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東方海恵堂~Marine Benefit./海恵堂異聞:Migration to the conceptual sea./海探抄/之一

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 海探抄   之二 >

ここは、穏やかなるこの世の海。
水平線を向こうに望むその海は、こちら側の世界が見る海

そう、誰もが思っていた…
BGM:海上異変は誰のため?
初めまして、私は檍原つくしと言う者です。
突然ですが、私は海の上に立っています。
いえ、比喩的な意味ではなく物理的に海上に立っているのです。
唯一無二現人神
檍原 つくし/Awakihara Tsukushi
独一无二现人神
檍原 筑紫/Awakihara Tsukushi
事の始まりは数ヵ月前、小波の立つ海に面した私の町でちょっとした不思議な出来事が起きたことでした。
いつものような学校の帰り、何となく海を眺めていると、海が不自然に窪んだような気がしたのです。まるで、栓が抜けた浴槽に現われる渦のように見えたそれは、それ程長くない時間で収まったので、私もその時は何かの見間違いかと思っていました。
しかし、その不思議な現象を皮切りに、海を住処にする漁師さんの間で様々な噂が広がり始めたのです。
"最近、海の上で人魚を見かける"

"水中に凍った魚が泳いでた"

"空から滝が降ってきた"

"海の底にきらびやかな建物が見えた気がした"
漁師の皆さんが色々な目撃情報を語り合っていく内に、その噂は数ヶ月を経て町の伝承…いわば都市伝説のような扱いになり、しまいには「この町の海のそこには龍宮城が沈んでいる」なんて尾ひれがついた伝説となりました。
そこで、私はそんな都市伝説と、私が見たあの海の窪む光景が何か関係があるかもしれないと感じ、こうして急遽海の上に立つことにしたのです。
え?どうして私が海の上に立てるのか、ですか?
それは私が"中津綿津見神"を降ろせるからです。今もその"中津綿津見神"を降ろして、その力で海の上に立っています。何でと言われても話が長くなるのでそこは気にしないでください。
………
 町港から大分離れて沖合いにやって来たものの、普段通りのやや時化た海が広がるばかりで、特にこれといって変なところは見当たりません。船で渡り歩いている漁師さんたちとは活動範囲が違うと言うのも理由でしょうが、それでもそろそろ何か見えてきませんでしょうか。
「私の目には何も見えませんね、綿津見様は何か見つけられましたか?………そうですか、見る力はないのですね」
中津綿津見神様とは、コミュニケーションをとることはできます。ただし、綿津見さまには人の姿がありませんので、声…というか文字というか…そういう何かが私の頭の中に直接入ってくるという手段で意思疎通をしています。
それはさておき、今のところ海には魚、空にはカモメの穏やかな風景が漫然と続いていて、代わり映えのしない光景にそろそろあくびが出そうになっています。
「綿津見様も、特にこれと言った気配を感じている訳でもないのですよね?やはりこれは私の杞憂なのでしょうか?」
そろそろ町から離れて相当な距離になる。陸は既に視界から消え、360度の方向が水平線に彩られて、進行方向にぽつねんと人の姿が見える以外には何も…
「………えっ!?」
悠然と眺めていたので気がつかなかったけど、よく見ると私の進む先に人が立っている。私と同じように、その身一つで。
00CCFF「 あらー?私たち以外にも海の上を歩ける人がいるのねー」
ちょっとした間のずれたのんびりしたしゃべり方、ゆるふわっとしたセミロングの髪、振袖のような袖をはためかせる着物、そして、膝上まで見えるスカートとそれを取り巻く羽衣のような透明なロングスカート…そこに立っていたのは、小柄な空色の女の子でした。
「あなたも、我が家の一族ですか?海の上を立ってるなんて」
「 さぁねー?私はそもそも人間じゃなくて人魚よー。"海 あやおり"って言うのー」
桃源洞裡小人魚
海 あやおり/Kai Ayaori
桃源洞里小人鱼
海 绫织/Kai Ayaori
女の子の一言に私はまずキョトンとして、状況をゆっくり呑み込むや否や、私はその女の子に思わず言い放つ。
「えっ!?人魚って海の上を立てるんですか!?」
「 さあねー?私が立てるんだから、人魚は立てるんじゃないのー?」
つかみどころのない回答が帰ってきて、私の中の疑問はうやむやにされてしまった。普通、人魚は海の中を悠々と泳ぐ上半身が人で下半身が魚の存在を言う。ですが、人魚を自称している彼女…えと、あやおりちゃん?は、どう見ても普通の小柄な女の子で、何処にも人魚の片鱗なんて
「 珍しいのねー、私が人魚であることは驚かないのー?」
と、あやおりちゃんに言われてハッとする、そうか、私が普通じゃないからすっかり忘れてた。この世に人魚がいること自体が珍しいのでした。
「…あぁ、それもそうですね。それで、そんな人魚のあなたがどうしてここにいるのですか?」
「 それは、ちょっとした理由よー。もしそれが知りたければ、私と少し遊びましょう?」
あやおりちゃんはそう言って、水の上でくるりと一回転した。すると彼女の立っている場所の水が即座に凍って、あやおりちゃんの足元に氷の足場を作った。その様子にぎょっとはしましたが、この場所だけで不可思議が幾つも起きている以上、それだけの事には余り驚きません。そして、真円の形に作られた氷のステージの上に、あやおりちゃんはチョコンと立って、取り澄ました姿で口を開いた。
「 あなたが私をこのステージから落とせたらあなたの勝ちよー、手段も時間も問わないわー」
「は、はぁ………」
そう言って、にっこりと笑うあやおりちゃん。初めて出会った時から、あやおりちゃんの目は殆ど開いておらず、ここに至るまでその瞳は確認出来ない。でも、その開けない目は終始彼女の色んな表情を表している。今も、手を後ろで組みながら、それはもう楽しそうに私に説明しているのが分かる。色々と気になる事はありますが、ここはあやおりちゃんの遊びに付き合ってみましょう。
あやおりちゃんの作った足場は直径で2、3メートル程度、それに材質は氷なので滑りやすい。手段を問わないのなら私が近付いてせり出せばそう長くないうちに終わるような条件です。それに、あやおりちゃんは氷の上にちゃんと立っていて、私はどちらかと言うと海の上をやや浮いているに近い状態。私は氷の上に立つ必要は無いので近づけばあとは押し出すだけです。
いきなりの出来事でちょっと不安はありますが…
「そ、それじゃあ不肖"檍原 つくし"参ります!」
と、息巻いて私が駆け出した瞬間………







………ヒュン!!
「ひゃあっ!?」








真っ正面から何かが私めがけて飛来してきた。慌てて私は右にバランスを取って謎の飛翔体を回避したが、
後ろを見て、何が飛んできたかを認識してゾッとした。それは拳ほどの大きさの氷塊…それも剣の様に鋭く磨かれた氷の剣弾だった。そして、私は目の前で起きていることの全てを察知して、不自然に純粋な笑顔で私を見ていたあやおりちゃんに視線を刺した。
「 うふふー………」
BGM:怠惰な海守 ~ Lazy siren