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东方香霖堂/东方外来韦编第9话/中日对照

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< 东方外来韦编第8话   东方香霖堂   东方外来韦编第10话 >

 春と言えば、出会い、別れ……
 そして「バイト」の季節!?
  说到春天,就是相逢,与离别……
  同时也是“打工”的季节!?
(第九話)価値観のるつぼ
(第九话)价值观的熔炉
 ――桜が散り、博麗神社は新緑に包まれていた。
  ——樱花已谢,博丽神社中充满了新绿。
 初々しい葉には人間に活力を与える魔力が込められている。何か新しい事を始めるには一番向いている季節である。博麗神社の巫女、博麗霊夢の元に、外の世界の学生である宇佐美菫子が訪れていた。
  未经世故的新叶之中有一种能带给人类活力的魔力。这是最适合开始做一项全新的事情的季节。博丽神社的巫女博丽灵梦,迎来了外面世界的学生宇佐见堇子。
 「あーあ、バイトかぁ。何か始めないといけないかなぁ」
  “唉,打工啊。是时候该打工了吗。”
 「バイトって、仕事のこと?」
  “打工,是指找工作?”
 「そうよ、周りの人でバイトを始めている人もいてね。まあ一応、校則違反なんだけど……」
  “没错,我身边的人已经有人开始打工了。虽然说,算是违反校规……”
 「確か、菫子 (あんた) って学生だって言ってなかったけ? 学生でも仕事をするの? 親がお金を払うんじゃ無いの?」
  “我记得堇子 () 不是说你是学生吗?学生也要找工作吗?不是父母出钱吗?”
 「うーん、何だろうねぇ。みんなお金の為に仕事するって訳でも無いんだよねぇ。社会勉強っていうか何というかー、仕事しているのってやっぱり大人に見えるんだと思うんだよね。思うに勉強ばかりの子供時代に飽きて、みんな人より先に大人になるのに必死なんじゃないかな。かくいう私も周りがバイトを始めると、焦っちゃうわね。でも、やっぱり高校生で出来る仕事って言うと、やっぱりバイトなのよ。まあ、大人になったら仕事は嫌になるのかも知れないけど、今のうちにやってみたいというか……」
  “唔,怎么说呢。也不是说所有人都为了钱而工作。该说是社会学习吗,感觉工作的人还是更有大人范儿。我觉得应该是不少人都厌倦了自己死读书的孩提时代,拼命想比身边的人更早一步成为大人吧。就连我也是,看到周遭的人都开始打工,我也开始焦急了。但是,要论高中生也能干的工作,那就只有打工了。虽说真的成了大人之后可能又会厌倦工作,但很多人都想趁现在试一试……”
 自分を弁明するような事をうだうだ言って、菫子は霊夢の顔を見た。
  堇子说了一番仿佛是在为自己辩解的话,看向了灵梦的脸庞。
 「そういえば、レイムッチはもう仕事しているんだよね。巫女の仕事」
  “这么一说,灵梦亲已经在工作了啊。当巫女。”
 「え? ええ、まあ……そうだけど」
  “咦?啊,呃……算是吧。”
 「やっぱ凄いなー、幻想郷の人間達って、みんな若いときから仕事をしていてー」
  “还是厉害啊,幻想乡里的人类们,都从年轻的时候就开始工作了。”
 「そ、そう?」
  “是、是吗?”
 「巫女の仕事に、妖怪退治の仕事、他にも異変の解決とか色々やっていて、ちゃんと社会の役に立っているし」
  “巫女的工作、降伏妖怪的工作、除此之外还会去解决异变等等,完完全全在为社会作贡献。”
 「いやー、そんなに偉いもんでも無いわ」
  “哎呀,也没有那么了不起啦。”
 突然褒められて霊夢は照れていた。
  灵梦突然受到夸奖,有些难为情。
 「高校生が出来るバイトなんて、レジ打ちとか位で、妖怪倒して人間を守るとか、そんな派手なもんじゃないし……」
  “高中生能找的打工,也就只有在收银台结算之类的了,根本不是打倒妖怪保卫人类这种有牌面的事情……”
 菫子はコンビニで退屈そうにバイトをしている自分を想像して溜め息を吐いた。
  堇子想象了一下自己无聊地在便利店打工的情景,不禁叹了一口气。
 「ところでー、巫女や妖怪退治の仕事ってさぁ、の方はどうなの?」
  “话说回来,巫女和降伏妖怪的工作,怎么样?”
 菫子は親指と人差し指で輪を作るサインをし、下卑た顔をした。霊夢はそれを見て、同じように指で輪を作った。
  堇子用大拇指和食指比了一个圈,露出了下流的表情。灵梦看到她的手势,也同样用手指比了一个圈。
 「……そうね。派手な仕事なんで、妖怪達からうんざりするほど貰えるわよ」
  “……是啊。因为是显眼的工作,所以从妖怪们那里拿到的可是多到受不了。”
 それを聞いて菫子は色めき立つ。
  听到这句话,堇子的神情紧张了起来。
 「え、うんざりするほど!」
  “咦,多到受不了!”
 「そうなのよー鬱陶しいわよねー、避けるだけで精一杯だわ。弾幕」
  “是啊,超烦的,躲都躲不过来。那些弹幕。”
 「弾幕!」ずっこける菫子。
  “弹幕!”堇子一个踉跄。
 「じゃなくて、このサインはお金の事よ。儲かっているの? って聞いてんの」
  “不是,这个手势指的是钱啦。我是问你赚不赚钱?”
 勘違いに霊夢は顔を赤らめた。
  意识到自己搞错了,灵梦脸红了。
 「あ、お金? え、ええ、うーん……」
  “啊,钱啊?呃,呃呃,唔……”
 「まあ、あんまり儲かってそうには見えないけど」
  “虽然看上去也不怎么赚钱。”
 「お金……何でそんなことを聞くの?」
  “钱……你为什么问这种事情?”
 「何でって、気になるじゃん。仕事を探す時に一番って言ってもいいくらい重要なのはお金よ、賃金よ」
  “那当然是因为感兴趣了。找工作的时候最重要的可以说就是钱了,是薪水。”
 「あー、なるほどねぇ。私もお金は欲しいわ、でも私の仕事はお金を貰う為に選んだものじゃないの。巫女は生まれつきの仕事だし、異変解決したって誰もお金払ってくれないし」
  “啊,原来如此。我虽然也想要钱,但是我不是为了钱才选择的这份工作。巫女是我天生的工作,就算解决了异变也没人会付我钱。”
 「え、ボランティアなの?」
  “咦,你是在当义工吗?”
 「なのかな。でもまあ、結果として何らかの形でお金は貰う事もあるけどね。お賽銭だって、売上と言えば売上だし……でも、仕事は、やるのが当然って事なんだと思ってたけど」
  “算是吧。不过,有时在结果上也会以某种形式拿到钱。比如说赛钱,要说是销售额也算是销售额……但是,我一直都觉得我干这份工作是理所当然的事情。”
 「ふーん、凄いなぁ、格好良いなぁ。仕事はお金じゃ無くてやって当たり前、かぁ」
  “这样子,好厉害啊,真帅。‘就算拿不到钱,干这份工作也是应该的’吗。”
 「あんただってさっきそう言ってなかった? 学生はお金のために働くんじゃない、って」
  “你刚才不也这么说过吗?‘学生并不是为了钱而工作’。”
 「あれ? いやいや、それとは別ものよ! ……いや、そうでも無いのかな、よく判らなくなっちゃった」
  “咦?不不,这个和那个是两码事!……不,也不能这样说吧,有点搞不清楚了。”
 ――瘴気渦巻く魔法の森の近くに建つ古道具屋『香霖堂』。
  ——在瘴气缭绕的魔法森林附近的旧货店“香霖堂”。
 主に外の世界から流れ着いた品を扱っているお店だ。店主の森近霖之助は溢れかえる古道具の整頓に追われていた。
  这家店主要经营从外面世界漂流过来的物品。店主森近霖之助忙于整理充斥着店铺的旧货。
 「……パソコンがこんなに沢山、どれもこれも不良在庫ばかりだ。殆ど売れないし――、勿体ないが整理しないといけないか」
  “……电脑有这么多。不论哪个都是积压的商品。根本卖不出去……虽然很浪费,只能收拾掉了。”
 積まれたパソコン類をみる。縦置きパソコン、横置きパソコン、ノートパソコンにタブレットまで、時代も性能もバラバラに積まれていた。
  他看向堆积的电脑类物品。竖放电脑、横放电脑、笔记本电脑乃至平板,无视生产的年代与性能,这些电脑全都被杂乱无章地堆在一起。
 「しかし、困ったなぁ。はっきり言ってどうやって取捨選択すれば良いんだ? 『小さいほど新しくて高性能だから価値がある』と菫子君が言っていたが、古道具屋というのは大抵古くて大きい物ほど価値があるんだ。果たしてどれを残して、どれを捨てれば良いのか全く判らんな」
  “不过,真是头大。直白地说,我该怎么做取舍啊?堇子说过,‘电脑越小年代越新,性能越好,所以更值钱’,但旧货基本上都是越旧越大的东西更有价值。我到底该留下哪个,丢掉哪个,完全搞不懂。”
 霖之助は近いうちに専門家を呼ぼうと決めて、早々と整理を諦めた。
  霖之助决定近期请专家来看看,早早就放弃了整理。
 「……という訳で、今日、君に来て貰ったのは他でもない。ここにあるパソコンの鑑定をして頂きたい」
  “——那么,我今天请你过来不是为了别的。我想请你鉴定一下放在这里的电脑。”
 菫子は素直に驚いている。
  堇子的的确确受到了震撼。
 「うわー、凄いパソコンの数! お店みたいだわ」
  “哇,这么多电脑!简直像在店里一样!”
 「ここも、お店だよ」
  “这里也是店里。”
 「ああ、一応そうだった。ごめんね、中古パソコンショップみたいって言ったかったの」
  “啊,这么说也是。抱歉,我想说的是简直像在二手电脑店里一样。”
 菫子は意気揚々と依頼された仕事に取りかかった。
  堇子兴高采烈地开始着手被委托的工作。
 「……これは見た事無い型ばかりだわー。持っていくところに持っていけば価値がある物もあるのかも知れないけど……多分殆どジャンクじゃないかなー」
  “……全都是我没见过的型号。如果拿到相应的地方说不定还有一定价值……但我觉得这些基本上都是废品吧。”
 「ジャンクってのはゴミって事かい」
  “废品,也就是垃圾吗。”
 霖之助は溜め息を吐いた。
  霖之助叹了一口气。
 「まあ、そうね。ゴミね。……あれ? このノーパ、プリンターみたいのが付いてる。こんなノーパってあるの?」
  “嗯,是啊。垃圾。……咦?这个笔记本,带着个像是打印机的东西。还有这种笔记本吗?”
 菫子は見た事の無い、大きくてディスプレイが小さい歪な形のノートパソコンを手に取った。
  堇子拿起了自己从未见过的笔记本电脑。这个电脑本体很大,屏幕却很小,外观很是不平衡。
 「こんなのあるの? って馬鹿みたいな質問だな。いままさにそこにあるじゃないか」
  “‘还有这种笔记本吗?’这是什么愚蠢的问题。你都拿在手上了,那不就是有吗。”
 「うーん……え!? おっも! ごっつ過ぎー! こんなノーパ見た事無い!」
  “嗯……咦!?好重!好大!我可从没见过这种笔记本!”
 「そうか君でも初めてか。ちなみにそれは『ワードプロセッサー』通称『ワープロ』と呼ばれている物だ。うちには山ほどあるよ」
  “是吗,你也是第一次见啊。顺便这个东西被称为‘文字处理器’,通称‘WP’。我这里有山一样多。”
 霖之助は見ただけで物の名前が判る能力を持っている。しかし菫子は名前を聞いてもピンときていないようだ。
  霖之助拥有只看一眼就能知道物品名字的能力。然而堇子就算听到了这个名字,似乎也想不出这是什么。
 「ワープロ……? 何それ」
  “WP……?那是什么。”
 「ワープロを知らないのか? 文章を書ける機械だよ」
  “你不知道WP?这是能用来写文本的机器。”
 霖之助は見ただけで用途が判る能力もある。しかし偉そうに言っているが、実際の使い方も本当の価値も判っていない。
  霖之助拥有只看一眼就能知道物品用途的能力。不过虽然他说话一副了不起的样子,却看不出物品实际的使用方法和真正的价值。
 「文章を書ける? そんなの、大体どんなパソコンでも書けるわよ。でも、ワープロ、ワープロ……。どっかで聞いた事があるような、学校で習ったような……」
  “写文本?现在不论什么电脑都能写文本。不过,WP、WP……总感觉在哪里听过,是在学校学过吗……”
 菫子はスマホを出して検索しようとしたが、圏外だったことを思い出して苦笑いした。
  堇子本想掏出手机搜索,却想起手机并没有信号,只好苦笑了一下。
 「……家帰ったら調べよ」
  “……回家之后查查吧。”
 ――半日経って、殆どのパソコンに色紙が貼られていた。誰が見ても赤色に偏っていた。
  ——半日之后,基本上所有电脑都被贴上了彩色的标签。怎么看,都是红色的标签更多。
 「……赤色は無価値ね。捨てるなりなんなりした方が良い奴。青色は恐らくまだ使える。白色は保留、と」
  “……红色的都是不值钱的。扔掉还是怎么样都无所谓。蓝色的说不定还能用。白色的暂且保留。”
 「なるほど……ほぼ全て無価値、か。助かったよ、これで気兼ねなく在庫を処分できる。ありがとう、これは君にしか出来ない仕事だ」
  “原来如此……基本上都不值钱吗。真是帮了大忙了,这样我就可以放心地处理存货了。多谢,这是只有你才能胜任的工作。”
 「あのー、これって仕事だよね?」
  “那个,这应该算是工作吧?”
 「ああ? 勿論だ、重要な仕事だね」
  “啊?当然了,是很重要的工作。”
 菫子は何か言いたげにもじもじしている。
  堇子一副欲言又止的样子。
 「ねえ、だったら、ほらそのー。何かあるんじゃないの?」
  “那个,如果是这样的话,你瞧。可不可以有点什么?”
 菫子は指で『お金』のサインを出してもじもじしていた。
  堇子有手指比出了“钱”的手势,一脸忐忑。
 「えーっと、……ああそうか。君はお駄賃が欲しいんだね」
  “呃……啊,这样啊。你是想要拿点脚力钱。”
 「そ、そうなんだけどさー、仕事の対価を『お駄賃』って言わないでよ。言うんなら、賃金! 給料! サーラーリー!」
  “虽、虽然是这样啦,但你不要说工作的回报是‘脚力钱’啦。要说的话,是报酬!是薪水!是Salary!”
 「……はいはい、賃金を望んでいるとは思わなくて悪かった。で、いくら欲しいんだい?」
  “好好好,我没想到你想拿点薪水,真是不好意思。那,你想要多少?”
 菫子は戸惑った。働いたことは無かったし、お金もお年玉を貰う位で、欲しいものも親に買って貰っていた。だから、物の値段もよく判っていない。ましてや、仕事の対価の相場なんて、ネット検索に頼らずに想像出来る筈も無かった。
  堇子感到了困惑。她既没有工作过,平生拿过的钱也只不过是新年的压岁钱,想要的东西都求父母来买。因此,她并不怎么了解事物的价值。自不必说,工作的报酬的价位,不仰仗网络搜索,她是完全想象不到的。
 「い、いくらなら出せるんでしょう。この鑑定の仕事に」
  “请、请问您能出多少。对这份鉴定的工作。”
 霖之助は机の引き出しを開けて、何枚か紙を出して考えていた。菫子は手にしたお札の枚数よりも、その紙幣の見た目に興味を抱いていた。それは紙幣のような、そうでも無いような代物だったのだ。
  霖之助拉开桌子的抽屉,拿出了几张纸陷入了思考。比起霖之助手上的钞票的张数,她更加在意那些纸币的外观。那些纸币看上去是纸币,又感觉不是。
 「それは一体?」
  “这是?”
 「菫子君……。賃金を欲しがっていたくせにこんなのも知らないのかい? これはお金だよ」
  “堇子啊……明明是你想要薪水,却不知道这种东西吗?这些是钱。”
 「お金、まあそうだと思うけど……、でもいつの時代のお金なの?」
  “钱,我想也是……但这是什么年代的钱?”
 「……そうか、これは外のお金の筈だが、菫子君が知らないって事は、すでに外の世界で使われなくなったお金なんだろうね」
  “……这样啊,虽然这按理来说是外面世界的钱,但既然堇子不知道,那就说明这钱外面世界应该已经不用了。”
 「幻想郷のお金ってこんなのなの? これは、誰!?」
  “幻想乡的钱长这样吗?这是谁!?”
 菫子の興味は人生初給料の額から、見た事もない紙幣の肖像画に移っていた。見た事が無いのに、何故か知っているような紙幣ばかりにめまいがするようだった。
  堇子的兴趣从人生首份工资的价格,转移到了从未见过的纸币上的肖像画上。这些纸币她明明从未见过,但有几张却在脑海中有印象,让她有些头晕。
 …………いつものように、スマホのアラームが優しく音量を上げ続けている。
  …………一如既往,手机的闹钟在温柔地慢慢提高音量。
 あくまで紳士的で、優しく流れるメロディに菫子は起こされた。その優しい音色が精神を蝕んでいく。彼女の目覚めはいつもよくない物だった。彼女は夢の中で幻想郷に行く。夢の中の方が活動的なので、寝ても疲れが取れないのだ。
  礼貌而又温柔的铃声将堇子叫醒。温柔的音色一点一点地蚕食堇子的精神。每次她从睡眠中醒来,都伴随着不适。她会在梦中前往幻想乡。她在梦中反而更加活跃,令她通过睡眠也无法获得休息。
 しかし今日は違った。調べたいことを夢の中から持ち出してきた事を覚えていた。彼女は枕元のスマホを手に取り調べようとしたのだが、すぐにそれをやめ、体を起こして机に向かってノートパソコンを開いた。彼女はいつもならスマホで検索するのだが、がっつり調べ物をしたいときは、スマホでは無くノートパソコンを使う様にしていた。
  但今天却有所不同。她还记得,她从梦中带回了一些要查的事情。她下意识拿起枕边的手机进行搜索,但又立刻停了下来。她从床上起身来到书桌前,打开了笔记本电脑。虽说她平时都会用手机进行搜索,但在认真地调查某个事情的时候,都会使用自己的笔记本电脑。
 「――ワープロ、ワープロ……。そうか文章を書くだけの機械でパソコンが広まる前に使われていた奴かー、聞いた事あったはずなのに思い出せなかったー! ……『悲報、今の世代はワープロを知らない』だって、知らないんじゃ無くて思い出せなかっただけだっつーの。馬鹿にすんなよ」
  “——WP、WP……这样啊,是只用来写文本的机器,在电脑推广开来之前用的东西,明明应该听说过的,却没想起来!……‘悲报,当今世代的人不知道什么是WP’,谁说我不知道了,只是没想起来而已。瞧不起谁呢。”
 菫子は毒づいて嘲笑っていた。
  堇子刻薄地嘲笑。
 「――ワープロは生産終了し、今は一部の愛好家が買取をしている……だって、もしかしたらアンティークとしての価値が出てくるかもねぇ」
  “——WP已经停产,如今会有部分爱好者去收购……说不定作为古董会有点价值。”
 心にも無いことをつぶやき、次に気になっていることを調べた。それは、見た事もない肖像画の紙幣だ。スマホで撮影した画面と検索結果を見比べた。
  她言不由衷地说说,又开始调查另一件在意的事情。是画着她从未见过的肖像画的纸币。她将搜索结果与用手机拍的照片比较。
 「これかしら……、ヤマトタケル、ああ、えーっとどっかで聞いた事があうrけどゲームのキャラか何かじゃ無かったっけ? このキャラのお札があったのねぇ、どれどれ、いくらくらいの価値があるのかなー……」
  “是这个吗……日本武尊,啊,呃,好像在哪听过,是哪个游戏的角色来着吧?原来还有这个角色的钞票,我看看,大概值多少钱……”
 菫子は検索結果を真剣に見ていた。
  堇子认真地浏览着搜索结果。
 ――別の日の香霖堂。興奮した様子の菫子が霖之助をつめていた。
  ——香霖堂的另一天。一脸兴奋的堇子盯着霖之助。
 「ヤマト! えーっと、ヤマトタケルの紙幣は! 凄い価値があるのよ!」
  “大和!呃,大和武尊的纸币!可值钱了!”
 「そ、そうなのか?」
  “是、是吗?”
 「そうなのよ! でも、どうせ幻想郷でははした金なんでしょ? だったら、そのお金を現実で換金すれば大儲けだわ!」
  “对!不过,反正在幻想乡里只是小钱吧?我只要把这个钱在现实中兑换成现金,就能大赚一笔了!”
 「……なるほど、菫子君の言うことも一理ある」
  “……原来如此,堇子说的也有点道理。”
 「他にもきっと価値がある紙幣が眠ってそうね。ねえ……、私がそれを換金してこようか?」
  “这里一定还藏着更多值钱的纸币。对了……要不要我去替你把它们兑换成现金?”
 興奮した菫子とは裏腹に、霖之助は冷静である。
  与兴奋的堇子相反,霖之助很是冷静。
 「そうだな……、だがしかし、外の世界でお金が増えたところで何が変わるんだい?」
  “是啊……但是,就算你把这些都兑换成外面世界的金钱回来,又会给我带来什么变化呢?”
 「え? お金が増えれば良い物が買えるし、美味しい物も食べられるし……えーと」
  “咦?钱变多了就能买更好的东西,吃到更好吃的东西……呃……”
 「浅はかだな、外の世界のお金は、幻想郷にとっては何の価値も無いよ」
  “真是肤浅,外面世界的金钱,对于幻想乡来说一点价值都没有。”
 「そうなの? ……でも、旧いお札だとはいえ実際にヤマトタケルの千円札を使ってるじゃん。それってやっぱりお札に価値があるって事じゃないの?」
  “是吗?……但是,虽说是旧纸币,但幻想乡里不也在用大和武尊的千圆钞票吗。这不还是说明钞票本身是有价值的吗?”
 「確かに、使っているね。もっと言うとヤマトタケル以外のお札も日常的に使っている。でも、それはたまたま流れ着いた紙幣を再利用しているだけだ。幻想郷にとって紙幣は、複製不可能な約束手形なんだよ。紙幣に書かれた額面や肖像画、それ自体に大した価値は無い」
  “确实是在用。更进一步讲,大和武尊之外的钞票也在日常地使用。但是,那也不过是在重新利用偶然漂流到这里的纸币而已。对于幻想乡来说,纸币就是无法复制的期票。纸币上的面额和肖像画,并不代表什么价值。”
 「? どういうこと?」
  “?什么意思?”
 「幻想郷では基本的に物々交換なんだ。外の紙幣も持ち運びしやすい交換アイテムでしかない。紙幣の価値は交換した時の言い値で決まり、紙幣自体に固定された価値は無い。そもそもあんなタダの紙切れに、誰が共通の価値を与えられると思うんだい?」
  “幻想乡基本上都是以物换物。外面的纸币也不过是便于携带的交换用具而已。纸币的价值都是在交换时协商决定的,纸币本身没有固定的价值。不如说这些纸币不过就是些纸片,有谁能为它们赋予共通的价值?”
 菫子には理解が難しかったらしく、黙り込んだ。霖之助は饒舌に問いかける。
  这番话对堇子来说可能有点难理解,堇子陷入了沉默。霖之助则滔滔不绝地继续问道:
 「本来価値も無い紙切れに価値があると思い込ませて、実際に価値を与えてしまう。そんな事が出来るのは神か、それか神を騙る極悪人の仕業だよ。君はどっちだと思う?」
  “让人以为原本没有任何价值的纸片有一定的价值,以此来为纸片赋予价值。能做到这种事的,不是神,就是假装自己是神的大恶人。你觉得是哪个?”
 「……神がいる訳無い、ってことは、紙幣を作っているのは極悪人ってこと?」
  “……神是不可能存在的,也就是说,制作纸币的人都是大恶人?”
 「ご名答。その証拠に悪人ほど必要以上にお金を集めたがるだろう? ただの紙切れなのに」
  “答得好。作为证据,恶人都想收集必要以上数额的金钱吧?明明不过是一堆纸片而已。”
 「あ、確かに……」
  “啊,确实……”
 「ふ、君はに向いている」
  “呵,你很适合。”
 菫子はいまいち理解しないまま同意してしまった。
  堇子没怎么理解就同意了。
 「じゃあさ、お金のために仕事するのって事は、悪なの?」
  “那,为了钱而工作,也是坏事吗?”
 霖之助は首を振って、少し残念な表情をした。
  霖之助摇了摇头,露出了些许遗憾的表情。
 「決してそんなことはない。仕事の対価としてお金を選ぶのは至極妥当だよ。そうじゃなくて、悪人がやる非道な行為が、紙幣に価値を与える事だ。『この紙切れには家一軒買えるだけの価値がある』なんて戯言を信じ込ませて流通させる事だよ」
  “决没有那种事。作为工作的回报选择金钱是理所应当的事情。不如说是金钱的正确使用方法。我想说的不是这个,而是说恶人所做的伤天害理的行为,就是为纸币赋予了价值。也就是让人去相信‘这个纸片蕴含着能买一幢房子的价值’这种戏言。”
 「あ、なるほどー。確かにそれだったら詐欺っぽいねぇ」
  “啊,原来如此。这么一说,确实有点像诈骗了。”
 菫子は納得し、何かを決意した。
  堇子感到了信服,暗中立下了某个决意。
 「ねえ、霖之助さん。やっぱり私、ここでバイトしたい。外の世界の道具の鑑定とかやるから」
  “那个,霖之助先生。我还是想在这里打工。我会帮你鉴定外面世界的物品之类的。”
 「バイト……? ああ、お手伝いって事か」
  “打工……?啊,你是指来帮忙吗。”
 「違うよ! お手伝いじゃ無くて、働くって事よ」
  “不是!不是来帮忙,是在这里工作。”
 菫子は、独立した大人として仕事がしたいのだ。お手伝いとお駄賃では無く、労働と賃金として。
  堇子想作为一名独立的大人进行工作。想要的名堂并不是帮忙和脚力钱,而是劳动与薪水。
 「そう、何が違うかよく判らないが……、それは助かる。謎の外来品の在庫が一杯になって困っていたところだ。それで、お駄賃……いや賃金はどうする? さっき言った通り、幻想郷と外の世界ではお金に関する価値が異なり、両替も無意味だ」
  “是吗,虽然不太清楚有什么区别……但那样我会很感激。我仓库里堆满了谜样的外来品,正愁该怎么办呢。那么,脚力钱……不,薪水该怎么办?就像我刚才说的,金钱的价值在幻想乡和外面世界完全不同,兑换也是没有意义的。”
 「……こういうのはどう? 処分される無価値な道具を私が一つ持っていく、それをもって賃金とする。幻想郷のしきたりに従って、現物支給よ」
  “……这么来怎么样?我每次拿走一个即将被处理掉的无价值的物品,以此作为薪水。遵循幻想乡的习俗,以物品来支付。”
 「霖之助は少し逡巡したあと、頷いた。」
  霖之助犹豫了片刻,点了点头。
 ――数日後。
  ——数日后。
 博麗神社にて霊夢と魔理沙が会話していた。
  灵梦与魔理沙在博丽神社进行交谈。
 「え? 菫子が香霖堂で?」
  “咦?堇子在香霖堂?”
 「そう、正式に香霖堂で働くことになったらしいぜ」
  “没错,她似乎正式开始在香霖堂工作了。”
 「へー、仕事に対して何か憧れを持っているなー、とは思っていたけど、まさかそんな閑職に……結局、楽したかっただけなのね」
  “这样啊,我虽然感受到她对于工作抱着某种憧憬了,但没想到会去做那种闲职……看来她最终也只是想寻找乐子而已。”
 「そうだな、香霖堂って、とても仕事をしているとは思えないが……ま、良かったんじゃ無いか?」
  “确实,我完全不觉得香霖堂在好好工作……不过,这也不错吧?”
 「魔理沙は真面目な顔で霊夢を見る。」
  魔理沙认真地看向灵梦。
 「んー、そうねぇ。確かに助かるわ。菫子が香霖堂にいる時間が長くなるのは良い事ね。これであいつの監視が楽になる」
  “嗯,是啊。确实帮了个忙。堇子呆在香霖堂里的时间变得更久是好事。这样监视她就更轻松了。”
 霊夢の隠れた任務に菫子の監視がある。菫子は外の世界の人間で、しかも底知れぬ力を持っている。霊夢にとっては、菫子そのものが現在進行形の異変である。霊夢は何気なく自然に見える様に菫子を監視していたのだ。
  灵梦隐藏的任务之一是监视堇子。堇子是来自外面世界的人类,同时拥有着深不可测的实力。对于灵梦来说,堇子本人就是正在进行时的异变。灵梦装出一副十分自然的样子,暗中监视着堇子。
 「それはそうと、巷で不気味なカードが出回っているのを知っているか?」
  “话说,你知道坊间流通着一种诡异的卡牌吗?”
 「カード? ああその話、私も聞いたわ。一部の妖怪の間で噂になっているみたいね。何だか、意味不明な絵が描かれているだけなのにあちこちで取引されているとか何とか」
  “卡牌?啊,这事我也听说了。似乎在一部分妖怪之间传得很开。好像是明明卡牌上只是画着一些意义不明的画,却在四处被交易。”
 「お前が知っているようで安心したぜ。そうなんだよ、一部のカードには不当な値段が付けられて売られているらしいぜ……、誰が価値を与えているんだろうな。何だか不気味な話で怖いぜ」
  “你知道这件事我就放心了。没错,似乎部分卡牌还被赋予了不合理的价格拿来贩卖……不知道是谁在给这些卡牌标价。这事很是诡异,有点可怕。”
 「……一過性の流行なのか、それとも異変なのか、注意して行くわ」
  “……到底是短暂的流行,还是异变,我会注意的。”
 ――いつも平穏で安寧の地、香霖堂。
  ——一如既往平稳而又安宁的地方,香霖堂。
 約束通り菫子君が働いてくれていた。
  堇子在如约为我工作。
 在庫をリストアップしては、「懐かしー」だとか、「初めて見たー」だとか騒いでいたが、それでも彼女にしか出来ない仕事をしちえる感じで助かっている。
  她一边将存货列成清单,一边叫嚷着“好怀念”“头一次见”之类的事情,但即便如此我也认为这是只有她才能胜任的工作,感觉很受帮助。
 僕はと言うと、新しく入荷した品を手に取り、得も言われぬ恐怖を感じていた。
  至于我,则是手上拿着刚刚进货的新品,感受到一种莫名的恐怖。
 「店長! これはマジヤバイっす! 鑑定団に出せます! って店長、それは?」
  “店长!这可太厉害了!能拿去给鉴定团看!店长,您手里拿着的是?”
 「店長……だって? まあいい。何でも無い、こっちは気にせず仕事続けてくれ」
  “店长……是怎么回事?算了。没什么,不用在意我,接着去干你的工作吧。”
 僕は引き出しに謎の紙切れをしまおうとした。
  我试图把谜样的纸片收进抽屉里。
 「あ、気になりますよー。それ、何です? ただのカードに見えますが」
  “啊,我好在意。那个是什么?看上去只是个卡牌。”
 「僕にも、ただのカードにしか見えない。だが、これが裏でとんでも無い価格で取引されているんだ。誰かが価値を操作しているとしか思えない」
  “在我眼里也只是普通的卡牌。然而,这个卡牌却在暗地里被以惊人的价格交易。怎么想都是有人在操纵价值。”
 僕はひとつ嘘を吐いた。これはただのカードとは思っていなかった事だ。なんて言って良いのだろうか、こういう仕事をしている以上、呪われたアイテムや付喪神、マジックアイテムなんかも取り扱ってきた。しかし、このカードはどれとも違う。なんていうか、強力な力が込められていることは感じれるが、それが意味するところが想像出来ないのだ。
  我撒了一个谎。我并没有觉得这只是一张普通的卡牌。该怎么说呢,干这份工作这么多年,我也见过不少被诅咒的器具、付丧神和魔法器具等等了。但是,这张卡牌却与这些都不同。要说的话,虽然能感受到蕴藏在其中的强大的力量,却完全想象不出这有什么意义。
 「見せてくださいよー。って、これレイムッチの物じゃないの?」
  “让我看看嘛。等下,这难道不是灵梦亲的东西吗?”
 「え? 何故そう思うんだ?」
  “咦?为什么你这么想?”
 「いやだって、何だかそのカードから巫女っぽい、いつものあのがするもん。それに、陰陽玉の絵が描いてあって判りやすい……」
  “那还用说,因为我从卡牌里感受到一种巫女一般的,一如既往的那种。而且,卡牌上还画着阴阳玉,很容易看出来……”
 霊夢っぽい感じがする? 感覚を信じるなんて、もしかしたら、彼女はとんでもない逸材なのかも知れない。知識に頼る僕はそれを恥じて乗っかることにした。
  感受到有灵梦的感觉?能够相信自己的感觉,说不定她是一个难以置信的人才。只能仰赖知识的我感觉有些惭愧,决定顺着她的话。
 「菫子君。僕もそう思っていたところだよ。さっきは嘘を言ったが、これは普通のカードでは無いと思っている。ただの紙くず (カード) に価値を与えようとする奴が、何処かにいるに違いない」
  “堇子。我其实也是这么想的。我刚才说了谎,我也觉得这并不是普通的卡牌。一定是在哪里有人想为这种纸片 (卡牌) 赋予价值。”
 「つまり、紙切れを使って価値観を支配しようとする大悪党がいるって事ね! これってレイムッチが言う異変なんでしょ? そうなんでしょ!?」
  “也就是说,有大恶人企图利用纸片来支配价值观!这就是灵梦亲所说的异变吧?是这样吧!?”
 菫子は興奮気味に話した。僕はそこまでではないと思って笑っていた。
  堇子有些兴奋地说道。我倒觉得事情没有这么严重,只是笑了笑。
 ――程なくして不思議なカードは幻想郷全土を支配した。巫女が動いた頃には、遅すぎだという批判が主流であった。
  ——没过多久,奇妙的卡片就支配了幻想乡全境。等到巫女开始行动的时候,主流观点都在批判她为时过晚。
 それでも動き始めれば難なく異変を解決し、幻想郷に響き渡るのは巫女の名声ばかりだ。
  即便如此只要她开始行动,她就能轻松地解决异变,响彻于幻想乡的也只会是巫女的名声。
 僕はそこで改めて気付いた。この価値観の異常に最初から気付いていたんだ。隠れて価値を操作する奴がいたことくらい、そしてそいつが異変を起こしていたことくらい……!
  我在这时才终于意识到。我从最初就察觉到了这次价值观的异常。我明明早就已经意识到,有人在暗中操纵价值,同时也是那个人在引发异变……!
(*終盤の謎は新作に繋がる話なので、香霖堂では解決しません)
(*本回最终的谜团通向新作,并不会在《香霖堂》中得到解决。)
めでたしめでたし
可喜可贺可喜可贺

注释


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