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东方香霖堂/东方外来韦编第4话/中日对照

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 雪深い香霖堂を訪れる人妖が語る
 「四季異変」の顛末とは――
  造访积雪重重的香霖堂的人与妖怪所诉说的
  「四季异变」的始末究竟是——
(第四話)薪ストーブの暖かい罠
(第四话)暖炉是个温暖的陷阱
 夏は夜。月のころはさらなり。闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。
 夏之夜。皓月当空自为良辰美景,纵使暗夜,也得萤火飞舞点灯。一只两只,亮光此起彼伏也趣意盎然。就算下雨也别有情趣。1
 恐怖を覚えるほどの豪雨。いつまでも明るく騒がしく、眠らない夜。むせ返るような熱帯夜。清少納言が見た夏の夜を、誰が想像出来るだろう。心に浮かぶ風景は、ノスタルジーから生まれる妄想の夏なのではないだろうか。
 但那是一场令人感到恐怖的暴雨。如此亮眼又如此喧嚣,简直是难眠的夜晚。令人窒息的热带夜。如此这般风景,又怎能联想到清少纳言所描写的夏夜。他心中浮现的风景,也许只是由思乡病所产生的妄想中见到的夏夜吧。
 しかし私は夢で見る。月夜に照らされた夏の夜や、朔の頃の暗闇に蛍が飛び散る夜、昼間の暑さを拭い去る力強く涼しげな夕立……。まるで平安の貴族が見たような幻想的な原風景の夏を、夢で見るのだ。そうして現実の辛い夏休みから逃げる……、筈だった。
 但是我现在正在梦中看见了一切。被月光笼罩的夏夜,入夜渐暗时分的点点萤火,将白天的闷热一扫而空的凉爽阵雨……平安时期的贵族所见的幻想一般的夏日原风景,我可以在梦中见到。这样我就可以自现实的苦痛夏日里逃离……剧情本该是这么发展的。
 「どうしちゃったのかしら、幻想郷は! 今までも不思議な事はいっぱいあったけど、時間と季節だけは一緒だったのに」
 「这究竟是怎么了,幻想乡! 虽然一直以来都是些不可思议的事件发生,但是时间和季节明明都是同步的呀。」
 久しぶりにやってきた幻想郷の夏は、地面には雪が積もり、冷たい木枯らしが吹いていた。
 久违的幻想乡之夏,地上却积着雪,让树木枯萎的寒风呼呼地那个吹。
 「何処が道だか判らないくらい雪が積もっているなんて……、あっ!」
 「真没想到积雪可以深到分不清道路……啊!」
 未踏の雪道に滑って転んでしまった。しかし彼女は笑顔で声を上げた。
 一脚踏上新雪就摔了个跟头。但是她却笑出了声。
 「何てアメージング! やっぱり幻想郷は不思議な場所ね!」
 「何等的Amazing! 幻想乡果然是个不可思议的地方!」
 ローファーに雪が入るのも厭わず、夏服の彼女は雪の上を駆け回った。
 丝毫不在意浸入便鞋中的融雪,穿着夏装的她在雪地上到处蹦跶着。
 ――雪の中の香霖堂。厚着した森近霖之助と霧雨魔理沙が話をしている。
 ——雪中的香霖堂。层层包裹的森近霖之助和雾雨魔理沙正说着话。
 「なる程、妖精の暴走か。この季節外れの雪はそんな理由だったのか。でももう異変は解決したんだろう? それで、いつ元に戻るんだい? 魔理沙」
 「原来如此,是因为妖精的暴走吗。这场不合时宜的大雪也是因为这个啊。但是异变已经解决了吧? 这么说来,到底什么时候可以恢复正常? 魔理沙」
 「さあな、時間が経てば自然に戻っていくと言っていたが……」
 「天知道,虽然她说过了一段时间自然会恢复的……」
 「燃料の蓄えが余り無いので、そろそろ季節外れの冬が明けてくれないと困るんだよねぇ」
 「我燃料的储备也不多了,这个时间错位的冬季若是再不结束就真心不好过了呀。」
 梅雨が明け、いよいよ夏到来という時に急激に冷え込み始め、季節外れの雪が降るようになってからひと月以上経とうとしていた。余りの寒さに慌てて暖房の準備をしたのだが、急だったために薪が十分に確保できなかったのである。
 梅雨天放晴之后,还以为好不容易可以入夏了结果气温却急剧下降,不合时季的大雪从那时算起已经下了一个多月了。因为实在太冷不得已才着急忙慌地准备起了暖炉,但因为事出突然就导致柴火没能准备充分。
 「まあ、暖房があるだけマシだよ。それにずっと吹雪続きだった森に比べると、ここは天国みたいなもんだ。まあ、ずっと春のままの博麗神社よりは過ごしづらいが」
 「你算了吧,有暖炉用就不错了。和万年吹雪的森林比起来,这里简直是天堂。不过和四季如春的博丽神社比较的话差了一大截就是了。」
 「ほう、博麗神社はずっと春なのか」
 「嚯,博丽神社四季如春吗。」
 「あれ? 言ってなかったっけ?」
 「咦? 我没提起过吗?」
 「てっきり、幻想郷中雪が降っているのかと思ったよ」
 「我还满心以为,整个幻想乡都在下雪呢。」
 「お前は家から出ないからなぁ。博麗神社の春だけではなく、山は紅葉しているし……お、誰か来たぜ」
 「都因为你大门不出二门不迈啦。不止是博丽神社的春季,山上反而是红叶遍野……哦,有人来了。」
 玄関で大きな音がした。
 玄关传来一声巨响。
 「うおぉー、寒ーい! 寒くて死ぬ!」
 「唔哦,太冷了! 我快冷死了!」
 「おお、菫子君、よく来たね。しかしまあ、随分と薄着だねぇ」
 「哦哦,堇子君,真亏你能来。不过看你这样子,穿得可真够单薄的。」
 半袖のシャツを着た菫子が身体を震わせていた。
 穿着短袖衬衫的堇子浑身抖个不停。
 「ソックスもビチョビチョよ! ああ、部屋の中は暖かいわー。生き返るわー」
 「袜子也冻得硬梆梆的啦! 啊啊,房间里真是暖和——活过来啦——」
 菫子は靴を脱いで、薪ストーブの近くに置いた。それを魔理沙が手に取った。
 堇子脱下她的鞋子,放在了暖炉附近。魔理沙把它们拿了起来。
 「おいおい、こんな靴で雪道を歩いてきたのか? 中に綿も無いし、底なんかツルツルじゃないか。こんなんで雪の上を歩くと滑って怪我するぜ」
 「喂喂,你就穿着这种鞋子走在雪地里吗?里面也没有垫棉布,鞋底也没有防滑的凹槽啊。穿着这种鞋走在雪地上可是会滑倒受伤的。」
 「だって、今は夏なのよ! こんなに雪が降っているなんて、誰が想像出来るのよ!」
 「那是因为,现在明明是夏天嘛! 谁能想得到,这里会下着这么大的雪啊!」
 彼女は外の世界の人間、宇佐見菫子だ。魔理沙の言うとおり、確かに雪道を歩くような靴では無いが、彼女は冬でも同じ靴を履いている。つまり転倒を怖れない馬鹿だ。
 她是外面世界的人类,宇佐见堇子。虽然如魔理沙所言,这的确不是在雪地里行走时所穿的鞋子,但是她就算是冬天也穿着同样的鞋子。换句话说她就是个不怕摔跤的笨蛋。
 「まあ、幻想郷 (ここ) ではこういうことも起こるもんだ」
 「那是,幻想乡 (这里) 发生这种事情太正常了。」
 「あれー、最初暖かいと思ったけど、このストーブ、結構火力弱いのね。また冷えてきちゃった」
 「奇怪了,一开始还觉得挺暖和的,现在看来,这个暖炉火力真是小呢。感觉又开始冷起来了」
 菫子はブルブル震えている。それを見て霖之助は不憫に思った。
 堇子瑟瑟发抖。霖之助看在眼里起了同情之心。
 「ああ、燃料の残りが少ないからちょっと節約してるんだ。でもまあ、もうすぐ苟且の冬も終わりらしいから、今日は火力を上げよう」
 「是啊,因为燃料所剩无几了必须省着点用。不过也是,看来这苟且的冬天就快要结束了,不如今天就加把火力吧。」
 「助かるわ!」
 「帮大忙了!」
 菫子は両手を合わせ、大袈裟に拝んだ。
 堇子两手合十,大大地行了个礼。
 「――で、この雪は何なの? 幻想郷に何が起こっているの?」
 「——话说,这场雪到底怎么回事?幻想乡里到底发生了什么?」
 菫子が尤もな質問をした。魔理沙も当然の疑問だな、と思いながら、少し億劫そうに返答した。
 堇子问出了最根本的问题。魔理沙心想着,倒是个理所当然的疑问,又有点不耐烦地回答了她。
 「話すといろいろあるんだが、まず知ってほしいのは、幻想郷には『何者かが引き起こす、人為的な異常事態』が定期的に起きる。それを『異変』と言うんだ」
 「这事儿说起来就长了,首先要让你知道的是,幻想乡里会定期发生『由什么人引起的,人为的异常事态』这种事件。我们称之为『异变』。」
 「異変ですか。なる程ーって、人為的? まさかこの雪は、森近さんの道具で降らせた人工降雪なの?」
 「异变吗。原来如此——等等,你说人为的? 难道说这场大雪,是使用了森近先生的道具的人工降雪吗?」
 「人工降雪……と言うと何か違う気がするが、今回の異変は雪が降っている事だけでは無い。他にも、桜が咲いていたり、紅葉していたりと幻想郷全域の季節がおかしくなっている」
 「人工降雪……这么说也不太对吧,这次的异变不仅仅是降雪那么简单。其他还有,樱花盛开,红叶满山等等结果幻想乡全境的季节已经完全混乱了。」
 「えええ? 幻想郷全域でー? それが人為的な異常事態って、ちょっと俄には信じられないけど……」
 「诶诶诶? 幻想乡全境吗——? 说这是人为的异常事态,我一时间也实在无法相信呐……」
 「よくあるとは言ったが、正直言うと、この規模の異変は常識では考えられない。実際、犯人も非常識な奴だったしな」
 「虽然我刚才说是常有的事,但老实说,这种规模的异变也的确无法用常识来考量了。事实上,犯人也是个无法以常识衡量的家伙。」
 「へー、犯人が判っているんですね」
 「诶——犯人已经判明了吗。」
 「ああ、それに一応異変は解決しているので、季節も元に戻っていくはずだ」
 「是啊,异变也姑且算解决了,季节也应该会恢复原状的。」
 「そうなんですね。ところで、魔理沙さんはなんでそんなに詳しいんですかー? もしかして、犯人の手先なんじゃないのー?」
 「原来是这么一回事。话说回来,魔理沙小姐为什么对这件事这么清楚?难道说,你是犯人的手下吗?」
 魔理沙が面倒くさそうにしていたので、霖之助が口を挟んだ。
 魔理沙看上去越来越不耐烦,于是霖之助就接上了话。
 「言ってなかったかな。ここにいる霧雨魔理沙は、異変解決を生業とする人間なんだ」
 「我之前没说过吗。这位雾雨魔理沙,本就是以解决异变为业的人类。」
 「そうだ。今回みたいな異変が出たときには真っ先に解決に向かう、言わば正義のヒーローだぜ」
 「没错。像这次这样出现异变的时候我便会率先前往解决,也就是所谓的正义的英雄啦。」
 魔理沙が決めポーズを取るが、正義のヒーローと言って格好付ける人間がこんなにもダサいのかと思い、菫子は苦笑いする。
 魔理沙虽然摆出了姿势,但自称正义的英雄的人类摆出的姿势竟如此土气,堇子不禁苦笑。
 「あ、そ、そうなんですね。正義のヒーローさんだったんですね。私はてっきりそういうファッションセンスを持つ、年中ハロウィンの人間なのかなーと思ってました」
 「啊,这、这样啊,原来是正义的英雄啊,我还以为你是那种穿衣品味,如同永远过着万圣节的人一样呢。」
 「お前馬鹿にしてるだろ。これは魔法使いの正装だ」
 「你也太瞧不起我了吧。这可是魔法使的正装。」
 「失礼。正直、ドンキかなんかで売ってる安いコスプレかなーと……キャッ!」
 「失礼了啦。说实话,我还以为是唐吉诃德2里卖的便宜Cosplay装什么的……咿呀!」
 魔理沙は菫子に飛びかかった。菫子は笑いながら魔理沙の攻撃を受け止めていた。霖之助は「やれやれ」と思いながら、この際だからという事で、魔理沙に質問してみることにした。
 魔理沙朝着堇子扑了过去。堇子笑着接下了魔理沙的攻击。霖之助一边「哎呀哎呀」地感叹着,一边干脆趁此机会,向魔理沙发问。
 「ところで、僕も今回の異変の話に興味がある。どういう犯人が、どういう動機で起こしたのもなのか。 ちょっと聞かせてもらえないかな。異変解決の専門家さん」
 「这么说来,我其实对本次异变也抱有莫大兴趣。到底是什么样的犯人,凭什么动机引起此次异变。能不能说给我听听呢。解决异变的专家小姐。」
 魔理沙は何故か乗り気では無い様だったが、ここで話題を変えるのも難しいと判断したのか、渋々話始めた。
 不知为何魔理沙摆出一副了无兴致的面孔,但也察觉到这个时候再改变话题也不太可能,于是很不情愿地开了口。
 「――背中に扉、だって? 何それ気持ちわるーい!」
 「——背上,被开了门? 这什么鬼好恶心啊!」
 「その扉が出来ている者の魔力が暴走し、辺りをおかしくさせていたんだ。特に妖精のような自然を司る奴らが暴走した為に、あちこちで季節が狂ったという訳だ」
 「被开了门的人的魔力就会暴走,把自身周边搅得乱七八糟。特别是妖精这样司掌自然的家伙若是暴走起来,境内各处的季节时令自然会混乱。」
 「へー、妖精って凄いんですね!」
 「嘿——妖精原来这么厉害呀!」
 「おいおい、どこに感心してるんだ? 妖精は凄くないぜ。元々妖精は自然の力が具現化しただけの存在だからな。つまり妖精の暴走は、自然の暴走なんだよ。それより、そいつらを広範囲に暴走させた奴の方が恐ろ……いや何でも無い」
 「喂喂,你的重点不太对吧? 妖精可一点也不厉害。追根溯源的话妖精也不过是自然之力具现化的产物而已。也就是说妖精的暴走,其实就是自然的暴走。比起这个,能在如此广范围之内引起暴走的家伙才是真的恐怖……啊我什么都没说。」
 「? まあ、確かにそうなんですけど。暴走って事は、元々妖精が自然を狂わす程の魔力を持っていたって事なんじゃ無いの?」
 「? 嗯,你说得倒也有道理。既然说是暴走,那不就意味着妖精深藏着可以令自然混乱的程度的魔力吗?」
 「さあ、どうだかなぁ。私には元の魔力以上の魔力が溢れ出ていたとしか思えない。その魔力が何処から出てきたのかというと、ハッキリとは判らんが、犯人の魔力なのか、別の世界や別の時空の魔力なのか……。まあともかく、その背中の扉の中に、犯人がいたんだ」
 「这些,就只有天知道了。我个人意见是觉得暴走的魔力比她们自身潜在的魔力要大出许多。但要说起这些魔力的来源何处,我就不太清楚了,究竟是犯人自身的魔力,还是别的世界或者别的时空的魔力也不太好说……。总而言之,在背上之门里面,犯人确实存在。」
 「あ、中に入れるんだ。背中の扉って」
 「啊,你还进去过了吗。背上之门啊。」
 「そりゃまあ、扉だからな。その中は、なんとも言えない、不気味な世界だったぜ……」
 「那是当然啦,毕竟是一扇门啊。那扇门背后,真的是一个,令人汗毛倒竖的世界啊……」
 少しずつ乗ってきた魔理沙が、怪談を語るようにしゃべり始めた。
 稍稍起兴的魔理沙,像讲鬼故事一样开了口。
 「――あれは、雪の降る夏の早朝だった。魔法の森は吹雪いていて殆ど何も見えなかったが、目の前に何者かが立ちはだかっていた。『邪魔だ、どけ!』。そう言っても動こうとしない。なぁんか変だなぁと思って、近づいてよく見ていると、それは一体の笠地蔵だった。『なぁんだ、地蔵か。こんなところに誰が地蔵を置いたんだ?』。そう思っていると、地蔵がニタリと笑い、突然襲いかかって来たんだ! 『うわぁ! 地蔵のお化けだー!』 私は声を上げ――って何だよ邪魔すんなよ、話が乗ってきたところなのに」
 「——那是一个,下雪的夏天清晨。魔法森林被鹅毛大雪笼罩着放眼望去什么也看不见,但我总有种面前站着谁的感觉。『碍事,让开!』。我这么喊着对方也无动于衷。我觉得有点奇怪,走近了仔细一看,原来是一尊笠地藏的石像。『什么嘛,原来是地藏啊。到底是谁在这里放了一尊地藏像呢?』。我这么想着,地藏突然笑了起来,朝我攻了过来! 『呜哇! 是地藏妖怪啊!』我这么喊着——你干嘛你干嘛,为什么要打断我啦明明我正讲的兴起。」
 「ちょ、ちょっと待って。何か口調といい、内容といい、急に作り話っぽくなってきたんで、一応何処まで事実なのかなーと」
 「哎呀,稍等一下稍等一下。听你的口气也好,内容也罢,突然间多了一股虚构故事的感觉,我就想明确一下哪部分是事实来着。」
 「まあ、事実の部分もあるが殆ど作り話だ」
 「嘛,虽然有事实但大部分都是我瞎编的。」
 「なんでやねん」
 「去你的吧3。」
 菫子は最大限ベタな台詞でツッコんだ。
 堇子用最老套的台词吐了个槽。
 ――霖之助は思った。
 ——霖之助是这么想的。
 魔理沙の話が何処まで本当で、何処まで嘘なのかよく判らない。見た感じ、わざと話をはぐらかしている様にも見える。何か、異変の事を言いたくない様に見える。普段だったら、こんな大きな異変の解決なら喜んで武勇伝を語る筈だ。もしかすると……何か嫌な予感がする。
 魔理沙的话语里哪一部分是真相,哪一部分是谎言的确分不清。乍看下来,魔理沙是有意把事情说得不明不白。看上去,就像是不愿意提起异变一般。若是平常,解决了如此重大的异变她一定会开心得大谈特谈自己的英雄事迹。难道说……他心里闪过一丝不祥的预感。
 「魔理沙……。君は本当に異変を解決したのかい?」
 「魔理沙……你真的解决了异变吗?」
 「勿論だ。何故疑う?」
 「那是当然。为啥这么问?」
 「いやなんか、核心部分をはぐらかしているように見えたんでね」
 「不、我只是觉得,你有种故意避开核心部分的感觉。」
 「うーん。まあその……異変が解決したのは本当だ。しかし、何となく言いたくない部分もあってな……」
 「唔——嗯。那个……异变解决了是真的啦。但是,其中总有一部分我不太想说……」
 その時、菫子が窓の外をみて慌てていた。
 这时,堇子看向窗外突然慌张了起来。
 「ねえ、外に何かいる! 笠を被った地蔵が歩いているわー!」
 「你们看,窗外有东西在动! 戴着斗笠的地藏菩萨在走动呢——!」
 「えっ?」
 「诶?」
 魔理沙と霖之助は驚いて窓の外を見た。そこに居たのは、地蔵のように見える格好の、お下げの小さな女の子だった。
 魔理沙和霖之助吃惊地急忙望向窗外。映入眼帘的,是穿着如同地藏菩萨一般的,扎着小小麻花辫的女孩子。
 「うわー、香霖堂の中は暖かいですねー! 里まで買い出しに行こうと思っていて、余りの寒さに少し心が折れ始めたところでした」
 「呜哇——香霖堂里真是暖和呀——! 我还想着去村里买点东西,因为实在太冷了还想放弃来着。」
 彼女の名前は矢田寺成美。魔法の森に住む、正真正銘のお地蔵さんだ。
 她的名字是矢田寺成美。住在魔法森林,如假包换的地藏菩萨小姐。
 「ごめんなさーい。合掌して雪の中を歩いているもんだから、笠地蔵に出てくるお地蔵さんかと思っちゃった」
 「真是不好意思。因为看到你合着掌走在雪地里,还以为是化身笠地藏的地藏菩萨像呢。」
 「あっはっは、こいつは矢田寺成美、本物のお地蔵さんだぜ」
 「啊哈哈,这家伙叫矢田寺成美,可是真正的地藏菩萨哦。」
 「え? マジ?」
 「诶? 真的?」
 菫子は遠慮無く成美の身体を触った。
 堇子毫不客气地对成美的身体开始一阵乱摸。
 「ええー、柔らかーい。お地蔵さんって固くて重くてザラザラしてないと雰囲気でないじゃーん」
 「诶诶——好柔软呀——地藏菩萨明明给人一种硬邦邦的感觉一点也没有软绵绵的印象呀。」
 「誰? この失礼な奴」
 「这谁啊? 这个没礼貌的家伙。」
 「外の世界の人間だぜ」
 「是外面世界的人类哦。」
 「え? そ、外の世界の⁉」
 「欸? 外、外面世界!?」
 「初めまして、宇佐見菫子です! 外の世界と幻想郷を自由に行き来するスーパー女子高生です!」
 「初次见面,我是宇佐见堇子! 可以在外面世界和幻想乡自由来回的超级女高中生是也!」
 さっきの魔理沙の決めポーズを真似ているようだった。成美は驚いて霖之助に詰め寄った。
 好像在模仿刚才魔理沙的姿势啊。成美吓了一跳躲向了霖之助。
 「こんな役に立たない外の道具ばっか売ってる古道具屋に……外の世界の人間がしてたなんて。一体いくらなのよ?」
 「没想到这尽卖一些毫无用处的外界道具的旧道具店竟然……可以外面世界的人类吗。这样一个卖多少钱啊?」
 霖之助は苦い表情をした。
 霖之助摆出一张苦脸。
 「成美君。彼女は商品では無いよ。確かに、外の世界の道具を扱っている香霖堂だが、人間は道具では無いんでね。彼女は一応、客さ」
 「成美君。她可不是商品啊。的确,我这里是倒卖外面世界道具的香霖堂,但是人类可不是道具啊。她啊,好歹也是个客人。」
 「そうなんだ。妖怪相手なら高く売れると思うけどねぇ。質はともかく、珍品だからねぇ」
 「这样啊。我倒是觉得如果以妖怪为贩卖对象的话倒是能卖出个高价。质量暂且不提,好歹是少见珍品呢。」
 成美は菫子に向かって厭みを言って、笑った。
 成美笑着,朝堇子说着一些令人不快的话。
 ――暫くして、魔理沙と菫子と成美の三人が打ち解けて歓談していた。
 ——不过一会儿,魔理沙与堇子和成美三人便握手言欢打成了一片。
 「へえー! 外の世界では冷房器具と暖房器具が同じ一つの機械で出来るのー? 良いなー。 でも、それってどういう仕組みなの? 火を焚いたら熱くしかならないし……氷を入れたら冷たくしかならないし」
 「嘿诶! 外面世界里冷气和暖气都是同一个机器可以吹出来的吗? 真好啊。但是,那是一个什么原理呢? 烧火也只能变热……把冰块放进去也只能变冷呀。」
 「多分気化熱を使うんだと思うんだけど、そういえば不思議ねぇ。ちょっと待ってね、ググってみる……って圏外だったわ。今度までに調べて置くわー」
 「大概是利用汽化热的原理吧,不过听你一说我也觉得不可思议了呢。你稍等一下,容我谷歌查查……话说这里也没信号啊。我下次再好好帮你调查一下吧——」
 「それは何?」
 「那是什么?」
 「これはスマホ。電話したりネットを見たり、調べ物をしたり地図を見たり出来る万能な機械よ。まあ、幻想郷に居るときは時計とカメラくらい使えないけどねー」
 「这是智能手机。可以用来打电话或者上网,是一个能够查你想知道的事情或者看周围的地图的万能的机器。不过,在幻想乡也就只能用来看看时间或者用照相机拍拍照之类了呢——」
 店内がただの談話室になると、もう僕の出番は無い。しかし、僕は異変の犯人の話がどうしても気になっていた。魔理沙が言いたがらない理由は何だろうか。考えられる事は三つ、一つ目は魔理沙が異変解決したと嘘を吐いている、二つ目は実は魔理沙は犯人に懐柔されている、三つ目は犯人がよく知っている奴で庇っている……。
 店内若变成一个谈话室,那就没有我插话的空间了。但是,我对异变的犯人的事情着实有点在意。魔理沙不愿提起此事的原因究竟是什么呢。我能想到的理由有三点:第一是魔理沙所谓的异变已解决本身就是在说谎;第二是真相其实是魔理沙已经被犯人拉拢了;第三是犯人是魔理沙相熟之人所以在包庇她……
 正直、どれもありそうである。しかし、これだけ幻想郷を騒がせた異変の顛末は、全ての住民が知る権利がある筈だ。適当にはぐらかしている魔理沙に、もう一度聞く必要がある。しかし、他愛無い女子トークの中に入っていくタイミングが掴めない。そう逡巡していた時、成美がピンポイントで話題を変えてくれた。
 说实话,每一个可能性都很大。不过,在幻想乡掀起如此骚动的异变的经由,全体居民都应该有知情的权利。看来有必要,再次向刻意隐瞒的魔理沙进行征询。不巧的是,我实在找不到插入那些毫无营养的女生谈话的间隙。在我犹豫之时,成美直接把话题转到了重点。
 「―― エアコン、欲しいなぁ。それがあったら夏が急に冬になったって平気ったのにねぇ。ところで、魔理沙。いつになったら魔法の森の冬が終わるのよ。異変は解決したって言ってたよね」
 「——空调吗,真想要一台啊。有了那个的话就算夏天突然变成冬天也不怕了。话说回来,魔理沙。到底要到什么时候魔法森林的冬天才能结束啊。你说过异变已经解决了吧。」
 よしきた! とばかり、僕も会話に参加した。
 来得正好! 我暗自叫好,迅速地融入了对话之中。
 「僕からももう一度聞こう。何故か魔理沙は話したがらないみたいだが、これだけ騒がせた異変だ、真相は皆が知る権利がある」
 「我也想再好好问问。不知为何魔理沙始终不愿提到这件事,但这场异变影响毕竟如此之大,我也应该有知晓真相的权利。」
 魔理沙は観念した様子で「こうなる事は判っていたが……」と呟いて、異変の詳細を語り始めた。
 魔理沙也一副放弃了的表情一边小声说着「早就知道事情会这样了……」的话,一边把异变的详细经过从头开始说起。
 異変は一人の秘神の力によって引き起こされた。自分の部下を見つけるためという下らない理由で、幻想郷全域に異変を起こしたというクレイジーな話だった。中でも一番信じられない事は、異変の特徴である季節の狂いは、異変の目的では無く、ただの副作用だったと言う事だ。
 异变是由一位秘神的力量引起的。听上去就是个只是因为要寻找自己的部下这种无聊的理由,所以就在幻想乡全境引起了异变这种疯狂的事情。其中最令人难以置信的是,成为异变最主要特征的季节狂乱,并不是异变的目的,而仅仅是副作用而已。
 「――ほう、異変はその秘神一人の仕業だというのか。その一人で幻想郷の全域に影響を与えたとなると、何とも恐ろしい」
 「——哦哦,异变原来是那位秘神一人所干的好事吗。仅仅一人便能对幻想乡全境造成影响,着实让人胆颤。」
 「いつの間にも私の背中にも魔理沙の背中にも、扉を作って魔力に影響させてたのよねぇ。この魔法地蔵の成美に、魔力の事で気付かせないなんて恐ろしいわ」
 「不知不觉间我的背上和魔理沙的背上都被开了门,魔力也受到了影响。现在想想我成美本身作为魔法地藏,对这种魔力相关的事情也未能注意到也真是感到后怕。」
 「へえ、姿も見せずに遠隔で影響を与えるなんて、幻想郷には凄い奴もいるのねぇ。そんなの相手に戦う魔理沙さんて凄いわー!」
 「嘿,连人影看不到就能在远距离对人造成影响,幻想乡也有强大的家伙存在呢。和这种对手交战的魔理沙小姐真是厉害——!」
 異変の話を聞き、三人は驚愕していた。それと同時に、想像上の秘神に畏怖と敬意が感じられる気がした。
 听闻了异变缘由,三人都惊愕不已。与此同时,也感觉到了对于想象中的秘神的畏惧和敬意。
 「それ、その目だよ! 私が言いたくなかったのは、この異変の真の目的は、その秘神の力を誇示する事だったからだ。この話を聞いた人が驚き、畏れ、ややもすると称賛する。それが奴の目的だったんだよ」
 「就是这个,就是这种眼神! 我之所以不愿意说的原因就是,这场异变的真正目的,就是为了展示那位秘神的力量。听说了这件事的人们表示出的惊讶、畏惧、以至于最后的赞叹。这才是那家伙的目的呀。」
 魔理沙は悔しそうだったが、すっかり吐いて気持ちが楽になったのか、秘神の招待やそのクレイジーな部下の話、背中の扉の向こう側の話など洗いざらい話してくれた。その都度、三人の興味が膨らみ、話は尽きることは無かった。これが秘神の真の目的だとすれば、異変は犯人側の大勝利だという事になる。魔理沙が悔しがるのも仕方が無いだろう。
 魔理沙看上去虽然很不甘心,也许因为话都说开了也轻松了不少的缘故,就把秘神的真实身份、疯狂的部下的事情,以及背上之门背后的事情都一五一十地说了出来。每提到一件,三人的好奇心便涌了起来,七嘴八舌地讨论停不下来。如果这就是秘神的真正目的,那这场异变简直就是犯人方的全胜。魔理沙会不甘心也难怪了。
 結局、幻想郷全域を騒がせた四季異変は、誰も傷つけることは無く、秘神の存在感だけが残る結果になったようだ。魔法使い、外の人間、地蔵の異色トリオは、いつまでも異変の話に花を咲かせていた。僕はと言うと、終わりなき女子トークに飽き飽きし、時計ばかりを見ていた。幻想郷が僕みたいな者ばかりならば、きっと秘神も悔しがっただろう。非常に残念だ。
 结果,这场搅动幻想乡全境的四季异变,并没有对任何人造成伤害,只是留下了秘神的存在感便结束了。魔法使、外面的人类、地藏这个异色三人组,也一直七嘴八舌地谈论着异变的话题。我的话呢,也早就厌倦了看不到尽头的女生谈话,只能盯着时钟度秒如年。如果幻想乡里全都是我这样的家伙的话,那么秘神想必也会非常不甘心吧。真是非常遗憾。
次号へ続く
下回待续

注释

  1. 此段引用清少纳言所著《枕草子》
  2. 日本的连锁便利店
  3. 原文为「なんでやねん」,关西腔,常用于喜剧效果的吐槽
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