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ZUN/Toby对谈
< ZUN
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- 本文是2018年10月19日电FamiNicoGamer刊载的ZUN、Toby、木村祥朗三人对谈。
- 原文地址:『UNDERTALE』トビー・フォックス×『東方』ZUN×Onion Games木村祥朗鼎談──自分が幸せでいられる道を進んだらこうなった──同人の魂、インディーの自由を大いに語る
- 翻译:用户:京都人形〈Bookish Historian〉
『UNDERTALE』トビー・フォックス×『東方』ZUN×Onion Games木村祥朗鼎談──自分が幸せでいられる道を進んだらこうなった──同人の魂、インディーの自由を大いに語る | ||
2015年のデビュー以来、世界的なヒットが留まるところを知らないインディーゲーム、『UNDERTALE』は、2018年の今年に至っても去る9月15日にNintendo Switch版が登場するなど、これまでに多くのプラットフォームでリリースされ、いまなおプレイヤーに衝撃を与え続けている。 | 自从2015年亮相以来,世界性的火爆难以停息的独立游戏『UNDERTALE』,直到今年2018年Nintendo Switch版在9月15日登场等等,迄今为止得以在大量的平台上发行,仍在为玩家带来震撼。 | |
『UNDERTALE』 | 『UNDERTALE』 | |
キュートでありながらブラックで、日本のプレイヤーであればどことなく見覚えのあるようなテイストをふんだんに漂わせたこの作品。 この2DタッチのRPGの大部分をひとりで手掛けた26歳の若きクリエイター、トビー・フォックス氏は、知る人ぞ知る大の『東方Project』(以下、『東方』)ファンだ。 | 这部作品中洋溢着可爱却又黑暗、日本的玩家有些似曾相识的口味。 一个人着手制作了这部2D风格RPG的大部分内容的26岁年轻制作者Toby Fox,在圈子内是知名的『东方Project』(以下略称『东方』)忠实粉丝。 | |
東方Project第8弾『東方永夜抄』 | 东方Project第8作『东方永夜抄』 | |
そのトビー氏を、『東方』の生みの親であるZUN氏と引き合わせたのが、Onion Gamesの木村祥朗氏。 木村氏もまた現在、インディーゲームの世界で活躍するクリエイターで、氏が手掛ける新作シューティングゲーム、『BLACK BIRD』(2018年10月18日にNintendo Switchにてリリース/Steam版は近日リリース予定)は、2018年5月に行われたインディーゲームの祭典、BitSummit Vol.6でVERMILION GATE AWARD(最優秀賞のようなもの)とEXELLENCE IN SOUND DESIGN AWARD(サウンド賞のようなもの)をダブルで獲得している。 | 将Toby和『东方』的生父ZUN联系到一起的,是Onion Games的木村祥朗。 木村也是一位在当今独立游戏业界中大显身手的制作者,他着手制作的新作射击游戏『BLACK BIRD』(2018年10月18日在Nintendo Switch上发行/Steam版预定于近日发行),在2018年5月举办的独立游戏的祭典BitSummit Vol.6上获得了VERMILION GATE AWARD(类似于最佳作品奖)和EXELLENCE IN SOUND DESIGN AWARD(类似于最佳音效奖)两门奖项。 | |
『BLACK BIRD』 | 『BLACK BIRD』 | |
以下に記しているのは、「トビーとZUN氏、ふたりの会話を何かの形で残したかった」という木村氏のはからいで実現した鼎談である。アメリカ在住のトビー氏が、どうやって日本の同人ゲームである『東方』を知り、そしてどんな影響を受けたのかなど、興味深い話が尽きないものとなった。 話はトビー氏とZUN氏の相思相愛っぷりに始まり、『UNDERTALE』、『東方』それぞれをめぐる互いの感想や影響などが語られ、一転、後半では「ひとりでゲームを作るよさは、とにかく「人に命令しないでいいこと」にある」、「“自分の心を自由にすれば、おもしろいものが作れる”ということが、いちばんパワフル」など、インディーあるいは同人という小規模な場で、「なんのためにゲームを作るのか」という普遍的なテーマを、一線で活躍する3人だからこそ語りうる切実なトーンで論じていただいた。 日本、そして世界のインディー・同人シーンに大きく貢献している世代の異なる3人は、ゲームと真摯に向き合い、お互いに刺激し合って今日も制作を続けている。 お酒を飲みながらざっくばらんに交歓したその様子を、3人や作品のファンはもちろん、いまインディーや同人で活動している方、これから活躍を思い描いている皆さんにご覧いただければ幸いだ。ギュッと切なく、そして読後に晴れ晴れとした気持ちになれるものと思う。 | 以下所记载的,是在木村「想要以某种形式留下Toby和ZUN的对话」的思考下得以实现的三方对谈。住在美国的Toby如何得知日本的同人游戏『东方』,又从中受到了什么样的影响等等,充满了引人入胜的话题。 话题从Toby和ZUN的惺惺相惜开始,逐渐开始讨论各自对于『UNDERTALE』和『东方』的感想以及所受的影响,到后半部分则话锋一转,提及「一个人制作游戏的好处在于「不用命令别人」」「“让自己的内心自由就能制作出有趣的作品”这件事最为重要」等等,以只有在最前线活跃的3个人才能拥有的诚恳的语气,讨论了在独立或者同人这种小规模的场所「为了什么而制作游戏」这种具有普遍性的话题。 对日本、乃至世界的独立、同人业界作出了巨大贡献,却世代不同的3人,今天也在真挚地对待游戏,在相互的刺激下制作着游戏。 3位制作者以及他们作品的粉丝自不必说,希望如今正在独立以及同人业界进行活动的各位、期待今后能够在业界中大显身手的各位都能看一看他们一边喝着酒一边毫无顾忌地畅谈的样子。笔者认为,这篇文章有着些许伤感,但又能在读后为各位带来爽快的心情。 | |
取材・文/奥村キスコ、小山太輔 撮影/小森大輔 | 取材・文/奥村キスコ、小山太辅 摄影/小森大辅 |
Toby对于『东方』的热爱,有着来自ZUN的官方认证
トビー氏の『東方』好きは、ZUN氏のお墨付き | Toby对于『东方』的热爱,有着来自ZUN的官方认证 | |||
一同 | 乾杯! | 干杯! | ||
左から木村祥朗氏、トビー・フォックス氏、ZUN氏 | 从左到右是木村祥朗、Toby Fox、ZUN | |||
—— | 先日も3人で食事をされていたそうですね。 | 前几天3个人也在一起吃饭了吧。 | ||
ZUN | はい。じつは2017年の年末にも会うチャンスがあり、「『東方』のファンだと仰るトビーさんが、僕にどんな話を聞かせてくれるんだろう?」と楽しみだったんですが、僕の時間が取れずに叶わなかったんです。「つぎこそは会いたい」と思っていたところ、先日実現しまして。 | 是的。其实在2017年年末也有过一次见面的机会,我就在想「表示自己是『东方』爱好者的Toby先生,会跟我讲些什么事情呢?」,非常期待,但怎奈我抽不出时间,只能作罢。我就想「下次一定要见一面」,于是前几天终于实现了。 | ||
Toby Fox(以下称为Toby) | ありがとうございます(笑)。 | 非常感谢(笑)。 | ||
木村祥朗(以下称为木村) | あの場では、ZUNさんとトビーが相思相愛で、傍で見ていて微笑ましかったですよ。……まあ、この鼎談もそうなると思いますけど(笑)。 | 在当时,ZUN先生和Toby真的是两情相悦,我在旁边看着都难忍微笑。……虽然我觉得这个三方对谈也会是一样的(笑)。 | ||
—— | 木村さんは、以前からトビーさんと知り合いだったんですよね? | 木村先生以前就和Toby先生认识吧? | ||
木村 | そうですね。2013年にOnion Gamesが英語版のTwitterアカウントを作ったんですが、すぐにトビーがフォローしてくれたことがきっかけで知り合いました。 彼から「『UNDERTALE』のベータ版を遊びませんか?」と誘いをもらったり、こちらから「『Million Onion Hotel』というゲームを作ったから遊んでよ」なんていうメッセージを送り合っていたんです。 | 是的。2013年Onion Games建了一个英文版的Twitter账号,Toby立刻就关注了,于是我们以此为契机相识了。 他邀请我「要不要玩一下『UNDERTALE』的Beta版?」,而我则跟他说「我制作了个叫做『Million Onion Hotel』的游戏,来玩一玩吧」,像这样互相发送着讯息。 | ||
| ||||
木村 | 彼は作品をきちんと遊んでくれたあとに、すげー事細かにレビューを書いて送ってくれるんですよね。そういうところに感動して、「日本へ来たら遊びましょう」という話が出ていたんです。 そうそう、「『moon』が好きだ」という話をツイートしてくれたときには、彼のたくさんのフォロワーたちがOnion Gamesをフォローしてくれたんですよ。それにRTもブワーッと増えて……。 | 每次他好好玩过我的作品之后,都会非常细致地写一篇评论发过来。我对此非常感动,就有了「来日本一起玩吧」的提议。 对对,当他在推特上说「我喜欢『moon』」之后,很多他的粉丝都关注了Onion Games。而且我们的转发数在那之后也大量增加…… | ||
—— | それはいい話ですね! | 那还真是个温馨的故事! | ||
木村 | いい話というか……、正直に言うと、ちょっとだけ怖かった(笑)。 | 与其说是温馨的故事……说实话,我有点害怕(笑)。 | ||
Toby | どうもすみません(笑)。 | 真的很抱歉(笑)。 | ||
—— | トビーさんは、ZUNさんと会ってどんなお話がしたかったんですか? | Toby先生在见到ZUN先生之后本来打算说些什么呢? | ||
Toby | ZUNさんのファンのひとりとして、僕がどういうふうに『東方』を知って楽しんできたのか。なぜ『東方』にインスパイアされたのかを伝えたくて……。あと、僕の友だちのテミー(テミー・チャン氏)が描いた『東方』のイラストも見てもらいたかったんです。 | 作为ZUN先生的一个粉丝,我是如何了解并享受『东方』的。我想告诉他我为何会从『东方』中获得启发……此外,我也想给他看看我朋友Temmie(Temmie Chang)画的『东方』的画。 | ||
トビー・フォックス氏 | Toby Fox | |||
ZUN | もちろん見ました。フフフ。 | 他给我看了。呼呼呼。 | ||
—— | ZUNさんは、トビーさんの情熱を目の当たりにしていかがでしたか? | ZUN先生在亲眼见到Toby先生的热情之后有何作想? | ||
ZUN | いやあ、スゴかったですよー(笑)。まず、「言いたいことをまとめてきました」って、メモを出されて(笑)。 | 哎呀,真的是很厉害(笑)。首先,他拿出来个笔记,说「我总结了一下我想说的事情」(笑)。 | ||
Toby | だって、あの場で何も言えなかったらマズイと思ったから(笑)。 | 毕竟,万一到了那个场合什么都说不出来就完了(笑)。 | ||
ZUN&木村 | 真面目か!(笑) | 那么认真!(笑) | ||
—— | どんなことが書かれていたんでしょう? | 都写了些什么? | ||
Toby | そのメモなら、持ってきています(笑)。 | 那个笔记的话,我带过来了(笑)。 | ||
スマホに書き留めたメモを見せるトビー氏 | 展示写在手机上的笔记的Toby | |||
—— | (メモを見て)おおお、ビッシリ! | (看到笔记)哦哦哦,密密麻麻! | ||
ZUN | “私と『東方』との馴れ初め”から始まるんです(笑)。とにかく、僕の想像以上にトビーさんが『東方』オタクで(笑)。 海外のファンが増えてきたのは、2000年後半ぐらいだと認識していたんですが、ちょうど日本と同じ……つまり、日本のファンが盛り上がり始めたような初期のころからプレイしてくださっていたそうで。僕は海外にそんなファンがいるなんて知りませんでした。 | 是从“我对『东方』开始熟悉”开始的(笑)。总之,Toby先生比我想象中的还要是个『东方』宅(笑)。 海外的东方爱好者增加,我一直以为是2000年代后半段才开始的,正好和日本一样……也就是说,Toby先生从日本的爱好者才刚刚增加起来的早期就开始玩了。我没想到海外会有这样的爱好者。 | ||
—— | というと、旧シリーズ【※】からということですか? | 也就是说,从旧系列【※】开始吗? | ||
※旧系列 1996年の『東方靈異伝』に始まる、ZUN氏がZUN SOFTを名乗っていた時代のPC98シリーズ用の作品群。1997年の『東方封魔録』、『東方夢時空』、1998年の『東方幻想郷』、『東方怪綺談』がある。 | ||||
ZUN | いえ、『妖々夢』(2003年)あたりです。しかもその当時、彼が中学生だったというのでさらに驚いて(笑)。 | 不,是从『妖妖梦』(2003年)那段时间开始。而且更令我惊讶的是,当时的他还是个初中生(笑)。 | ||
『東方妖々夢』タイトル画面 | 『东方妖妖梦』标题画面 | |||
Toby | 『東方』は僕が10歳のときにフリーゲームのWebサイトで知りました。おもしろいゲームだということで、『紅魔郷』(2002年)と『妖々夢』が勧められていたんですね。 3面までしか遊べないものだったんですが、後でそれが体験版だったと知りました。 | |||
『東方紅魔郷』3面ボス、「紅美鈴」 | 『东方红魔乡』3面BOSS、「红美铃」 | |||
Toby | それでも、弾幕のパターンや音楽がすごく魅力的だったので、生まれて初めてシューティングゲームを好きになったんです。ちなみに、10歳でもイージーモードならなんとかクリアできました(笑)。 | 即便如此,弹幕的样式以及音乐都充满了魅力,我出生以来第一次喜欢上了射击游戏。顺便,尽管我当时10岁,简单难度还是能勉强通关的(笑)。 | ||
—— | お勧めされていたとはいえ、アメリカではかなりニッチですよね? | 虽然那个网站在推荐,但在美国还是相当小众的吧? | ||
Toby | その当時、アメリカやヨーロッパには『東方』のファン・コミュニティーがぜんぜんなくて、人と話題にすることができなかったんですね。 僕はまだ日本語が読めませんでしたけど、作品の情報が知りたくて自力でホームページを探し、毎週チェックしていました。その後やっと輸入ショップに製品版が入荷するようになったので、数作品まとめて手に入れて喜んでいたのを覚えています。 ゲーマーとしての実績は、『妖々夢』のPhantasm【※】ステージをクリアしたことかな? 何週間も挑戦し続けていたから、クリアできたときはものすごく感動しました! 先日ZUNさんが『UNDERTALE』のとあるボスとのバトルがクリアできなかったと話してくれたんですが、それを聞いて僕はかなりリベンジした気持ちになりましたね(笑)。 | 在当时,欧美完全没有『东方』的爱好者群体,根本无法和人交流。 我当时还看不懂日语,但我为了了解作品的信息自己找到了官方网站,每周都去看一眼。后来终于进口商店引进了成品版,我一口气得到了好几部作品,我仍旧记得当时的喜悦难以言表。 作为玩家的成就,大概是通关『妖妖梦』的Phantasm【※】关卡吧?因为我连续好几周都在挑战这个,所以通关的时候真的是非常感动! 前几天ZUN先生告诉我他没能打过与『UNDERTALE』某个BOSS的战斗,听了之后我心中充满了复仇的快感(笑)。 | ||
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※Phantasm 『東方妖々夢』の隠しステージ「幻想」を指す。ここで流れる音楽が後述の『ネクロファンタジア』。 | ※Phantasm 指『东方妖妖梦』的隐藏关卡「幻想」。在这里播放的音乐就是后文所述的『Necro-Fantasia』。 | |||
ZUN | ……そうなんです。クリアできなかったんですよ(笑)。 | ……对。我没打过去(笑)。 | ||
Toby | 同時に僕はゲームのサントラを耳コピして、独学で作曲を勉強していました。難しい曲ですが、『妖々夢』の『ネクロファンタジア』をピアノで弾きたくて、中学生のときから練習していたりも。 高校時代に行ったサマーキャンプで教会に集まる機会があったんですが、そこで『ネクロファンタジア』を演奏して、初めて大勢の人からスタンディングオベーションをもらったんですよ! ……ZUNさん、本当にありがとうございます。 | 同时我自己听写了游戏原声集的谱子,自学了作曲。虽然是首很难的曲子,但我一直都想在钢琴上弹奏『妖妖梦』的『Necro-Fantasia』,从初中时就开始练习了。 高中时代的夏令营我们有一次聚集在教会,我在那里演奏了『Necro-Fantasia』,结果人生第一次大量的人对我起立鼓掌!……ZUN先生,真是非常感谢。 | ||
『東方妖々夢』Phantasmステージボス「八雲紫」のテーマ曲、「ネクロファンタジア」 | 『东方妖妖梦』Phantasm关卡BOSS「八云紫」的主题曲,「Necro-Fantasia」 | |||
ZUN | いえいえ。楽譜はないからトビーさんのアレンジだったんでしょう? それがスゴい。でも『ネクロファンタジア』って、“死人の楽園”ってことですよ? そんな曲を教会で演奏してよかったの?(笑) | 不不。因为没有乐谱,所以是Toby先生的改编吧?真是太厉害了。不过『Necro-Fantasia』是指“死者的乐园”啊?这种曲子在教会里演奏真的没问题吗?(笑) | ||
Toby | (笑)。 | (笑)。 | ||
—— | シューティングゲームとしてだけでなく、音楽にもかなり魅了されたんですね。 | 不仅仅因为是射击游戏,也被音乐迷住了。 | ||
Toby | はい。だから『UNDERTALE』の曲でも、“ZUNペット”【※】をリスペクトしています。 | 是的。所以『UNDERTALE』的曲子里也借鉴了“ZUN小号”【※】。 | ||
※ZUNペット ファンのあいだでは、ZUN氏の曲に使われるトランペットの独特の音色やメロディを総じて、“ZUNペット”と呼ぶことがある。どのような音色かは、下記の動画に詳しい。 『UNDERTALE』の楽曲では、「アンダイン」のテーマ曲である『Spear of Justice』や『Battle Against a True Hero』などに“ZUNペット”を用いたフレーズが見られる。 | ※ZUN小号 在爱好者之间,ZUN的曲子中使用的小号的独特的音色和旋律时常被统称为“ZUN小号”。具体是什么样的音色,可以参考下边的视频。 在『UNDERTALE』的乐曲中,「Undyne」的主题曲『Spear of Justice』以及『Battle Against a True Hero』等可以见到使用了“ZUN小号”的乐句。 | |||
ZUN | (笑)。過去のトビーさんのインタビューを読んで、それは知っていました。遊んでみて、どれのことだかすぐにわかりましたよ。 | (笑)。我读过之前Toby先生的采访,知道这个。我玩过之后,马上就知道是哪首了。 | ||
Toby | (幸せそうな笑顔)。 | (幸福的笑容)。 | ||
木村 | ……ほらね、なんかほっこりし始めたでしょ? いいよ、続けてくださいよ。僕は隣りでお父さんみたいな気持ちで聴いてるからさ(笑)。 | ……瞧,开始有种温馨的感觉了吧?没事,你们继续。我就在旁边以父亲一样的心情听着(笑)。 | ||
木村祥朗氏 | 木村祥朗 | |||
一同 | (笑)。 | (笑)。 | ||
ZUN | トビーさんは本当にスゴいなと思って……。さっきも言いましたが、トビーさんがプレイしてくれていたような時期に、海外で『東方』をプレイしている人が存在していること自体を、僕はこれまで知らなかったんですから。 | 我觉得Toby先生真的是很厉害……我刚才也说了,我根本就不知道Toby先生开始玩的那段时期,海外会有玩『东方』的人存在。 | ||
—— | 海外では正式にリリースされていませんしね。 | 毕竟在海外没有正式发行过。 | ||
ZUN | 公式の流通を始めたのが2017年。『妖々夢』は、もう15年も前のゲームですし。でも、フリーの体験版はWebで公開していましたので、そこから始めてもらったというわけですね。 ちなみに、僕が『UNDERTALE』を知ったのは、『東方』のファンの方たちに勧められたからなんですよ(笑)。「けっこう『東方』に影響を受けてるみたいだよ」という話もあって。 | 官方的流通开始是在2017年。『妖妖梦』已经是15年前的游戏了。不过,我当时在网上公布了免费的体验版,看来是从那里开始的。 顺便,我会知道『UNDERTALE』,是因为『东方』爱好者们的推荐(笑)。有人跟我说「看来受到了『东方』很大的影响」。 | ||
『UNDERTALE』戦闘画面 | 『UNDERTALE』战斗画面 | |||
—— | 「どれどれ?」と、触ってみたという。 | 「我瞧瞧?」然后就去玩了。 | ||
ZUN | ええ。するとスゴくおもしろくて。でも、みんなが勧めてくれたのとは違う方向でおもしろくて(笑)。 | 对。结果玩过之后觉得超级好玩。不过,好玩之处倒是和大家所推荐的方向不太一样(笑)。 | ||
—— | と、言いますと? | 是说? | ||
ZUN | いわゆるよくできたストーリーだとか、キレイな世界観を想像していたんですが、奇抜な世界で、奇抜なシステム。最初からすごく不穏な感じがして、最後まで何が起きるか予想がつかなかったんです。 攻略などの情報を極力目にしないようにして手探りで始めたんですが、なんだかみんながやさしすぎて不安になるという……。「そういう感じは、ほかのゲームにはないものだ」と思って。 | 我想象中会有一个所谓的精致的剧情,或是漂亮的世界观,结果却是奇特的世界和奇特的系统。最初就有一种非常令人不安的气氛,直到最后也想象不出接下来会发生什么。 我尽量不去看任何攻略,自己摸索着开始了游戏,结果感觉所有登场人物都对我太好了,反倒感觉有些不安……我觉得「这种感觉,是别的游戏没有的」。 | ||
『UNDERTALE』プレイ画面 | 『UNDERTALE』游戏画面 | |||
Toby | ZUNさんに、“奇抜な世界”と捉えていただけてうれしいです。僕がインディーを好きなのは、いわゆるよくできたものではなくて、ちょっと奇抜で、作家性が見えるようなゲーム作りを目指せることだと思っているので。 ZUNさんのキャラクターが、ほかのゲームにはないコスチュームを着ていたり、奇抜なデザインの帽子をかぶっているように。 | ZUN先生能够认识到这是个“奇特的世界”我就已经很高兴了。我喜欢独立游戏,是因为比起完成度很高的作品,我能去制作有些奇特、能够彰显作家特点的游戏。 就好比ZUN先生的角色,都穿着别的游戏里见不到的服装,和有着奇特设计的帽子一样。 | ||
ZUN | それは……僕がちゃんと勉強していないからかもね(笑)。 | 那可能是因为……我没有认真学习(笑)。 | ||
Toby | でもそこがいちばん好き! | 不过正因为这样我才喜欢! | ||
ZUN | (笑)。あとは、僕としてはなかなか難しい弾幕が出てこなかったのが不安で(笑)。 | (笑)。除此之外,对我而言没有什么太难的弹幕出现,也令我很不安(笑)。 | ||
ZUN氏 | ZUN | |||
Toby | (笑)。『UNDERTALE』は、もともと僕と友だちのために作ったゲームなので、『東方』のルナティックレベルをプレイするような人が喜ぶほど難しくなくてもいいかなって……。そうでなくても、弾幕は十分楽しいですから。 | (笑)。『UNDERTALE』本来是我为朋友制作的游戏,所以我觉得未必需要难到能让玩『东方』Lunatic级别的人高兴的地步……就算不那么难,弹幕已经足够有趣了。 | ||
ZUN | ちょうどいいバランスで難しくなるのはよかったと思いますよ。 | 难度把握得相当好,我觉得是很不错的。 | ||
Toby | ありがとうございます! 実際にはどれだけ実現できたかわかりませんが、『UNDERTALE』はいちおうゲームマニアの方に向けて作りました。 だから、シューティングゲームが好きな方や、『東方』が好きな方がプレイしたときに喜んでもらえたらうれしいです。 | 非常感谢!虽然我不知道实现了多少,但是『UNDERTALE』是面向狂热的游戏爱好者制作的。 因此,喜欢射击游戏的人,或者是喜欢『东方』的人玩过之后能够开心,我就很高兴了。 | ||
| ||||
ZUN | うん。喜んでいる人はきっといますよ。だって、『UNDERTALE』は『東方』よりずっと世界的に有名なんだから。 | 嗯。开心的人一定是有的。毕竟,『UNDERTALE』比起『东方』在世界上的知名度可要高多了。 | ||
木村 | ほら、これ。ずっとふたりで褒め合ってるの(笑)。 | 你们看看。两个人一直都这样互相称赞(笑)。 | ||
—— | (笑)。 | (笑)。 |
能从『UNDERTALE』感受到日本RPG氛围的理由
『UNDERTALE』から日本のRPGの雰囲気を感じる理由 | 能从『UNDERTALE』感受到日本RPG氛围的理由 | |
—— | トビーさんのゲームプレイ歴を拝見すると、『MOTHER』やかつて木村さんが所属していたラブデリックのゲームに繋がるような『スーパーマリオRPG』、『moon』などの名が現れます。『UNDERTALE』のストーリーや世界観は、トビーさんのどこから生まれたんでしょう? | 看一眼Toby先生的游戏履历,能看到『地球冒险』以及过去木村先生所属的LOVEdeLIC制作的『超级马力欧RPG』『moon』等作品。『UNDERTALE』的剧情和世界观,是来自于Toby先生的哪里呢? |
(画像はスーパーマリオRPG | Wii U | 任天堂より) | ||
Toby | そうですね……。『スーパーマリオRPG』は、敵とのバトルが一般的なRPGとは違ってアクション性があるところなど、ゲームシステムがいいと思っています。 だから『UNDERTALE』のバトルは、『スーパーマリオRPG』の『東方』版みたいな感じなんです。 | |
—— | なるほど! | 原来如此! |
Toby | ストーリーで影響を受けた作品となると、やっぱり『MOTHER』シリーズになります。奇抜さとユーモア、感動的なシーンなどが全部詰まっていて、僕もこんなストーリーを作りたいと思いました。 | 要说剧情上受到了影响的游戏,果然还是『地球冒险』系列。奇特性、幽默和感人的情节等等一应俱全,我心想我也想制作这样的剧情。 |
(画像はMOTHER | Wii U | 任天堂より) | (画像为地球冒险 | Wii U | 任天堂) | |
Toby | 『moon』は日本語版しかないので、僕の日本語がもっと上達するなり、英語版が出るなりしないと完全にはやり込めないんですが、“勇者が悪役”ということや、“モンスターは必ずしも悪者ではない”というゲームのコンセプト自体に感銘を受けました。 | 由于『moon』只有日文版,所以除非我能更加擅长日语或是推出英文版,我就没法深入地去打这个游戏,但“勇者是反派”以及“怪物未必是坏人”这种游戏理念让我印象非常深刻。 |
—— | それにしても日本のゲームが多いですね。 | 不过日本的游戏还真多。 |
Toby | うーん。どうしてそうなったかは自分でもわからないですけど、やっぱりJRPGはいろいろと好きですし、持っているゲーム機は全部日本のものなので、そこからきたんじゃないかな……。 | 是。我也不知道为什么会这样,但我还是喜欢JRPG,我拥有的游戏机也全都是日本的,应该是因为这个吧…… |
木村 | 彼の作風から日本のゲームばかりが好きだと思われがちですが、そうではなく、純粋におもしろいゲームが好きなんですって。 まあ、トビーはアメリカに住んでるけど、アメリカ人っぽくないもんね。……そういう僕の見かたこそ偏見かな? | 很多人根据他的创作风格觉得他只喜欢日本的游戏,但其实并非如此,他只是单纯地喜欢好玩的游戏。 不过,虽然Toby住在美国,却不像美国人。……这种看法算是偏见吗? |
ZUN | あ、でも、僕がアメリカへ行ったときに感じたのは、体が僕に比べてふた回りも三回りも大きい人たちばっかりだったということ。トビーさんはそうじゃない(笑)。 | 啊,不过,我去美国时感受到的,是身体比我大两三圈的人比比皆是。Toby先生就不是那样的(笑)。 |
—— | そうえいばZUNさんとトビーさんは体型が似ていますね(笑)。 | 这么一说ZUN先生和Toby先生体格很像啊(笑)。 |
ZUN | ちなみに今日トビーさんが来ているTシャツ、まったく同じものを持ってますよ。 | 顺便Toby先生今天穿的这件T恤,我有完全同款。 |
Toby | ええ、本当ですか? うれしい! | 咦,真的吗?好高兴! |
木村 | なんだろ? センスが似てるのかな(笑)。 | 对吧?是因为审美相似吗(笑)。 |
ZUN | (笑)。でも、日本語がわからないのに、JRPGは遊べるなんて不思議。 | (笑)。不过,明明不会日语却能玩JRPG,真是不可思议。 |
Toby | 英語版がないものは、ファンが訳してWeb上に公開してくれてるんですよ。 | 没有英语版的,爱好者都会翻译出来发在网上。 |
ZUN | ああ。『東方』はほとんど英語を使っていないのに、アメリカで全部英語になっていてびっくりしたのを思い出しました。 | 啊。我想起『东方』明明没怎么使用英语,到了美国所有东西都变成了英语,吓了我一跳。 |
ZUN | これはいったい誰が作ってんだろうって(笑)。有志のパッチがあるのが、インディーというか同人のよさのひとつでもありますよね。同じことを一般的なメーカーがやると炎上しかねないんですが……。 | 我在想这到底是谁制作的(笑)。有志愿者去做补丁,算是独立游戏或者说是同人的好处吧。同样的事情要是发生在普通的游戏公司上,事情就要闹大了…… |
Toby | ん? ということは、いまのところ英語版の発売予定はないんですか? | 嗯?也就是说,目前还没有发售英文版的计划吗? |
ZUN | 公式でですか? 公式ではちょっと難しいところがあって……。それに、いまさら英語版のパッチを出しましたと言って、ファンの皆さんが喜んでくださるかどうか……。 | 官方的吗?官方还是有些难办……而且,到现在忽然说我要出英文版补丁了,各位爱好者真的会觉得高兴吗…… |
Toby | 喜びますよ! ……じゃあ、全作品をSteamで出す予定はありますか? | 会的啊!……那,全作登陆Steam的打算有吗? |
ZUN | それはぜんぜんあります。新作も海外で出していくと思いますよ。 | 那是有的。我想今后新作也会在海外发售。 |
Toby | OK! ベリーグッドアイデア!(笑) | OK! Very good idea! (笑) |
Toby的提问停不下来
トビー氏、質問が止まらなくなる | Toby的提问停不下来 | |||
※ここからこのページの終わりまでは、ちょっと濃いめの『東方』の話が続きます。いかにトビー氏が『東方』を愛しているか、ニマニマしながらご覧ください。 2ページ目からは、記事タイトルで語られているような、これまた濃厚なインディー・同人ゲーム制作についてが論じられます。 | ||||
—— | トビーさん、好きな『東方』のキャラクターは誰でしょう? | Toby先生,你最喜欢的『东方』角色是? | ||
Toby | やっぱり八雲紫です! でも、11歳くらいのときは、藍(八雲紫の式神、八雲藍)が好きだったかな。 | |||
「八雲紫」 | 「八云紫」 | |||
ZUN | 藍? どうして?(笑) | 蓝?为什么?(笑) | ||
Toby | めちゃカワイイ……♡ | 超可爱……♡ | ||
「八雲藍」 | 「八云蓝」 | |||
一同 | (笑)。 | (笑)。 | ||
ZUN | 紫と藍はぜんぜん違う特性にしたかったんですけど、紫の攻撃が藍の上位版になっているだけなんですよね……。 | 我本来想让紫和蓝完全是不同的属性,结果到头来紫的攻击仅仅变成了蓝的高级版…… | ||
—— | 変えられなかったのには、何か事情があるんですか? | 没能改变是有什么理由吗? | ||
ZUN | 時間的な問題です。制作時間が足りず、しかたなく現状になっているものが多いですね。 | 时间上的问题。很多时候都是制作时间不够,只能变成现在的样子。 | ||
Toby | いい機会なのでお訊きしたいんですが、そもそも7作目(『妖々夢』)からPhantasmレベルを入れたのはなぜですか? | 趁着这个机会我想问一下,为什么要在第7作(『妖妖梦』)加入Phantasm难度? | ||
ZUN | 『紅魔郷』から3作品作るときに、どんな段階で何を増やしていくかを僕の中で決めていたんですよ。連作として、1作目にExtraを用意し、2作目でそのExtraの次(Phantasm)を作ってファンの皆さんを驚かせたくて。 | 我当时心中已经决定好了从『红魔乡』起的三部作品该以什么样的阶段加入什么样的要素。因为是连续的作品,就想在第1作准备一个Extra,然后在第2作制作一个Extra的下一步(Phantasm),来出乎爱好者们的意料。 | ||
ZUN | 3作目(『東方永夜抄』)にはいろいろなキャラクターを登場させたうえに、“スペルカードプラクティス”を付けると決めていたんですね。でも、それ以上やると単純にボリュームが増えちゃうので、いったんリセットしてシンプルに作り直し、いまも作り続けています。 | 第3作(『东方永夜抄』)我则让各种角色登场,还决定加入“符卡练习”。不过,再继续下去就只会徒增游戏体积了,所以我就重置了一下,让游戏变得更加精简,一直持续到现在。 | ||
Toby | なるほどー! | 原来如此—! | ||
—— | ちなみに、トビーさんが好きな弾幕はあるんですか? | 顺便,Toby先生有什么喜欢的弹幕吗? | ||
ZUN | 難しいこと訊きますよね? トビーさんは日本語が読めないのに(笑)。 | 你这问题好难啊。明明Toby先生不会读日语(笑)。 | ||
Toby | うーん。最近そこまでやり込めていないし、やっているときはたいてい「これ大キライ!」と思っていますし……。 | 呃—。最近也没有那么深入地去玩了,玩的时候我也只会觉得「我最讨厌这个!」…… | ||
ZUN | (笑)。いちばん苦労した弾幕が、いちばん印象に残るものですよね。好きっていうより、みんなキライなんじゃないかな? | (笑)。果然还是费了自己最大劲的弹幕,印象会更加深刻。比起喜欢,大家都会觉得讨厌吧? | ||
Toby | あ、『妖々夢』6面の中ボスの弾幕が好きといえば好きです(笑)。 | 啊,要说的话,『妖妖梦』6面道中BOSS的弹幕我倒是比较喜欢(笑)。 | ||
ZUN | ああ、中ボスが出てきてスローになるはずのところが、スローにならないっていう(笑)。 | 啊,就是那个道中BOSS出来,本应该是慢动作的地方,不会变成慢动作(笑)。 | ||
Toby | そうですそうです! それが意外でおもしろかったんですが、どんな意図があったんですか? | 对对!那个意外地很有趣,是有什么样的意图在里面? | ||
ZUN | あれはけっこう狙ってやっている、決め手の演出です(笑)。名前は“一念無量劫”。 その前のボスステージのようにスローがかからず、一瞬スローになる演出があるだけでそこはならないんです。だから同じようには弾が避けられない。焦っている感じを出してみたわけです。 | |||
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※『東方妖々夢』の「魂魄妖夢」の弾幕は、5面(上記動画0:00〜)ではスローになる演出が入るが、6面中ボスとして再登場した際のスペルカード“一念無量劫”(上記動画4:55〜)ではスロー演出が入らない。 | ※『东方妖妖梦』的「魂魄妖梦」的弹幕,在5面(上方视频0:00~)会有进入慢动作的特效,但作为6面道中BOSS登场时的符卡“一念无量劫”(上方视频4:55~)则不会有慢动作特效。 | |||
Toby | なるほどー! あそこは一見スゴく難しそうですが、いざやってみるとそんなに難しくないですよね? | 原来如此—!那里乍一看非常难,但玩一下其实会发现没那么难吧? | ||
ZUN | そうなんです。あそこで死ぬとけっこうイライラしますし、ボスが倒しづらくなります。 | 是的。要是玩家在那个地方死掉的话会觉得非常烦躁,后面的BOSS就不好打了。 | ||
Toby | 全体的に、大きな弾幕も思ったほど当たり判定は大きくないですよね。僕はその緊張感がとても好きです。それから蝶の弾幕はスゴく『東方』的な感じがします。優雅な弾幕でいいですよね! あと訊きたいのは、八雲紫のステージの、最後からひとつ前のパターンなんですが、基本的に微動するだけで全部の弾幕をズラすことができるはずが、たまにシンクロが狂ってしまって避けられなくて……。バグかどうか、わからないんですけど……。 | 整体上来看,大弹幕的判定也没有那么大。我特别喜欢那种紧张感。此外我觉得蝴蝶的弹幕非常有『东方』的感觉。弹幕十分优雅,真的很棒! 另外我想问的是,八云紫关卡倒数第二个弹幕样式,一般来说基本上可以通过微移躲掉全部弹幕,但偶尔节奏会变乱,躲不过去……我不知道是不是bug…… | ||
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※『東方妖々夢』Phantasmボス「八雲紫」のスペルカード、“生と死の境界”の動画。トビー氏・ZUN氏が語るように安全地帯は存在するものの、残り30秒を切ると弾速が急激に上昇するとともに自機狙いの弾幕が追加され、微動で調整できる安全地帯は失われてしまう。 | ※『东方妖妖梦』Phantasm Boss「八云紫」的符卡,“生与死的境界”的视频。如同Toby、ZUN所言,虽然有安全地带存在,但从时间还剩30秒的时候起会追加弹速急剧上升的自机狙弹幕,能通过微调躲避的安全地带便会消失。 | |||
ZUN | 『東方』は基本的に日本語表示だから、トビーさんはシーンの説明をするのも難しいですよね。……とにかくいっぱい弾が出てくるやつですよね? いちおう安全地帯はあるはずですけど……。 (画面を確認して)ああそうそう、これは単純に難しいんです。『妖々夢』のファンタズムの弾幕結界の1個前、の……あれ、なんていうんだっけ? ほらもう僕が忘れてるくらいなのに、よく覚えてるなあ(笑)。 | 因为『东方』基本上都是日语界面,所以也很难让Toby先生清楚地解释场景。……总之是那个有很多子弹的吧?按理来说是有安全地带的…… (确认画面后)啊,对对,这个是单纯地很难。『妖妖梦』Phantasm弹幕结界之前那个……咦,叫什么来着?你瞧我都已经忘了,得亏你能记得(笑)。 | ||
—— | “生と死の境界”のことかと……! トビーさんは本当に『妖々夢』が好きなんですね(笑)。 | 是指“生与死的境界”吧……!Toby先生真的很喜欢『妖妖梦』啊(笑)。 | ||
Toby | それからですね、クラウンピースという月の都にいるキャラクターがいますが、彼女は星条旗をまとってトーチを持っていますよね? 自由の女神。東洋的なものを押し出した『東方』に、なぜわざわざアメリカのキャラクターを入れたのでしょう? | |||
『東方紺珠伝』5面ボス、「クラウンピース」 | 『东方绀珠传』5面BOSS、「克劳恩皮丝」 | |||
ZUN | 僕の中で舞台となっている月の都は中国のイメージなんです。その月の都と戦っている相手はどこかと考えると「アメリカなのかな?」と思って……。そういう発想です。 | 在我的心中,故事发生的月之都有着中国的印象。那么想了一下和这个月之都交战的对手会是哪呢,就觉得,「美国吧?」……这种思考方式。 | ||
一同 | (笑)。 | (笑)。 |
在『东方』的集大成作品里,ZUN会亲自一展歌喉?
『東方』の集大成では、ZUN氏自身が歌う? | 在『东方』的集大成作品里,ZUN会亲自一展歌喉? | |
ZUN | さきほどトビーさんは作曲も独学だと言っていましたが、『UNDERTALE』の曲は、すごく独特だったのでびっくりしました。ああいう音楽は感情に残りやすくていいですよね。 | 刚刚Toby先生说作曲是自学的,『UNDERTALE』的曲风十分独特,令我非常惊讶。那种音乐很容易留在人的情感里,真的很棒。 |
Toby | そうですか? うれしい! ZUNさんも独学ですよね? ZUNさんの音楽はオリジナリティーがあって大好きです。 | 真的吗?好高兴!ZUN先生也是自学的吧?ZUN先生的音乐有着原创性,我非常喜欢。 |
—— | おふたりはご自分で作曲もされていますが、ゲームに音楽をつけるときに心がけていることがあれば伺いたいです。 | 二位都是自己作曲的,我想问问各位有没有什么在为游戏配乐时特别注重的地方。 |
Toby | もともと作り溜めていた曲を使ったりもしていますが、基本的には、どんなシチュエーションで、どんな感情に作用するのかを考えて作曲しました。 | 我有时也会使用一些提前做好的曲子,但基本上,我在作曲时都会考虑这个曲子会用在什么样的情景,会触动什么样的感情。 |
Toby | 曲はゲームを作る前から作っていたので、曲に合わせてストーリーを作った部分もあります。この点は一般的なゲームとは逆の流れかもしれません。 | 曲子我都是在制作游戏之前完成的,所以也有配合着曲子创作剧情的特点。这一点和普通的游戏可能恰恰相反。 |
ZUN | じつは『東方』も先に曲を作ることが多いんです(笑)。 | 其实『东方』大多数时候也会先作曲(笑)。 |
Toby | そうなんですか! 『東方』は、曲の流れがステージ展開とシンクロしているところもスゴく好きなんです。ポーズすると、ちゃんと音楽も止まるという……。 | 真的吗!『东方』曲子的走向和关卡的展开是同步的,这点我也非常喜欢。暂停游戏,音乐也会暂停…… |
ZUN | それは、そうしないとずれちゃうからですよ(笑)。音ゲーみたいに、曲に合わせる感じで敵を最速で倒していくと、いちばん気持ちがいい状態で敵が出てくるようにしています。 | 不那样的话就错开了(笑)。像音游一样,配合着曲子以最快的速度击破敌人,敌人也会以最令人舒适的状态出现。 |
Toby | 僕はそういうところにすごく影響を受けて、『UNDERTALE』の最悪なルートでは、アンダインのステージと音楽がシンクロするようにしました。 | 这方面我受到了很大的影响,在『UNDERTALE』最糟糕的路线里,我让Undyne的关卡和音乐同步。 |
ZUN | あそこカッコイイよね(笑)。そういう演出にする気持ちはよくわかります。 | 那里真的很帅(笑)。我非常能够理解你会制作成这种效果的心情。 |
—— | ZUNペットに代表されるZUNさんの音楽は、どういう狙いで作っているのでしょうか。 | 以ZUN小号为代表的ZUN先生的音乐,制作时又有什么样的目标呢。 |
ZUN | 偉そうな言いかたですが、『東方』の弾幕でミスをするというのは、そもそも不快なものなんです。 不快なゲームなんて基本的に遊びませんよね? その不快さにぶつけるように合わせられるものは、やっぱり快感なんです。 | 这么说可能像是在说大话,但是在『东方』的弹幕中,失误是非常令人不快的。 人们都不会玩令人不快的游戏吧?能与这种不快抗衡的,也只有快感了。 |
ZUN | 僕には、「難しいシチュエーションほど、いい曲じゃないといけない」という考えがあります。なぜなら、いい曲を聴いているときには、不快さが逆に振れて快感になるから。 だから、ゲームの後半に進めば進むほど、どんどんいい曲を作らないといけないと思うんです。プレイヤーの皆さんの気持ちを、「曲の続きを聴きたいから、がんばって生き残る」というところまで高めることができれば、ゲームの曲としては、本当に価値が高いのだと思っています。 | 对我来说,「越是困难的场景,就要用越好的曲子」。因为,听着好的曲子的时候,不快会转化为快感。 因此,我觉得越是到了游戏的后半部分,就越要创作更多好的曲子。如果能让玩家的各位达到一种「为了听完曲子,努力存活下去」的境界,作为游戏用曲的价值就可谓是相当高了。 |
Toby | 「曲が聴きたいから生き残る」という気持ちはよくわかります! | 「为了听曲子而存活下去」这种心情我感同身受! |
—— | ZUNペットもそうですが、ZUNさんのスネアの入れかたが、あらゆる音楽ジャンルにないような独特なものだと思います。これは何を参考にしたんでしょうか。 | 不仅是ZUN小号,ZUN先生在曲子里引进小鼓的方式,也是独一无二,不寻常于任何音乐体裁的。这是参考了什么呢。 |
ZUN | 独学なので、自分で気持ちのいいところに入れています。でも、ほかにない音楽を作ろうとしているわけではないので、こういうスネアの入れかたもどこかで絶対に聴いたことがあると思いますよ。 ……と言っても、何か参考にしたものがあるわけではないです。たぶん、自分のリズム感からきているんでしょうね。 | 因为是自学成才,基本上都会在自己觉得舒服的地方加入。不过,我也不是在创作什么独一无二的音乐,我觉得这种小鼓的引入方式肯定也在别的什么地方听到过。 ……就算这样说,也没有什么特意参考了的作品。可能是源自我个人的节奏感吧。 |
Toby | たしかにスネアはクレイジーです(笑)。 | 的确小鼓很crazy(笑)。 |
ZUN | そうかなあ? ふつうに曲を作っているだけなのに。じゃあ、生まれつきクレイジーなのかな。 | 是吗?我只是在普通地作曲而已。那我可能生来crazy吧。 |
Toby | 最高! | 太棒了! |
一同 | (笑)。 | (笑)。 |
ZUN | まあ、自分ひとりで作っているから実現できないんですけど、ラスボスが出てくる最終シーンには歌が流れてほしいくらいですよ(笑)。 曲で快感に浸ってもらいたいんですよね。そうすればきっとゲームがもっとおもしろくなるはずなんです。 | 不过,因为我是个人创作所以很难实现,我甚至想为最终BOSS登场的最终场景配一首歌(笑)。 我想通过曲子让人沉浸于快感。那样游戏一定会变得更加有趣。 |
Toby | 誰かボーカリストを抜擢してもいいんですが……。ZUNさんの歌声もすごく聴きたいです(笑)。 | 虽然可以请位歌手来唱……但我也非常想听ZUN先生的歌声(笑)。 |
ZUN | ええ? 僕が歌ったら笑われちゃうよ。……まあ、「これぞ集大成!」というときまで、とっておきます(笑)。 | 啊?我唱会被人笑话的。……不过,到了「这就是东方的集大成!」的时候,我会再考虑一下的(笑)。 |
每年都在推出游戏的重要性
毎年ゲームを出し続けることの大切さ | 每年都在推出游戏的重要性 | |||
—— | 「インディーや同人のよさ」という話が出ましたが、そこが皆さんの共通する部分で、実際にインディーとしてゲームを手掛けられ、成功している皆さんにその実際をお伺いできればと思います。 | 刚才谈到了「独立和同人游戏的好处」,这的确是大家的共通之处,而大家也实际上作为独立团体制作游戏并收获了成功,我想问问大家好处具体都有哪些。 | ||
木村 | あのー、『BLACK BIRD』の話をしてもいいでしょうか……(笑)。もうすぐリリースできるから、ふたりにもたくさん遊んでもらえるようになりますし。 | 那个—,我能聊聊『BLACK BIRD』吗……(笑)。游戏马上就要发行了,很快二位也能尽情去玩了。 | ||
| ||||
ZUN&Toby | どうぞどうぞ(笑)。 | 请,请(笑)。 | ||
Toby | 『BLACK BIRD』は、木村さんが「これからこんなゲームを作りたい」と言っていた昔から知っていますよ。ずっとブログを読んでいましたから。 | 木村先生过去就一直在说「今后想要制作这样的游戏」,所以我很早就知道『BLACK BIRD』了。我一直都在读你的博客。 | ||
木村 | え、恥ずかしい……。それは新しくゲームを作ろうともがいていたころじゃない……。 しかも、僕が英語で書くブログって、基本的にやさぐれていて、「オレはもう死ぬかもしれない」とか、「オレはインディーゲームで失敗して、無一文になって……」みたいなのばっかりだし。しかし、それを読んでくれていた海外の読者が、いま目の前にいる(笑)。 | 是吗,好羞耻……那不是我为了制作新游戏而挣扎的那段期间吗…… 而且,我用英文写的博客,基本上都非常气馁,都是些「我快死了」「要是我独立游戏制作失败,变得身无分文……」之类的。然而,读了这些文章的海外读者,如今就在眼前(笑)。 | ||
Toby | 「木村さん、かわいそうだな」と思っていました……(笑)。 | 我就觉得,「木村先生好可怜啊」……(笑)。 | ||
ZUN | 木村さん、大丈夫。そのときはどうあれ、いまはすごく健康的ですよ!(笑) | 木村先生,没事。不提到时候会怎么样,你现在还非常健康!(笑) | ||
木村 | (笑)。あのときは本当にやさぐれてたなあ。 | (笑)。当时真的很憔悴。 | ||
—— | そうやって、書くことで自分の気持ちを維持していたんですね。 | 通过写下这些东西来维持自己的情绪吗。 | ||
ZUN | 木村さんがインディーゲームを作り始めたころのブログはよかったですよね。アメリカでインディーゲームを見て、「このゲームがすごい! なぜか知らないけど涙が流れてきた」とか書かれていて。 | 木村先生刚开始制作独立游戏的时候的博客非常好。当时他在美国见到了独立游戏,写道「这个游戏真厉害!不知道为什么,眼泪流下来了」。 | ||
木村 | ……僕自身の話はいいですよ。ZUNさんにまで言われると、余計恥ずかしい(笑)。 | ……不用再提我个人的事情了。连ZUN先生都这么说,我越发羞耻了(笑)。 | ||
ZUN | でも確かに、いまとあのときのインディーの盛り上がりかたは、ちょっと違いますよね。 | 不过确实,现在和当时独立游戏繁盛的样子,有点不一样。 | ||
木村 | うん。あの当時……つまり2012年から2013年の僕は新しい仕事を探していて。でも日本で見つかるのは、ソシャゲやFacebookの『FarmVille』みたいなものを作る仕事ばかりだったんです。僕はそういうものが作りたいわけじゃなかったので、すっかり行き詰まってしまって。 「ああもういやだ」と言ってアメリカへ行ったんですね。そうしたら、IGF(インディペンデント・ゲーム・フェスティバル)やBitSummitで見たインディーゲームがみんな華やかで、おまけにすごく儲けている人もいて、「あれ?」となったんです。 | 嗯。当时……也就是2012年到2013年的时候,我在寻找新的工作。不过在日本能找到的,也只有制作社交游戏或者制作Facebook上的『FarmVille』那样的游戏。我并不想制作那种游戏,于是陷入了困境。 我想着「我受不了了」,就去了美国。结果,在IGF(Independent Game Festival)和BitSummit上见到的独立游戏都非常华丽,还有人赚了大钱,我就觉得,「咦?」。 | ||
—— | インディーに何かを感じたと。 | 从独立游戏中感受到了一些东西。 | ||
木村 | それで日本に帰ってきて、みんなに「アメリカのインディーゲームがスゴかった!」と話しているうちに、僕の目の前に日本のインディーゲームの重鎮たちが、人からの紹介やらなんやらでつぎつぎに現れ始めたんですよ。 | 然后我回到了日本,跟人说着「美国的独立游戏真的很厉害!」的过程中,通过朋友介绍等等,在我面前也开始逐渐出现日本的独立游戏的大腕。 | ||
木村 | 最初は『洞窟物語』を手掛けた天谷くん(Pixel 天谷大輔氏) 。それからしばらくしてZUNさん。ZUNさんのことを知ったのは、僕がやっているストリーミング放送『ポリポリ☆クラブ』の仲間の丹沢くん(丹沢悠一氏)に、「木村さん、『東方』って知ってる?」と訊かれたことがきっかけでした。 | 最开始是制作了『洞窟物语』的天谷(Pixel 天谷大辅)。然后不久是ZUN先生。我会认识ZUN先生,是因为我所进行的直播节目『PoriPori☆Club』上的伙伴丹泽(丹泽悠一)问我「木村先生,你知道『东方』吗?」。 | ||
—— | ああ、結構最近なんですね。 | 啊,那还是相当最近的事情。 | ||
木村 | ええ。それでわかったのは、日本にはインディーゲームというくくりがないだけで、個人制作のゲームはあるということ。しかも華やいでいる。「じゃあなんでオレはその世界にいないんだ?」となったわけ。 後日ZUNさんが『ポリポリ☆クラブ』に出演してくれて、そこで『東方』や同人ゲームについて学びました。そうして「インディーゲームならやれる」と思って始めるんですが……まあ、『東方』みたいなゲームは作れませんよね(笑)。 | 是的。然后我了解到的是,在日本只是没有独立游戏这个名号而已,个人制作的游戏还是有的。而且非常繁盛。结果我就想「为什么我不在那个世界?」。 后来ZUN先生得以出演『PoriPori☆Club』,我在那里学习了『东方』和同人游戏的知识。然后我就想着「独立游戏应该我也可以」开始制作了……不过,做不出像『东方』那样的游戏(笑)。 | ||
—— | どういう部分が「『東方』みたいな」なんでしょう? | 「像『东方』那样」具体是指? | ||
木村 | 『東方』のスゴさは、売れているところだけじゃないんですよ。“ZUNさんが毎年出す”というところがスゴいんです。 | 『东方』的厉害之处,不仅仅是卖得好。真正厉害的地方,是“ZUN先生每年都在推出作品”。 | ||
木村 | 一般的なメーカーでも、インディーでも、同人でも、毎年1本何かを出すということをやり続けるのは難しい。その結果がいま実を結んでいるのであって、「売れていることに嫉妬してもしょうがないぞ」と。 そこで僕は、「売れようが売れまいが、小さいチームを作ったら絶対に作り続ける」という決意をしないといけないと思い立ちました。ZUNさんからは、そういう真面目なエネルギーをもらったんです。 | 不论是普通的游戏公司,还是独立,还是同人,持续每年出一部新作品是很难的。如今这种坚持开花结果,让人觉得「销量这么好嫉妒也没用」。 所以我就想到,一定要下定决心,「不论卖得好不好,组建了小团队之后就绝对要一直做下去」。我从ZUN先生那里,收获了这种认真的能量。 | ||
—— | ZUNさん自身は、作り続けることについてどのくらい意識的に取り組まれているんですか? | ZUN先生本身,又有多刻意地去坚持创作新作品呢? | ||
ZUN | けっこう長期的な話なので、途中から考えかたは変わっていますよ。まず、いわゆる旧作と言われていた1作目から5作目までは、僕が大学のサークルで作ったものです。 そのときは、「自分が作りたいものをどこまで実現できるか」を考えて作っていました。ここまでがひと区切りで、僕は「これが最後です」と言って5作目を作り終えて就職するわけです。 | 这是个非常长期的事情,途中我的思考方式发生过改变。首先,人称旧作的第1作到第5作,是我在大学的社团制作的。 当时,我想着「能实现多少我想制作的东西」去制作。这些本身算是完结了,于是我做完第5作之后就说「这是最后了」,去就业了。 | ||
ZUN | 就職してゲームを作り始めてからも、作りかた自体は変わりません。それはひとりで作ったとしても、企業で作ったとしても。 ただ、企業では、自分が作りたいものの企画を出してもまず通らないんですね。「絶対に売れる」という自信があるのに。 ……まあ、いまとなってはそれが若気の至りなんですけどね(笑)。当時はそれがわからないから、だんだんイライラが溜まっていくわけです。 そのうえ、がんばって作っても、結果的に売れなかったものは作った側のせいにされる。こっちとしては、「命令されたからやったまでじゃん」みたいな感じになっちゃって……。 | 就业后继续开始制作游戏,我的制作方式也没有改变。不论是个人制作,还是为企业制作。 但是,在企业,就算我提交自己想制作的东西的企划,也不会通过。明明我有「绝对能卖出去」的自信。 ……不过,现在想来,那也只不过是年轻气盛(笑)。当时我不懂这些道理,所以烦躁就逐渐累积。 而且,就算努力制作,一旦卖不出去就会成为制作方的责任。我就感觉,「不是你命令我我才做的吗」…… | ||
—— | うーん、よくわかります。 | 嗯—,我能理解。 | ||
ZUN | そんなときに、同人ゲームを見に4年ぶりくらいにコミケへ行ったんです。すると僕が辞めたころよりも人が多くなっていたんですね。 買いに来ている人もスゴく多いんだけど、売っている数がスゴく少なくて、どこのサークルも売り切れになっているという……。そこで「自分が作ったほうが絶対におもしろい」と思ってしまったのが運の尽きと言いますか(笑)。 | 这时,我为了去看同人游戏,时隔4年左右去了CM。结果发现人比我宣布不干同人游戏那段时间还多。 来买的人非常多,但是贩卖的数量却非常少,基本上每个社团都售罄了……在那时,我就想「我自己制作游戏绝对更有意思」,算是万恶的起源(笑)。 | ||
ZUN | 翌日から、つぎのコミケに出品するためにガーッと作り始めたんです。そのときに作ったのは、言ってしまえば僕の不満を全面にぶつけたようなゲームでした。 そしてそれはWindowsでのゲーム作りを勉強した習作のようなものだったので、きちんと世界を作って作品として完成させるために、「3作ぐらいは作らないといけない」と考えたんです。 その3作を作れば、キレイに終わって、僕は満足するはずだったんです。 でも、ちょうど3作目(『東方永夜抄』)を出したころに、突然ファンの方たちが集まり始めたんですね。つまり、今度は僕自身の自由で作れなくなってしまったという。これはまったく想像していませんでした……。 | 第二天,我就一口气开始为参展下一个CM而制作起了游戏。当时我制作出来的,要说的话是全面发泄我的不满的游戏。 而那也算是我在Windows上制作游戏的习作,我就觉得,为了能完整地创作一个世界,让作品完成,「需要制作3部作品左右」。 制作完那3部,系列也会干净利落地完结,我也应该会得到满足。 然而,就当我推出了第3作(『东方永夜抄』)的时候,突然爱好者开始聚集起来了。也就是说,这次我无法按照我的自由来制作游戏了。这完全出乎我的意料…… | ||
—— | でもそれは成果じゃないですか。 | 但这不是成果吗。 | ||
ZUN | そうです。僕がシューティングゲーム以外のものを作ろうとすると敷居が高くなると言いますか、ファンの方が最初に受ける印象が、「あ、『東方』を作った人の作品だ」というものになります。 そうなると、違うジャンルの作品に取り掛かるよりは、このまま『東方』を続けていったほうが自分にとってプラスになると思ったんです。 そうして完成したのが2007年発売の『東方風神録』で、それからは「ものを増やしていくのではなく、続けていくことが大切」という考えかたに変わりました。 | 是的。如果我想去制作射击游戏之外的作品,门槛就会变高,因为爱好者的第一印象会是,「啊,这是制作了『东方』的那个人的作品」。 这样一来,比起着手其他体裁的作品,我觉得像这样继续制作『东方』对自己会更有好处。 从而完成的作品就是2007年发售的『东方风神录』,自那时起思考方式就转变为了「不是去增加作品,更重要的是能继续下去」。 | ||
東方Project第10弾『東方風神録』 | 东方Project第10作『东方风神录』 | |||
—— | その転機は大きいですね。同じシリーズを続けていこうと決めたうえで、ZUNさんなりの継続するコツはどんなものでしょうか? | 这个转折还真是关键。决定创作同一个系列之后,ZUN先生能够持续下去的诀窍是什么呢? | ||
ZUN | いまでこそあまり言わなくなりましたが、僕は昔、「『東方』はシリーズではない」と、“アンチシリーズ”というような言いかたをしていたことがあります。 なぜならシリーズにしてしまうと、最新作は前作を超えなくちゃいけませんから。2作目、3作目と続けるうちにきっと行き詰まるから、早い段階でそうではないようにしようと。 僕としては、「前作よりもおもしろくなくてもいい、続けていたほうがいい」と強く思ったんです。そのために、「毎年規模を大きくしない」、「自分のゲームは同じ規模で作っていく」と考えるようになりました。 | 我现在不怎么提了,但在过去我曾说过「『东方』不是一个系列」,而是一个“反系列”。 这是因为,如果它是一个系列,最新作就必须要超越前作。这样一来我在制作第2部、第3部的过程中总有一天会走投无路,所以需要尽早避免这种事。 我强烈地认为,「游戏不需要比前作更好玩,能持续下去就行」。为此,我开始思考「每年规模都不要弄得太大」「自己的游戏都用同样的规模制作」。 | ||
Toby | スゴくわかります。前作を超えることを考えないだけで、健康的になれますよね。僕はまだ1作品しか作っていないのに、そういうプレッシャーをスゴく感じますから……。 | 我感同身受。只要不去考虑超越前作,就能变得健康。我明明只创作了1部作品,就已经感受到强烈的压力了…… | ||
ZUN | 余裕があっても作らない。まあ、基本的に余裕はないんですけど(笑)。……大事なことを言い忘れていました。 そういう思いに至ったのは、“コミケ”という締切があったからです。 コミケは自分の力では動かしようのない締切。それがインディーにはない同人の特徴であって、「ここで出さないとつぎに出せない」ということでもあります。場所が取れないんです……。 | 就算内心宽裕,也不立刻去制作。不过,我基本上从来没有什么宽裕(笑)。……忘了一件重要的事情。 我会想到这些事情,是因为有“CM”这个截止日期。 CM是我无能为力的截止日期。这是独立游戏所不具备的同人的特征,代表着「如果此时不推出,今后可能就推出不了了」。拿到摊位是很难的…… | ||
木村 | インディーだって締切はありますよ? 誤解されないように、いちおう断っておかなくちゃ(笑)。 | 独立游戏也是有截止日期的啊?为了不让人误会,我得说清楚(笑)。 | ||
—— | (笑)。 | (笑)。 |
独立还是同人。隔绝二者的是“心情的墙壁”
インディーか同人か。ふたつを隔てるのは“気持ちの壁” | 独立还是同人。隔绝二者的是“心情的墙壁” | |
Toby | 皆さんそうだと思うんですが、僕は昔から、インディーと同人はどう区別すればいいのかわからなくて。「もしかしたら、そういう言葉があるだけなのかな?」と思ってきました。 強いて言えば、「同人ゲームはアニメのキャラクターがたくさん出るインディーゲームのことを指すのかな?」くらいの感じで。 | 我觉得大家可能也有类似的想法,我从过去以来就不知该如何区分独立和同人。我开始觉得「难道只是说法不同?」。 要说的话,感觉「同人游戏是指有很多动漫角色登场的独立游戏?」。 |
ZUN | あ、その感覚は間違いじゃないです。同人ゲームでは、やっぱり女の子を主役にしたものが売れるので、『東方』も女の子が多いんです。僕の感覚ともあまり変わりませんよ(笑)。 | 啊,你的感觉没错。同人游戏果然还是以女孩子为主人公会大卖,『东方』也全都是女孩子。你的感觉和我的感觉差不多(笑)。 |
Toby | そうだったんですか(笑)。 | 是这样吗(笑)。 |
木村 | だいたい5~6年前から、あれはインディーだから、これは同人だからと、みんなが言い争っているところを見てきましたけど、本っっっ当にどっちでもいい。 「おもしろいゲームを個人で作った」ぐらいまでならほかと区別はつくんですけど。おもしろいのなら、もうどっちでもいいんじゃないのかな。ダメなの? | 大概从5~6年前开始,就在四处能见到这是独立、这是同人的争论,但真的真的是无可厚非。 「个人制作了有趣的游戏」这点倒是可以和别的游戏区别。既然好玩,是同人还是独立都无所谓吧?不行吗? |
ZUN | そうですね。でも、なぜみんながそこを区別したがるのかについては考えたいですよね。 | 是啊。不过,确实想研究一下为什么人们想区分这两个东西。 |
木村 | 僕がいつも思うのは、だんだん世界が平たくなってきているということです。世界的に大きなゲームメーカーも、個人制作の中学生も、ZUNさんも、トビーも、ゲームを遊ぶお客さんから見たら、みんな同じ地平に並んでいるという。昔とは世界が違うんですよ。 | 我一直都在想,世界变得越来越平坦了。不论是世界性的大游戏厂商,还是个人制作的中学生,还是ZUN先生,还是Toby,从玩游戏的玩家角度来看,大家都站在同一条地平线上。世界和过去大不相同了。 |
木村 | この感覚をサッと受け入れて、「オレも勝負する」と言える人は、インディーか同人かで文句を言ったりはしないんです。 一方で、ふたつを区分けする壁がなくなったことに対して、「土俵が違うんだから、壁は作ったままにしておいてよ!」と言う人もいます。区分けしたい人は、区分けしたい人どうしで言葉を投げかけあっているのかもしれない。 | 接受了这种感觉,能够说「我也要一决雌雄」的人,不会去抱怨自己是独立还是同人。 另外一方面,失去了区分二者的墙壁之后,也有人说「所站的平台是不一样的,为什么不保留墙壁!」。想区分的人,可能只是在和其他想区分的人争吵。 |
—— | ああ、なるほど。そういう心持ちの問題なんですね。 | 啊,原来如此。是这种心情上的问题。 |
木村 | インディーというムーブメントは、「フラットな世界で、大きなデベロッパーでゲームを作るのも、アプリを作るのも、インディーゲームを作るのも、パブリッシャーがいなくても、誰でも自由にSteamやどこかのストアで売れるよ」ということ。 だから、「パブリッシャーは、宣伝してもらうために手を組むものだ」というふうに、逆転した価値観も生まれています。過去に囚われず、この世界にいきなり誕生した人間は、「なぜそんな区分けでもめてるの?」となるんです。 | 独立游戏运动,旨在创作「一个平坦的世界,不论是大的厂商制作的游戏、制作的应用、独立游戏等等,不论是谁,就算没有发行商,也能自由地在Steam或者其他商店贩卖」。 因此,也反而会有「发行商是为了宣传自己的作品才要去合作的」这种倒过来的价值观。不拘泥于过去,突然诞生在这个世界的人,就会觉得「为什么要喋喋不休地去区分?」。 |
—— | 同人って、要するに『ホトトギス』などの文芸誌みたいなものですよね。「同人と名乗るからには、同じ趣味や同じ志の人たちがいるんだよ」という表明でもあります。 | 同人,要说的话是像『杜鹃』那样的文学杂志。是表明「同人,就是有志同道合的人在一起」。 |
ZUN | その話で言うと、同人は同人の側から区分けしたいんですよ。 | 这么说的话,是同人想要划清界限。 |
木村 | 壁を破られたくないわけです。 | 因为不想被打破墙壁。 |
ZUN | 外から見たら「同人レベルだ」と言われるようなものも、壁の中から見て、「ほら、同人だから」と言いたいところもあるという……。あえて壁を作ることで、それを売りにするんですよね。これもある種のブランドです。 ただ、僕としては、「同人とインディーは違う」と感じてきたのが、そのブランドの根底にあるものの差です。もともとインディーは「オレたちでもゲームは作れる」とか、「小さいゲームが作れる」というインディペンデントなイメージだと思います。 | 在外界眼里会被轻视为「同人级别」的东西,从墙里来看,就可以说「你瞧,因为我这是同人」……刻意去制作一个墙壁,以此作为卖点。这也算是一种品牌效应。 但是,对我而言,让我感觉到「同人不同于独立」的,是这个品牌的基础部分。原本独立游戏会给人「我们也能去制作游戏」「能制作小规模的游戏」这种独立的印象。 |
ZUN | 同人は、目的が“ゲームを作ること”というよりは、“制作している自分”なんです。つまり、極端なことを言えば、自分が楽しんでいるからゲームは完成しなくてもいい。だから延々と体験版を出し続けている人もいるくらいです。 そういう人に何度か「完成させてよ」と言ってみたりもしましたが、途中でそれに気づいて思い直しました。……延々と作り続けているだけでも、楽しいんですよ(笑)。 | 同人,目的与其说是“制作游戏”,不如说是“制作游戏的自己”。也就是说,极端一点,只要自己开心,游戏就没必要完成。所以很多人甚至陆陆续续只出体验版。 我曾经对这种人说过几次「快点完成啊」,但途中我意识到了这一点,所以改变了自己的想法。……就算是没完没了地制作下去,也是很开心的(笑)。 |
木村 | インディーだと、「完成させて成果として売ってゴール!」みたいなところがありますね。 | 独立的话,很多时候都有「把游戏完成,作为成果把游戏卖出去,结束!」这种想法。 |
ZUN | そう。インディーは売れたものが正義ですけど、同人はそうではないんです。「好きでやってんだよ」というのは、そこなんですね。 それは、オリジナルでも二次創作でも。二次創作は最終的に売れなくても問題ないんです。だって、自分が好きだから。 | 是。独立游戏卖得好的就是正义,但同人并不是。「我怎么喜欢怎么来」,关键的是这个。 而且,不论是原创还是二次创作都可以适用。二次创作最终卖不出去也是没问题的。因为,自己喜欢。 |
木村 | この話、心が揺らぎますね。同人スピリッツがうらやましくなってきました。 その話は、「だから同人のほうがおもしろいゲームが出る」と言っているのと同じことだと感じます。だって、「メシを食うため」という縛りさえないんだもの。“心が自由”じゃないですか(笑)。 | 这还真是吸引人。我开始羡慕同人精神了。 我觉得这也意味着「同人会有更好玩的游戏出现」。因为,没有「挣够饭钱」这种限制。“内心非常自由”啊(笑)。 |
ZUN | これからは、“インディーの流通で同人マインドで作る”ことが主流になるだけの話で……。 コミケで売るというあの文化もけっこう限界にきていますし、とくにゲームはそうだと思います。もう同人ショップに買いに来る人もいませんから、そこでものを売るということがけっこう厳しいんです。 | 今后,主流也只会是“以独立游戏的流通手段用同人的心态制作”了…… 在CM上贩卖的文化也快到极限了,我觉得游戏尤其是这样。现在已经没多少人来同人商店买游戏了,在那里贩卖如今是很难的。 |
ZUN | 「流通を考えたら確実にそこで売るのがいい」という定説はもうありませんから、心だけが残っていく感じです。 その心を持ったままふつうの流通……僕もSteamなどで売っていますが、たぶんそういう感じになっていくんだろうと思います。あとは自分の心をどこへ帰依させるかだけです(笑)。 | 如今已经没有「考虑到流通手段,在那里贩卖最好」这种定论了,所以只剩下心还在那边。 保持着同人的心,去依赖正常的流通手段……像我也在Steam上卖游戏,感觉今后主流会逐渐变到那边。然后问题就是如何寻找一个心灵的归属(笑)。 |
木村 | うーん、なるほどね。 | 唔—,原来如此。 |
ZUN | けっきょく、「僕はたまたま同人だった」というだけのことだと思います。 | 到头来,我觉得「我只是碰巧选择了同人」。 |
Toby | 僕の中のインディーゲームには、「ほんの数人が売り上げのために作っている」というイメージがあります。 もちろん楽しんで作っていますが、最終的な目的は売ること。だから同人のほうがファン精神があると言いますか、二次創作的ですよね。 | 在我心中,独立游戏有着「少数几个人为了销量而制作游戏」的印象。 当然我们制作的过程是很开心的,但最终的目的在于贩卖。所以我觉得同人更有爱好者精神,或者说更有二次创作性。 |
ZUN | そうですね。だから二次創作はインディーではやりづらいんですよね。 | 是的。所以二次创作通过独立游戏很难实现。 |
木村 | そこは確実に違いますもんね。そこも自由で楽しそうだなあ!! | 这里是根本的差异。这一点同人也很自由,感觉很欢乐啊! |
一个人制作与一群人制作的差异
ひとりで作ることと大勢で作ることの違い | 一个人制作与一群人制作的差异 | |
木村 | ZUNさんとトビーの話を聞いていると、うらやましくもあるけど、僕とはぜんぜん違うとも思います。 と言うのは、ふたりはほぼひとりでゲームを作っていますから。僕も中学、高校時代には、ひとりでパソコンに向かって作っていたこともあるんですけど、大学時代くらいから数人でものづくりするようになったんです。 | 我听着ZUN先生和Toby的对话,虽然很羡慕,但又感觉和我是完全不同的。 我会这么说是因为,两个人基本上都是在一个人制作游戏的。我在初中、高中时代也曾经一个人坐在电脑前制作过游戏,但从大学时代开始就习惯于和几个人一起制作了。 |
木村 | チームの中で僕はディレクターや演出を務めます。要は全部自分でやらないんですね。 違う人間と合体してひとつのゲームを作るのは、すごくたいへんですが、おもしろくもあります。いまのOnion Gamesみたいな少人数体制だと、限りなくひとりで作っているような感じで小回りも利いて楽しいのですが、ひとりでの開発とはやはり違うんです。 ひとりでゲームを作るうらやましさは、とにかく「人に命令しないでいいこと」だと思うんですね。誰かに頼んだものがダメだったときに、いちいち「ダメ」と否定しないといけないのは、けっこうしんどいことなんですよ。 それがないゲーム制作は、心がすり減らなくていいですよね。まあ、僕の場合は結局「ダメ」って言うんですが(笑)。 | 在团队中我负责导演和特效。简单来说,就是不会一个人做所有事情。 和不同的人合体来制作一个游戏,虽然很累,但是也很有趣。像现在的Onion Games这种少人数体制,虽然非常像是一个人在制作,有很多自由,感觉很开心,但和个人开发还是不一样的。 我觉得一个人制作游戏令人羡慕的地方是,「没有必要对人下命令」。拜托人做的东西如果质量不行,就需要去特意说「不行」,非常心累。 这种事情不存在的游戏制作方式,就没必要让自己心力交瘁,感觉很好。不过,我该说的时候还是会说「不行」(笑)。 |
ZUN | 僕もそれができなくて。人に頼んだものは全部オーケーにしちゃう。 | 我也做不了这个。我拜托别人做的东西全都会通过。 |
Toby | 僕はちゃんと「こういうふうに変えてください」と言いますよ。それで出来上がったものにまだ不満が残っていたら、自分でいじることもありますが……。でもこれも、小人数のチームだったからできたことだと思っています。 | 我的会好好说「请改成这个样子」。如果完成的东西还是让我不满,我就会亲自去调整……但我觉得,这也正是因为是小团队才能做到的。 |
Toby | テミーが手掛けたスプライトやアニメーションはすばらしいんです! 僕が自分でいじったのは、マップに出たときのキャラクターの顔などで……。だから、もしヘンな見えかたをしていたら、テミーじゃなくて僕のせいなんです。 | Temmie制作的精灵图和动画效果都非常出色!我自己调整的主要是出现在地图上的角色的脸等等……所以,要是有什么看起来很奇怪的地方,不能怪Temmie,都是我的错。 |
一同 | (笑)。 | (笑)。 |
木村 | まあでも、心がすり減るばかりじゃなくて、みんなで作るとやっぱり強烈におもしろいんですよね。お互いに手の届かないところを人に作業してもらっちゃうわけですから。 それに何人かで作るとすごく勢いがつくんですよ。成功するときも、失敗するときも(笑)。 | 不过,大家一起制作并不只会让人心力交瘁,还是非常有趣的。毕竟是互相请人帮忙制作自己无能为力的地方。 而有了好几个人制作之后势头就会很猛。不论是成功的时候,还是失败的时候(笑)。 |
ZUN | (笑)。 | (笑)。 |
木村 | Onion Gamesには7人くらいがメインの開発メンバーとして在籍しているんですけど、この7人でひとりの人間なんですよね。 | Onion Games大概有7位主要的开发人员,这7个人合起来才算是一个人。 |
ZUN | なるほど。僕も、それくらいの数を超えちゃうと人以外のものでゲームを作っている感覚になるかも。 | 原来如此。我也是,如果人数要比那更多,就觉得不再是个人在制作游戏了。 |
木村 | これがたぶん30人規模のゲーム開発になった瞬間に、僕はとんでもなくしんどくなって、現場から逃げ出してしまう可能性があります。マネジメントみたいな概念が必要になってくるので。 | 如果这个游戏开发规模变成了30人左右,我就会觉得非常厌倦,可能会逃出开发现场。因为会需要管理的概念。 |
ZUN | ひとりひとりが、脳だ、顔だ、手足だと分かれているところでしっちゃかめっちゃかに動いたら、「あ、うまく走れた」みたいな感じになるんですよね(笑)。大きな人間になる。 | 一个人一个人,各自承担大脑、面部、手足等等一起活动,就会有种「啊,跑起来了」的感觉(笑)。会成为一个更大的人。 |
Toby | 30人のチームだったら、ひとりの人間に肝臓が30個ある、みたいなことになっちゃいませんか? | 要是30人团队,不就会变成一个人有30个肝脏的感觉吗? |
ZUN | 肝臓(笑)。ゲームを作る人はつねに脳でありたいはず。でも、脳が何個もあるとちょっとキツいかな。 | 肝脏(笑)。制作游戏的人应该会一直想成为大脑。不过,有好几个脑子也不行啊。 |
木村 | 肝臓は2個あっても大丈夫かもしれないけど、脳が何個もあるとマズいね(笑)。 まあ、ひとりで作り続けるのも、7人で作り続けるのもいいじゃない。おもしろいものができれば! あと、僕が感じているのは、「あと何本作れるのかな?」ということで……。 | 肝脏有两个还行,有好几个脑子就糟了(笑)。 不过,一个人制作也好,7个人制作也好,都是没问题的。只要能制作出好玩的东西!另外,我现在还体会到的是,「还能制作多少个呢?」这种事情…… |
—— | もしや、残りの人生の話ですか? | 难道是说,在剩下的人生中吗? |
木村 | そう。どうしてもカウントし始めちゃうわけ。 | 对。情不自禁地就会开始倒计时。 |
ZUN | それ、わかります(笑)。 | 我能理解你的想法(笑)。 |
木村 | 大事な何本かのうちに、心から作りたいと思わないものがあったら相当不幸だなあと思って。だから必死に「何を作りたいのか」と自分に問いかける時間も必要です。 | 感觉剩下的能制作的游戏都很重要,要是有并非打从心底里想做的东西在里面就很不幸。所以就需要拼命问自己「到底想做什么」,这种时间是很有必要的。 |
木村 | そういうときに、ふと「7人じゃなくて3人体制?」だとか、「20人掛かりで作るようなゲームを思いついているけど、オレはまたそんな世界に戻るのか?」だとか、いろいろと思い悩むわけですよ。 でもZUNさんは、「オレはひとりでいく」みたいな意志がガツンとあるわけじゃないですか。そのスピリッツがうらやましいと言いますか。僕なんかは揺れちゃって……。 | 这样的时候,我就会想「从7人改成3人体制?」「想到了一个能用20人团队做出来的游戏,但我又要重回那种世界吗?」等等,烦恼各种事情。 不过ZUN先生不是有「我要一个人做下去」这种顽强的意志吗?我很羡慕这种精神。我经常会动摇…… |
ZUN | そんな(笑)。僕もちょくちょく変わりますよ? 考えかたは。 | 怎么会(笑)。我的想法也是经常会变的。 |
木村 | そうなの? ZUNさんが20人で大規模ゲームを作るなんて話になったら、もう大騒ぎですよ? | 是吗?要是ZUN先生突然建了个20人团队开始制作大规模的游戏,世上可就要闹翻天了。 |
ZUN | やるかもしれないですよ? それがイヤでこうしてひとりでやっているわけじゃないので、必要に応じて変えたっていいわけですし。トビーさんはどうですか? | 不代表我不会这样做啊?我并不是讨厌那样才一个人制作游戏的,随机应变也是没问题的。Toby先生怎么想? |
Toby | 基本的にひとりですが、不得意な分野は人にお願いしています。『UNDERTALE』のオーバーワールドの主要なキャラクターはテミーに、背景はMerrigoにお願いして、タイル作成はKenjuに担当してもらいました。だけど、みんなが忙しいときは自分もやりました。 | 我基本上都是一个人制作,但我不擅长的领域我都会拜托别人。『UNDERTALE』地底世界的主要角色都交给了Temmie、背景交给了Merrigo、方格制作交给了Kenju。但是,大家都在忙的时候我也制作了一点。 |
ZUN | ということは、絵は不得意なの? | 也就是说,你不擅长绘画吗? |
Toby | いちばん不得意なのはプログラミングです。でも、プログラマーを雇ったら、その人を信頼しなきゃいけませんよね? その点、絵はいちばん人に任せやすいと思って。 | 我最不擅长的是编程。不过,要是从我别的地方雇了个程序员,我就不得不去信任他了吧? 所以,我觉得绘画是最容易拜托别人的。 |
ZUN | 確かにそうかも。 | 的确。 |
木村 | ダメな場合も直しやすいしね。 | 不行也很好改正。 |
ZUN | Onion Gamesの場合はちょっと違うかもしれませんが、小規模のチームではプログラムをメインでやっている人じゃないとゲームの中をいじれないんですよね。 だから、ほとんどのインディーゲームや同人ゲームの代表はプログラマーなんです。プログラムが好きじゃなくてもやらざるを得ない(笑)。 | 虽然Onion Games的情况可能有所不同,小规模的团队一般只有负责程序的人才能调整游戏内部。 因此,绝大多数独立游戏或者同人游戏的代表人都是程序员。就算不喜欢编程也得去弄(笑)。 |
Toby | そうですね。 | 是这样。 |
木村 | プログラムでゲームを作る楽しさを解っていない人が、プログラマーに注文するのは無理ですよね。なんとなくおもしろそうなゲームを思いついたからといって、プログラマーと話をするのは難しいんじゃないかと。 じつは僕の場合、「ヘンなルールだけど、ホントにおもしろいかなあ?」と思ったとき、家でちょこちょこ作ったりもします。難しくない、簡単なものならですけど。 | 不理解通过编程制作游戏的乐趣的人,是很难号令程序员的。就算想到了某种有趣的游戏的点子,也很难和程序员沟通。 其实我的话,也会在想到「虽然规则奇怪,但真的会有趣吗?」的时候,自己在家里试着做一下。当然前提是不难,一些简单的东西。 |
木村 | ゲームって結局プログラムなんですよね。自分でゲームの構造を考えてプログラムが書けないと、おもしろさや作っているうちにひらめいた要素を落とし込めません。本当ならゲームを作るときは、手を動かして、全部自分で作るような気合いがないとダメかもしれない。 鬼ごっこが、実際に遊んでいる人にしかコツはつかめないし、おもしろくなるアイデアが思いつかないように、傍から見ているだけでは生まれないアイデアも、プレイヤー本人なら生み出せます。 そしてそれは、プログラムを組んでいる最中じゃないと生まれないということがあるとも思うんです。 ふだんディレクターをしている僕ですが、事情があって自分でプログラムを組んでいるときにふと思い出すんですよ。「ああ、けっきょくはプログラムしている人間がおもしろくないと、ゲームはおもしろくならないな」と。 | 游戏到头来还是程序。如果不自己去思考游戏的构造写下程序,就无法让有趣之处和自己制作过程中灵光乍现的要素融入进去。要说的话,制作游戏的时候可能需要那种全部亲自动手,全部自己制作的气魄。 捉迷藏只有玩的人才能体会到诀窍,旁观者很难想到的有趣的点子,玩家本人是可以创造出来的。 而且我觉得有时候,这些点子有时只会在码代码的时候诞生。 平时我都是当导演的,但因为一些情况需要我自己去编程的时候我就会忽然想起来。「啊,果然如果编程的人不有趣,游戏也不会变得有趣」。 |
ZUN | なるほど(笑)。 | 原来如此(笑)。 |
木村 | みんなで作ることって、そういうことなんです。プログラムの人だけでなく、絵の人も音楽の人も、みんなそれぞれがおもしろさを発見しないといけない。 それがもし作業的にToDoをこなしているだけになってしまったら。その瞬間にゲームを作ることがつまらなくなってしまうので。 | 大家一起制作就是这样的。不仅是编程的人,画画的人也好制作音乐的人也好,大家都需要各自发现有趣之处。 如果变成了机械性地完成任务,在那一刻制作游戏也会变得无聊。 |
ZUN | もっとシンプルに言うと、おもしろいものを考えて、プログラムで再現したのがゲームじゃないんですよね。プログラムは、マシンを自分で操作すること。 その操作が自由になるほどマシンから出るものがおもしろくなるはずなんです。もしかしたらマシンのほうからおもしろいものを教えてくれるかもしれない。 | 更简单地说,游戏这种东西,就是想到了什么好玩的事情,然后用程序再现出来。程序是自己去操作机器。 操作越是自由机器提供的东西就越会有趣。说不定机器反倒会教给你一些有趣的东西。 |
木村 | それ! それです。 | 对!就是这样。 |
Toby | そのとおりですね! テストプレイ中にバグが出たけど、それがおもしろいから活かしたりもします。そういうことも、ゲームから返ってくるもののひとつですよね。 | 说得很对!试玩的时候偶尔会出现bug,但如果bug很有趣就会加以利用。这种事情也算是游戏反馈回来的东西吧。 |
ZUN | とくに弾幕なんてそればっかりです(笑)。想像して作ったものと違うものが出たけれど、そのほうがおもしろかったり。 | 弹幕就几乎全是如此了(笑)。虽然制作出来的东西和想象中的不一样,但这样反倒会更有趣。 |
木村 | おもしろいバグっていっぱいあるよね。何にせよ、作っているときに感じたものが正義だから。これはプログラムを組んでいる人が最初に感じることかもしれませんね。 | 有趣的bug真的有很多。不论如何,制作的时候感受到的东西就是正义。这可能是编程的人最先感觉到的事情。 |
『BLACK BIRD』的点子已经保存了5年
『BLACK BIRD』のアイデアは5年前から温存されていた | 『BLACK BIRD』的点子已经保存了5年 | |||
—— | 木村さん、なぜ『BLACK BIRD』はシューティングゲームなんですか? | 木村先生,为什么『BLACK BIRD』是射击游戏? | ||
木村 | ……僕はふだん質問には正直に答えるようにしているんですが、今回ばかりは答えづらいなあ。 だって、『東方』と『UNDERTALE』のファンの方が読む記事でしょう? 余計なことは言わないほうがいいんじゃないのかと……。 | ……我平时对问题都是如实作答的,但这个有点难以回答。 因为,会读这篇文章的人都是『东方』和『UNDERTALE』的粉丝吧?我是不是不应该说些多余的事情…… | ||
ZUN&Toby | (笑)。 | (笑)。 | ||
木村 | ……まず、2013年にZUNさんのことを知ったとき、「なぜこの人はシューティングゲームを作れて、オレは作れていないのか」と嫉妬したんです。 すぐ嫉妬する性格なうえにあまのじゃくなので、そこから弾幕じゃないシューティングを作ってやろうと思い、「シューティングゲームとは何だろう?」と真剣に考えました。 あんなにものスゴい弾幕を出す敵と、そいつを倒す自機がいる。「台風みたいだな、嵐みたいだな」と、ずーっと思考をくり返していたら、“横スクロールでもなく、縦スクロールでもない、弾幕が出なくてもゲームは作れる”と思い至って……。 それがZUNさんに会った後ですから、2014年くらい。頭の中のアイデアをまとめて、倉島さん(倉島一幸氏)に頼んで1枚の絵を描いてもらったんです。それはいまの『BLACK BIRD』の画面とほぼ変わらない静止画でした。 僕は「すぐにでも作りたい」と言っていたんですけど、『Million Onion Hotel』は完成していないし、『勇者ヤマダくん』は作らなきゃいけないしでなかなか着手できず……。 | ……首先,2013年我认识ZUN先生的时候,我想「为什么这个人能制作射击游戏,我就不行」,非常嫉妒。 我不仅特别容易嫉妒还特别叛逆,我就想做一个不是弹幕的射击游戏,开始认真地思考「射击游戏到底是什么?」。 敌人能射出那么厉害的弹幕,而自机又能击败他们。我觉得这「好比台风或者风暴」,思考良久,就想到“就算既不是横版也不是纵版卷轴,就算没有弹幕,也能制作出游戏”…… 这是遇到ZUN先生之后的事情,所以大概是2014年左右。我整理了脑海中的点子,拜托仓岛先生(仓岛一幸)画了一张画。那是一张和现在的『BLACK BIRD』画面没什么区别的静止画。 我当时说「我想立刻着手制作」,但『Million Onion Hotel』还没有完成,还要去制作『勇者山田君』,一直没有时间着手…… | ||
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ZUN | そんなに前から考えてたんですね! | 这么久之前点子就已经成形了! | ||
木村 | 僕は、作りたいものを1枚の絵にしてずっと温めているタイプなんです。それをもとに2016年にプロトタイプを作ったら、けっこうおもしろかったんですよね。 「なあんだ、オレ、シューティングゲーム作れるじゃん」と思ってちょっといい気になって(笑)。だから、ZUNさんの影響は多大にありますよ。ただ、そのまま素直に作れない性格で……。こんなこと、ZUNさんやトビーの前で話すのが恥ずかしい……。 | 我是那种把想做的东西画成一张画然后一直保存起来的类型。根据这个点子我在2016年做了一个原型,结果非常有趣。 我当时就觉得「什么啊,原来我也能制作射击游戏嘛」,感觉很得意(笑)。所以,我受到了ZUN先生很大的影响。只不过,我不是那种可以坦率地去做的性格……这种事情在ZUN先生和Toby面前说出来,真羞耻…… | ||
一同 | (笑)。 | (笑)。 | ||
木村 | 僕は嫉妬心でものを作ることが多いんですよ。ZUNさんが毎年ゲームを出すところや、シューティングゲームなのにキャラクターが立っていて、世界観やストーリーが見えるところ。 ひとりで音楽も何もかも作っちゃうところとか、もう「その考えかたもあるのか!」と感心するばかりなんですよね。しかもそれが大ヒットしている。 | 我很多时候会因为嫉妒心去制作东西。ZUN先生每年都在出游戏这一点、明明是射击游戏却角色分明、能看到世界观和故事性等等。 还有一个人去制作音乐等各种东西等等,让我觉得「还有这种思考方式!」,非常敬佩。而且还非常地红火。 | ||
木村 | 一般的なメーカーがお金をかけて続けているシリーズ作品に比べて、ZUNさんが地道に続けて、いつの間にかお客さんを巻き込んでスゴいことになっているこの『東方』というものに関しては、奇跡の力すら感じますよね。 こんなにスゴい作品に対して、よくも「オレだって作れるわ」とやってきたなと自分で自分に思いますよ(笑)。 | 比起一般的游戏公司花大价钱制作出来的系列作品,ZUN先生却低调地继续着,不知不觉间卷进了大量的玩家,变成了不得了的事情,我对这样的名为『东方』的东西,甚至能感受到一种奇迹的力量。 对于这么厉害的作品,我还能想着「我也能做出来」,我也觉得是自不量力(笑)。 | ||
—— | けっきょく、ものスゴく正直に答えてくださいましたね(笑)。 | 到头来,你还是全盘托出了(笑)。 | ||
木村 | 本当は怖いんですよ……。ZUNさんファンの方たちのコメントを見ているとドキドキするの。「この人たちがオレを叩きにきたらどうしよう?」って。 でも、たくさんの方が『勇者ヤマダくん』を遊んでくれていて。『ヤマダくん』と『東方』のコラボも反響が温かかったです。 | 其实我是害怕的……我看ZUN先生的粉丝的评论的时候都心惊胆颤的。「万一这帮人来骂我怎么办?」,会这么想。 不过,有很多玩家玩了『勇者山田君』。『山田君』和『东方』合作的反响也非常温馨。 | ||
(画像は『勇者ヤマダくん』公式サイト | お知らせより) | (画像为『勇者山田君』公式网站 | 告知) | |||
ZUN | 基本的に『東方』ファンの皆さんはやさしい方たちばかりですよ。でも僕に対してはけっこう厳しいの。それは愛があるからと思っていますけど(笑)。 | 基本上『东方』的爱好者们都是非常温柔的。但是对我却超严格。虽然我觉得这是爱使然(笑)。 | ||
木村 | しかし、シューティングゲームを作るのはたいへんですね。あと3年遅かったら作り切れなかったかもしれませんでした。というのも老眼なので弾を避けるのが……(笑)。 『Million Onion Hotel』のときも厳しかったけど、1/60秒で動いているものを目で捉えていくことが、肉体的にツラくなってきました。 | 不过,制作射击游戏还真是辛苦。如果再过三年,我可能都没法完成。主要是我已经是老花眼了,躲避子弹有点……(笑) 『Million Onion Hotel』的时候也已经很吃力了,用眼睛捕捉以1/60秒间隔移动的物体,我的肉体已经吃不消了。 | ||
ZUN | 僕なんてとっくにそうですよ(笑)。あの弾幕を避けるのに必死だもの。そりゃあ『UNDERTALE』のアイツも倒せないわけですよ。 | 我早就是这样了(笑)。躲避那个弹幕我都已经拼尽全力了。就这样我怎么可能打得过『UNDERTALE』的那家伙。 | ||
Toby | (笑)。 | (笑)。 | ||
—— | トビーさんは木村さんの『BLACK BIRD』を遊ばれていかがでしたか? | Toby先生玩过木村先生的『BLACK BIRD』之后有何感受呢? | ||
Toby | そうですね……。とても木村さんっぽかったです(笑)。 | 这个嘛……非常有木村先生的风格(笑)。 | ||
一同 | (笑)。 | (笑)。 | ||
Toby | 敵はヒゲのある『勇者ヤマダくん』っぽいキャラクターで。最初に少女が死んで、卵になって、その卵からブラックバードが出てきて敵を倒すっていう設定も、すごく奇抜だと思いました。それから……。 | 敌人是有胡子的『勇者山田君』一般的角色。一开始少女死了,变成了蛋,而黑鸟从那个蛋里孵化出来击败敌人这种设定,我觉得非常特别。然后…… | ||
木村 | ク、ク、ク……。オーケー(笑)。もっと聞きたいけど、何を言われるのか怖くてしかたがないよ。 | 呜、呜、呜……好了(笑)。我虽然还想接着听,又害怕会被说些什么。 | ||
ZUN | さすがにこの場でけなせないでのでは?(笑) まあいろいろな感想は、やさしい『東方』ファンの皆さんが教えてくれますよ(笑)。 | 他也不会在这种场合骂你吧?(笑)不过各种各样的感谢,温柔的『东方』爱好者的各位一定会告诉你的(笑)。 |
与支持着作品的爱好者们的联系
応援してくれるファンとの関わりかた | 与支持着作品的爱好者们的联系 | |
—— | インディーや同人は、規模感が小さめなだけに、ファン・コミュニティーとの距離感も近いと思います。とくにZUNさんやトビーさんはファンから愛されていると思うのですが。ファンとの関わりかたで、皆さんが思うことはありますか? | 独立和同人,因为规模很小,与爱好者群体的距离感觉也更加接近。尤其我觉得ZUN先生和Toby先生深受爱好者们的喜爱。关于如何面对这些爱好者,大家有什么想法吗? |
ZUN | 僕の場合は、極力他人事にしていると言いますか、ファンの方はファンの方で自由にしていていただいて、こちらからは干渉しないようにしています。 | 我的话,会尽量保持一种不关我事的态度,或者说,爱好者保持爱好者的自由,我不会去干涉。 |
ZUN | もうみんな好きに遊んで、好きにやめて、好きにけなしてくれてかまわない。もちろん僕のほうからは「この人はスゴくいいファンだ」とか、そういうことも言いません。 ただ、実際の自分はそうではないので、どうしてもファンの影響で作るものも変わっていきますし、ファンがいないと作品は作れないと思っています。だから、つかず離れずがいいと思っています。 | 大家可以随便去玩,随便退出,随便批评。当然我也不会去说「这个人是一个非常棒的粉丝」。 但是,我自己其实并不是一个这样的人,所以不论如何我制作的东西都会因爱好者的影响而改变,没有爱好者我也无法去制作作品。所以,不疏远、不接近是最好的。 |
Toby | そうですね。干渉しないのがいいと思っています。たとえば僕が何かをリツイートして「いいね」とコメントしたり、逆に否定的なコメントをしたら、スゴく問題になると思いますし。 | 是啊。我觉得不干涉是最好的。比如说假如我转发了某条推特说这个「很棒」,或者进行了批评,就会成为大问题。 |
—— | トビーさんがお面をしているのも、そういう一歩引いた姿勢からきているのでしょうか? | Toby先生戴着面具,也是因为这种保持距离的态度吗? |
Toby | これは自分の自我を守りたいと言いますか、イベントなどでファンの方に囲まれても困ってしまいますので。 | 这个倒是因为我想维持自己的自我,毕竟在活动上被爱好者们包围也很难办。 |
Toby | あとは僕がもともと不安を感じやすいタイプなので。じつは、家から出るだけでも不安なんですよ。……でも、お面で隠すほどみんなにバレちゃう(笑)。 | 另外我其实也是个非常容易感到不安的人。其实,我一旦离开家门就会感到不安。……不过,我越是用面具掩盖大家就越会发现我的真面目(笑)。 |
ZUN | ミステリアスだから、さらに追及したくなるしね(笑)。 まあでも、インターネットが当たり前にある若い世代の人たちほど、個人情報をすごく高く見ていると思います。だからできる限り自分の情報を出さないようにしているんですよ。 | 因为有种神秘感,大家就越想追根究底(笑)。 不过,越是觉得网络是理所当然的存在的年轻一代的人,越是注重个人信息。所以人们尽量都不会透露自己的信息。 |
木村 | えー、気づいたら僕は顔出ししてましたよ……。でも、このふたりほど大量にファンがいるわけではないですしね(笑)。 | 咦—,我可是不知不觉间就出镜了……不过,我倒是没有这两人这么多粉丝(笑)。 |
木村 | ただ、長年寄り添っていてくれているファンの方は、相当な熱量で応援してくださるので、発売日に売れる量が凄まじいんです。 これは特殊なことなので、ファンの方たちをスゴく大切にしないといけないと思っています。これからも僕たちが作るゲームを遊んでもらいたいですからね。 | 不过,长年陪伴的爱好者,也以相当的热情在支持,所以发售日当天的销量都非常大。 这是很特殊的事情,所以我觉得我需要去非常珍惜各位爱好者。毕竟我希望他们今后也能玩我们制作的游戏。 |
—— | 木村さんは皆さんと比べると、比較的積極的にコミュニティーに力を入れていますね。 | 木村先生和其他人比起来,在爱好者群体方面投入得更多。 |
木村 | まわりから「前へ出ていけ」と言われているから、という理由もあります。というのも、「ゲームを作る時間を減らすのはよくない」と思っているんです。ただその時間をより充実させるためには、ゲームを遊んでくれるお客さんを大事にしなくちゃいけないなと。 ゲームって、つぎの作品を出すまでにスゴく時間がかかるじゃないですか。仮にそれが1年だったとしても、その時間のぶんだけお客さんを待たせるわけですから。「グッズを出したら喜んでもらえるかな」とかいろいろ考えるんですよ。 | 也有一个理由是周围的人都在对我说「要更积极地互动」。即便如此,我也觉得不能「削减制作游戏的时间」。但为了能让制作游戏的时间更充实,我需要去珍惜各位玩家。 游戏在制作出成品之前不是要花相当长的时间吗。就算只花了1年,这段时间里玩家一直都在等着。所以我就会想「出一些周边会不会让玩家感到高兴」。 |
ZUN | 木村さんはきちんとファンサービスをしていらっしゃる方だと思いますよ。 | 我觉得木村先生对爱好者的回馈是相当好的。 |
3人各自「制作游戏的理由」
3人それぞれの、「ゲームを作る理由」 | 3人各自「制作游戏的理由」 | |
—— | 今日の話の至るところで断片的に語られていましたが、まとめとして皆さんがインディーや同人をチョイスして、ゲーム作りをされている理由を改めて伺えればと思います。 | 今天谈论的话题四处都稍微提到过一些了,但我想总体地听一听大家选择了独立或者同人的形式制作游戏的原因。 |
木村 | 難しい質問だなあ。 | 这问题真难。 |
ZUN | でも、答えはシンプルですよね。 | 但是答案很简单。 |
木村 | 身も蓋もない話をすると、僕はゲームを作ること以外でお金を稼ぐ方法を知らないんです。一度ほかの仕事をアルバイト情報誌で探して履歴書を送ったこともあるんですが、ふつうに落とされましたよ。 | 露骨地说,我不知道除了制作游戏以外赚钱的方式。我曾经通过招聘杂志为了别的工作投过简历,但一下就被拒绝了。 |
Toby | ジーザス! | Jesus! |
一同 | (笑)。 | (笑)。 |
木村 | 2012年のあの時期に、さんざんいろいろなことを試して、「ああもう本当にゲームを作るしかないんだ」とわかったんです。 | 2012年的那段时间,我试了各种事情之后,明白了「我真的只能去制作游戏了」。 |
—— | ZUNさんはいかがですか? | ZUN先生又如何呢? |
ZUN | うーん。いろいろ思い出してみていますが、確かに「なぜ僕はゲームを作っているのか?」と自問自答しちゃいますよね。「子どものころからゲームが好きで、ゲームばかり遊んでいたからかな?」とか。正直に言うと、それしかないのかもしれません。 僕は、「将来何をすればいいか」とか、「どこで働けばいいか」ということは、ほぼ考えたことがありませんでした。「どこで働くために何をする」という、実益的な勉強をしたことがないんですね。考えてみれば、ゲーム以外も含めてですけど、自分の好きなものしか見てこなかったなあと……。 | 呃。我在回想很多事情,不过确实会想问问自己「为什么我在制作游戏?」。「因为我从小就喜欢游戏,一直都在玩游戏?」之类的。说实话,可能这是唯一的理由。 我几乎从来没想过「将来该干些什么」「在哪里工作等等」。「为了在什么样的地方工作而做些什么」这种功利性的学习,我从来都没做过。现在想来,包含游戏以外的事情,我觉得我从来都只把目光放在了我喜欢的事情上…… |
ZUN | 大学時代に初めてパソコンに触れ、音楽も好きだったので「作ってみるか」という感じで音楽を作り。「それをゲームミュージックとして流したい」と思ったので、プログラムを勉強して……とやっていたら、「自分でゲームが作れる!」と気づいたんですね。 就職に関しても、「じゃあゲーム会社に就職すればいいんじゃないの?」という感じでした。とはいえ就職氷河期なので、みんな必死で就職活動していて。 なのに僕はわりと気楽で「ダメでもいいんじゃないの?」と……。たまたまうまく就職できたんですが、いままで自分の好きなことしかやってこなかったのが仇になって、会社でなかなかうまくいかないんです(笑)。 | 大学时代我第一次接触电脑,我也喜欢音乐,就以「试着做一下吧」的心态创作了音乐。我又想「让我的音乐成为游戏的配乐」,就学了编程……做着做着,我就察觉到「我能自己制作游戏!」 关于就业,我也是「找个游戏公司就业不就好了?」这种心态。即便如此当时也是就业冰河期,所有人都在拼命地找工作。 然而我却毫无压力,觉得「不行就不行呗」……虽然碰巧找到了不错的工作,但由于我一直以来都只在做我喜欢的事情,导致我在公司四处碰壁(笑)。 |
木村 | あらー(笑)。 | 哎呀—(笑)。 |
ZUN | 会社での評価は“仕事ができる人”だったので、どんどん自分の仕事量や負担が大きくなってきて。そうなると、現状と自分が本当にやりたいことが少しずつ乖離していくんですよね。そのころから、「ゲーム作りって、こうだったっけ?」と考えるようになり、ようやく「自分の将来に対してどうしたらいいか」と勉強を始めたんです。 | 在公司里人们给我的评价是“能干的人”,结果自己的工作量和负担就越来越大。这样一来,现状和自己想做的事情就差得越来越远。从那时起,我就开始思考「制作游戏真的是这个样子的吗?」,终于开始为了「自己的将来到底该怎么办」而去学习。 |
ZUN | 「ゲームを作るって、どういうことなんだろう?」とか、「いまの時代だったら、別に会社に所属して作る必要はないんじゃないかな?」とか。「コミケだったら学生時代に経験してるぞ」ということで、もう一度コミケに行ったという。 その後はゲームに合った自分の生きかたや考えかたを作って、もう何年もずっとやってきているので、「ゲームをなぜ作っているか」という質問の答えは、僕の場合、“ゲーム自体が人生だから”です。だからもうしょうがない。「運命みたいなものなんだ」と思って(笑)。 | 「制作游戏到底是指什么?」「当今时代,没必要特意随着公司制作吧?」之类的。因为「我学生时代经历过CM」,所以就又去了一次CM。 在那之后我就开创了属于自己的生活方式和思考方式,已经持续了很多年了,所以对于「为什么会制作游戏」这个问题,我的答案是“因为游戏就是人生”。所以已经无可救药了。觉得「可能这就是命运吧」(笑)。 |
木村 | ZUNさんと話をしていると、相当達人だなと思うんですよ。自分の道を究めて、まっすぐ進んでいるから。 僕はZUNさんよりも相当なオッサンなんですが、いまもなお、「このままゲームを作っていけるのか微妙だ……」と思いながらやっているわけです。だから、なんだろう……1回大ヒット作を作ってみたい(笑)。 | 和ZUN先生聊天,会觉得他是相当的大师。穷究自己的道路,一往直前。 我和ZUN先生比已经是个老头子了,至今制作的时候也在想着「不知道能不能像这样一直制作游戏下去……」。所以,怎么说呢……一次也好,想做出一部红遍天下的作品(笑)。 |
ZUN | それは僕もですよ(笑)。 | 这点我也是一样的(笑)。 |
木村 | してるでしょ!(笑) ZUNさんやトビーみたいに、結果としてこれだけ売れたりすると、「これが僕の人生です」というセリフがすごくカッコイイわけですよ。納得度も高いですし。 | 你已经做出来了好吗!(笑)像ZUN先生和Toby那样,作为结果能卖这么多,「这就是我的人生」这句台词就会变得非常帅。也非常令人信服。 |
木村 | それに引き換えヤバいのが、僕くらいの年齢で、社長としてのパワーバランスや、会社を運営していくうえでのいろいろな技術をほどほどに得たうえでも、まだもがいているということ。ね? どうしても比べちゃうじゃないですか。 だから本当に、ゲーム単体で、たくさんの人がそれを支援してくれるという構図にすごく憧れるんです。「ゲームひとつの力でみんなが喜んでくれる!」と。そんなことになったら、本当に心が楽だろうな。 | 相比之下更糟糕的,就是像我这样的年纪,已经获得了作为社长的权力,在运营公司的过程中也获得了各种各样的技术,却还在挣扎。对吧?情不自禁就想和你们比较。 因此我真的很憧憬,因为一部游戏,大量的人能够前来支援的画面。「通过一部游戏的力量,来让大家开心!」这样子。要是能那样,我的心一定能轻松不少。 |
ZUN | いま楽じゃないんですか? | 现在不够轻松吗? |
木村 | ……いや、そうなれば本当に気持ちいいと思う。歳をとってオッサンになった僕がいま思っているのは、「人生を通してゲームを作るのには、やっぱりチームが必要なんじゃないか」ということです。 「チームじゃないと限界ギリギリまで作って死ねないんじゃないか」って。いや、会社のみんなには「死ぬまで付き合え」とはとても言えないですけど(笑)。 | ……不,我只是觉得那样一定很舒服。一把年纪的我现在所想的是,「贯彻人生制作游戏,还是需要团队」这种事。 「要不是一个团队,游戏无法完成都没法去死」这种感觉。当然,我也没法跟公司的人说「陪我一起去死」(笑)。 |
木村 | そういうことを考えると、けっきょく「ゲームは人生です」みたいな話に帰結せざるを得ないですよね。でもわからないですよね? 突然Onion Gamesが消滅したら……。僕もまた就職活動をするかもしれませんし。 | 一想到这种事,就会回归到「游戏是人生」这种话题。但是你不知道未来会发生什么。如果Onion Games突然消灭了……我可能又会重新开始找工作。 |
—— | それでもゲームからは離れないですよね? | 那样也不会远离游戏吧? |
木村 | そうですね、たぶん離れないと思います。 | 是的,我想不会。 |
ZUN | 僕は10代から『東方』を作り始めて、20代でいちばん盛んに取り組んでいたときに、30代を過ぎたあたりのことを考えていました。ずっと『東方』を作っていくことはないだろう、ということを考えていたころもありました(笑)。 | 我从十几岁的时候开始制作『东方』,二十多岁最投入的时候,就在想过了三十岁以后的事情。我有段时间甚至在想,我应该不会一直把『东方』制作下去吧(笑)。 |
ZUN | 意外かもしれませんが、僕は一生ゲームを作りたいわけじゃないんです。人生設計というか、“自分が幸せでいられる道を進む”というだけであって。 以前は顔出しもしていませんでしたが、それをやめたのもすべてこの流れからです。 | 你们可能会觉得很意外,但我并不想一辈子制作游戏。只是因为人生规划,或者说“选择了自己能够幸福的道路”的结果而已。 我以前也没有在镜头前亮相过,但我放弃了那种做法也是因为这些想法。 |
木村 | 僕はおもしろいゲームを作る人がうらやましいんですが、そういう人たちがどこにいるかと言うと、どこにでもいると思うんです。大きな会社にもいるし、インディーや同人にいるかもしれない。中学生にも、高校生にも、小学生にもいるかもしれない。 僕はインディーのオッサンとしてがんばっているので、よく「何でインディーゲームをやっているんですか?」と訊かれるんです。中には「会社などの組織がイヤで、自由にやりたいから」と答えさせたくて、そう仕向ける訊きかたをしてくる人もいます。……でもそれはすごく馬鹿げているなと。 | 我很羡慕能制作出有趣的游戏的人,但要说那种人存在于何处,我觉得其实存在于各种地方。既会在大公司里,也会在独立或者同人里。甚至也可能存在于初中生、高中生乃至小学生之间。 我在独立游戏业界里一把年纪却很努力,经常会被人问「为什么在制作独立游戏?」。很多人甚至想让我回答「讨厌公司这种组织,想自由自在地制作」,去问一些诱导性的问题。……但我觉得这很愚蠢。 |
木村 | インディーゲームをやり始めていちばん体感したのは、「自由な気持ちで作ると、けっこうな能力が発揮される」ということでした。 僕がトビーを見ていてうらやましいところは、心が自由なところ。『UNDERTALE』は、設計したというよりは、たぶんアドリブでいろいろなものをいっぱい足したんだろうなと。 | 我开始制作独立游戏之后感触最深的,就是「若以自由的心情制作,就能发挥出很大的能力」。 我看着Toby感觉最羡慕的地方,就是心是自由的。『UNDERTALE』与其说是刻意设计出来,我觉得一定充满着各种灵机一动。 |
ZUN | そうそう。トビーさんは自由だよね。 | 对对。Toby先生真的很自由。 |
木村 | 「自分の心のままにしたら、おもしろいものが作れる」ということが、いちばんパワフルじゃないですか。これが「何かに縛られている」と感じたら発揮されないので。 だから「大きい会社にいたら自由じゃない」みたいな憶測が生まれるのかもしれないけど、大きい会社にいても自由なヤツはいるのよ(笑)。 | 「随心所欲就能做出有趣的东西」这种事是最强有力的。一旦感受到「被某种东西束缚」,能力就无法完全发挥。 所以很多人会推测「在大公司就不自由」,但在大公司里也是会有自由的人的(笑)。 |
—— | おふたりの話を受けて、トビーさんがこれから、どうゲームと付き合おうとしているのかを聞かせてください! | 听完二位的话,Toby先生今后打算如何面对游戏呢! |
Toby | ノープランです! | 没有计划! |
一同 | (爆笑)。 | (爆笑)。 |
ZUN | あー、まだ若いからね。むしろ、ここからだよね? ゲームに対してあれこれ考えていくのは。 | 啊,毕竟还年轻。不如说才刚刚起步吧?对游戏产生各种思考。 |
木村 | そんなのぜんぜん余裕でしょう。だっていま26歳だよね? | 时间还多得很。毕竟现在才26岁吧? |
Toby | はい! | 是的! |
木村 | その若さで「これから一生ゲームを作り続けます!」と答えたら、逆にちょっと心配しちゃうかも(笑)。 いまはひとつのゲームが大成功したんだから、この後まったく関係ない分野にいきなり飛び立っても、何回でも挑戦できるよ。とりあえずハリウッドでデビューしてみるというのはどう? | 以这个年纪答道「要制作一生游戏!」,我反而会有点担心(笑)。 毕竟现在已经有一部游戏大获成功了,之后转而去挑战其他完全不相关的领域,也有大量的机会。总之先把目标放在好莱坞出道怎么样? |
Toby | ハリウッドですか!?(笑) | 好莱坞吗!?(笑) |
ZUN | しかし26歳か……。僕が『妖々夢』を作った歳ですよ。 | 不过26岁啊……正好是我创作了『妖妖梦』的年龄。 |
木村 | 僕も『moon』を作った歳です。 | 也是我创作了『moon』的年龄。 |
Toby | オー! でも、光田さん(光田康典氏)が『クロノ・トリガー』で作曲家デビューしたのは23歳ですよ。 | Oh! 不过,光田先生(光田康典)在『时空之轮』以作曲家出道时是23岁。 |
ZUN | 詳しいね(笑)。まあ20代がいちばん自由で、意欲的に作品が出せるタイミングですよね。 そこから先は、自分が歩みたい人生に対して、「自分の作品をどう合わせていくか」を考えていくことになるのかな。いままさにトビーさんは自由に作っているタイミング。ここからですよ。 | 还真是了解(笑)。不过20多岁是一个人最自由、能随心所欲创作的时机。 在那以后,就会开始面对自己想要走的人生,考虑「如何让自己的作品符合」自己选择的道路。现在对于Toby先生来说正是可以自由行动的时机。一切才刚刚开始。 |
Toby | そう言われると緊張します(笑)。 | 这么一说我就很紧张了(笑)。 |
木村 | 僕の前にZUNさんが現れたとき、「ZUNさんは自由だなあ」と思って。こういう“出会いのマッサージ”を受けると、頭が柔らかくなって、いろいろな道を見つけやすくなれるよね。 トビーだって突然現れて、年齢はぜんぜん違うけれど、すごく感じるものがあって。「オレもRPG作れるんじゃないか?」と思うもんね。僕、こんなのばっかりですよ(笑)。 | 之前ZUN先生出现在我的面前的时候,我就觉得「ZUN先生真自由」。经历这种“邂逅的按摩”之后,头脑就会变得柔软,更容易找出各种各样的道路。 Toby也是突然出现的,尽管年龄差距很大,但有很多打动我的东西。会让我觉得「我是不是也能做RPG?」。你看,我全是这样的(笑)。 |
Toby | 僕から影響を受けたんですか? ちょっと意外です(笑)。 | 从我这里受到影响吗?我有些意外(笑)。 |
ZUN | なんか影響の受けかたが……(笑)。 | 受影响的方式也有点太……(笑) |
—— | ZUNさんはトビーさんに多大な影響を与えていらっしゃいますね。 | ZUN先生则对Toby先生有很大的影响吧。 |
ZUN | いやいや……。驕っているわけじゃないですが、自分が作ったゲームを遊んでくれた人が、世界的に有名なゲームクリエイターになって。 そこに至っても「『東方』が好き」と言ってもらえたので、スゴくうれしいです。「僕はスゴいものを作ったんだな」という気持ちにさせてもらえますから。 | 哪里哪里……虽然我不是在骄傲自满,但玩了我制作的游戏的人,竟然能成为世界知名的游戏制作家。 而且到了这种境界还能够说出「我喜欢『东方』」,我非常开心。因为这能让我觉得「我制作出了不得了的东西」。 |
Toby | ZUNさんに喜んでもらえて、僕もうれしいです。20年後には、いまのZUNさんと同じような立場になって、「私も20代のころ『UNDERTALE』を作りましたよ」と、何かのインタビューで答えたいですね。 | 能让ZUN先生感到高兴,我也非常开心。20年后,希望我也能站在现在的ZUN先生这样的立场上,在某种访谈里回答「我也在20多岁的时候制作过『UNDERTALE』」。 |
ZUN | いいですねー! 『UNDERTALE』に影響を受けてゲームを作る人も、将来的に出てくると思いますしね。ああ、そういうのがいいなあ。 | 真好啊!我觉得将来也一定会有人受到『UNDERTALE』的影响,去制作游戏。啊,这真好啊。 |
Toby | やっぱり自分が得意なこととなると、ストーリーを考えて、絵を描いて、作曲をすることなので。 それだけなら映画やアニメも作れそうですけど、僕はプログラムもできますから、やっぱりゲームを作っていくのだなと思っています。(了) | 毕竟要说自己最擅长什么,还是思考故事、画画和作曲。 仅凭这些倒是也可以制作电影和动画,但因为我还会点编程,所以我觉得今后我也会继续制作游戏。(完) |
「自分が歩みたい人生に対して、自分の作品をどう合わせていくか」というZUN氏の言葉は、やりたいこととやらなければならないことの狭間でバランスを取りつつ作られていく職人的なゲームともまた違った、自由さのにじみ出る同人・インディーならではの言葉に思えた。 個人が色濃くにじみ出たそれらの作品は、ある意味で人生や生きかたそのものなのだ。 『UNDERTALE』がそうであったように、好きなゲームや音楽があって、どこかで「好き」と「好き」が繋がり、また新しい自由な心が生まれ、その伸びやかな心から、パワフルで愛らしい作品が生まれる。 この出会いこそが同人やインディー最大のモチベーションであり、シーンを盛り上げる根源であり、本当に新しいものが現れる数少ない場なのかもしれない。 そうして“自分が幸せでいられる道”を経て生まれた新しいものは、きっと見たことがないような幸せな形をしていて、触れたプレイヤーの心に必ず何かを残すだろう。 トビー氏、ZUN氏、木村氏の新作はもちろん、『UNDERTALE』に影響を受けたどこかの誰かの「好き」がたくさん詰まったゲームが芽吹くタイミングが楽しみでならない。 | 笔者认为「面对自己想要走的人生,考虑如何让自己的作品符合自己选择的道路」这句ZUN的话语,与在想做和不得不做的缝隙中保持着平衡制作出来的工匠般的游戏不同,是代表着洋溢着自由的同人、独立游戏的话语。 个人特色鲜明的他们的作品,某种意义上正代表着他们的人生和生活态度。 正如『UNDERTALE』一样,有着喜欢的游戏和音乐,各种各样的「喜欢」在某种地方联系在了一起,从而诞生出了全新的自由的心灵,而这伸展自如的心灵,又孕育出了强力而令人喜爱的作品。 这样的相会才是同人或者独立游戏最大的推动力,也是能够让业界兴旺的根源,使得这个领域成为少数能够诞生真正的新事物的场所。 像这样经过“能够让自己幸福的道路”而诞生出的新事物,一定有着前所未有的幸福的形态,必然会在接触的玩家之中留下某种印记。 Toby、ZUN、木村的新作自不必说,笔者也期待着受到『UNDERTALE』影响的某人的充满着「喜欢」的游戏开花结果的那一刻。 |