卯酉东海道/附带故事

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包含角色信息
作品序号ZCDS-0004
封面角色玛艾露贝莉·赫恩宇佐见莲子

外面

后面
后面
侧封
侧封
前面
前面(Booklet封面)

卯酉の道、心の旅
――東海道の地下は日本で最も日本的だった。

卯酉之道,心之旅
——东海道的地下在日本是最有日本风味的。

上海アリス幻樂団が奏でる、幻想的で激しい音樂集第四弾

由上海爱丽丝幻乐团奏响,幻想般的激昂音乐集第四弹

Booklet

2-3页
2-3页
4-5页
4-5页
6-7页
6-7页
8-9页
8-9页
10-11页
10-11页
12-13页
12-13页
14-15页
14-15页
Booklet封底
Booklet封底

内面与碟面

后面
后面
碟面
碟面

故事文本

故事内容

1.ヒロシゲ36号

1.广重36号

Neo Super-Express
Neo Super-Express

 ヒロシゲは二人を乗せて東へ走る。音もなく、揺れもなく、ただひたすら東に走る。

 广重号载着二人向东飞驰。毫无噪音,毫无摇摆,只是一个劲向东飞驰。

 四人まで座れるボックス型の席には空きも多く見られ、二人で座っていたとしても相席を求められる事は無かった。朝の反対方向は芋洗いの様に通勤の人でごった返すが、東京行きは空いている。二人にとっては好都合だった。

 车内最大可容纳四人同座的箱式座椅仍然有许多空席,即便现在是两个人也没有人来请求坐在这里。虽然在早上相反方向的列车会挤满了通勤的人,但东京方面的列车很空。对二人来说这是非常幸运的事。

 車窓から春の陽気が入ってくる。最新型のこの新幹線は全車両、半パノラマビューが一つの売りである。半パノラマビューとは上下を除いた全てが窓、つまり新幹線の壁は殆ど窓で、まるで大きなガラスの試験管が線路の上を走っている様な物だ。
 進行方向と反対に座っている金髪の少女の左手には、見渡す限りの美しい青の海岸、右手には建物一つ無い美しい平原と松林が広がっていた。

 春天的气息从车窗飘入车内。全车厢均采用半全景车窗的设计是这列最新型新干线的卖点之一。所谓的半全景车窗是指除了上下以外全都是窗户,换句话说这列新干线的侧壁基本上都是窗户,从外面看去仿佛一个巨大的玻璃试管疾驰于铁路之上。
 坐在和前进方向相反的位置上的金发少女,她的左手边是一片一望无际的美丽的蓝色海岸,右手边则是没有一栋建筑物的美丽平原和广阔的松林。

 出発から25分ほど経っただろうか、遠くに雲の傘を被った富士の山が見えた。
まるで仙人でも住んでいそうな厳かな姿をしている。

 从出发起大概已有25分钟左右了吧,已经可以远远望见顶着云伞的富士山了。
仿佛有仙人居住一般庄重的模样。

 富士山復興会の努力により、近年になって漸く世界遺産に認定された富士だが、ヒロシゲから見えているこの富士の方が何倍も荘厳に見える。
 というのも、ヒロシゲのパノラマビューから見ると、高層ビルも送電線も高架線も何一つ見つけられないのも一つの理由だろう。

 在富士山复兴会的努力下,富士山近年来逐渐被认定为世界遗产,但从广重号上看到的富士山却更倍感庄严。
 之所以会这么说,从广重号的全景车窗望去,视野里没有任何高楼大厦、电线,高架桥大概也是原因之一吧。

 富士どころか、左手に見える海岸だって、世界遺産に一ダースほど認定されてもまだ足りないくらい美しい。東海道はこんなにも美しいのだ。

 不仅仅是富士,左手边海岸的美景用一打世界遗产来认定恐怕都还不够。东海道就是如此美丽。

 だが、この卯酉 (ぼうゆう) 新幹線『ヒロシゲ』から見えている極めて日本的な美しい情景も、金髪の少女、メリーにとっては退屈な映像刺激でしかなかった。

 但是,从这列卯酉新干线『广重』上看到的极富日本风味的美丽情景,对于金发少女梅莉来说,只不过是无趣的视觉刺激罢了。

2.53ミニッツの青い海

2.53分钟的蓝色大海

Blue Sea for 53 minutes
Blue Sea for 53 minutes
「ヒロシゲは席は広いし、早く着くし便利なんだけど……
 カレイドスクリーンの『偽物の』景色しか見られないのは退屈ねぇ」
「广重的确座位宽、速度快,很方便……
 但只能看那些万景幕(KaleidoScreen)上的『虚假的』景色也真是无趣」
「これでもトンネルに映像が流れるようになって、昔の地下鉄よりは明るくなったのよ。
 まるで地上みたいでしょ?」
「即使如此,隧道周围所放映出的这些景象已经使现在比过去的地铁要明亮多了。
 这就好像在地上一般不是吗?」
「地上の富士はここまで綺麗じゃないかも知れないけど、それでも本物の方が見たかったわ。
 これなら旧東海道新幹線の方が良かったなぁ」
「地上的富士也许并没有这么美丽,不过即使那样我还是想要看真正的实物。
 早知道这样的话去坐旧东海道新干线就好了啊。」
「何を贅沢言ってるのよ。旧東海道なんて、
 もう東北人とインド人とセレブくらいしか利用していないわよ。
 ま、メリーは東北人並にのんびりしているかも知れないけどね」
「你又在说什么梦话啊。现在还在使用旧东海道的,
 恐怕只剩下东北人和印度人以及那些上流社会的人了吧。
 不过,梅莉你悠闲的态度说不定真的跟东北人差不多呢」
「セレブですわ」
「我是上流人士啦」
――卯酉東海道が出来たのは、二人が生まれる前の事である。
——卯酉东海道的建成,是在二人还未出生时的事情。

 神亀の遷都が行われてから、大量の人間が東京と京都を行き来する必要が生まれた。旧東海道だけではすぐに交通インフラに限界が来て、政府は急ピッチに新しい新幹線の開発に取りかかったのだ。

 自神龟迁都以来,大量的人类开始需要往返于东京和京都之间。当时仅有的旧东海道使得交通基础设施的负荷很快就达到了极限,面对这种情况,政府急遽开始开发新的新干线。

 そして完成したのが、京都―東京間を53分で繋ぐ卯酉新幹線『ヒロシゲ』である。この新幹線は、京都―東京を通勤圏内にし、あっという間に日本の大動脈となった。

 然后完成的,就是这条用53分钟连接京都—东京的卯酉新干线『广重』。这条新干线使得京都—东京位于同一个通勤圈内,一眨眼的工夫就成了日本的大动脉。

 驚くべき事に、卯酉新幹線の全てが地下に、そして直線的に作られている。始点から終点まで、空も海も、山も森も、太陽も月も、何も見ることは出来ないのだ。

 令人惊讶的是,卯酉新干线整个位于地底,并且以直线方式连结两地。从起点到终点之间,不管是天空还是海洋,山岳还是森林,太阳还是月亮,旅客什么都看不到。

3.竹取飛翔

3.竹取飞翔

Lunatic Princess
Lunatic Princess

「あっという間に着くのは良いけど、こんな偽物の景色を見てるだけじゃ蓮子は退屈じゃないの?
 夜は夜で空に浮かぶのは偽物の満月、ってのもなんかねぇ。
 東海道も昔は53も宿場町があったというのに、今は53分で着いちゃうのよ? 昔よりも道のりも長いのに、
 こうなっちゃうと、もう旅とは呼べないわよねぇ」

「很快就能到的确是不错,但一路上就只能看着这些虚假的景色莲子不觉得无聊吗?
 看起来是像模像样的夜晚,可偏偏天空中挂着的却是虚假的满月呢。
 东海道过去可也是有53个宿场[1]的啊,可现在呢,只要53分钟就能到了。
 路程明明比过去还要长,这样一来啊,恐怕已经称不上是旅行了呢。」

「道中が短くなっただけで、旅行は旅行よ。東京観光巡りは面白いわよ?
 京都と違って新宿とか渋谷とかには歴史を感じる建物も多いしね。
 そういう観光の時間が増えたと思えば良いじゃない」
「只不过是路程短了点,旅行还是旅行啦。东京观光的行程会很有趣的哦。
 那里和京都不同,像是新宿涩谷这些地方拥有一定历史的建筑也很多。
 就当成是在那些地方观光的时间增加了不就好了。」

「はいはい、そうですね。
 あーあ、偽物の満月には、太古の兎が薬を () いている姿が見えるのかなぁ」

「是是,话是这么说没错。
 啊~啊,虚假的满月上能不能看到太古的兔子捣药的情景呢」

「そうそう、こんな話知ってる?
 実は、ヒロシゲは最高速を出せば53分も掛からないらしいんだけど、わざわざ 53分になる様に調整したらしいよ?」
「对了对了,知道吗?实际上啊,
 广重如果达到最快速度的话据说连53分钟都不要呢,好像是故意被调整成需要53分钟的哦。」

「一分一泊ね。その調子なら三週間で老衰だわ。短いねぇ」

「一分一宿啊。要是照那样下去不出三星期人就衰老了呢。还真是短暂的啊。」

 宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(メリー)の二人は、大学の休みを利用して、蓮子の実家である東京へ旅行する事になった。
 旅行と言っても蓮子の彼岸参りに便乗するだけだが、まだ東京に行った事が無いメリーは、今回の東京旅行を非常に楽しみにしていた。
 宇佐见莲子和玛艾露贝莉·赫恩(梅莉)两人利用大学的假期,前往莲子的故乡东京旅行。
 说是旅行其实就是利用莲子回去参加彼岸节[2]祭祖的空闲时间到处转转而已,但对于还没有去过东京的梅莉来说,这次的东京之旅非常让人期待。
 道中の景色も楽しみだったのだが、あいにく卯酉新幹線は全線完全地下の新幹線である。
 虽然也很期待路途中的景色,但很不凑巧,卯酉东海道是一条全线完全处于地下的新干线。
 それでも、昼間の外と同じくらいの光が窓から射し、そして外には美しい富士と太平洋が映し出されていた。
 即使如此,从窗外射入的光芒仍然跟外面的白天没什么两样,而车厢外映照出的则是美丽的富士和太平洋的景色。
 それが、卯酉東海道最大のと予算を使った装置『カレイドスクリーン』だった。
 这正是卯酉东海道最大的且花费了最多的预算制造的装置『万景幕』。

4.彼岸帰航

4.彼岸归航

Riverside View
Riverside View
「メリー、
 東京のお彼岸には変わった風習があるのよ。知ってた?」
「梅莉,
 东京的彼岸节有一个奇怪的风俗哦。知道吗?」

「ええ?どういうの?」

「哎?是什么?」

「お墓参りと一緒にね。
 お墓の周りの結界のほつれを見つけて、冥界参りもするのよ。
 お盆が冥界からご先祖様が帰ってくるでしょう?
 だからお返しに彼岸には、こっちから挨拶に行くの」
「在扫墓的时候呢。
 还要寻找墓地周围结界的裂缝,利用那个前往冥界参拜哦。
 在盂兰盆节[3]的时候先祖大人不是会从冥界回来的吗?
 所以作为回礼,我们也需要主动去彼岸向他们送去问候」

「そうなの?
 あらいやだ、何の準備もしていないわよ。何で言ってくれなかったのよ」

「是吗?
 哎呀糟糕,我还一点准备都没做呢。你怎么不早点告诉我啊。」

「嘘だからよ。
 でも、折角だから、するよ?」
「因为是骗你的啦。
 但是好不容易才有机会的,试试吧?」

卯酉東海道は、最も効率よく東京の人間を京都に運ぶ為だけに作られた。
だから、駅は二つしか作られていない。

卯酉东海道建成的目的,只是为了最大效率地将东京的人运往京都。
所以,车站也只建造了两个。

卯東京(ぼうとうきょう)駅と酉京都駅(ゆうきょうと)駅の二箇所だけである。
つまり、始点と終点以外は駅が無い。
二人が酉京都駅を出発して、すでに36分ほど経っている。

只有卯东京站和酉京都站这两个地方。
换句话说,除了始发站和终点站以外不再有其他车站。
两人自酉京都站出发,已经过了36分钟左右。

外の景色は、歌川広重が見て歩いただろう東海道、その物だった。
どこまでもどこまでも美しい。空と海と、富士の山。五十三の宿場町。

外面的景色,正是当年歌川广重走过见过的那个东海道。
一眼望去不管哪个角落都是那么美丽。天空、海洋、富士山。五十三个宿场。

5.青木ヶ原の伝説

5.青木原的传说

Forbidden Forest
Forbidden Forest
「あ、今……」
「啊,刚刚……」
「どうしたの? メリー、急に怖い顔をして……」
「怎么了?梅莉。突然一副可怕的表情……」
「急に頭が重くなった気がしたの。
 蓮子は感じない?ここら辺の空間は少し他と感じが違うわよ。
 それに結界の裂け目も見える……スクリーン制御プログラムのバグかしら」
「刚刚突然感觉头有点晕。
 莲子没感觉到吗?这附近的空间和其他地方稍微有点不同。
 而且也能看见结界的裂缝……是屏幕控制程序的BUG吗。」
「ああ、それはきっとここが霊峰の下だからよ。
 少しは空気も違う、いや時空すらも異なるかも知れないわね。
 過敏なメリーにはちょっと緊張が走るかも知れないわ」
「啊啊,那一定是因为这里是灵峰下方的缘故。
 空气也稍微有点不一样,说不定连时空都跟其他地方不同呢。
 对于过于敏感的梅莉来说也许会产生一些紧张感吧。」
「なるほど、富士山の地下ね。
 なら判らないでもないわ。昔から富士の地下には冥界の入り口があるって言うもんね。
 でも、富士山って火山でしょう?そんな地下にトンネルなんて掘って大丈夫なのかなぁ」
「原来如此,富士山的地底啊。
 那就没什么好奇怪的了。毕竟从过去就有富士山的地下有冥界入口的传说呢。
 但是,富士山不是火山吗?在地下挖隧道真的没问题吗?」
「心配性ね。そういう時はお酒でも飲んで考えるのをやめましょう?
 富士が世界遺産に認定された時に、休火山から死火山になったと断定されたでしょう?」
「喜欢操心呢,那种时候什么都别想找点酒来喝多好。
 富士山在被认定为是世界遗产的时候,已经从休眠火山被断定成是死火山了哦?」

 とにかく東京と京都を結ぶ事だけを考えて設計した卯酉東海道だったが、政府は霊峰富士の真下に穴を開けるという、畏れ多き事態だけは避けた。

 虽然当初卯酉东海道在设计时只是考虑如何将东京和京都连接起来,但政府依然回避了在灵峰富士的正下方开洞这种大不敬的事情。

 卯酉東海道は、富士を避け、樹海の地下を走っている。

 卯酉东海道避开了富士,穿行于树海的地下。

 ただ、樹海には古くから良くない言い伝えが多く、樹海の真下を走るというだけで新幹線の運行や乗客数に影響が出てしまうかも知れない。

 只是,树海从古至今有着许多不吉利的传说,仅仅是因为穿行于树海的正下方就很可能给新干线的运行和乘客数带来影响。

 そう考え、樹海の真下を走っているという事は一般には明かされなかった。

 出于这种考虑,路线经过树海的正下方这件事并没有对大众公开。

6.お宇佐さまの素い幡

6.宇佐大人的白旗

Most Famous Hero
Most Famous Hero
「あはは。朝からお酒が美味しいわね。
 そういえばこの新幹線、最初は京都と東京だけじゃなくて、鎌倉にも駅を作る予定だったらしいよ?」
「啊哈哈,从早上就想着喝酒啊。
 说起来这条新干线啊,最初不仅仅是光从京都到东京,好像也有预定要在镰仓作一个车站哦。」
「蓮子は物知りねぇ」
「莲子知道的还真多啊。」
「そりゃ、物知りだもの。
 なんでも、三つの都を繋いで名前も繋都(けいと)新幹線にしたかったんだって」
「那是当然,因为我博闻强识啊。
 据说啊,因为连接了三个都城所以名字也叫系都新干线来着。[4]
「暖かそうな新幹線ね。って、鎌倉は都じゃないでしょ?
 それに鎌倉って、京都と東京の間にしては東京寄り過ぎじゃないの」
「好像很温暖的新干线呢,不过,镰仓根本不是都城吧?
 而且说到镰仓,在京都和东京之间的位置上是不是靠东京太近了点啊。」
「ま、そういう理由でお蔵入りになったらしいんだけどね」
「是啊,好像就是因为这样的理由最后把这计划雪藏起来了。」
「そんなこと、最初から判りそうなものなのに……。
 蓮子は誰かに嘘情報吹き込まれたんじゃないの? 八幡様が好きな誰かに」
「那种事情,根本从一开始就是明摆着的吧……
 莲子是不是有什么人告诉了你假情报啊? 八幡大人宠爱的什么人。」
「そういえば、『お蔵入り』の蔵って、何の蔵なのか知ってる?」
「话说回来,『雪藏』时用的仓库,是什么仓库你知道吗?[5]

 富士と言えば北斎の『富嶽三十六景』が有名であるが、北斎は富士を幾ら描こうとも満足することはなかった。富嶽三十六景は実際には四十六枚ある事からも判る。

 要说到富士的话当然是北斋的『富岳三十六景』更有名,北斋无论描绘多少富士的景色都无法感到满足。从富岳三十六景实际上有四十六张这一点就可以看出了。

 自分の半分くらいの年齢しか無い、若い広重が『東海道五十三次』を出版し、それが人気を博すと、過去に三十六景を出したというのに、負けじと北斎は『富嶽百景』を出版した。
その位、富士に魅入られていたのだ。

 在年龄只有大约自己一半大的年轻人广重出版了『东海道五十三次』,并获得了人们的欣赏之后,即使自己过去已经出过三十六景,不服输的北斋紧接着出版了『富岳百景』。
他对富士就是如此着迷。

 しかし、広重もまた、富士に魅入られた者だった。

 但是,广重也一样,是一位对富士着迷的人。

7.月まで届け不死の煙

7.飘上月球不死之烟

Elixir of Life
Elixir of Life

何にしても現代の日本は広重を選んだのだ。
卯酉新幹線ヒロシゲは、地下を東に走り続ける。今はちょうど鎌倉辺りだろうか。

不管怎么说,现代的日本选择了广重。
卯酉新干线广重,继续在地下向东驶去。现在应该到镰仓附近了吧。

「ねぇ蓮子。トンネルスクリーンに映ってる富士山って、ちょっとダイナミック過ぎないかしら?」

「我说莲子啊。隧道的屏幕上映出的富士山啊,是不是有点生动得过头了?」

「うーん。余りまじまじと実物を見た事がないから何とも言えないけど、こんな感じだと思うわよ?
 きっと、周りに人工物が殆ど映っていないと、こんな感じに見えるんじゃないかな」
「嗯~。虽然我也没仔细看过实物所以具体也不太好说,不过确实有这种感觉呢。
 一定是因为周围几乎没有任何人工建造物,所以看起来才会有这种感觉吧。」

「この富士は、広重と言うよりは北斎かなぁ。
スケールだって、オートマチックビデオリターゲッティングの処理された様な感じがするわ。
リアリティよりインパクトを重視した様な気がする」

「这个富士,和广重比起来不如说是北斋吧。
就连比例都好像给自动非线性影像技术处理过一样呢。
感觉比起真实感来更强调冲击力的样子」

「メリー、広重も北斎に対抗して、富士の三十六景を描いていたってのは知っている?」
「梅莉,广重为了与北斋对抗,也曾经描绘过富士的三十六景你知道吗?」

「あら、パクリ? インスパイア?」

「哎呀,剽窃?受到启发?」

「その名も、『富士(不二)三十六景』というの。しかも北斎の没後に出版したのよ」
「名字也是『富士(不二)三十六景』[6]。而且是在北斋过世后出版的哦」

「あらあら」

「哎呀哎呀。」

 建物の少ないカレイドスクリーンの景色では、富士山は霊験あらたかで、迫力のある姿を見せていた。

 在万景幕上映出的建筑物很稀少的景色里,富士山的样子看起来更灵验,更有迫力。

 本物の富士山も、富士山復興会の努力により今は綺麗である。本来の富士の姿の余りの迫力に圧倒されたか、復興会の厳しい掟に嫌気がさしたか、山を登る人の姿も少なくなり、観光協会が大打撃を受けたというのは皮肉だが。

 真正的富士山也由于富士山复兴会的不懈努力,如今也很美丽。不过讽刺的是,不知道是被本来的富士那极富迫力的样子所压倒,还是因为复兴会订下的那些严格的规定妨碍了兴致,登山旅游的人越来越少,观光协会因此而受到了沉重的打击。

 日本が広重を選択したのは北斎の奇才を認める事が出来なかったからである。日本は狂気を徹底的に嫌ったのだ。

 日本之所以选择了广重,是因为无法认同北斋的奇才。日本彻底地厌恶了疯狂。

 だがしかし、もしこの新幹線がヒロシゲではなく、ホクサイだったとしたら、カレイドスクリーンにはどういう情景が映し出されていただろうか。

 然而但是,假如这条新干线不是广重,而是北斋的话,那么现在在万景幕上映出的,又是一副什么样的情景呢。

 きっと、今よりも目的地に早く着く、36分間の狂気の幻想を愉しめたに違いない。

 那一定,会比现在要更快地到达目的地,令人们充分享受36分钟的疯狂的幻想。

8.レトロスペクティブ京都

8.回忆京都

Retrospective Kyoto
Retrospective Kyoto
「もうすぐ東京かしら。
 やっぱり物足りないわね」
「就快到东京了吧。
 果然总觉得缺了点什么。」
「確かにね。でも着く前に疲れなくて良いじゃない」
「确实。不过不至于在到达目的地之前就疲倦不堪不是很好吗?」
「ま、東京見物出来る時間が増えたから良いか。
 今日はどんなところを案内してくれるの?」
「是啊,就当在东京观光的时间增加了好了。
 今天打算带我去哪里玩?」
「そう焦らないの。
 まずは実家に着いてから彼岸の墓参りを済ませて、荷物を置いてから見学に行きましょう?」
「不要这么着急嘛。
 首先去我家放下行李,之后一起扫完墓再慢慢参观吧。」
「あれ?冥界参りに行くんだっけ?」
「咦?要去冥界参拜吗?」
「東京は、京都に負けず劣らずの霊都だから、きっと楽しいわ。
 メリーと一緒なら」
「东京可是丝毫不负于京都的灵都啊,一定会很有趣。
 和梅莉一起的话。」

 アスファルトで固められた地霊の罪も時効を迎え、東京の道のそこら中にひびが入っていた。

 凝固在沥青中的地灵背负的罪也迎来了时效,东京的道路上四处都是裂纹。

 環状線も一部が草原と化し、葉っぱもなく、茎と赤い花弁だけの奇妙な花が道を覆いつつある。人口の減少と共に、自動車という前時代的な乗り物も減っていた。道がどうなろうと不便な事は無かったのだ。

 环状高速的一部分也已化作草原,正被一种没有叶子,只有茎和红色花瓣的奇妙花朵所覆盖。伴随着人口的减少,汽车这种过时的交通工具的数量也在减少。道路无论变成什么样子都不会带来不便了。

 派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。
 町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。

 着装华丽的年轻人们,正在形成独自的规则正是现在东京的特征。
 就好像町奴、旗本奴[7]、火消[8]四处奔走的市町一般……

 東京は昔の姿を取り戻しつつある。

 东京正在慢慢地恢复原本的模样。

9.ラクトガール ~ 少女密室

9.Locked Girl ~ 少女密室

Locked Girl
Locked Girl
「京都と違って東京は田舎だから、懐かしい物が沢山あるのよ」
「和京都不同,东京是乡下,所以令人怀念的东西也有很多哦。」
「例えば?」
「比如说?」
「閉塞感ある狭くて高いビルの中で遊ぶテーマパークとか、超大型ショッピングモールとか」
「比如说在充满闭塞感的狭窄高楼中游玩的主题公园啦,超大型步行街啦。」
「良いわねぇ。その洗練されていない庶民的な娯楽がまだ残っているのね」
「真好啊,那种毫不讲究风雅的庶民的娱乐还遗留着呢。」
「その辺、京都は厳しいからねぇ。
 娯楽と言えば新茶道とかしかないし」
「这一点上,京都就严格多了呢。
 要说娱乐也就只有新茶道什么的。」
「あら、お茶は好きよ?
 あの茶室の密室さ加減が」
「哎呀,我很喜欢茶哦,
 因为那个茶室的密室程度。」

 東京にはその昔、食のテーマパークが流行った時代があった。
 全国各地から美味しいと評判の店を持ってきて、一箇所に集めただけという何とも風情の無いテーマパークだったが、それでも東京の人間には大好評だった。

 东京过去,曾经有一个餐饮类的主题公园流行的时代。
 虽然说只是个将全国因美味而闻名的餐馆整理并集中到一个地方来这种毫无风情可言的主题公园,但即便如此在那时的东京的人们之间还是大受好评。

 東京には、江戸時代の頃から、闘食会と呼ばれた死をも恐れない食の大会があった。それを考えると、現代の東京で食のテーマパークが流行るのも当然の事である。

 东京在江户时代的时候,就有一个被称为斗食会的不怕死的食物大会。这么一想的话,现代的东京会流行餐饮类的主题公园也是理所当然的事情。

 江戸の血を確実に引く東京の街。

 着实继承了江户之血的东京的街道。

 本でしか見た事の無い、時代を超えた街、東京に近づくにつれて、メリーの気持ちがますます高揚した。

 只在书中见过的,超越了时代的街道,随着离东京的距离越来越近,梅莉的情绪也越发高昂起来。

10.千年幻想郷

10.千年幻想乡

History of the Moon
History of the Moon
「富士が小さくなっていくわ。もう東京は目の前ね」
「富士山越来越小了啊。东京已经近在眼前了。」
「蓮子の話を聞いていたら、なんだか楽しみになってきたわ。東京が」
「听了莲子你那些话,感觉变的好令人期待啊。东京。」
「そりゃ私の話だもの。
 でもね、京都に比べるとやっぱり、精神的に未熟な都市って感じは否めないわ」
「听我说当然会这样啦。
 不过呢,和京都相比,这个都市在精神上不成熟这一点不可否认。」
「たまには馬鹿になるのも良いじゃない」
「偶尔糊涂一回不是也很好吗?」
「結界の切れ目もほったらかしだしね。
 千年以上も霊的研究を続けてきた京都とは大違いだから」
「结界的缝隙也都一直放任不管呢。
 这和已经持续千年以上关于灵学研究的京都完全没法比啊。」
「あ、スタッフロールよ。
 こんな風景まで作者の権利を主張しようとするのねぇ」
「啊,是制作人名单。
 连这样的风景也在主张作者的权利呢。」

 窓の外の景色に文字が浮かび上がっている。
 53分のカレイドスクリーンの映像が、終わりを迎えようとしていた。

 窗外的景色上开始浮现文字。
 53分钟的万景幕的影像,现在正迎来终结。

 本来、景色には誰の著作物である、という考え方は無い。さらに言うと、この映像は広重が見たであろう東海道を基にしているのだ。

 原本是没有景色是谁的著作物这种想法的。更进一步说,这个影像是基于广重所见的东海道描绘出的。

 それでも、人間は自分の物だと主張する。乗客は皆、本物の景色ではないかと思って見ていた立体的な風景に、映像の制作者の名前が浮かんでは消え、消えては浮かんでいる。

 即便如此,人类还是主张这是属于自己的东西。在那片所有的乘客都觉得仿佛是真的一般的立体风景上,影像制作人的名字一个个浮现后消失,消失后再次浮现。

 風景の真ん中に「Designed by Utagawa Hiroshige」と言う文章が浮かんだのを最後に、世界は闇に閉ざされた。

 最后当风景的正中间浮现出「Designed by Utagawa Hiroshige」这样一行文字后,世界便被封闭在了黑暗当中。

11.最も澄みわたる空と海

11.最澄澈的空与海

ハイダイナミックレンジの映像も、

極めて日本的な情景も、
本物の空の色には敵わない。

高动态范围的影像也好,

极富日本风味的情景也好,
都敌不过真正的天空的颜色。

という前時代的な認識を持つ人間は、もはや居ないだろう。

ヴァーチャルの感覚は、リアルより人間の感覚を刺激する。
夢と現は区別出来ない様に、人間と胡蝶は区別出来ない様に、
ヴァーチャルとリアルは決して区別出来ない、と言うのが今の常識である。

仍拥有这种前一个时代的认识的人,恐怕已经不存在了吧。

虚拟的感觉,比起现实更能刺激人类的感官。
就好像梦与现实无法区分一样,就好像人与蝴蝶无法区分一样,
虚拟与现实是绝对无法区分的,这是现在人们的常识。

言うまでもなく、ヴァーチャルが人間の本質なのだ。

毫无疑问,虚拟正是人类的本质。

身は華と与に落ちぬれども
心は香と将に飛ぶ
身与华落
心将香飞[9]

53分間の他愛の無い会話の続きを地上でする為に、二人は東京駅を後にした。

为了能在地上继续这53分钟的闲谈,两人离开了东京站。

注释

  1. 旧时日本为了传驿系统所需而设立的町场,相当于古代的驿站。
  2. 日本传统节日,以春分或秋分为中心的7天时间。在彼岸期间,人们要去祭拜祖先的坟墓并为他们的亡灵祈祷。
  3. 盂兰盆节指阴历的7月15日祭祀先祖的日子。
  4. “繋都”谐音“毛糸”(毛线),发音都是“けいと”。
  5. 日文表示“雪藏”的谚语写作“御蔵入り”,意为收入仓库。其中“御蔵”指江户幕府用来收纳进贡大米用的仓库,由于幕府很少取用,故有此说。
  6. 不二和富士在日文里同音。
  7. 江户时代江户出现了大量穿着奇装异服,横行于街道行侠仗义之人,这些人被统称为倾奇者。其中,普通市民出身的被称为町奴,武士及其属下出身的被称为旗本奴。奴为男子之意。
  8. 江户时代江户的消防组织。
  9. 平安时代初期的名僧、真言宗的开山鼻祖空海的名句。出自《藤左近将监为先妣设三七斋愿文》,收录于《性灵集》卷八。