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东方香霖堂/东方外来韦编第1话/中日对照
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< | 后记 | 东方香霖堂 | 东方外来韦编第2话 | > |
ついに伝説の連載が帰ってきた! 唯一無二の幻想ノベル、ここに再開ーー! | 传说中的连载如今终于回归! 独一无二的幻想小说,在此重开——! |
香霖堂に珍しく訪れた来客は、 正真正銘「外の世界」の住人で……。 | 罕见的前来造访香霖堂的客人, 是真正的「外面世界」的居民…… |
(第一回)孤独にして孤高の古道具屋 | (第一回)孤独且孤高的旧道具店 |
学校に行く事をくだらないと思っている人が、みんな長期休みを待ち望んでいるかというとそうではない。毎日何をするのか自分で考えないといけない休日の方こそ、苦痛となる人もいる。人はいくら強がりを言おうとも、人との繋がりこそが人間の活力で有り、孤独は則ち死、である。自分は孤独を厭わないというポーズは、他人から孤独と思われてる事に対して、自分は『好きで孤独なんだから哀れみの目で見ないでくれ』という意味なのだ。私を除く多くの人にとっては……。 | 厌倦上学的人是否都期待着长假呢,事实并非如此。不得不每天都要思考自己该做些什么的假日,或许会让一些人更加痛苦。人不论如何逞强,都无法否认人与人之间的联系才是人活下去的动力,孤独,无异于死亡。如果一个人表现出自己并不厌倦孤独,就等于是在被他人认为自己处于孤独之中的情况下,向人们传达着「我倾慕如此故而孤独,请不要用怜悯的眼光看我」的意味。对于我之外的大多数人来说都是如此…… |
夏休みに入り、友達の居ない私は何処に外出するでもなく、部屋に篭もることにした。しかしこれは外に出るのが怖い事に起因する、いわゆる引き籠もりではない。アーティストが芸術的センスを雑音から守るように、数学者がミレニアム問題を解くように、修行者が生きたまま仏になる即身仏に挑むように、意味のある積極的引き籠もりと言うべきものなのだ。 | 进入暑假,没有朋友的我也没有外出的理由,一直蜷居在家中。然而这源自自身对外出的恐惧,而绝非是人们所谓的宅在家中。如同艺术家为了保护自己的审美品味不受杂音侵扰,如同数学家为了解决千禧年问题静心思考,如同修行者为了成为即身佛不饮不食,我的隐居也是积极的有意义的隐居。 |
私はついこの間から寝ている間だけ、この現世を離れて幻想の世界へ行くことが出来るようになった。原因はハッキリとは判っていないが、私の方から異世界に干渉したことが影響しているのは明らかである。つまり部屋に籠もっている間は肉体は寝ているが、私自身にとっては冒険と探検、そして出会いの毎日なのだ。 | 这段时间我开始能够在睡眠期间,离开所处的现世前往幻想的世界。其中的具体原因并不清楚,但显而易见的是这是我主动干涉异世界所留下的影响。也就是说我蜷居在家中的时候虽然肉体处于睡眠之中,但我却享受着充满冒险、探索和相遇的每一天。 |
「うーん。やっぱり幻想郷は涼しいわねぇ。ここって標高が高いのかしら? GPSが使えないのでよく判らないけど」 | 「啊。果然幻想乡比较凉快。这里海拔有多高?不过用不了GPS就没办法知道了。」 |
私は夏休みを利用して、幻想郷に長期滞在をしていた。その間現世では私は寝たきりに見えるかも知れないが、不思議と肉体の筋力低下は見られない。むしろ鍛えられている節もある。睡眠学習みたいなものだろうか、それともこちらに来ているのが本当の肉体なのだろうか。 | 我利用暑假,长时间在幻想乡之内停留。虽然在此期间我在现世中看起来一直处于睡眠状态,但我肉体的肌肉却不可思议地没有衰退的迹象。有些甚至还得到了锻炼。不知该说是我的肉体在睡眠中进行了学习,还是说来到幻想乡的是我真正的肉体呢。 |
「今日は何処に行こうかなぁ。霊夢さんや魔理沙さんからは山や森には近づくなって言われてるけど……、何故なのか気にあるなぁ」 | 「今天去哪里呢。灵梦小姐和魔理沙小姐让我不要靠近山林……有点在意为什么。」 |
好奇心の赴くままに森の方に向かってみる事にした。どうせここは夢の中なんだ。妖怪も幽霊ももう慣れたし、今更何が出ても驚かない。そう考えていた矢先だった。何やら大きな風呂敷包みを抱えて運ぶ者を見つけた。こちらには気付いて居ないようだが、どうも風呂敷包みからはみ出している物が目に付いた。どう見ても電子レンジか何かの電化製品だ。幻想郷ではあまり見かけない代物である。私は気になって後を付けた。 | 在好奇心的驱使之下我走向了森林。毕竟这里只是梦中,而我也已经习惯了妖怪与幽灵,事到如今出现什么也不会吓到我了。就在如此思考的同时,我看见了一个抱着巨大包袱的人。那个人似乎并没有注意到我,但我却注意到了从那个人的包袱中若隐若现的东西。怎么看那都是类似微波炉的电器。那并非是幻想乡中常见的事物。我颇为在意于是跟在了那个人的后面。 |
暫く付いていくと、森が目の前に迫っていた。森の中に入るのかなぁとドキドキしていたが、森との境目に現れたのは、さほど大きくない建物と蔵だった。そこかしこに雑多な物が溢れていて、一見すると世間を騒がしたゴミ屋敷の様にも見えた建物だった。だがよく見ると放置されている物は整備されているし、どうやらゴミという訳ではないようだ。そんなことより私が驚いたのは、置いてある品物の内容だった。道路標識や自転車などの大型の物から、ラジカセ、ブラウン管テレビなど、昔の写真で見た事があるような(私は生まれてはいないが)昭和の香りがする物まであった。それらはほぼ全て幻想郷ではあまり見かけない、私の住む外の世界の品である。もしかして、ここは幻想郷ではなく、いつの間にか外に戻っていた? そう錯覚した。 | 跟随那个人走了一段时间后,森林出现在了我的眼前。就在我担心那个人是否要走进森林的时候,在森林的边界上,出现了一间并不是很大的房屋及仓库。房屋周围四处堆积着杂乱的物体,就仿佛是曾经惊扰世间的垃圾宅邸1一般。但仔细一看那些堆积起来的杂物又有整理过的迹象,看起来并非是垃圾。然而令我真正感到震惊的,是堆放起来的杂物的内容。大到道路标识牌、自行车,小到录音机、CRT电视,杂物包含了各种各样只有在过去的照片上才能见到的(那个时代我还没有出生)洋溢着昭和气息的物件。这些都是在幻想乡中难以见到,属于我所居住的外面世界的事物。难道说,这里并非幻想乡,我已经在不知不觉间回到了外面?我产生了这样的错觉。 |
扁額には「香霖堂」と屋号のような物が書かれていた。 | 牌匾上写着看似是这家商号的名字「香霖堂」。 |
ーー僕は店内を見渡した。長い間全く動きの無い商品が殆どだ。それらを眺めるのも飽きていた。 | ——我环视了一圈店内。其中基本上都是一些长时间没有任何动静的商品。我也逐渐厌倦了观望这些东西。 |
とはいっても最近、商品の入荷が増加している。特に電気を使う機械製品が多い。残念ながらその様な電化製品は殆ど売れない。需要と供給のバランスが取れていないのだ。このままでは経営が成り立たないかも知れない。 | 即便如此,最近商品的进货量却在逐渐增加。尤其以使用电力的机械产品居多。遗憾的是这样的电子产品基本卖不出去。需求与供给并没有达成平衡。这样下去可能就难以维持经营了。 |
僕の名前は森近霖之助。古道具屋「香霖堂」の店主だ。 | 我的名字是森近霖之助,旧道具店「香霖堂」的店主。 |
最近は商品を広く売ることよりも、外来品ーー外の世界の品物を使った新しい商売を模索しようと考えている。 | 最近相较广范围地销售商品,我开始考虑摸索使用外来品——来自外面世界的物品——的新型生意。 |
だから来客が一人も無い日も別に寂しくは思わない。孤独は、余った商品の新しい使い道を考えている時間を与えてくれるのだ。別に客など来なくても……。 | 因此一个客人都没有的日子我也不会觉得寂寞。孤独,给予了我思考滞销商品新的使用途径的时间。就算是没有客人…… |
ーーカランカラン。 | ——哐啷哐啷。 |
「あのー……ここはお店でしょうか?」 | 「请问……这里是商店吗?」 |
「はい、いらっしゃいませー。ここは古道具屋です。気になった物があれば是非お声かけて下さい」 | 「是的。欢迎光临。这里是旧道具店。如果有感兴趣的商品就告诉我。」 |
「古道具屋さん……へー、そうかーなるほどー」 | 「旧道具店……是吗,原来如此——」 |
「古道具屋って言っても、そんじょそこらの骨董品屋とは訳が違います。うちは外の世界の品をメインに取り扱う、幻想郷唯一の古道具屋でして」 | 「即便叫旧道具店,也和那些处处可见的古董店有所区别。这里是整个幻想乡里,唯一一家主要贩卖来自外面世界的商品的旧道具店。」 |
「はあはあ、ふーん」 | 「是吗、嗯——」 |
「あれ、驚かれない。外来品ですよー? ほら、こんな道具、見た事が無いでしょう?」 | 「奇怪,居然没被吓到。这可是外来品啊?你瞧,这样的道具,从来没见过吧?」 |
「あ、懐かしいわー。この折り曲がらないタイプのガラケー。こんなのまで売ってるんだ」 | 「啊,好怀念。这种不翻盖型的国产手机。这里居然还卖这种东西。」 |
「その携帯電話を知っているとは、君は一体……?」 | 「居然了解那个手机,你到底是……?」 |
「私は宇佐見菫子、幻想郷の外の住人です。初めまして」 | 「我是宇佐见堇子,幻想乡外的居民。初次见面。」 |
「そ、外の人間、だと? まさかぁ」 | 「外、外面的人类,吗? 怎么可能。」 |
「本当ですよ? えーっと、何か証明できる物があるかなぁ。ほら、これが最新式の携帯電話ですけど、どうですか?」 | 「真的哦?呃,我看看身上有没有什么证据。您看,这个是最新型的手机,怎么样?」 |
驚いた。ここ数年で一番だろう。 | 被吓到了。这几年来头一次。 |
僕は見ただけで道具の名前と用途が判る能力を持っている。彼女の持っている物はスマートフォンという代物だ。間違い無く外来品である。それも現役で使用できる外来品を持っているとは間違い無く、彼女は外の人間だろう。 | 我具有看一眼就知道道具的名字和用途的能力。她手中的物体名叫智能手机。那是毋庸置疑的外来品。而且是能够使用的现役款式,看来她的的确确是来自外面的人类。 |
外の世界の品を扱っている僕だが、まさか外の人間が客としてやってこようとは思わなかった。しかしここで動揺してしまってはみっともない。僕は冷静さを装った。 | 我虽然经营着来自外面世界的物品,却从未想过会迎接来自外面世界的客人。但若在这里表现出动摇可就太丢人了。我假装冷静。 |
「ど、どうやって幻想郷にやってきたんだい?」 | 「你、你是怎么来到幻想乡的?」 |
「うーん。最初は正式に中に入って来ようとしたんだけど、ちょっとした手違いがあってね。何でか知らないけど、今は夢の中に入るとこっちに来ちゃうんだ」 | 「呃。一开始我是想正式进来的,但却出了一点差错。不知为什么,现在只要做梦就会来这里。」 |
「夢の中だって? 今、君は夢の中にいるって事かい?」 | 「做梦?也就是说,你现在位于梦中吗?」 |
「そういう事になるわね。眠ると幻想郷に行き、目が覚めると現実に戻る、というのを今年の夏はずっと繰り返しているわ」 | 「应该是这样。睡觉时前往幻想乡,醒来后回到现实,今年夏天我一直在重复这样的循环。」 |
「ふーむ、奇怪な話だな。ところで霊夢……いや博麗神社の巫女に会った事はあるかい?」 | 「唔,真是奇怪的事情。话说你见过灵梦……博丽神社的巫女吗?」 |
「ええ、霊夢さんなら良く知っているわ。こっちにいる時は基本的に神社にお世話になっているから」 | 「见过,我和灵梦小姐很熟悉。我在这边的时候基本上都要拜访神社。」 |
なんだ、それなら話が早い。何か結界に異変があったときは霊夢に報告した方が良いと思うが、知っているというのなら問題ないだろう。 | 什么啊,那就好说了。如果结界发生了任何异变我都理应向灵梦报告,但她已经知情的话应该就没事了。 |
だとすれば僕の興味はただ一つだけだ。 | 这样一来我的兴趣只剩一个。 |
「えーと、外の世界から来たというのなら、何か面白い物は持っていないのかね」 | 「呃,既然你来自外面世界,有没有带什么有趣的东西过来。」 |
「え?」 | 「嗯?」 |
「見ての通り、うちは外の世界の品を取り扱うお店だ。君が見ても日常品ばかりでつまらないだろう?」 | 「如你所见,这里是经营来自外面世界的物品的店。对你来说都是些日常用品所以应该很无聊吧?」 |
「日常品……というにはちょっとアンティーク過ぎるかなぁ。私が生まれる前の代物ばっかですし」 | 「日常用品……这些东西都太古旧了。全都是我出生之前的东西。」 |
品揃えは最新だと思っていた僕は軽くショックを受けた。 | 一直深信商品是最新款式的我受到的打击可不小。 |
「あ、そう。まあ、それはともかく、僕は外の世界の品物に興味がある。だから君が持っている物が見てみたい」 | 「啊,是吗。不过,不提那些,我对外面世界的事物有兴趣。所以我想看看你都带着什么。」 |
彼女は大して荷物を持っていなかった。それもそのはず、夢の中に物を持ち込むには身に付けたまま眠る必要があるという。小さな手提げカバンにはスマートフォンと財布くらいしか入っていなかった。 | 她并没有携带多少行李。这也情有可原,想要把物体带入梦,就必须把它们带在身上入睡。在她小小的手提包里面只放着一个智能手机和一个钱包。 |
「スマホを持っていても圏外だから余り役に立たないんだけどね。でも時間も判るし、本を読んだりして暇もつぶせるし、やっぱり必需品なのよ」 | 「拿着手机也收不到信号所以派不上什么用场。但是有了手机就能看时间,还能读读书打发时间,所以还是必需品。」 |
「本が読める、だって」 | 「能读书吗,用这个」 |
「そう、電子書籍。この中に何十冊も入ってるわけよー。漫画ばっかだけど」 | 「没错,电子书籍。在我的手机里面有好几十本呢。虽然都是些漫画。」 |
「それは凄いな。上手くすれば幻想郷でも売れるかもしれん。本を読む人間は多いからな」 | 「那可真是厉害。说不好在幻想乡里也能卖得出去。这里读书的人可不少。」 |
「えー、何か嫌だなぁ」 | 「什么,感觉好讨厌啊。」 |
「何がだい?」 | 「什么意思?」 |
「幻想郷の人間達がみんなスマホに没頭していたら、理由は判らないけど何か興ざめだわ」 | 「如果幻想乡里的人全都埋头看手机,不知为什么总觉得会兴致大减。」 |
「それはどうしてなかぁ」 | 「那是怎么一回事?」 |
「いまねぇ、電車に乗っていても駅で待っていてもレストランに行っても、みんな手元のスマホに夢中なのよ」 | 「现在这个时代,不管是在电车上还是在车站里或者是去餐厅,所有人全都只盯着手头的手机。」 |
「……外の世界の人間が夢中ならば、幻想郷で使っている人がいても良いじゃないか」 | 「……外面世界的人类都沉迷其中了,幻想乡里的人用用不也很好。」 |
「それがね、誰かと必要な連絡しているとかならまだしも、ただチャットでだべっているだけだったり、ネットでゴシップ記事を読んでたり、ゲームをしていたり、動画を見ていたり……、今やらなくても良いじゃない? って事ばかりなの。もっと目の前を見た方が良いと思う。折角、世界には面白い物が転がっているのに、みんなの目には見えていない。SNSで評価されそうなネタしか写真に撮らないし、初めから気にも留めない。何処にだってオカルトは現れているというのに」 | 「如果,人们都仅用手机进行一些必要的联络还好,但是现在的人全都用手机来聊天、上网读八卦新闻、打游戏、看视频……全都是些鸡毛蒜皮的事情吧?我觉得人们该多看看眼前的事物。好不容易,世界上遍地都是有趣的事物,但人们的眼睛却看不见。人们照相也只会拍一些能在社交网络上引起热议的东西,并不在意自己拍过些什么。明明现在灵异已经在各处发生了。」 |
何か思うところがあったのか、彼女は急に感情を露わにした。僕には判らない憤りだった。 | 不知她想到了什么,突然间情感流露而出。那是我所无法理解的愤慨。 |
「もし、幻想郷の住人も外の世界みたいに目の前のスマホに集中する様になったら、私はこっちに来るのを止めると思う。もっとも、どうすれば止められるかは知らないけど」 | 「如果,幻想乡的居民也像外面世界一样把精力集中在眼前的手机上,我可能就不会再来了。话虽如此,我也不知道该怎么停下来。」 |
「なる程ねぇ。外の世界の事を想像するのは難しいがみんなその道具に頼りっきりって事だな。しかし、おかしいな。そこまで嫌っているスマホを何故、君は大事そうに持っているんだい?」 | 「原来如此。虽然很难想象外面世界的样子但大致的意思是说人们都完全依赖于那个道具上吧。不过,那就奇怪了。你那么讨厌手机,为什么你还把它当成宝贝一样拿着?」 |
「そ、それはその、必需品だから。時計としても、地図としても、電車の時刻表としても」 | 「这、这是因为,手机是必需品。不论是作为钟表,作为地图,还是作为电车的时刻表。」 |
「他の人間もきっとみんなそう思っているよ。必需品だからってね」 | 「别人也都是这么想的吧。因为是必需品所以才会依赖。」 |
「でもー、みんな下向いて違う世界を見てるんだよ? 同じ場所に居合わせても。人間社会は遠隔のコミュニケーションを重視する余り、人間個人の能力を低下させたんだわ。これは社会問題よ」 | 「但是,人们非得全低着头,看着不同的世界吗?就算是面对面的时候也是。人类社会过于重视远程的通信,却弱化了人类的个人能力。这是社会问题。」 |
「外の世界は僕には判らない問題を抱えているんだな。だけどいいかい? ただの道具は人間を成長させる力を持っているが、退化させたりする力はない。そんな事が出来る道具は魔力が篭もっている | 「看来外面世界背负着我无法理解的问题。但是你知道吗?普通的道具虽然有着让人类成长的力量,却不具备让人退化的力量。能够做到这件事的道具唯有被赋予了魔力的魔法道具。」 |
そうだ、僕は見ただけで道具の用途は判るが、人間を退化させる為だけに生まれた道具など見た事が無い。このスマートフォンだって、表面上は色んな事が出来る様だが、真の用途は『自らの情報の無償提供』だ。これを持っているだけで社会の秩序を守るために、いろんな情報を提供するという訳だ。秩序維持の為の献身的アイテムって所だろう。そんな高度な社会的道具を作っている人間が、能力低下しただなんて到底思えない。 | 没错,我看一眼就能知道一切道具的用途,却从未见过任何专门为人类退化而生的道具。就像这个智能手机,表面上可以做各种各样的事情,但它真正的用途是「向持有者无偿提供信息」。只要持有这个手机它就会为了维持社会的秩序,向持有者提供各种各样的信息。可以说它是用来维持秩序的自我献身型道具。无论如何也无法想象能够制作出这种高度社会化道具的人类,能力会有所下降。 |
「で、そのスマートフォン。それを売ってくれたりは……」 | 「那么,这个手机。你能不能把它卖给我……」 |
「するわけ無いでしょ? これは新型なんだから。まだ分割払いも終わってないし」 | 「怎么可能?这可是新型的。分期付款还没结束呢。」 |
「むう」 | 「唔。」 |
「……って、もしかしてこのお店、外の世界の品を買い取ってくれるの?」 | 「……等等,难道说这家店,会收购外面世界的各种东西吗?」 |
「ああ、そうだな。基本的には拾ってくるものを売っているのだが、内容によっては買い取りでも構わない。特に現役の外来品なんて喉から手が出るほど欲しい」 | 「啊,没错。基本上我都卖些从外面捡回来的东西,但根据内容我也会进行收购。尤其是现役的外来品我可是想要得不得了。」 |
「じゃ、今度要らなくなった道具を持ってくるわね。幻想郷のお金、ずっと欲しかったのよねぇ」 | 「那么,我下次就把不要的东西带过来。幻想乡的金钱,我一直都想要来着。」 |
「何だ、文無しだったのか」 | 「什么啊,原来你身无分文吗?」 |
「今までお金が必要になる事なんて無かったからねぇ。お金が無くても行動できる社会って凄いわね」 | 「迄今为止还没用到过金钱。不需要金钱也能行动的社会真好。」 |
「幻想郷では物々交換も主流なのさ。妖怪と人間ではシステムが異なるから仕方が無い」 | 「因为在幻想乡以物换物是主流。妖怪和人类之间的社会体系不一样所以也没办法。」 |
「物々交換……」 | 「以物换物……」 |
思い出したかのように彼女は辺りを見回した。 | 仿佛想起了什么,她环顾四周。 |
「どうかしたかい?」 | 「怎么了?」 |
「そういえば、さっき電化製品を背負っている人影を見かけて、それを追っかけてここに辿り着いたんだけど。その人も物々交換の客だったのかーって」 | 「说起来,我刚才好像看到了一个背着电子产品的人影,我追着那个人才来到这儿的。我在想那个人是不是也是以物换物的客人。」 |
「ああ、それは客では無いな。僕の助手だ」 | 「啊,那并不是客人。那是我的助手。」 |
最近自分で道具を拾いに行ける場所が限定されてきたので、代わりに拾いに行ってくれる助手を雇った。助手は次々と変わった品を拾ってきてくれた。見返りとして、僅かな賃金とその商品の名前や用途を教えている。 | 最近能够亲自去捡拾道具的场所越来越少,因此我就雇佣了一位能够帮我捡拾道具的助手。助手帮我捡回了各种各样奇特的物品。作为报酬,我给予那助手微薄的薪水并讲解商品的名称和用途。 |
しかしその助手だが、どうも拾ってくる道具に偏りがある気がする。うちでは余り値が付かない電化製品が多いのだ。結局、自分の手で商品を探しに行く必要は残ったままだ。 | 但是那个助手,总感觉捡回来的东西有些极端。全都是些在这里并不值钱的电子产品。结果,还是需要我亲自出门去寻找商品。 |
その電化製品だが、目の前の外の人間には新鮮に映る様だ。どうやら時代を遡るらしい。 | 那些电子产品,在眼前的外面人类看来似乎也比较新鲜。这些道具的历史看来需要追溯到一段时间以前。 |
「へー、MDプレイヤー? 聞いた事はあるけど実際に見るのは初めてだわー。こっちはカセットテープレコーダー? 完全にアンティークの世界ねぇ……。もしかして、オークションに出して売れば高値が付くんじゃ無いかしら? 良い考えよねぇ」 | 「哦,MD随身听?虽然听说过但真正见到还是头一次。这边还有磁带录音机?完全是古董的世界啊……说不定,把这些东西拍卖出去能卖出很高的价格?真是不错的想法。」 |
「その辺の商品は貴重だから、余り触れないでくれよ」 | 「那边的商品可是很贵重的,别乱碰。」 |
「はーい。ちなみにおいくらで」 | 「好——顺便这些卖多少钱?」 |
「……君は文無しだろう? まあいい、これだけだ」 | 「……你不是身无分文吗?不过告诉你也好,那些东西值这么多。」 |
「うーん。高いのかどうかよく判らないや」 | 「唔。不知道贵不贵啊。」 |
「まあ、君のスマートフォン数台分だね。質量的に見て」 | 「大概,值好几个你手里那个手机吧。从重量上来看。」 |
「高!」 | 「好贵!」 |
彼女とは、今度外来品を持ってきてくれる約束をして別れた。商品は売れなかったが、それ以上に価値のある邂逅だった。 | 和她约好下次带一些外来品过来之后,我们就分开了。虽然没有卖出任何商品,但却是一个远比此更有价值的邂逅。 |
最近入荷する商品がマンネリ化していたのか自分が外来品に飽きて、そろそろ店を畳もうかと思っていた矢先であった。まさか外の人間が現れると思っていなかった。これにより商品の知識もグンと広がるに違いない。そうしたら商品の価値も新しい物へと代わり、また生まれ変わるだろう。古道具屋としても新しく生まれ変わるかも知れない。 | 最近进货的商品变得有些千篇一律,我也开始有些厌倦而逐渐有了把店关掉的念头。但我万万没有想到外面的人类会现身。这样一来我对商品的知识肯定会有飞跃性的进步吧。那样的话商品的价值也会与时俱进,迎来新生。旧道具店本身也会焕发又一春吧。 |
孤独を厭わないと決めていた僕だが、彼女に会って思い直した。やはり人との繋がりが自分の思考を広げ、成長させる。自分が成長すれば、道具も生まれ変わる。暫く回収していた道具達を、積極的に人と会って解放していきたい。それが古道具屋の使命なのかもしれない。そう思った。 | 已经决定不厌孤独的我,在见到她之后产生了新的想法。果然唯有与人交际才能使自己的思考更为深邃,令自己得到成长。自身的成长,也会让道具迎来新生。我希望我能通过与各种人的相逢,让我暂且回收的那些道具得到解放。这就是旧道具店的使命吧。我如此想道。 |
次号へ続く | 下回待续 |
注释
- ↑ 在日本偶尔会发生的社会问题。日本的垃圾回收机制限时限类,而一些房屋的主人因为精神或心理上的原因,在自己家中和门口堆满了垃圾,对周边的住户造成不便。
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