪かなぁ」
 “不过,刚才那些也只是网上常见的禁烟推动者的说辞。他们可是一群觉得怎么抨击吸烟者都义正言辞的家伙。我还没那么讨厌吸烟啦,一个人单独吸烟只损害自己的健康我也不会说什么。啊——不过要是吸烟吸出病,不得不花费昂贵的健康保险的话我也看不惯。”
 フォローにならないフォローも、落ち込んでいる霖之助の耳には届いてなかった。
 并不构成安慰的安慰,并没有传达到消沉的霖之助耳中。
 気まずい雰囲気にいたたまれなくなり、逃げるように菫子は店を後にした。
 难以忍受尴尬的气氛,堇子逃也似的离开了店铺。
 ――人間の里は、殆ど雪はなかった。
 ——人类村落里,几乎没什么雪。
 菓子は里の街道を歩きながら反省していた。
 堇子走在村庄的街道上反省着。
 「あー、しまったわー。なんであそこまで強く言っちゃったんだろう。私、そんなに煙草を嫌ってたっけ?」
 “啊——真糟糕啊——为什么我要说得那么斩钉截铁呢。我,有那么讨厌香烟吗?”
 花見で浮かれた学生が、その場のノリで酒や煙草に手を出している似非自由人と、姿を重ねてイライラしていたのかも知れない。
 可能是霖之助让她想到了,像是趁着赏花的劲头而喝酒抽烟心浮气躁的学生之类的伪自由人,令她心烦意乱。
 「霖之助さんは、未成年じゃ無さそうだし、そもそも自分の家だし、別に煙草を吸っていようが何だろうが、私が文句を言う筋合いはなかったのになぁ。外の世界の煙草もこっちでは貴重だって言ってたのに、気分を害しただろうなぁ。そうだ、今夜、煙草を持っていってあげようかな」
 “霖之助先生,既不像是未成年人,而那里又是他自己的家,更遑论他有没有吸烟,我也没道理去指责他。他说过就算是外面世界的香烟在这里也是极其珍贵的,我一定让他感到不快了吧。对了,下次,给他带点烟好了。”
 そう言っても、彼女は煙草の買い方を知らなかった。今は、未成年が買うことは出来ない事も。
 就算这么说,她也不知道该如何买香烟。她更不知晓,如今未成年人并无法买到香烟。
 『気にすることはないわー。煙草なんてそこまで貴重では無いわよ』
 “没必要在意啦——香烟也没那么贵重啦。”
 心の底で誰かが囁いていた。
 内心深处有人说道。
 「それもそうね。気を取り直して幻想郷の春を満喫しようっと」
 “说的也是。还是换个心情尽情领略幻想乡的春天吧。”
 その時、大きな声で呼び止められた。
 就在这时,有人大声喝止了她。
 「あーこんなとこにいて! 神社で大人しく待っていて、って言ったのにー」
 “啊——你怎么在这种地方! 我不是说了,让你在神社老老实实等着吗——”
 「あれー、レイムッチの行き先ってここだったんだ」
 “咦——灵梦亲的目的地原来是这里啊。”
 博麗神社の巫女、博麗霊夢だ。菫子の監視役でもある。
 原来是博丽神社的巫女,博丽灵梦。她也是堇子的监视人。
 「大人しくしてくれないと困るんだよねー。貴方があちこち往くと何が起こるか判らないから」
 “你要是不老老实实呆着我就很难办了——谁知道你四处乱走会搞出什么事情来。”
 「だってさ、マリサッチにあちこち行って春を見てきたらどうだ、って言われたんだもん」
 “可是,是魔理沙亲跟我说,何不四处转转看看春天。”
 「あー、魔理沙も神社に来てたのね。あいつ、余計な事を言ってくれるわねぇ。まあしょうがない。じゃあ、買い物に付き合って」
 “啊——魔理沙也来神社了啊。那家伙,还真是多嘴。不过没办法。那,你陪我买点东西吧。”
 「あいあいさー」
 “遵命长官——”
 ――煙草の煙が漂う香霖堂。
 ——香烟的烟气弥漫的香霖堂。
 霖之助は何本目かの煙草を吸いながら小説を読んでいた。作中の探偵さながら、時折、難しい顔をして目をこすっている。煙草の煙が目に染みたのか、それとも別の感情なのかは本人にも判らない。
 霖之助边吸着不知是第几支香烟边阅读着小说。仿佛是作品中的侦探一般,时而,他露出冥思苦想的表情揉着眼睛。他本人也不知道这是由于香烟的烟气熏到了眼睛,还是某种别的感情所致。
 「外の世界の人間はつまらなくなったもんだ。嗜好品が楽しめないなんて」
 “外面世界的人类变得还真是无聊。竟然无法享受嗜好品。”
 貴重で高価だから、一本だけで辞めようと思っていた煙草を、何本も吸っていた。
 原本由于贵重且高价,只打算吸一支作罢的香烟,他如今却吸了好几支。
 「ははは、今日は豪華だな。これだけで大赤字だけど、すこしは心が落ち着くよ」
 “哈哈哈,今天还真是豪华。就这样我已经亏了血本了,但至少我觉得内心平静了一点。”
 「――霖之助さんを傷つけたって?」
 “——你说你伤害了霖之助先生?”
 里で食料を買っていた二人。菫子は霊夢に相談していた。
 两人在村子里选购着食材。堇子在请教灵梦的意见。
 「そう、ちょっと煙草のことで言い過ぎちゃってねぇ。調子に乗って死ねば良いのに、とか言っちゃったかも」
 “对,关于香烟的事情我有点说得太过分了。这么拽你还是死了会比较好,我大概说了这种感觉的话。”
 「あの人、ああ見えて繊細だからねぇ」
 “那个人,别看外表那样子其实内心可是很细腻的。”
 「それで、謝らないで出てきちゃったもんだから、何かお詫びしたいと」
 “然后,我没道歉就跑出来了,所以想找个办法赔个礼。”
 「繊細だけど、放っておけば良いと思うけど」
 “虽然内心细腻,但我觉得你只要不管他就好了。”
 「いやでも、私がスッキリしないから。ねえお願い、何か力を貸して。幻想郷で頼りになるのはやっぱり貴方だけだからー」
 “不,那样我心里也过意不去。求求你了,帮我个忙吧。在幻想乡里我能依靠的只有你了——”
 「……あんたもそうとう自分勝手ねぇ。まあ良いよ、何か考えるわ」
 “……你还真是任性。不过也好,我想想办法。”
 「やったあ、やっぱり頼りになるー!」
 “太好了,果然很靠得住啊——!”
 調子の良い菫子だが、頼られて満更でもない霊夢だった。
 尽管堇子有些油嘴滑舌,但灵梦的内心也并不讨厌她的依赖。
 「じゃあ、ちょっと奮発して多めに食材を買おうかしら」
 “那就,稍微破费一点多买点食材吧。”
 「何をするの?」
 “你要做什么?”
 「花見の予行演習として香霖堂で宴会するのはどうかなって。霖之助さんは出不精だから、神社まで花見に出て来る事は余り無いけど、宴会を嫌う人なんて居ないから」
 “作为赏花的提前演练而在香霖堂举办宴会的话不知道怎么样。霖之助先生不爱出门,基本上不会到神社来赏花,但我不觉得会有讨厌宴会的人。”
 「え、あ、うん」
 “呃,啊,嗯。”
 菫子は思う。幻想郷の人間は、お酒や煙草が好きな時代遅れな人間ばかりなのかも知れない。宴会よりも一人でネットと向かい合う時間、他人と体験談を共有することよりも蓄積されたデータに喜びを持つ現代の若者とは、精神構造が異なるのだろう。
 堇子如是想。幻想乡的人类,可能都是些喜欢烟酒的落后于时代的人。与比起齐聚宴会更喜爱孑然面对网络的时间;比起和他人分享自己的经历更喜爱积累起数据的现代年轻人,或许有着不同的精神构造。
 「霖之助さんに謝りたいのなら、あんたが外の世界風の宴会を演出すれば、きっと喜ぶと思うわよ」
 “既然想向霖之助先生赔礼道歉,你只要安排一个外面世界风格的宴会,他一定会高兴的。”
 「外の世界風の宴会、ねぇ……。と言っても私、未成年なんだけど」
 “外面世界风格的宴会、吗……就算这么说,我也还未成年啊。”
 「未成年? 子供って事?」
 “未成年? 意思是你是小孩?”
 「まあ、一応そういう定義で。だから、お酒とか煙草とか宴会とか良く判らなくて」
 “唉,差不多是这种定义。所以,我不太懂烟酒宴会之类的事情。”
 「ふーん、じゃあいいや。私が知り合いに聞いて外の世界風の宴会を調べておいてあげる。それをあんたは、自分でやったって言えば良いから」
 “是吗,那算了。我去找认识的人问问外面世界风格的宴会是什么样子的。然后嘛,你只要说是你安排的就好了。”
 「いいの? 助かるわー、やっぱり持つべき物は友ね!」
 “可以吗? 真是帮了大忙了——果然朋友是最宝贵的财富!”
 「任せておいて! ……って私、何でこんなに乗り気なのかしら」
 “包在我身上! ……等下,我为什么这么来劲的。”
 霊夢は首を傾げた。しかし、いくら考えても菫子にここまで協力する気になった理由が思いつかなかった。
 灵梦有些疑惑。然而,不管怎么思考她也想不出会如此帮助堇子的理由。
 ――数日後。
 ——几天后。
 まだ雪が残る香霖堂の庭で、宴会が始まった。と言っても、参加者は菫子と霊夢、魔理沙に霖之助の四人だけだが。
 在积雪尚未完全融化的香霖堂的庭院里,宴会开始了。然而即便被称作是宴会,参加者也只有堇子、灵梦、魔理沙和霖之助四人。
 「これはまた……、豪華な宴会だな。これが外の世界風の花見なのか」
 “这还真是……豪华的宴会。这就是外面世界风格的赏花会吗?”
 「えー、っと。これはバーベキューと言って、アメリカのパーティーなんかで良く見る奴です」
 “呃——这个叫做庭院烤肉1,在美国的聚会上很常见。”
 巨大な串に何かの獣の肉と野菜が交互に刺さっている。
 在巨大的木棍上交替穿插着某种野兽的肉与蔬菜。
 「この間は済みませんでした。これは、強く言いすぎたお詫びです」
 “前一段时间真是抱歉。这个,是我对我之前言重了的赔礼。”
 「ああ、気にしなくて良かったのに。外の世界で煙草がどう扱われているのか知れて良かったよ。それにしてもこの肉、凄いねぇ」
 “啊,你不用在意的。我很高兴我能知道外面世界的人们对香烟是怎么看的。不过这个肉,还真是厉害啊。”
 「奮発して高い肉を買ってきました! お小遣いで生活している女子高生にはこれが限界です。お酒や煙草は買えませんし……」
 “我破费了一下,买来了很贵的肉! 对于只凭零花钱生活的女高中生来说这就是极限了。我也没办法买烟酒……”
 「お酒は私が用意したわ。今年の春が来た記念に、奮発して最高級の大吟醸!」
 “酒我已经准备了。为了纪念今年春天来临,就奢侈一下拿来了最高级的大吟酿!”
 霊夢は、呑む前から何故かテンションが高かった。
 不知为什么,灵梦在开始喝酒之前就兴致高涨。
 「おお、今日は異常に贅沢だな。私も何か買ってくれば良かったか……」
 “哦哦,今天还真是异常地奢侈。早知道我也买点什么东西了……”
 魔理沙もお金を使いたくてうずうずしている。
 魔理沙也按捺不住地想花钱。
 「いいだろう、今日は奮発してお店にある秘蔵のお酒も持って来よう!」
 “好,那我也奢侈一下把店里的秘藏酒拿出来吧!”
 つられて霖之助も今日は奮発するのだ、と言ったその時だった。
 顺着势头霖之助也说出要破费的话,就在此时。
 『やったあー!』
 “太棒了!”
 菫子の心の中で誰かが歓喜の声を上げている。
 在堇子的心中有人在欢呼雀跃。
 『ついでに、煙草も欲しいなー』
 “顺便,还想要香烟——”
 菫子は心の声に違和感を覚えた。何で私、煙草なんて欲しがっているのかと。
 堇子终于对自己内心的声音产生了疑惑。她想,为何自己会想要香烟。
 『お前のお陰で、今日も贅沢出来たわー。ありがとうねー、外来人さん』
 “因为你,今天我也能度过奢侈的一天——谢谢你啊——外来人小姐。”
 「⁉ 誰? 私に語りかけてきているのは⁉」
 “!? 是谁? 谁在对我说话!?”
 菫子は叫んだが、辺りには誰も居ない。
 堇子喊道,但身边却看不到任何人。
 その様子を見て、霊夢も魔理沙も霖之助も、キョトンとしている。
 看到她的这副样子,灵梦、魔理沙与霖之助有些诧异。
 『ほらほら、騒いでなんていると大枚はたいて準備した宴会が台無しになっちゃうわよ。もう使っちゃった物はしょうがないじゃない。みんなで楽しもうよ』
 “喂喂,你这么一惊一乍会让花大价钱准备的宴会白费的。花出去的钱就像是泼出去的水。不如大家一起开开心心的。”
 菫子は気味悪くなって、見えない相手を探したが、何処に居るのか判らなかった。
 堇子有些不寒而栗,尝试找到肉眼看不见的对方,却不知对方身在何处。
 『私の名前は、 (より) (がみ) (じょ) (おん) 。みんなにお金を使わせる疫病神よ。いま、お前に完全憑依しているの』
 “我的名字是,依神女苑。是促使大家花钱的疫病神。现在,我对你完全凭依了。”
 「完全、憑依?」
 “完全、凭依?”
 『そう。簡単に言うと取り憑いているって事よ。私の周りにいる人はみな、お金を使うことを幸せに思うんだ。お前がお小遣いを使い切って高級な肉を買ったのも、巫女がいつも買わない高級なお酒を買ったのも、香霖堂が秘蔵の品を放出したくなったのも……全て私の能力だから』
 “没错。简单来说就是我附在你身上了。在我周围的人,都会觉得花钱是件幸福的事情。你花光零花钱买来高级的肉,巫女买来平时不会买的高级的酒,香霖堂想处理掉秘藏的珍品……全都是因为我的能力所致。”
 「そ、そんな……。疫病神だなんて……」
 “怎、怎么会……居然是疫病神……”
 妄想と会話しているのか、本当に取り憑かれているのか判らなかった。霖之助達は贅を極めた宴会を楽しみ、菫子の様子など気にも留めてなかった。
 她不知道自己是在与自己的妄想对话,还是真的被附身了。霖之助等人沉浸在极为奢华的宴会中,完全没注意到堇子的状态。
 『あっはっは、でも、安心して。お前は学生の身だから、これ以上巻き上げる財を持っていないみたいだし、ここの宴会を楽しんだら出て行くよ。おっと、くれぐれもそこの巫女には言うなよ? 誰も幸せにならないからな……』
 “啊~哈~哈,不过,你放心。你身为学生,好像也没什么可以压榨的财富了,享受完这次宴会我就离开你的身体。哎哟,你可千万别跟那边那个巫女说这件事哦? 没有人会因此幸福的……”
 「――大丈夫か? 良かった気が付いて、急に倒れたもんだから驚いたよ」
 “——你没事吧? 太好了你醒了,你突然就这么倒下可真是吓死我了。”
 「あれ? 私、寝ていたの?」
 “咦? 我睡着了?”
 菫子が目を覚ましたとき、気が付いたら夜になっていた。
 堇子醒来的时候,不知不觉间已经到了夜晚。
 「ごめんねー。飲み物間違えてお酒渡しちゃったみたいで……。そんなにお酒に弱いと思って無かったけど」
 “对不起——我好像搞错了饮料,不小心把酒递给你了……我也没想到你这么不能喝啊。”
 そう言って霊夢が持ってきた水を飲んだ。
 堇子喝下了从如此发言的灵梦的手中接过的水。
 「私が、お酒を飲んだ……?」
 “我、喝了酒……?”
 どうも記憶が曖昧である。そもそも、幻想郷は私の夢の中である。その幻想郷で寝るというのは、どういうことなのか……。
 记忆有些暧昧不清。原本,幻想乡也是我的梦境。在这个幻想乡中睡着,又是怎么回事……
 「まあ、大丈夫よ。ちょっと記憶が曖昧だけど……。あれ? もう肉がない!」
 “啊,没事了。就是记忆有些朦胧……咦? 肉怎么没了!”
 菫子が倒れていた間に、肉が無くなっていた。
 在堇子昏倒的期间,肉已经不见了。
 「楽しみにしていたのに!」
 “我还很期待来着!”
 元気そうな様子に、霖之助達もほっとした。
 看到她精神的样子,霖之助等人也放下了心。
 「大丈夫だよ、君の分は焦げないように取っておいたんだよ。何せ、君が買ってきてくれた最高級のお肉だからね」
 “没事,你的那一份为了不烤焦已经拿下来了。毕竟,这可是你买来的最高级的肉啊。”
 最高級……そうだった。どうして私は分不相応の最高級のお肉なんて買ってしまったのだろうか、その答えを知りたくて、変な夢を見たのかも知れない。この時はそう思った。
 最高级……没错。为什么我会买来与自己的身份不相称的最高级的肉,可能我是为了寻求这个答案,才做了奇怪的梦。这个时候我还这样想着。
 この出来事から暫くしての事だった。
 从这件事之后过了一段时间。
 後に『完全憑依異変』と呼ばれる、不可解な異変が幻想郷中を騒がせたのは。
 名为『完全凭依异变』的,不可思议的异变惊动了整个幻想乡。
 今思えば、この時既に異変は始まっていたのだ。異変解決に関しては私は部外者だったのだが、小遣いを全て使わされたのだけは口惜しい。しかし、学生の身分だから小遣いだけで助かったとも言えた。課金制限があるとは、案外疫病神も良心的なんだなと思った。
 现在想来,异变在这个时候就已经开始了。我并未参与异变的解决,但我依然为花光全部零花钱感到惋惜。但从另一个角度来说,也正由于我学生的身份我的损失才得以仅限于零花钱。竟然还有课金限制,依我看想不到疫病神也还是有良心的。
次号へ続く
下回待续

注释

  1. BBQ
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