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东方外来韦编/参/书籍的流派

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序言

東方Project
書籍の流儀
东方project
书籍的流派
Windows版から数えても

今年で既に15周年を迎える東方Project。
当然本書のみならず、かずかずの関連書が世に送り出されてきた。
今回は主に「書籍」に焦点を当てて、
それぞれの歩みや裏話などを資料とともに振り返っていこう。

東方公式書籍のこれまでとこれからが“ここ”にある。
【東方Project 書籍関連略年表】


2002年  「東方紅魔郷」頒布

2003年  「東方妖々夢」頒布

2004年  小説「東方香霖堂」連載開始
       同人誌即売会・博麗神社例大祭開催(第1回)

2005年  漫画「東方三月精」連載開始
       書籍「東方文花帖」発売

2006年  ビブロス倒産
       書籍「東方求聞史紀」発売

2007年  漫画・小説「東方儚月抄」連載開始

2009年  書籍「The Grimoire of Marisa」発売

2010年  漫画「東方茨歌仙」連載開始

2012年  書籍「東方求聞口授」発売
       漫画「東方鈴奈庵」連載開始

2015年  ムック「東方外來韋編壱」発売

2017年  ???
【东方Project 相关书籍的简略年表】


2002年  「东方红魔乡」发布

2003年  「东方妖妖梦」发布

2004年  小说「东方香霖堂」开始连载
       同人志展销会・博丽神社例大祭举办(第1届)

2005年  漫画「东方三月精」开始连载
       书籍「东方文花帖」发售

2006年  BiBLOS倒闭
       书籍「东方求闻史纪」发售

2007年  漫画・小说「东方儚月抄」开始连载

2009年  书籍「The Grimoire of Marisa」发售

2010年  漫画「东方茨歌仙」开始连载

2012年  书籍「东方求闻口授」发售
       漫画「东方铃奈庵」开始连载

2015年  杂志「东方外来韦编壹」发售

2017年  ???
ことのはじまりと概要
事情的伊始和概要
ZUN
いろいろ書籍や漫画のオファーが来たのは「紅魔郷」を出した後、わりとすぐだった気がするんですが、正確なところは昔過ぎて覚えてないなあ。今思うと、よくそのくらいの時期にみんな企画を持ってきましたよね。

 振り返るとゼロ年代って同人から発掘してメジャーに持っていくっていう流れがあったような気がするんです。今はそれが当たり前に見えて、逆に少なくなったような。同人で作っていても、最初からメジャー感がありますよね。同人とインディーみたいな言葉が出てきたように、同人と商業の境目もどんどん少なくなってるんだろうね。流通とかも個人でできるような仕組みというかプラットフォームが増えて、いろいろ整ってきたし、電子書籍も個人で販売できるみたいだしね。実際、僕が「香霖堂」を開始したころは、まだ「ブログ」なんて単語もないくらいで、ウェブで何か連載するなんてことも時代的には追いついてなかった。
——
ちょうど同じころにブログが輸入されて、その数年後にそれらを書籍化するブームがありましたね。「腐女子彼女」とか。
ZUN
ネットにあるものを取り上げてメジャーにするっていう時代がそのあたりから活発になってきましたよね。
——
今もコミック方面での流れと、ライトノベル方面での流れが、それなりにあります。
ZUN
ウェブ漫画をそのままコミックに出すというのは何のひねりも無いっていうか、作家に乗っかってるだけのずるいイメージだけど、昔はそうじゃなくてちゃんとメジャー化していきましょうっていうほうが多かったんじゃないですか? 一緒にやって、育てて、まあ最後はアニメ化なんでしょうけど(笑)。ちょうどその流れは見えてきた時代だった。やっぱり「月姫」が大きかったんでしょうね。当時同人から会社を興していった人たちがいろいろいたのも、その影響があったように思います。まあそういった流れで「香霖堂」の話が来たわけなんですが、最初は面白かったですよ?

香霖堂

「香霖堂(こうりんどう)」
「香霖堂(kourindou)」
——
というと?
ZUN
最初はビブロス(※主にボーイズラブ系の漫画や雑誌を盛んに出していた出版社)の担当さんと二人で会った気がするんですが、向こうから「こういう設定でどうだろう」って企画を持ってきてくれたんだけど、ちょっとそれはないんじゃないかっていう内容だったから、結局こっちが考えざるを得ないんです。まあどんな企画も、基本はみんなそうですけど。向こうから持ってきた企画はだいたい使いものにならないんですよね。

そんなわけで、じゃあ打ち合わせしましょうってなるんだけど、それまで編集の人なんて会ったことないですから、こちらはせめて小奇麗にしていくわけですよ。どういう人が来るんだろうと思ったら……。えっ、この人? みたいな、かなり想像とは違う人でしたよね。もっとビジネスマンみたいな人が来るかと勝手に思っていたんだけど(笑)。
——
そのあたりはピンキリですので。
ZUN
その時の話は、TINAMIの佐藤さん(※香霖堂の初代担当編集、佐藤心氏。当時はイラスト投稿サイト「TINAMI」の運営母体である株式会社多聞に所属。多聞は編集プロダクション業務も行っている)からは小説を書いてほしい、書きたくないですか? くらいだったのね。でもビブロスの担当の人(※佐藤氏は外部スタッフなので、ビブロスの会社側の担当編集のこと)からは「小説を書くっていうことは、その世界の中では何を食べて、何を着て、そういうことを全部想像できてないと書けないよ」って諭されたんです。そういうことができますか? って。たしかに、その時点ではそういうことを考えてはいませんでしたよね。
——
なんでビブロスの方はちょっと引き気味なんですか(笑)。
ZUN
あとで考えると、編集担当と会社の担当が違っていたからですよね。ビブロスの人は編集として来ているわけじゃないから、僕が書かないかって依頼されている側なのに、なぜかちょっと怒られてるの。この人ほんとできるの? みたいな感じで(笑)。ドキドキものでしたよ。でも、別に僕が小説を書きたいって持ち込んだわけじゃないから、言われたところで「えええ……これどうするんだ……?」って。でもやる流れになってるからさ。「じゃあプロットとか原稿書いてみます」ってとりあえずなってね。
——
佐藤さんは当時美少女ゲーム関連のライターとして最前線にいて、とても活躍されてた。東浩紀の弟子的なポジションでした。だから連載媒体が「カラフルピュアガール」という美少女ゲーム誌だったわけなんですが。
ZUN
そういう人に頼まれたんですね。男性向けのジャンルでは、同人誌も同人ソフトも美少女ゲームのLeaf・Keyが流行っていたけれど、そろそろ転換期だったのかもしれない。でももう当時からエロで売る時代じゃなくなってたように思うし、そこには新しいことに挑戦する人がいっぱいいたんですよね。もちろん「月姫」はエロゲーとして捉えられていたかもしれないけど、「東方」もジャンル的には同じだと思われていたかもしれない。昔は特に「東方って何のエロゲ?」って聞かれていましたもんね。今そろを言う人は、逆にわかっていてネタで言うコアな人しかいない。それだけ同人=エロゲーの時代だったんだね。

「香霖堂」は、最初の予定では6話までで終了の予定だったんですよ。1本が前後篇になっていて、合計で1年分だったかな。連鎖を続けていくうちに、延長するとか打ち切るとかいう話が一切ないままずるずると、いつの間にか7話8話と続いていってさ。いつ終わるんだろうと思ってたら、雑誌に休刊になった(※2004年10月休刊)。じゃあ、やっとこれで終了かーと思っていたら、新しい雑誌が始まりますっていう。「マガジンエルフィックス」っていう雑誌だったんだけど(※ビブロス関連会社・ビブロポートがダウンロード系の同人ショップサイト「エルフィックス」を運営しており、そこから派生した雑誌)、今では考えられないキワモノでしたね。同人ソフトをメインに取り扱うという意味では先鋭的な雑誌だったけど、いやー、とにかくひどかった(笑)。
——
権利関係的にダメなものを掲載するという蛮勇でしたね。さすがに許されなかった。
ZUN
あれにしばらく連載していましたけど、前の雑誌と本の形が違うから、困るんですよね。書かなきゃいけない文字の量も変わってきちゃうし。そうしているうちに案の定また雑誌が無くなって(※同誌は2005年10月に発行のVol.6で休刊)、今度はウェブ連載になった。あの時は、「香霖堂」の中身を読めばわかるんだけど「紙の時代がやってきた」みたいなことを書いたんですよね。
——
紙が幻想入りした、と(笑)。
ZUN
そう。そうしたら今度は会社ごとなくなった(※2006年4月5日にビブロスは経営破綻)。いやー、大変でした。倒産がニュースになったときに、担当さんが朝会社に行ったら会社に入れない。だから原稿とかのデータもパソコンから取り出せない。実は、その時には単行本化の話が進んでいたんです。当時は文庫本サイズで出す予定で、もう2冊分くらい原稿が溜まってるから出そう出そう、っていう感じだったんだけど、折角だから文庫じゃなくしてCDを付けようとかいう話になってすったもんだしていたら、会社のほうが終わっちゃった。

そこで、さあどうしようってなったんだけど、当時のビブロスの編集の人がすごく気にしていて、次に連載をさせてくれる会社を探してくれたんですよね。その行き先が電撃だった。すんなり掲載が決まり、そのまま続けることになったんですよね。単行本も移籍先が出してくれるだろうって。その担当の人は置き土産のように連載の行き先を決めて、その後何処に行ったか本当にわからないんです。連絡先もビブロスのメールアドレスしか知らないから、全く連絡も取れないし。でもおかげで「香霖堂」は何事もなかったかのように「電撃萌王」で連載が始まりました。
——
「戻ってきたぜ、この美少女界隈に!」
ZUN
新連載のハズなのに、しれっと続きっぽい内容で始まった。ある意味、「香霖堂」は奇跡の連載ですよね。

文花帖

「文花帖(ぶんかちょう)」
「文花帖(bunkachou)」
——
「文花帖」は、第1回博麗神社例大祭のときにスタジオDNA(※現・一迅社)側からの企画の持ちこみがきっかけでした。
ZUN
あの時はアンソロジーコミックの話が優先的な感じだったんですよね。あと担当編集が今より痩せてた。
——
ただ、実際に打ち合わせが始まるのはその年の末の、しかも今は無き「談話室滝沢」で(※コーヒー1杯1000円と割高だが、長時間居られたため出版関係の利用者が多かった)。あのころはアルコールが無くても打ち合わせができたのに……。
ZUN
基本、場所代を払う感覚の店でしたよね。あの時は「香霖堂」とかもそうだけど、ほとんど昼間に打ち合わせをしていたんです。まだサラリーマンをしてたから休日しか打ち合わせができなかったので。あの時はアンソロと設定資料集を出したいってことだったけど、僕は設定資料集を出すのが嫌だったんですよね。なんであの時あんなに嫌がったんだろう……? なんとなくだけど、設定資料集が将来的に自分の首を絞めるイメージがすごく強くて。
——
(笑)。
(笑)。
ZUN
ゲームが発展・展開していく時に設定で縛られていくんだろうなと思って。だから、設定を確定するようなものじゃなくて、さらに設定が拡がるようなものがほしいと思っていました。でも二次創作をする人にとっては設定週の方が良かったんでしょうね。ここはこうなってるんだ、みたいな説明書が。でも、そういう説明が無いほうが作品が拡まるんだろうっていうイメージを抱いていたんです。あとは「香霖堂」のときに学んだんだけど、結局僕がやりたいって言ってるわけじゃないから、自由に言っていいんだなって。まあ言った結果、作業が増えるのも自分自身なんだけどさ(笑)。そうして作られたのが「文花帖」だったんですよね。
——
そこで、拡げるためにどういう見せ方をしようかという話になったんですけど……。
ZUN
覚えてますよ。最初の企画書に「カワウソの新キャラを作ろう」って書いてあって(笑)。それも悪くは無いしネタは他にもあったんだけど、カワウソだけは印象に残ってるなあ。僕としては本のために新キャラを作るという話が持ち上がっていたからキャラを作ることは前提として、もう一歩そこから上に行きたいと思って。その新キャラを制作中のゲームに同時に登場させることで、より広げていこうと思ってたんです。カワウソじゃゲームを作りづらいからね。天狗を作りたい、天狗のブンヤにしようって提案したんです。
——
今思うと、04年に「萃夢想」「永夜抄」で「かぐや姫」や「鬼」といったわかりやすいキャラが出てきた。だから05年に「天狗」が出てきても、元の妖怪の個性に負けないインパクトを東方が獲得してきという判断がZUNさんの中にあったんでしょうね。
ZUN
そうかもしれない。でもそこまでには、さすがに3年くらいかかったわけですよ。
——
新聞については、キャラを外側から見た時のことが書けて、さらにそれを本人に見せることで、書かれたキャラが自分自身に対してどう思ってるかが見えるんじゃないか、そうできたらキャラに深みが出るんじゃないかという話をしたような気が。
ZUN
当時としてみれば結構な冒険でしたね。今の書籍の流れは、ほぼ「文花帖」で決められてしまったと言ってもいい。深く掘り下げるんじゃなくて、横に拡げていく、ということなんですよね。本来はそれがファンサービスなんじゃないかって思うんです。コスプレしやすいように、衣装の細部を解説をすることとかではないんじゃないかって。
——
他には「幻想神主」が書いたという体の音楽コラムとか、異変の説明、アンソロジーコミック、インタビューなんかがあります。
ZUN
謎なものが多いよね(笑)。
——
最近は当たり前になり過ぎて意識されなくなっているかもしれませんが、やっぱり作品としての東方の良さがどこにあるかを考えた時に、キャラはもとより物語も音楽も作者本人も、外せなかったわけです。
——
「文花帖」は今では珍しいというか、「外來韋編」に近いバラエティ感がありますよね。初期の頃という言い方が正しいかは微妙だけど、この時には既に4年目なんですよね。今、4年間同じことをやってるコンテンツがどれだけあるだろうか……。
新キャラ・カワウソ案
・狂言回し用新キャラ(案)

 瓦版師、というかジャーナリストっぽいものを志すカワウソの少女。

 彼女が作った瓦版(を作るための取材メモ)や、幻想郷の住人たちから聞いた話、居合わせたときに起こった小さな事件、古文書、そしてそれらの訂正文(非常に重要)の集大成が、この本の書籍パートとなります。

 彼女は、カワウソという種族的な特性により、ジャーナリスト志望のくせに、本能的にウソをついてしまいます。つまり彼女自身が書いたものは、全てデマ。彼女の瓦版はかつての東京スポーツやSunよりも信頼できない代物です。

 幻想郷の住人たちは、結果的に彼女の瓦版にツッコミを入れ、訂正するという手間をかけるハメに陥ってしまいます。

 そして、その両者をワンセットにしたものが、この書籍というわけです。

 なお、狂言回し用新キャラに必要なのは「印刷物を作る動機」「ウソをついてしまう本能」「水陸両用属性」。これを兼ね備える最もメジャーな妖怪と言うことで、当プランではカワウソにしてあります。必要な条件の最後のものは関係無いじゃないかといわれると思いますが、東方シリーズの既存のキャラと被らず、雰囲気を壊すことも無い属性と言うことで選択しました。氷関係のキャラはいますけれども。

求闻史纪

「求聞史紀(ぐもんしき)」
「求闻史纪(gumonshiki)」
ZUN
そしてその後にようやく出てきた設定資料集。よっぽど僕がひねくれ者なんだね(笑)。
——
お葉書がたくさん来て「今度こそ設定資料集を見せて下さい」って。
ZUN
結局ほしいのはそっちでしたか、っていう(笑)。だから、ちゃんと帯にも設定資料集ですって書いてありますよね。
——
そういえば「求聞史紀」を重版するときにふと気付いたんですよ。せっかくスペルカード表示風デザインの帯なんだから、重版するたびにカードを取得していったことにしたほうがいいんじゃないかって。だから「求聞史紀」以降の書籍で、重版されたものは帯を見ると何刷りかわかるようになってます。
ZUN
僕の家にあるやつは全部初版だからわからないなあ(笑)。重版見本は全部事務所に置いてあるし。そういえば「求聞史紀」って、どれくらい発売延期したんだっけ?
——
約半年ですね。当初は「文花帖」発売の1年後に出る予定でした。
ZUN
まあそのおかげか、この本はいろいろと遊びが多いですよね。カバーを取った本の、本体表紙にヘコんでるところがあって、印鑑が押された風になっているんですよ。知らない人もいるんじゃないかな?

あと、「文花帖」のときと同じパターンで、「求聞史紀」用のキャラを作ったのか音楽用のキャラをコレに使ったんだか、どっちだったか忘れちゃいましたけど、ほぼ同時にやってた気がします。阿求が生まれた理由自体は「求聞史紀」が発端だったと思うんですが。
——
編集側からの提案で、完全記憶能力を持ったサヴァン症候群の少女を出しましょう、というものはありましたね。いろいろなことを覚えてそうだから。
ZUN
稗田阿礼が「れい=ゼロ」だから、ちょうど9作目の「花映塚」まで作っていたんで阿「求」にしようってなった。こういう設定資料集用のキャラを作ることによって、ただ「こうですよ」って情報を出すよりは、物事に深みが出るんじゃないでしょうかね。あとは記述の真実性に揺らぎが出るというか、疑問を挟む余地が残されることになるんだけど、それはそれで使いやすいというか都合がいいんです。
——
積極的に煙に巻いていくスタイル。
ZUN
あとこの時から本まるまる一冊の中身を全部自分で書くようになったけど、量が多いから大変。文章がメインの資料集ですからね。そういえばカバーのイラストが西遊記をモチーフにしているんだけど、なんで西遊記になったんでしたっけ……こちら側から唖采さんに指定した記憶はあるんだけど、それがなんでだったかは覚えていない(笑)。
——
この本が「経典」みたいに大切なものだよってことじゃないんですか?
ZUN
そういえばそうだったかも? 買った人はカバーをよく見てください。かなり謎です。まあ「文花帖」が売れたから、いろいろなことができるようになりましたよね。
「求聞史紀」初期企画案
「求闻史纪」初期企划方案
一迅社様


夏の書籍案
 タイトル『幻想郷縁起 ~ Phanpedia(仮)』

以下はあくまでも案です。

本の持ち主(編纂者)

 稗田 阿求(ひえだのあきゅう)
  年齢は10代前半。人間の少女。
  稗田家は、幻想郷でも歴史のある人間の家系の一つ。代々貴重な資料を纏める仕事をしてきた。
  幻想郷の人間の中ではもっとも知識が深い。
  そのような膨大な資料を残せるのは、稗田家は特殊な家系だからである。
  稗田家には、二百年に一度程度、特殊な能力を持つ子供が生まれる事がある。
  その子供とは、一度見たこと、聞いたことを忘れない能力を持つ子供。
  特殊な能力を持つ子供が生まれることを、御阿礼(みあれ)神事と呼び、
  生まれた子供は阿礼男(あれいおとこ)、阿礼少女(あれいおとめ)と呼ばれていた。
  阿求は九回目の御阿礼の子供(阿礼少女)だったので、阿求(あきゅう)と名付けられた。
  御阿礼の子供が居ない時期は、稗田家は出来事を無造作に記録し、書庫に積んでいく。
  そして御阿礼の子供が生まれた時は、膨大な書が眠っている書庫を整理し、また新たに本を編集する時期に入る。
  膨大な書類を要点だけを纏めて編纂するには、通常の人間の記憶力ではとうてい無理だからである。
  御阿礼の子供には他の人間にはない特徴がある。
  まず、膨大な記憶を覚えられるが、口数は少ない。目の色が青い。髪が白い、短命などが挙げられる。
  そもそも、稗田家が幻想郷資料を作る理由は、人間を妖怪の恐怖から解放し、暮らしやすい場所を作る為である。
  初代編纂者、阿一(あいち)は、妖怪に怯える人間の世を嘆き、自分の能力を使い資料を作った。
  阿一は、自分が『一度見たこと、聞いたことを忘れない能力』の持ち主だった先代の阿礼(あれい)の生まれ変わ
りで
  あることは判っていた。また、自分が死んだ後に再び世に戻ってこれるよう、転生の術を使った。
  この転生の術(御阿礼神事)は、阿礼が膨大な資料の中から作り出した稗田家の秘術である。
  しかし、稗田家も長い間、ルーチンワークになっていた為、その目的は既に判らなくなっていた。
  今では妖怪に恐怖する事はほとんど無くなったが、同じように本の編纂だけは続けている。

 種族
 * これは以前、紅魔郷用に作成した物にちょっと手を加えた物で、今は少し変更があります。
  また、キャラの居ない種族があったり、既にこれ以外の種族が出ていたりします。
  順番はこうではなくて、もっと何か違う順番の方が良いかも。
 
 ○神に等しい者 滅多に姿を見せない
 
  龍    … 幻想郷での唯一の空想上の生き物。誰もが恐れ敬う。最高位(未出)
  仏様   … 温かく見守る有難い存在。滅多に姿を見せることは無い(未出)
  神    … 善悪、強弱、ピンからキリまで居る。凄く沢山いる。既に飽和気味(未出)
  鬼    … 賢く力強い。カリスマ性も高い。人間から鬼になる場合(人鬼)もある。
  天狗   … 鬼の一種。狡猾。ゴシップ好きで情報ネットワークに長けている。幻想郷のブン屋。
  修羅   … 鬼の中で戦いを好む者。平和な幻想郷には馴染まず殆ど居ない(未出)
 
 ○魔物 西洋系の者が多い
 
  悪魔   … 生粋の魔物。渡来してきた魔物を総称そう呼ぶ。ピンキリ(未出)
  吸血鬼  … 悪魔の一種。我侭な上に強大な力を持つ。自己中心的。何故か納豆と相性が良いらしい。
  魔法使い … 人に近い魔物。人間から魔法使いになる場合もある。趣味に嵌りやすい。
 
 ○人畜 普通に良くいる
 
  天人   … 毎日のんびりと暮らす。釣りが趣味。不老長寿で暇人。もしくは皇族の末裔(未出)
  仙人   … 色々と逸脱した人。仙人以上になると人間も長寿になる(未出)
  魔人   … 魔に堕ちた人。もしくは呪われた人。本人は自覚していない事も多く、迷惑な人間(未出)
  人妖   … 妖怪染みた人間。もしくは人間か妖怪か判らない者。
  人間   … 食料。美味。
  畜生   … 食料。やや美味。
 
 ○自然 何処にでもいる
 
  妖精   … 虫。
  精霊   … 空気(未出)
 
 ○霊体 自由な死に物
 
  神霊   … 主に霊体の神(未出)
  幽霊   … のん気。自由気ままで平和主義。
  亡霊   … 主に人間の霊。人間から亡霊になる場合もある。
  怨霊   … 悪意のある霊。常に退治される運命にある。やられ役(未出)
 
 ○その他
 
  妖怪   … 種族外のあり得ない存在(殆ど一人一種)。幻想郷では最もメジャーかつ強大。
  幻想郷外の生き物 … 死神や閻魔様(地獄の住人)
             宇宙人(宇宙の人)
             外来人(外の世界の人)
             等々……

             * 式神は種族ではなく、プログラミングされた行動を取る者を指す

儚月抄

「儚月抄(ぼうげつしょう)」
「儚月抄(bougetsushou)」
——
「求聞史紀」のあとに「儚月抄」の連載が動きはじめて、今度は物語を提供していこうって。で、その際にひとつのお話を多方面から見られたらいいんじゃないか、という発想でした。それを雑誌ごとにやる、という。
ZUN
あちこちに迷惑かけつつ実験した感じでしたね。名前の通り「儚月抄」は「永夜抄」のアンサーなんです。タイトルの文字も対応している。儚いと永遠は反対方向。夜と月とかは同じ方向性みたいに。
——
幻想郷は山の中だけど、海のシーンを出したい、という話がカギだった気がします。
ZUN
そこで当然、「月の海」にしようっていう話になる。そしたら「永夜抄」と絡んだ話になってきますよね。「3誌同時連載」っていうことだったんだけど、さすがに厳しいから1つは4コマにしてもらって、わりとお任せになってた(笑)。ちょうど新連載「キャラ☆メル」の立ち上げに合わせたタイミングだったんだけど、今はもうみんな知らないですよね。「茨歌仙」が連載されている「Febri」は「キャラ☆メル」っていう名前で、サイズも今より大きかったの。

「儚月抄」は珍しく話の終わりが決まっていて、全部の構成を最初に決めていたんですよね。そうじゃないと同時連載できない。おかげで過去最高に大変でしたね。連載当時はけっこうボロクソに言われたんだけど、今は「儚月抄」を好きな人が増えてきた気がするな。当時は「なんでこんなの出すんだ」っていうファンが多かったけど、いろいろと行き過ぎていたんでしょうね。求められるのはそこじゃなかった。霊夢が負けたりなんかせず、縦横無尽に焼き払えばよかったってことなんだろうけどさ(笑)。
——
(笑)。
(笑)。
ZUN
最後に何かを倒して終わるわけでもないし、読む人がみんなモヤモヤしちゃってね。
——
それまでボスを倒して終わるようなゲームを作ってきましたからね……。
ZUN
あえてそうじゃないもののほうがいいじゃんっていう冒険だったんだけど、冒険しすぎた。でも最近、サインを求められると「儚月抄」なことが多いんですよ。「儚月抄」の漫画連載が始まった時の「REX」とかにサインしたこともあります。まあ僕の中では漫画が「上巻・中巻・下巻」となるところを、「下巻」を「底巻」に変えただけでもかなり満足しています(笑)。
——
終わりというか区切りがあるのは読みやすいのかもしれませんね。
ZUN
あと小説に関してはキャラクターアンソロジーみたいな感じの内容で、読まなくても一応本編のストーリー的には問題ない。だけど、こっちのほうがある意味キャラクター設定集みたいな内容になりましたよね。けっこう1話分が長くて書くのは大変だったなあ……。珍しくこの本では書名の文字が連載の時とは違っていて、TOKIAMEさんに書いてもらってるんですよね。毎回打ち合わせで古風なカメラを持ってきてくれるのが面白かったな。
小説用大プロット
キャラメル 小説


東方儚月抄 ~Cage in Lunatic Runagate
今回は、新キャラ(ボス)は姉妹で行きます。
名前は、
 綿月 豊姫(わたつきのとよひめ)
  海と山を繋ぐ能力 (依姫の姉)
  この場合、海は月、山は幻想郷に当たる。
 綿月 依姫(わたつきのよりひめ)
  神様の依代となる能力で、取りあえず仮。
第一話
 永琳視点で兎を見つつ、依姫の話
 綿月姉妹とは古い知り合いなので、思い出の中に混ぜる
 古い神様の言葉を聞いていた頃の話
 名前は出てこないので、読者は神の依代の話になって
 霊夢の修行と混同するはず。
第二話
 輝夜視点で豊姫の話
 豊姫は月と地上を結びつける神様で、輝夜が恐れている相手。
第三話
 豊姫視点での話(ここらでフルネームが明かされる)
 意外と軽いノリの姉妹が現れて拍子抜けな感じ。
 漫画の方で、霊夢が神様を呼び出している(筈)なので
 依姫がその事に気付く
 霊夢に住吉三神を呼び出された時に異変に気付く
 住吉三神は上筒男命、中筒男命、底筒男命、がそれぞれ
 多段式ロケットになっている、船(宇宙船)の神様。
第四話
 妹紅視点での永遠亭の話
 特に月の人の話は出てこないが、客観的に見ての話
 なにやら慌ただしい地上の風景を、過去の歴史と重ねる
第五話
 紫視点での話
 そろそろ戦闘シーンで、漫画の方とリンク
第六話
 綿月姉妹から見て、月面戦争の話

 〆の戦闘と、後日談

The Grimoire of Marisa

「The Grimoire of Marisa」
「The Grimoire of Marisa」
ZUN
「グリモワールオブマリサ」は、軽~く作った本だけど、苦労したのは場面写真撮る人だよね(笑)。
——
たぶんこの本用に7000枚くらい撮ったんじゃないですかね。まだ残ってる画像も多いです。「外來韋編」ではまた新たに撮ってるんで、毎回地味に面倒です。
ZUN
僕は自分の感覚でスペルカードを選んで、どれに絵を描いてもらうか指定して、あとは文章をちょっと書くだけっていう、文章量もそこまで多くないし比較的楽なポジションでした。
——
本としては、「魔理沙が小脇に抱えてるカワイイ本がいい」って言われたので、ちょっと前までとは変わってます。
ZUN
ゲーム側にスポットをあてたいっていう話から始まって、その結果できあがったのがコレという……(笑)。「the Grimoire of Alice」っていう曲がもとにあって、それを魔理沙に変えたセルフパロディにしたらいいかなって。
——
じゃあそろそろアリスの本も出しましょうよ……。
ZUN
今思うと、なんのためにあるのかサッパリわからない本だよね(笑)。このときに、もう「地霊殿」の画像まで収録されてるんだから、みんなどんどん古いゲームになっていくなあ。この本は表紙もキラキラしてるし、いろいろお金かかってるんでしょ?
——
それなりに。
ZUN
思い出した。「こういう加工があるんですよ」って渡されたサンプルが、エロ漫画のカバーだった(笑)。なるほどこういう本を買ってるんだなって(※たぶん朝木貴行氏の単行本「しょーぱん!!」のこと。2008年茜新社発行)
——
ほかにも一緒に印刷所のサンプルがたくさんありましたけど?(笑)。
ZUN
漫画のやつはハートだったよね?
——
あれが加工の面積が大きくて、見てわかりやすかったんです。だから覚えてたでしょう?実際には魔理沙なら星だろうってことで、細かい星柄になりましたけど。
ZUN
そういえば、この頃はまだCDを付けなきゃいけないみたいな呪縛がありましたよね。でも、ある時から付けなくても売れるじゃん、って思い始めてからはやらなくなった。
——
今でもどちらかを選ぶなら付いてる方って言ってくる側がほとんどだと思いますけど。
ZUN
もう最終的には僕が作らなくなってるっていう(笑)。「外來韋編」はあえてCDを付ける方が面白いと思っていますけどね。外の世界の「ストレンジクリエイター」の本だから。

求闻口授

「求聞口授(ぐもんくじゅ)」
「求闻口授(gumonkuju)」
ZUN
企画としては明確に「求聞史紀」の続編なんだけど、やっぱりただそのまま続きをやるのは面白くないからって、インタビューっていうか座談会にしようということになって。ちょうどそのころに出ていた作品が、信仰がテーマに入ってるものが続いていたから、じゃあ宗教対談にしようと。「風神録」と「星蓮船」と「神霊廟」ね。「地霊殿」は微妙に違うけど……。なのでかなり宗教的な内容が多いのに、この本の副題は『これからの「正義」の話をしよう』(著:マイケル・サンデル)に乗っかってる。
——
(笑)。
(笑)。
ZUN
当時流行ってましたからね。乗っかって「これからの幻想郷の話をしよう」でいいんじゃないのって。時事ネタに乗っかるの大好きですよね。後になるとなんのことだかわかなくなっちゃうけど、時代を感じられてよくないかい? 今回の本は座談会が中心だけど、どうしてもそこには登場できないキャラもいたから、なるべくそのあたりは新聞とかをいれて紹介することにしたんですよね。しかもこの時には文だけじゃなくて、はたてがいるからウェブニュースっぽいページを作ったりした。それでも入らないキャラは最後に無理やりインタビューを入れて……(笑)。
——
この本が出る3年くらい前に「いつかこの人にイラストを依頼する時が来る」と思って匡吉さんの連絡先を押えていたんですが、そのいつかがこの本から始まった。今も大変お世話になっています。
座談会試作版(詳細不明)
座谈会试作版(详细不明)
第6部:これからの妖怪退治の話をしよう

出席:八坂神奈子/東風谷早苗/聖白蓮/豐鄉耳神子/博麗霊夢
司會:霧雨魔理沙

魔理沙「長かったぜ、ここにたどり着くまでが……。というわけで、ここからがようやく今日の本題、『これからの妖怪退治の話をしよう』。あー、しかしこんなテーマ、アイツがいないところで話を進めちゃって本当にいいもんなのか?」
神奈子「問題ありません。これからの妖怪退治は守矢神社およびわが社の神子であり現人神、東風谷早苗がお引き受けいたしますゆえ。そうよね、早苗?」
いつのまに呼びつけたんでしょう、神奈子の後ろに早苗さんがいます。あれ、その横にしゃがんでいるのがケロちゃん様でしょうか。案外と可愛い帽子をかぶっているんですね。あとで貸してもらえるか聞いてみようっと。
白蓮「ちょっと待ってください! 今日こそはハッキリ言わせてもらいますけど、私が復活したからには無意味な妖怪退治はやめていただきます。それがたとえ博麗の巫女だろうと守矢の巫女だろうと、ましてや豊郷耳! あなただろうと同様にだ。だいたいなぜ人間たちは、いつまでたっても妖怪と聞けば怯えることか退治することしか考えない。この幻想郷こそ、妖怪と人間にとっての新しい一歩を踏み出せる場所のはず」
神子「おや、先にお目ざめになった割には案外と理解していないんですね」
神奈子「人間は妖怪を倒す。これは変えられない理ですわ」
魔理沙「やれやれ、みんなお待ちかねが過ぎてたのか、いきなり飛ばしてるな。だいたい坊さんってのはそんなにすぐアツくなっちゃ駄目なんじゃないのか」
魔理沙さんって意外とツッコミ役ですよね。
白蓮「冷静で僧侶が務まるなら、いくらでも努めればいい。そういう話をしているんじゃない。弱い者いじめが許されていいのかと言っている」
魔理沙「まあ確かに、最近歯ごたえがあった妖怪の記憶があまりないな。鳴り物入りでやってきたマミゾウのやつだってせいぜいうるち米の煎餅くらいだったぜ」(※強がり)
神子「しかし、私たち流に言うと道(タオ)を高め合うことで存在が保たれている、そういうことならもっと頻繁に仕合うのがよいのではないのですか。(中略)この幻想郷はそういったルールで保たれているのでしょう? だったらそれが有用に使わないと。一度博麗の巫女に痛い目にあわされたからと言って、再び挑んではいけないと言う法は無い。貴方たちは単に退治する側に回った方が“楽”なんですよね。神などと言ってはいるが、、所詮はそこらの精霊風情が信仰を集めただけの存在。そんなものは神でもなんでもない」
諏訪子「まあねー」
早苗「諏訪子様~~~」

※かれこれもう18時間は過ぎています。皆さんタフですね。

关于漫画

番外編:漫画について
番外篇:关于漫画
——
ところで、角川系の雑誌で連載されている漫画はゲームでスポットが当たりにくいキャラを中心に取り上げる形が続いてますよね。最初は妖精、次は里の人間。
ZUN
もちろんあの手のものは全部僕が決めていますからね。せっかく漫画をやるならこういう内容で、って。だって「三月精」のときは、編集から持ちかけてきた企画は「永夜抄」のコミカライズでしたよ。雑な企画キターと思った(笑)。
——
「茨歌仙」は、ZUNさんがお説教キャラを描くのが得意だからと思って。
ZUN
今のところ、説教っていうよりは霊夢のダメなところを出す漫画になってますよね(笑)。他の作品だと出しづらいんだけど、そうしたほうがキャラクターの魅力が高まるのかなって。実際のところも、「茨歌仙」が出て以降のほうが霊夢の人気は高まってるんじゃないでしょうか。あと最初から仙人が主人公っていう話はあって、死神から追いかけられてる話をしようっていう企画だったんだけど、僕としては鬼にするのがいいかなって。

外来韦编

「外來韋編(がいらいいへん)」
「外来韦编(gairaiihen)」
ZUN
「外來韋編」は何でこんな形になったんだっけ? 雑誌を作りたいってことだっけ。
——
いろいろな企画があった中で、それらはさておき一冊まるごとの雑誌はやってなかったから雑誌がいいかな、という流れです。
ZUN
そろそろ知名度的にも一周して、本当にキャラの名前だけしか知らないファンも増えてきましたから、って話だっかな。あと定期的に出す、とか?
——
定期とは……。まあ例大祭にも若い参加者が増えましたし、コンシューマプラットフォームに進出もしてきたから。これまでとは全く別の経路で東方を知った方もいるだろうと。
ZUN
この話をまとめると、つまり同人が変わってきたんですよね。それが東方にもろに影響をあたえていて、「Play, Doujin!」みたいに二次創作がそのままコンシューマになったり、ユーザーも同人大好きみたいな人じゃなくても気軽にコミケとかに参加するようになって、おかげで例大祭にも若い子がいっぱいになってきた。そういう時代の移り変わりがモロに出ているんじゃないかな。その人たちにとってみれば、公式や二次創作なんていう区切りはなんの意味も無くて、ただ「東方」っていう部分だけしか見ていないのかもしれないですよね。そういう時代が来たんですよ。
——
とはいえヨドバシみたいな量販店で東方のゲームが並んでるのを見ると、まだまだビックリしますけどね。
ZUN
普通に置いてあるから、もうそういうものなんだなって。そういうことに対して「ここまで来たんだ」みたいな感じが一切しないの(笑)。やっぱり時代が変わってきたんですよ。昔だったらヨドバシで自分のゲームが売られているのを見たら感動したかもしれない、今は特になんとも思わないですよね。何故なら時代は常に変わっていくし、その時代が変わってることに僕自身が必死についていこうとしているからなんです。「これはこうでなければいけない」って思い込むんじゃなくてさ。柔軟に、でも行きすぎず。もちろんただ流されるままじゃなくて、自分が思ってるモノを大切にしながらね。理想はどんな激流でも穏やかな流れでも、同じ船に乗って先へ進めることだけど、例え沈んでも大丈夫な船にしたいですね。

いやー、それにしてもいろいろ思い出しますよ。でもさ、みんなそうやって提案だけは持ってくるけど、設定を考えるのも他の何をするのも全部自分だから、えらい苦労するんだよね。とにかく手探りだし。やらないかって来るのはいいけど、こっちの仕事はすごく増えるし、「慣れてないことを全部でこっちでやりますよ」みたいな感じで持ちかけてきても、やっぱりぼくがやらないといけなくなってくるんだよね。
——
そうは言っても、最終的に一番の要因はZUNさん自身が「そうしたい」人なんですよ。
ZUN
任せられないんですよね。まあ自分が作ったものは全て自分の物にしようとしますから、大切なことだと思いますよ。ものを作っている人間は、昔作ったものを「いいや」って投げっぱなしにしちゃうと変な食い物にされちゃう可能性がありますからね。もういいや、自分の物じゃないからって手放した瞬間に、作品の質が落ちる。落ちたうえに後で自分がもう一回使おうと思っても、手の届かないところに行ってしまっている可能性があるんですよ。実際そういうものは多いんじゃないでしょうか。
——
子供にとっては何が原作かわからないですものね。「妖怪ウェッチ」なんてコロコロの漫画が原作だと思ってる人もいれば、アニメが原作だと思ってる人もいるでしょう。
ZUN
「ポケモン」とかもそうかもね。でもまあ、最初の頃はそういう申し出が来ても「いやあ、ありがたいなあ」と思うのと同時に「これを自分でやっていいのかな、上手くいくのかな」っていう疑問とか不安が半分ずつみたいな感じでしたよ。なんで僕みたいなところまで話が来るんだろう?って。でも嫌な気はしていなかった。やれるんだったらやってみようかな、って感覚だったので、話を持ってきてもらってよかったですね。
——
なるほど。
ZUN
一迅社から話が来た時も、最初はアンソロジーコミックの提案でしたよね。
——
合併前はそれが中心の会社でしたので。
ZUN
アンソロジーはあんまりっていうか、自分が参加できる部分がほとんどないしさ。それに当時、もう同人誌で二次創作があったので、そういう悪い意味じゃなくて勝手にやっているものを、こちらが公式として出すわけにはいかないと思ったんです。
——
「妖紅綺想」(※前述の佐藤心氏が、当時所属していた編集プロダクション経由で作った同人誌)には参加してるじゃないですか……まあ同人の同人が出ること自体が異例なことですけど、周りの動きは早かったかもしれませんね。
ZUN
当時はそういう風に盛り上がる作品がいっぱいこれから出るだろうと、そこそこ多くの人が思っていた時代だったような気がします。ただ、その後成功したのがどこだったかと考えると……あまり無いですね。みんな何処に行っちゃったんだろうなぁ。その次に同人ソフトに来たブームがニコニコ動画を通じた流れで、そこで出てきたのが「青鬼」とかなんだけど、まあとにかく今みんなが思う同人と、当時の同人では取り巻く状況とか含めてちょっと別の物だったかもしれない。
——
情報を取り入れる経由も変わってますし。
ZUN
でも当時の情報の流通規模って今の拡散の規模よりも圧倒的に少ないよね?
——
ちょっとシェアしよう程度の関心も数字に乗っかっちゃいますから、必ずしも見た目の数で興味関心の度合いが測りにくくなっているのではないでしょうか。
ZUN
今の人にはインターネットが当たり前すぎますからね。当時はわざわざ「ネットを見に行く」「ネットサーフィンしに行く」って言い方があるくらい、ちょっとだけハードルが高かった。「テレホーダイ」(※23時から翌8時まで、指定した2つの電話番号までの通信料が月極め一定となるサービス)の時間だけ見に行く、みたいな。そういう、ちゃんと「ネットの時間」があって、それ以外の時間はネットに接続してなかったですよね。
——
ISDN(※通常の公衆電話回線よりもちょっとだけ通信速度の速い回線)導入したいなー、みたいな。
ZUN
今なんて、外だろうとちょっとスマホさえ触れば常にネットに接続できる。そのあたりの違いは大きいですよね。そうなったことで、初めて本の意義を考えますよね。今本を出す意味とは、ってさ。

关于新作

新作について
关于新作
ZUN
そんなわけで新作の書籍がようやく形になろうとしているわけなんですね。今度は週刊誌をネタにしたような内容のものを作っています。去年があまりにもね。「ゲス」でしたからね。
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報道の信頼も揺らいでますし。
ZUN
なぜか週刊誌のスクープは信じられやすい傾向にあって、そこだけが真実みたいになってないですか? あそこで出てくるものって基本的に芸能人のどうでもいい話が多くて、たまに社会派なモノもあるけどさ。でも今回のネタの発端は「不倫」ですよね。芸能人のプライベートなんてどうでもいいのに、そこを報道するのが正義みたいなことになってるのって、おかしくないかい? なんで周りの人がその報道に乗っかって叩いているのかも全くわからない。ただ、それを逆手に取って考えてみると、ゲームのキャラクターの私生活はみんなが求めているんじゃないかなって。本来、設定資料集は週刊誌的なものであるべきじゃないかな。そういう風に去年思ったんですよ。

現実社会の芸能人はどうでもいいけど、二次元のキャラクターはどうでもよくない、ということの面白さですよね。そういうわけで新聞からさらに進んで週刊誌を作ろうということになりました。
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AlternativeなFactsが世にあふれようとしています。
ZUN
ただの週刊誌じゃない。Post Truthな内容になっている。けっこういろいろな冒険をしているから、見たことが無いタイプの本になると思います。絶賛制作中すぎて、あまり言えることが無いけれど。誰かを叩いて快感を得るタイプの本ではないですね。流れとしては、やっぱりこれまでの本に出てないキャラを登場させようっていうことはあります。『文花帖』のころにあった、「設定資料集? いや、東方としてやるべき本はこういうものだよ」っていうところに戻ってきました。そういう意味では「文花帖」の正統な続編ですよね。それにしても、どんどんと本を出すたびに、1冊にかかる制作期間が長くなってますね。この本に何年かかってるんだか(笑)。