伊奘诺物质/附带故事

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包含角色信息
作品序号ZCDS-0014
封面角色玛艾露贝莉·赫恩宇佐见莲子

外面

后面
后面
侧封
侧封
前面
前面(Booklet封面)

地底のビジョンは地獄の物なのか
――感度の上がったメリーのアンテナが、日本の真実を想像する。

在地底所见的幻景真的是地狱吗
——梅莉用灵敏度提高后的天线,来想象真实的日本。

上海アリス幻樂団が奏でる、未来的で郷愁な音樂集第七弾

由上海爱丽丝幻乐团奏响,未来与乡愁的音乐集第七弹

Booklet

2-3页
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4-5页
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6-7页
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8-9页
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10-11页
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12-13页
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14-15页
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Booklet封底
Booklet封底

内面与碟面

后面
后面
碟面
碟面

故事文本

故事内容

1.緑のサナトリウム

1.绿意盎然的疗养院

Sanatorium in Mountain
Sanatorium in Mountain
「退屈しなかった?」
「退屈しない訳が無いわ。こんな電波すら入らない山奥に隔離だなんて」
「隔離って……、療養よ、療養。一応」
「不无聊吗?」
「怎么可能不无聊。我可是被隔离在了这连信号都没有的大山沟里了耶。」
「什么隔离啊……只是疗养啦,疗养。」

 行き過ぎた環境保護主義は都会を見かけだけの森林に飾り立てた。天然の植物の無い、まさに絵に描いたジャングルだ。
 人間は自然を創造し、全てを管理したつもりでいた。管理外の物の存在を否定するようになるのも時間の問題だった。病気も大抵治療法が確立していた。絶対に治せない先天性の物等は病気では無く個性として認められ、社会が適合できるように変化していった。
 治せない病気は、事実上“存在しない”のだ。

 过度的环境保护主义将大都市装饰成了虚有其表的森林。没有天然的植物,乃是名副其实的画中丛林。
 人类的存在方式,便是试图创造自然,将一切纳入自己的管理之下。一旦有事物超出管理范围,则否定其存在也只是时间问题。疾病也大致都确立了疗法。完全无法治疗的先天性症候,则已经不视作疾病,而是作为个性来对待,已经变得能和社会相容了。
 无法治疗的疾病,实际上已经“不存在”了。

 マエリベリー・ハーン(メリー)は鳥船遺跡で怪我を負ってから、原因不明の病に冒されていた。どうやら地球上には存在しないウイルス性に依る譫妄だと診断された。
 管理外の物を恐れる社会の性質により、メリーは信州のサナトリウムで療養という名の隔離治療をさせられていた。この度、完全に治癒したとの連絡があって、宇佐見蓮子が迎えに来ていたのだ。

 玛艾露贝莉·赫恩(梅莉)自从在鸟船遗迹受伤,便患上了不明病因的疾病。似乎是被诊断为因地球上不存在的病毒而导致的谵妄。
 因为社会恐惧超出管理的存在,梅莉被迫在信州的疗养院接受名为疗养实为隔离的治疗。这回宇佐见莲子接到了她完全治愈的消息,于是来接她出院。

「誰とも会わせて貰えないし、そもそも日本に身寄りがいないし」
「まあまあ、ところでどんな病気だったの?」
「何か、熱に浮かされて寝ながら歩いたり別世界の幻覚を見たりしたわ」
「ん? それってメリーにとってはいつもの事じゃあ……」
「还禁止我和任何人见面,明明我在日本一个亲戚都没有。」
「都过去了就别在意啦。话说,是什么病啊?」
「似乎是发烧导致神志不清,还有梦游症和幻觉。」
「唔?这对梅莉你来说不是正常现象么……」

2.牛に引かれて善光寺参り

2.被牛引到善光寺

Goslings lead the geese to water.
Goslings lead the geese to water.
「ほら、本堂の柱が土台から随分とずれているでしょ?」
「これが地震柱?」
「你看,正殿的柱子和柱基错开了不少吧。」
「这就是地震柱?」

 退院ついでに信州観光を行う事にした二人は、まず日本最古の仏像を祀るという善光寺に立ち寄った。
 観光客がごった返す仲見世通りには目新しさは無い。お土産屋は伝統に縛られたまま、百年以上は時が止まっているようだ。

 出院后顺路在信州观光的两人,最先到访的,是传说供奉着日本年代最久远的佛像的善光寺。
 挤满了观光客的商店街了无新意。特产店就这样被传统所束缚,看上去似乎是时光在这里停滞了百年以上。

「これが善光寺地震の爪痕と言う事になっているわ」
「这里据传是善光寺地震的痕迹哦。」

 ――善光寺地震。弘化四年、信州北部を襲った地震である。
 善光寺は七年に一度だけ秘仏を公開する事で有名で、その時は全国から人が集まり非常に混雑する。善光寺地震は、その御開帳の真っ最中に起きたため、死者数千人とも言われる甚大な被害をもたらした。

 ——善光寺地震。弘化四年,袭击了信州北部的地震。
 善光寺因七年一度的秘佛公开而闻名遐迩,当时的人们从日本各地慕名而来,相当拥挤。善光寺地震因为恰巧在开龛的时候发生,导致了据说死者上千的大惨剧。

「地震で柱だけがずれたって言うの? そんな事あるのかしら」
「本当はね、これは柱が時間が経って乾燥して捻れた物だって判ったの。
 でも、それより地震柱と呼んだ方が地震の恐ろしさを後生に伝えられるって
 みんな判断して、正式名称になったのよ」
「难道说是因为地震导致柱子脱离了柱基?这种事真的会发生么?」
「其实啊,现在知道这是木柱长年累月因为干燥而产生的扭曲。
 但是,比起真相,大家都觉得把它叫做地震柱能更好的向后世传达地震的恐怖,
 所以就这么成为了正式名称。」

 メリーには見えていた。柱が歪むような恐ろしい地震の光景が。

 梅莉能看见。看见那甚至能将柱子扭曲的可怕地震的光景。

3.ハートフェルトファンシー

3.Heartfelt Fancy

Heartfelt Fancy
Heartfelt Fancy
「どうしたの? 何か顔色が良くないみたいだけど、
 まだ病み上がりで調子が悪いの?」
 「あ、ああ、そんな事ないわ。むしろ絶好調みたいで……」
「?」
「你怎么了?看脸色这么难看,
 是病刚好还没缓过来么?」
「啊,不不,没这回事儿。反而应该算是最佳状态吧……」
「?」

 メリーは最近、結界の切れ目だけで無く、異世界の風景を見ているようだ。
さらに夢の中だけで無く、実際に移動したりする事があるようで気になっている。

 梅莉最近不仅能见到结界的断口,似乎甚至能见到异世界的风景。
更有甚者,她不仅能在梦中旁观,还偶尔能实际踏入那个世界——这一点令人在意。

 先日の鳥船遺跡の時もそうだ。蓮子にとってはただの夢かも知れないが、彼女にとっては現実と変わらない。だから、彼女だけが怪我をしたのだ。
 サナトリウムに行った理由も、精神異常と判断された、と言うのが正しいのだろう。無論そんな事はないが、社会は不思議な者を受け入れないのだ。
 だから、彼女の能力はオカルトな物として秘密にしなければならない。

 之前鸟船遗迹那时也是这样。对莲子来说那次探险或许仅仅是一场梦,但是对梅莉她来说,那和现实并无二致。也正是因此,只有她受了伤。
 赴疗养院的原因,也是因为医生判断她精神失常——这么想应该没有错吧。当然事实上她正常的很,只是这个社会不能容纳奇人异事罢了。
 所以,她的能力必须作为一种神秘,秘而不宣。

「私は、メリーが不思議な力を持っているのは判っているわ。
 でも、その力っていつも神社仏閣が関係しているのよね」
「そうだっけ?」
「ええ、だからここに来てみたんだけど、まだ体調が優れないのかしら?」
「だから、平気だって。
 ただ、少し調子が良すぎてねぇ、なんか余計な物まで見えて」
「余計な物?」
「地獄とかね」
「我很清楚,梅莉你掌握着神奇的能力。
 但是你这个能力总是要和神社佛阁扯上点关系呢。」
「是这么回事么?」
「是啊,所以才想着来这里看看,不过你身体状况还不太好吧。」
「都跟你说了我好得很。
 只是状态有点儿好过头,看见了些多余的东西。」
「多余的东西?」
「比如地狱——」

4.六十年目の東方裁判

4.第六十年的东方审判

Fate of Sixty Years
Fate of Sixty Years
「うわー、これはちょっと」
「随分とファニーな顔をしているわね」
「喂,这可不好笑啊。」
「你的表情变得好滑稽哦。」

 二人は善光寺の閻魔像の前にいた。閻魔像は顔を真っ赤にして怒りを表している様だが、二人にはただの酔っ払いのオヤジにしか見えていない。

 两人站在善光寺的阎罗像前。阎罗像的脸给刷成了红色,看上去像是要表现出愤怒的样子,但是在她们看来,那只是个醉汉罢了。

「ねえ、メリー。さっきの話だけど、地獄って本当にあるの?」
「うーんと地獄はね、
 地下4万由旬に存在すると言われているの」
「对了,梅莉。就刚才那个话题啊,地狱真的存在吗?」
「唔,话说地狱啊,
 据说在地下4万由旬处哦。」
「由旬って長さの単位?」
「そう、古代インドの長さの単位で1由旬はおよそ7キロ。
 つまり、4万由旬はおよそ28万キロくらいね。
 地球の直径が1万2千キロちょっとだから、地球も通り過ぎちゃうわ」
「由旬?长度单位么?」
「没错,古印度的长度单位,一由旬大概是7千米。
 也就是说,4万由旬相当于28万千米哟。
 地球的直径只有一万两千多,所以连地球都越过了哦。」
「28万キロじゃ、地球を通り越して月の方が近いくらいね。
 つまりは存在しないのかな」
「んー、そうとも言えないんだけど」
「28万千米啊,那就是穿过地球另一端,反而离月亮还近一点呢。
 换句话说,这东西不存在咯。」
「唔,话可不能这么说。」

 地下4万由旬に存在するのは地獄の底である。
 実際には地獄はそこから3万9千由旬の高さがある。つまり地獄の天井はずっと近く、地上からそこまでの距離は1千由旬しかない。キロに換算すると地下7千キロ。これは地球の中心近くに地獄がある事を意味している。

 存在于地下4万由旬的,是地狱的最底层。
 实际上地狱从那儿往上算有3万9千由旬高。也就是说,地狱的天花板要近得多,离地面只有1千由旬。换算成公制则是地下7千千米。这意味着地心附近存在着地狱。

 メリーには地球内部の事まではよく判らない。もし自分が地獄が存在すると信じたら、いつか必ず行く事になるのでは無いか、そんな不安が頭をよぎる。
彼女は今、そう感じさせる物を持っているのだ。
不安を誤魔化すべく話を続ける。

 梅莉并不清楚地球内部的构造。如果自己相信地狱的存在,那么总有一天岂不是必定会去那儿吗——她的脑中浮现出一丝不安。
因为她现在,拥有一件让她不得不这么想的事物。
为了掩饰不安,她将话题继续了下去。

「それでも極楽よりはずっと近いのよ?」
「え? 極楽は雲の上にあるんじゃなくて?」
「不过,这可比极乐世界要近得多了哟?」
「咦?极乐世界不是在云上么?」
「極楽にすむ阿弥陀如来の身長は6×10125由旬もあるのよ?
 雲の上どころか――」
「――えーと、阿弥陀如来の身長だけでビッグバン宇宙より遥かに大きいわね。
 何そのインフレ」
「在极乐世界居住的阿弥陀如来的身高,都有6×10125由旬那么高哦?
 岂止是云层之上——」
「呃我想想——这阿弥陀如来的身高,都比这大爆炸产生的宇宙要大得多得多了啊。
 这数字乱吹的吧。」

5.アガルタの風

5.阿加尔塔之风

Agartha Wind
Agartha Wind
「地獄に比べて極楽は遥かに大きくて遠いのね」
「同時に、地獄は極楽に比べるともの凄く身近で、現実的という事なのよ」
「和地狱相比,极乐世界要大得多,也遥远得多呢。」
「而与此同时,和极乐世界相比,地狱非常非常的近,相当现实的感觉。」

 遥か昔から、人間がいる限り地上にも地獄は存在した。その地獄よりも遥かに大きい極楽を想像して恐怖を和らげていたのかも知れない。
 しかし、地底にある本物の地獄は未だに沈黙を続けている。

 在遥远的过去,就是地面上也存在着人间地狱。人们或许是通过想象着一个比地狱要巨大的多的极乐世界,来缓解恐惧吧。
 但是地底存在着的真正的地狱,依然保持沉默。

 蓮子には黙っていたが、メリーはサナトリウムで療養中。地底奥深くの不思議な世界を体験していた。
 恐ろしい死の匂いが充満した洞窟の入り口。何処か古事記に出てくる黄泉比良坂を彷彿させた。彼女はそこで手に入れた不思議な石片を現在も持っている。何故かこの石片を持っていると、いくつかの風景が頭に浮かんでは消えるのだ。
 メリーは予感した。地底には何か秘密がある。それもこの国の創世に関わる、何かとてつもない秘密だ。

 梅莉没有告诉莲子,她在疗养院疗养期间,曾经体验过那不可思议的深邃的地底世界。
 充满了死亡气息的,恐怖的洞窟入口。那景象能让人联想起古事记里描述的黄泉比良坂。她在那里得到了一片奇异的石片,并且保管至今。不知为何,自从得到这个石片,种种风景便在脑中时隐时现。
 梅莉预感到,地底有什么秘密。那或许甚至是和这个国度的天地创世相关的巨大秘密。

「メリー、どうしたの?
 また考え込んじゃって」
「ねえ蓮子。私がサナトリウムにいたとき、何か起きてなかった?」
「梅莉,你怎么了?
 又在冥想什么呢。」
「我说,莲子,在我住院期间,发生了什么事么?」

6.イザナギオブジェクト

6.伊奘诺物质

Izanagi Object
Izanagi Object
「え? 何か、ねぇ」
「特に、地底に関わる事で」
「う、うーん。そういえば、完全に情報は遮断されてたのね。
 OK,OK。一ヶ月くらいのニュースなら大抵覚えているわ。
 地底に関わる事なら……、そうねえ眉唾物のニュースで良ければ」
「お願い」
「日本海のメタンハイドレートの採掘場から、何やら不可思議な成分の鉱物が出たって……。
 2500万年前に完全に消えたイザナギプレートの名残だって、一時大騒ぎになったんだけど、どうもその情報が眉唾物でね。見つかった石片が、どう見ても人の手が加わった形をしていたのよ。
 それで学者もみんな冷めちゃってさ」
「诶?什么什么事?」
「最好是和地底相关的事。」
「唔,呃。也对,你曾经处于完全与世隔绝的状态啊。
 OK、OK。一个月以内的新闻大概还是记得住的。
 至于和地底有关的……如果是不知真伪的小道消息,倒是有的。」
「请讲。」
「说是从日本海的可燃冰矿场,挖出了含有不可解成分的矿物……
 因为可能是伊邪那岐板块的残余,所以掀起了轩然大波;但是那个消息似乎蛮不靠谱的。因为发掘出的石片,怎么看都是经人手加工过的形状啊。
 搞得那些学者现在都兴致阑珊咯。」

 イザナギプレートとは、太平洋側からユーラシアプレートにぶつかり日本列島を生んだ太古のプレートである。2500万年前に大陸の下に潜り込んで、完全に消えた。その名前は日本列島を生んだ神にちなんだ物である。

 伊邪那岐板块[1],乃是从太平洋一侧撞击欧亚板块,从而诞生了日本列岛的太古板块。它于2500万年前潜入大陆之下,完全消失了。板块的名字便是来源于神话中创造了日本列岛的神的名字。

「遥か地底から人工物? それって本当?」
「いやー、どうだかねぇ。過去にはこれは70万年前の石器だ、って捏造した学者もいたみたいだけど、2500万年以前、じゃあねぇ」
「つまり逆説的に、捏造では無いと」
「从那么深的地底下挖出人工物?真的么?」
「这个嘛,谁知道呢。以前倒是有学者假造过70万年前的石器,但是2500万年也太假了,骗不了人的啊。」
「那么反过来说,这不可能是捏造咯。」

 メリーが何か確信を持ったような表情を見せた。

 梅莉露出了一副胸有成竹的表情。

7.妖怪裏参道

7.后院的妖怪参拜道

Enigma Street
Enigma Street
「良いニュースだわ。
 その人工物は、本物よ!」
「へ?
 今日のメリー、何か変よ? 急に不安がったり、急に自信持ったり」
「実はね、私、そのイザナギプレートの名残だという石を持っているのよ」
「へ?
 な、何言ってるの? やっぱりおかしくなっちゃった?」
「这新闻很棒。
 那人工物,绝对是真货!」
「啥?
 今天梅莉你有点儿不对劲耶?一会儿担惊受怕,一会儿又自信满满的。」
「其实呀,我手里就有那个据说是伊邪那岐板块的残余的石片哦。」
「啥?
 你,你在胡说八道什么?果然是脑子坏掉了么?」

 蓮子は何やら興奮しているメリーを観察した。
 何か、伊弉諾が実在……等、ぶつぶつと呟いてる。何かちょっと遠くに行ってしまったようで寂しく思った。

 莲子观察着莫名兴奋的梅莉。
 她似乎在自言自语。“伊奘诺命是真实存在的呀——”什么的。她的心似乎飘到了远方——莲子感到有些寂寞。

 そう言えば最近、メリーの能力が高まっている様に感じていた。最初の頃はただ不思議な世界が見られると言う事で遊んでいただけなのに、今ではその世界から物を持ってくる事も自在という。

 说来,最近梅莉的能力似乎越来越强。一开始只是因为能看见奇妙的异世界所以在一起游玩,但是如今她居然能随心所欲地从那些世界携来物事。

 不思議な世界では妖怪のような者に出くわす事もある。蓮子にとってはそれはただの幻像であるが、メリーには現実なのだ。

 奇妙的世界里常常有妖怪之类的东西出没。那些东西对莲子来说只是幻像,但是对梅莉来说却是现实。

 蓮子には、メリーがその妖怪と同じレベルにいると思えてならなかった。

 莲子不禁要想,梅莉和那些妖怪是存在于同一个位面的。

8.アンノウンX

8.未知物X

Unfound Adventure
Unfound Adventure
「ねえねえ、メリーが持っているっていう石って……」
「はいこれ」
「给我看看嘛,梅莉你说的那个石头……」
「给。」

 メリーは小さな石を差し出した。その形は、釣り針とも鍵とも言いがたい形容しがたい形をしていた。明らかに人工物である。

 梅莉掏出一块小石头。那形状有点像钓钩和钥匙之类,却又并不很像,难以名状。但很明显,是人工物。

「これがイザナギプレートから見つかった人工物、伊弉諾物質 (イザナギオブジェクト) よ」
「んー、なんでそう言い切れるの?」
「这就是从伊邪那岐板块那里发现的人工物,伊奘诺物质 (Izanagi Object)
「呃……你为什么能断言呢?」
「私には見えるもん。
 2500万年前に伊弉諾が創った日本の姿が」
「今日のメリーは、いつもにも増して電波ね」
「何とでも言って、今は新しい映像が次々と入ってきて絶好調なんだから」
「因为我能看见啊。
 2500万年前伊奘诺命创造日本的情景。」
「今天的梅莉要比往常电波好几倍呢。」
「随你怎么说好啦,现在新鲜的影像接二连三地浮现出来,状态超级好的说。」

 サナトリウムから戻ってきて、メリーは一段と感覚が鋭くなった様に見える。
 蓮子は羨ましく思うと同時に、何とかして自分もその映像を見なければと思った。

 自从疗养院回来,梅莉的感官看上去变得敏锐多了。
 莲子在羡慕的同时,也想设法看看是什么样的影像。

「ねえ、私にも見せてよー。その映像」
「梅莉呀,也让我看看嘛。那些影像。」

9.日本中の不思議を集めて

9.收集日本各地的不可思议

Mysterious Island
Mysterious Island

 人はいつから不思議を受け入れなくなったのだろう。

 人是从何时开始不再接受神秘呢。

 暗闇に火の玉が浮かんでいれば、昔は死者の無念の魂とか、狐が人を騙す時の火だとか言ったものだった。

 若在黑暗中浮现火苗,放在从前,人们必会认为是死者留恋现世的魂魄,或者狐精诓骗人类时的鬼火吧。

 そこには深い想像力があった。

 那意味着深厚的想象力。

 科学が進んでも、想像力が重要なのは変わらなかった。科学の大半は想像力で出来ているからだ。火の玉は燐の自然発火だとか、プラズマだとか、脳の仕組みで起こる錯覚だとか想像した。

 即使科学昌明,想象力的重要性也不会有变。因为科学的大部分是由想象力而生。火苗其实是磷光,抑或是等离子体,又或者是脑的某种机制引发的错觉,这些其实也是想象。

 しかし、情報化社会が進むと想像力は死滅した。
 情報が誰にでも平等に与えられる物になった時代に想像の余地は無かったのだ。
 火の玉の正体は与えられた情報の海の中に必ず答えがある。無ければ、何かの間違いで片付ければ良い、と。

 但是,随着信息社会的发展,想象力灭绝了。
 当人们都能平等地获得信息时,想象的余地便不存在了。
 火苗的真面目,必定存在于所知信息的汪洋大海中。若是没有,只要认定为是一个错误,然后将之抹煞就好。

 人は答えのある不思議を娯楽として楽しみ、答えの無い不思議を否定した。
 それが、この国から神様が消えた理由である。
 今はもう、日本中が神様の墓場なのだ。

 人类将知根知底的神秘作为娱乐来消遣,而否定没有答案的神秘。
 这就是这个国度的神明消失的理由。
 如今,全日本都是神明的墓园。

「メリー! この場所、見た事があるよ!」
「梅莉!这地方,我见过的!」

10.素敵な墓場で暮しましょ

10.在美妙的墓地里住下吧

Neo-traditionalism of Japan
Neo-traditionalism of Japan
「この逆さに刺さった鉾は、高千穂の天逆鉾 (あめのさかほこ) ね。
 伊弉諾命と伊弉冉命 (イザナミノミコト) が大地をかき回したという鉾よ」
「这支倒插在大地之上的矛就是高千穗的天逆鉾。
 传说中伊奘诺命和伊奘冉命搅拌大地的那支矛啊。」[2]

 メリーは蓮子の目に手を当てていた。こうする事で、不安定だがメリーのビジョンを共有する事が出来るのだ。

 梅莉将手搭在莲子的眼睛上。这么一来,虽然有些不稳定,但是莲子也可以共享梅莉的视界了。

「え? この世界に実在するの?」
「高千穂峰の山頂に刺さっているのよ。もの凄く不思議なのに、誰もまともに研究しようとしないの」
「诶?这个世界是真实存在的么?」
「高千穗峰的山顶上不是插着么。明明是那么神奇的东西,居然没有人愿意去认认真真地研究它。」

 メリーからもう不安は消えていた。自分が見た地底の光景は地獄なんかじゃ無い。
 これは現実にある、神々の世界の映像なんだ、と。

 梅莉已经不再感到不安。自己所看见的地底的光景根本不是地狱。
 她明白,这是真实存在的,诸神的世界的影像。

「じゃあ、きっとその天逆鉾も本物ね。
 この伊弉諾物質と同じ石で出来て居ると思うわ。確かめなくっちゃ」
「良いわね。今度、メリーの快気祝いに行こう。
 天逆鉾が本物だとすると……、もしかしたらここの近くにも伊弉諾物質があるかも知れないわ!」
「那么,高千穗峰上的那支天逆鉾也是真货咯。
 我觉得它肯定是用和这个伊奘诺物质一样的石材做出来的。这可非调查一番不可。」
「行啊。下回就去高千穗峰吧,就当是祝贺梅莉大病初愈。
 如果天逆鉾是真货……搞不好这里附近也有伊奘诺物质耶!」

 二人の想像力はとどまるところを知らない。

 她们的想象力没有止境。

「休憩したら次は戸隠に行ってみようよ。
 あそこには天手力男命 (タヂカラオノミコト) がぶん投げたという天の岩戸があるんだって」
「休整一下,然后去趟户隐吧[3]
 那里不是有天手力男命掷出的天岩户嘛」
「天の岩戸といえば高千穂の……」
「说到天岩户,不就是高千穗的……」[4]
「そう、きっと天の岩戸も伊弉諾物質だわ!
 そうと決まれば行こう、戸隠へ」
「对头,天岩户肯定也是伊奘诺物质!
 那就决定啦,去户隐。」
「ワクワクするね。
 きっと誰も気にかけないだけで日本中に伊弉諾物質が眠ってるんだわ。
 それに気が付いた者だけが、神の時代の風景が見られるの。
 素敵だわ、私達で見つけ出しましょう!」
「好期待噢。
 全日本肯定到处都有伊奘诺物质在沉眠,只是谁都没有注意到罢了。
 只有察觉到的人,才能见到神代的风景。
 太美妙了,就由咱们来发现吧!」

 神様の墓場が史実として動き始めていた。
 それは秘封倶楽部、不思議を受け入れた者だけが見える、別の日本の姿だった。

 诸神的墓园,作为史实,开始变动。
 这是只有秘封俱乐部——接受神秘的人才能窥见的,另一个日本的姿态。

注释

  1. 又称伊奘诺板块。是从太平洋一侧撞击欧亚板块,从而诞生了日本列岛的太古板块。它于2500万年前潜入大陆之下,完全消失了。
  2. 高千穗峰是位于宫崎县与鹿儿岛县的火山,是传说中天照大神之孙琼琼杵尊统治苇原中国的降临之地。山顶上有天孙降临之时所立、青铜制的矛“天逆鉾”,传说伊奘诺命和伊奘冉命用它搅拌混沌大地,拔出长矛时落下的泥土形成了日本列岛。
  3. 同样位于信州,善光寺附近
  4. 据户隐神社传说,天手力男命乃是将整个天岩户从高千穗扔到了户隐