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东方香霖堂/东方外来韦编第3话/中日对照
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天狗の新聞記者・文の目論見とは? 新作「東方文果真報」のプレストーリーがここに! | 天狗的新闻记者·文究竟有何打算? 新作「东方文果真报」的前传剧情在此展开! |
(第三話)多数の真実がある世界 | (第三话)众多真相存在的世界 |
窓の外は深々と雪が降っている。視界はほぼ無い。誰も店までの道の雪を掻いてくれたりはしない。その為、冬は来客も殆ど無く、商売あがったりだ。 | 窗外下着绵绵大雪。可见度几乎为零。也没有人愿意来扫清店门口的路上积雪。因此,一到冬天就几乎没有客人,也就做不成生意。 |
しかし、今日は早い時間から来客があった。その客は売り物の本を斜め読みしていた。 | 不过,今天一大早就有客人到店里拜访。那位客人拿着作为商品的书粗粗地翻阅着。 |
「『フェイクニュースの氾濫とポストトゥルース』……。なんだか知らない単語ばかりで難しそうな本ねぇ。外の世界では何が起きているのかしら」 | 「『Fake News的泛滥与Post-truth1』……总觉得这本书里都是些看不懂的词汇呢。外面世界究竟发生什么事了啊。」 |
「僕も詳しくは無いんだが、世界を統べる大統領という代表が替わって、そいつが嘘を真実として認めさせようと躍起になっていたりして、そういった事が原因で大きな混乱が起きているようだよ」 | 「详细的我也不太清楚,但据说好像是统领世界的名为总统的代表换人了,那家伙好像想把一些谎言强行变成真相而到处拼命奔波,因为这些事情而引发了各种混乱的情况」 |
「権力争いって奴ね。外の世界も幻想郷と同じで醜い事になっているのねぇ」 | 「也就是所谓的权力争斗吧。外面世界也和幻想乡一样变得丑陋不堪了呢」 |
霊夢は外の世界の雑誌を読んでいた。内容は有名人のスキャンダルや腐敗した政治の話、健康被害ネタや大企業の奴隷制度など、幻想郷に居る人間には殆ど無関係な記事ばかりの本だった。これは『週刊誌(※)』という種類の雑誌らしい。(※本来の『週刊誌』は、一週間毎に刊行される本の事の筈だが、外の世界では違う意味を持っているそうだ) | 灵梦正在读的是外面世界的杂志。内容是名人们的绯闻和政治腐败的话题,健康养生的小贴士和大企业的奴隶制度之类的,基本都是些和幻想乡居民扯不上关系的报道。这本杂志貌似是属于『周刊志(※)』的那种杂志。(※原本的『周刊志』,应该是指每周发行的书,在外面世界似乎是有了不同的定义) |
「幻想郷と同じだって? 君は幻想郷が権力争いで醜い事になっていると思っているのかい?」 | 「你说和幻想乡一样?在你心中已经认为幻想乡因权力争斗而变得丑陋不堪了吗?」 |
「なんとなくね。人間の里に干渉する妖怪も増えたし、今はまだ表立って闘いまでには発展しないけど、裏では工作が始まっている感じなのよねぇ」 | 「只是这么觉得而已。试图干涉人类村落的妖怪也增加了,虽然现在表面上并没有发展到互相斗争的局面,但是我感觉背地里已经有人开始动手脚了。」 |
「具体的には?」 | 「具体来说呢?」 |
「天狗や狸は既に人間の里に顔を出して干渉しているし、兎や河童も人間に物を売りつけている様だし、妖怪寺や神子の道場だって、常に人間の心を支配下に置こうと考えているみたいだし、他にも一部の妖怪達がコソコソ行動を起こしている様で、何処から手を付けて良いのやら……」 | 「天狗还有狸猫都已经在人类村落露脸并进行了某种干涉,兔子也好河童也罢她们貌似都在向人类兜售着什么,就连妖怪寺和神子的道场也是,都已经在考虑着将人类的内心置于自己的支配之下,其他还有不少妖怪在暗地里偷偷摸摸地搞着小动作,我到底该从哪里开始着手嘛……」 |
霊夢はそう言いながらも、余り困っているようには見えない。それどころか、勢力争いを楽しんでいる様にも見える。 | 灵梦虽然嘴上这么说,脸上却一点困扰的表情也没有。倒不如说,她看起来还很享受于这些势力争端之中。 |
彼女は何者にも縛られない本当に自由な人間だ。重力すら縛る事が出来ない。そういう真に自由な人間は、誰かに支配される事を怖れないのだ。勢力争いを客観的に見る事が出来て、まるでゲームのように楽しんでいるのだろう。 | 她本身就是一个不为任何人束缚的真正自由自在的人类。就连重力也无法束缚她。这种真正自由的人类,是不会担心被谁支配的。所以她能以客观的角度看待这些势力斗争,简直就像把这些势力斗争作为一场游戏而乐在其中。 |
そこで僕は少し意地悪な質問をした。 | 因此我也问了她一个稍有点坏心眼的问题。 |
「そうか、店の外ではそんなに大変な事になっていたんだな。ところで、幻想郷が誰かの支配下に置かれるとしたら……大統領は誰が良いと思う?」 | 「这样啊,我的店外原来发生了这么严重的事情。话说回来,如果假设幻想乡处于某人的支配之下……你觉得总统该是谁会比较好呢?」 |
霊夢は考え込んだ。 | 灵梦不禁陷入了沉思。 |
――チリンチリン。 | ——叮铃叮铃。 |
「あー、寒いわねぇ。雪が強くなってきたわ」 | 「啊——好冷好冷。雪下得更大了呀」 |
新たな来客があった。射命丸文という、天狗の新聞記者だ。彼女はたまにうちにやってくるが、それは取材や新聞の宣伝が主で、殆ど商品を買ったりしない。はっきり言って邪魔な客だが、無下に扱ったら新聞に店の悪口を書かれたりするかも知れないのが困りものだ。 | 店里来了新客人。是名为射命丸文的,天狗的新闻记者。她偶尔也会到访我这里,大部分时候是为了取材或是宣传新闻,基本都不会买东西。说白了就是个捣乱的客人,也是个如果不好好接待的话就有很可能在报纸上写些对本店不利的坏话的让人困扰的客人。 |
「店に入る時には服に付いた雪は落としてくれ」 | 「进店的时候请把身上的落雪拍干净了再进来」 |
「あれ、霊夢さん……。へぇ、なるほどねぇ」 | 「啊呀,灵梦小姐……嘿诶,原来如此」 |
彼女は面白いネタを見つけたかの様に、霊夢の写真を撮っていた。霊夢は撮られ慣れているのか気にしていないようだ。 | 她一副看见了有趣新闻素材的表情,拍起了灵梦的照片。灵梦好像也已经习惯被她乱拍了并无多少反应。 |
「ところで、新しい商品が入荷したりしました?」 | 「话说回来,你有没有引进一些新商品啊?」 |
「またその話か。そんなに外の世界の道具が増えることが引っかかるかい?」 | 「又是这件事吗。外面世界的道具增加了这件事就那么令你在意吗?」 |
「ええ、入手先が気になります」 | 「是啊,你的进货源着实让我感到好奇。」 |
最近は外の世界の道具を入手する機会が増えた。それは言うまでもなく宇佐見君のお陰なのだが、その事でこの新聞記者から執拗に追求されているのだ。 | 最近我得到外面世界的道具的机会大大增加了。要说原因的话无需多猜必然是宇佐见君的功劳,但这件事也一直被这个新闻记者紧咬不放。 |
「それは、ほら何度も言っているじゃないか。外来人の宇佐見君が――」 | 「关于这一点,我都说了好几次了。那是外来人的宇佐见君她——」 |
そう言いかけてやめた。宇佐見君がうちに来る時は、霊夢には内緒の時だと言っていたからだ。しかし、新聞記者は霊夢に聞こえるようにわざと大きな声で言った。 | 我说了一半就停了下来。因为宇佐见君每次来的时候,基本都是瞒着灵梦来我这边的。但是,新闻记者却故意用灵梦也听得见的音量大声说道。 |
「ああ、思い出しました。外来人が持ってきてくれるんでしたよね。へえ、外の世界と直接繋がりがあるなんて凄いですねぇ。あえて閉鎖的にする事で成長してきた幻想郷に、新しい外の力を取り入れようなんて、さすが自由主義の香霖堂さんです」 | 「啊啊,我想起来了。是外来人带来的呀。嘿诶,能和外面世界有直接联系真是厉害呀。明明身处以封闭环境为基础发展的幻想乡,您却借助外面的力量将其引入这里,真不愧是自由主义的香霖堂呢」 |
明らかに新聞記者は僕を敵対視していた。恐らくは、さっき霊夢が言っていた『勢力争い』に積極的に参加しているからであろう。僕は霊夢に何て説明しようかと考えあぐねていたが、霊夢は至って冷静であった。 | 新闻记者对我的敌意显而易见。个中缘由,恐怕不外乎其积极参与刚才灵梦所提到的『势力争斗』吧。当我正绞尽脑汁思考该如何向灵梦说明这件事时,灵梦她倒是冷静至极。 |
「外来人って菫子の事でしょ? | 「你说的外来人是堇子吧?她可不是像 |
どうやら、霊夢は菫子がうちに来ている事を知っている様だ。僕は胸をなで下ろした。 | 这么看来,灵梦早就知道堇子一直来往于我店内的样子。我不禁松了一口气。 |
「ふん、どうですかねぇ。外から迷い込んだ人間を送り返すのも貴方の仕事でしょ? それなのになんで放置しているのかしら」 | 「哼,那可不好说吧。把外面误入幻想乡的人类送回去才应该是你的工作吧? 然而你又为何对她睁一只眼闭一只眼呢。」 |
「それは、事故で迷い込んだ人間に対してだけよ。彼女は自分の意思でやってきているから……それに本当のところ原因不明だし、ちょっとその辺が複雑なの」 | 「你说的那个,仅仅是针对因为事故而误入的人类而已。她是凭自己的意志来这里的……虽然她来这里的原因至今还未知,这里牵扯到的缘由还是挺复杂的」 |
「あらあら、情けない話ねぇ。それもメモに入れておきましょう」 | 「哎呀哎呀,真不像话。看来我得把这件事好好记下来」 |
文は嬉しそうに手帳に記録していた。 | 文一脸高兴地唰唰在笔记本上写着什么。 |
「メモするって、こんなの記事にしちゃ駄目だからね」 | 「你还记下来,这件事可不能登在报道上啊。」 |
「何言ってるんですか、私は真実を曝く者、記事にするなと言われてしないわけが無い」 | 「你在说什么啊,我可是曝光真相之人,被别人威胁说不要发表也不会屈服的。」 |
霊夢は文の手帖を奪おうとしたが、軽くかわされて逆に必死の形相を写真に撮られてしまった。 | 灵梦想要把文的笔记本抢过来,却被她轻松闪过还被她拍下了拼命抢夺笔记本的样子。 |
「『博麗神社が外来人と手を組んで幻想郷を支配!?』なんて記事は、随分衝撃を与えそうね」 | 「『博丽神社与外来人携手意欲支配幻想乡!?』如果写出这篇报道的话,应该可以带来不小的冲击吧。」 |
文はニヤニヤ笑っていた。 | 文坏笑着说道。 |
「何が真実を曝く者、よ。でっち上げのデマ記事じゃないの!」 | 「什么将曝光真相之人,说得那么好听。你写的不都是些杜撰的东西吗!」 |
「あら、私はそれが真実だと思っているのです。だからその真実を伝えて何がおかしいのかしら。真の意味での客観的な事実なんて、数学の様なイデアルな世界でしか存在しない。これが、私が新聞記者を続けて出した答えだわ。だから新しい | 「哎呀,我可以真心将它们当做真相的呀。所以我要传播这些真相有什么不对。绝对意义上的客观真相,仅仅存在于像数学这样的理想世界。这个,是我长年以来作为记者而得到的答案。从今往后的 |
――ああ、雪の日の生姜湯は最高だな。ポカポカ暖まって……。 | ——啊啊,下雪的日子里喝一碗热乎乎的姜汤简直太棒了。全身暖洋洋的…… |
いつものように、新聞記者と巫女の喧嘩が始まったので、僕は離れて暖を取りながら見守っていた。新聞記者は何やら不穏な事を言っている様だが、あれはただの挑発だろう。よっぽど、宇佐見君の事が気になっていると見える。 | 一如从前,新闻记者和巫女又开始吵架了,我也很识趣儿的躲到角落里边取暖边默默地看着她们。新闻记者虽然说着一些危言耸听的言论,但那也不过是些挑衅的话而已。在我看来,她倒是十分在意宇佐见君的事情。 |
「ところで二人とも、ここは談話室では無いのだが、何か用事があったんではないのかい?」 | 「你们二位先稍安勿躁,这里毕竟不是给二位准备的谈话室,你们来这儿不是有什么事情要办吗?」 |
新聞記者は振り返って僕の質問に答えた。 | 新闻记者回过身来回答了我的问题。 |
「ええ、勿論です。ある情報筋から、『今日ここに外来人が現れる』と聞いていましたので、突撃取材をしようと思いまして」 | 「嗯,那是当然。我收到情报,听说『今天会有外来人造访这里』,于是我就想来搞一次突击采访。」 |
「へ? 宇佐見君が?」 | 「诶? 宇佐见君吗?」 |
そんな話は初耳だ。続いて霊夢も言った。 | 这我也是第一次听说。接着灵梦也说道。 |
「その情報筋って、仙人からでしょ? 私もその情報を掴んでやってきたの。 | 「那个情报,是从仙人那里听来的吧?我也是因为那条情报才赶来这里的。要来 |
「取材に来たら霊夢さんもいたので、これはますます怪しいと思うじゃ無いですか。裏で繋がっていると思っても不思議では無いですよね」 | 「没想到一到这里就发现灵梦小姐也在,一切的一切都透露出一股可疑的气息。就算认为你们在背后有所勾结也没什么奇怪的吧。」 |
そう言って文は霊夢の写真を何枚か撮っていた。 | 文一边这么说着一边还拍下了几张灵梦的照片。 |
新聞記者の態度に少しイライラしていた僕は、挑発気味に忠告した。 | 我对新闻记者的态度突然冒出一丝无名火,稍稍挑衅地忠告了一句。 |
「そういう点の情報だけで、真実を組み立てるのはやめた方が良い。簡単にボロが出る」 | 「只凭那么片面的情报,就擅自杜撰出所谓真相的事情还是少做为妙。太容易露出破绽了。」 |
「忠告ありがとうございます。その程度の事は言われてなくても判っています。だからこそ、今日来たのですよ。点と点を結ぶ為に直接本人から話を聞こうと……」 | 「感谢你的忠告。这种程度的道理你不说我也明白。正因为如此,我今天才会来这里。为了把各个片面的情报结合起来我才想来向本人确认……」 |
「貴方の取材を受ける前に、ちょっと菫子と話がしたいわ」 | 「在接受你的采访之前,我还想和堇子稍微说几句呢」 |
「ほら、それが怪しいわ。何か口裏を合わせようっていうんでしょ?」 | 「所以说,你这么做就很可疑嘛。难道你们是有什么内情需要对好口供才能说出口?」 |
「そんなんじゃなくて、ほら、あの人、何というか、非常識だから」 | 「不是这样啦,你想想,那个人,怎么说呢,不是很非常识吗。」 |
「苦しい言い訳ね」 | 「这个借口真烂啊。」 |
また喧嘩が始まりそうだったので、割って入る事にした。 | 这俩人看上去像是又要吵起来的样子,我便介入了其中。 |
「まあまあ、二人の目的は奇しくも一致しているんじゃ無いか。喧嘩は止めたまえ」 | 「算了算了,这么看来你们俩人的目的不是出奇得一致嘛。就别吵了吧。」 |
二人はそっぽを向いた。 | 两个人背过身去。 |
「で、宇佐見君はいつ来るっていうんだい?」 | 「话说回来,宇佐见君什么时候会过来呢?」 |
「そういえば……、もうとっくに現れる時間の筈なんだけど。あいつは決まった時間に幻想郷に訪れる習性があるので……」 | 「这么说起来……她应该早就出现了才对。毕竟那家伙有在固定的时间出现在幻想乡的习性啊……」 |
「私も仕入れた情報の時間はとうに過ぎていますね」 | 「从我入手的情报来看时间也是早就过了。」 |
「ん? 何だって? それってもしかして――」 | 「嗯? 你说什么? 该不会是——」 |
僕は嫌な予感がした。窓の外は深々と雪が降っていて視界も悪い。うちまでは雪を掻く人もいないので道も無かった。 | 我有一种不祥的预感。窗外的雪纷纷落下导致视野很差。没有人会扫雪的话到我家来的路自然也被雪覆盖了。 |
「遭難してるんじゃないか?」 | 「她不会是遇难了吧?」 |
――僕がそう言うや否や二人はすぐに行動に出ていた。 | ——她们二人不对我说话做出任何评论就冲了出去。 |
何の躊躇も無く外に飛び出していく二人は、なんとも頼もしく見えた。冷めないうちに生姜湯を飲んでからどてらを探し始めたのに、まだ暖かい店内から出てない僕とは大違いだ。 | 那二人毫不犹豫冲出门外的身姿,着实令人心安。像我这种先把还没冷却的姜汤喝完再开始寻找棉袍,躲在温暖的店内的人和她们比起来实在不一样。 |
まあ、本当に宇佐見君が遭難していたとしても、あの二人が本気で探せば大丈夫だろう。外の人間が行方不明になって困るのは、巫女と妖怪だ。死ぬ気で探してくれるに違いない。僕は大船に乗ったつもりで、温かい飲み物でも用意する事にした。 | 算了,就算宇佐见君真的遇难了,只要那两个人拿出真本事就没什么好担心的了。外面的人类在幻想乡失踪的话,最头疼的还是巫女和妖怪。她们一定会拼了老命去找的。于是我也就放下心来,专心准备起了热饮。 |
――チリンチリン。 | ——叮铃叮铃。 |
程なくして二人は寒さで震えている女の子を担いで戻って来た。ほらね、こういう時は巫女も天狗も非常に頼りになる。僕がわざわざ寒い中、外に出る必要は無い。 | 过不了多久那二人就架着一个因为寒冷而瑟瑟发抖的女孩子进了屋子。你看吧,在这种时候巫女和天狗就特别靠得住。我也就没了在这样的寒冷中,特地跑出去的必要。 |
「おお、早かったね。寒かっただろう?」 | 「哦哦,真是快啊。外面很冷吧?」 |
僕は生姜湯を差し出した。 | 我把姜汤递了过去。 |
「いやー、死ぬかと思ったわ。一面真っ白で何これ、何処のド田舎って感じ」 | 「呀——还以为自己死定了呢。眼前一片雪白,心想着这是哪儿啊难不成还到了哪个乡下地方的感觉呢。」 |
菫子は少し興奮状態だった。 | 堇子还处于一种很兴奋的状态。 |
「そんな薄着と短い靴で来るなんて、外の世界では雪が降らないのかい?」 | 「看你穿着那么点衣服和短靴就来了,难不成外面世界没有下雪吗?」 |
「雪なんてたまに数センチ積もる程度よ。山の中のド田舎なら降る所もあると思うけど」 | 「雪的话偶尔下一场也不过积雪几厘米而已。如果是山里或者乡下的话大概会下得多一点吧。」 |
「それは大変な目に遭ったねぇ。それにしては楽しそうにも見えるんだが」 | 「那你还真是受罪了呀。不过你看上去倒是挺享受其中呢。」 |
「そ、そんな事は無いわよ。こんな雪を見ただけではしゃいだりしないわよ。珍しいから写真を撮ってたら道に迷っちゃっただけよ」 | 「怎、怎么可能没事呢。我才不是因为看到这么多的雪就开心得不得了呢。只是因为很少见到处拍了点照片才迷路的。」 |
明らかにはしゃいでいた。雪を見ただけではしゃぐのは幼い子供だけかと思っていたが……、外の世界の人間は思ったより純粋なのかもしれないな。 | 这不已经开心得不成样子了嘛。我还以为看到下雪会兴奋得不能自已的只有小孩子呢……外面世界的人类看来比想象中的要纯粹得多呀。 |
「何にしても無事で良かったよ。ちゃんとお礼を言うといい。君を救ってくれたのはそこの二人だからな」 | 「不管怎么说平安无事就再好不过了。要好好谢谢这两位哦。救了你性命的可是这俩人啊。」 |
「いやー、有り難うございます」 | 「是啊——真是谢谢你们了。」 |
軽いノリの菫子に霊夢は呆れていた。 | 灵梦看着如此兴奋的堇子也吃了一惊。 |
「今回は私がいたから良いけど、遭難を甘く見ると、死ぬよ?」 | 「这一次幸好有我们在,但如果你太小看遇难这件事的话,可是会死的哦?」 |
「済みませんー。でもどうせ夢から覚めれば、向こうに戻ると思っていたので。まあ一時間程度なら大丈夫かなぁと」 | 「真是对不起——但是我只要能从梦里醒过来,就可以回去了。所以在这种状态下待上一个小时的话还是没问题的。」 |
「夢から覚めれば……? それは一体どういうことかしら」 | 「从梦里醒过来……? 这是怎么一回事呢。」 |
文が食い付いた。見慣れぬ人物に菫子は戸惑っている。 | 文一下子就逼问了上去。这让之前没见过她的堇子稍稍有点困惑。 |
「あ、申し遅れました。私は一流新聞記者の射命丸文と申します」 | 「啊,我忘了做自我介绍了。我是身为一流新闻记者的射命丸文。」 |
文はサラリーマンのように名刺を手渡した。 | 文像个上班族一样用双手递出了自己的名片。 |
「新聞……記者? | 「新闻……记者? |
「ええ、外の世界の新聞記者と同じく、幻想郷でも真実の伝道者は必要とされているのですよ」 | 「是啊,和外面世界的新闻记者一样,在这个幻想乡也是需要我们这些真相的传达者呢。」 |
菫子は首を傾げている。 | 堇子点了点头。 |
「宇佐見菫子、さんですね。遭難で疲れている所申し訳ないのですが、後で私の取材に協力をお願いできますでしょうか」 | 「宇佐见堇子,说的就是您吧。虽然您刚刚从遭难的经历里回过神来,但是很抱歉能不能拜托您之后接受我的采访呢。」 |
霊夢が「断っても良いのよ」と囁いたが、菫子は「良いですよー」と即答してしまった。 | 灵梦虽然小声说着「拒绝掉也没关系哦」,堇子却毫不犹豫地回答说「可以哦」。 |
「取材、ってなんだか私、有名人みたい! どういう記事なの?」 | 「采访、的对象是我啊,感觉像个名人一样!关于什么的报道呢?」 |
「今まで、新聞ばかりを作ってきたのですが、今度、初めての雑誌に挑戦しようと思っていまして……」 | 「一直以来,我都在做新闻报道,这一次,我想挑战一下做一次杂志……」 |
「え? あんたが雑誌を作るなんて初耳よ」と霊夢。 | 「诶? 你要做杂志这件事我还是第一次听说」灵梦这么说着。 |
「言ってなかったかしら。更なる真実を追究するためには、速度を求められる新聞とは異なる記事スタイルが必要だと思いまして、そこにあるような外の世界の雑誌を参考にした本を作る予定なのです」 | 「我没和你说过吗。为了追踪更深一步的真相,我觉得除了以速度为基础的新闻以外还需要另一种与之不同的报道类型,于是我就参考外面世界的杂志计划要做一本全新的书出来。」 |
文は外の世界の週刊誌を指さした。 | 文指了指外面世界的周刊志。 |
「私の新しい週刊誌、その名も『文々春新報』です。記事は続々と集まっていますし、色々と驚く内容になっていると思いますよ」 | 「我这本全新的周刊志,其名为『文文春新报』。其中的报道我也在慢慢收集,一定会让读者大吃一惊的」 |
菫子はその週刊誌を手に取った。 | 堇子伸出手接过了那本周刊志。 |
「うわー、大衆週刊誌だー。この手の本っておっさんしか読んでいないイメージなんだけどー」 | 「呜哇——是大众周刊志诶——像这种书给人的感觉就是一般只有大叔才会去读呢——」 |
「お、おっさんですか?この進步的な雜誌が」 | 「大、大叔?会去读如此进步的杂志吗」 |
「正直言って、芸能人の不倫とか薬物とか政治と金の話とか、今のネット世代はまるで興味ないよ。テレビを見ていない人も多いしね。何でそんな話で盛り上がれるのか不思議なくらい。私こういう本に載るんですか? これといったスキャンダルは無いですよ。あ、私に取材ってもしかして『読モ』ですか!? いやー、照れちゃうなぁ」 | 「说真的,关于艺人的不伦呀吸毒呀政治和金钱的话题什么的,对于我们这些网络时代的人来说实在是提不起兴趣。不看电视的人也慢慢多了起来。甚至会对为什么会有人对这种话题兴趣满满而感到不可思议。难道你要把我登到这种书上吗?就算你这么想我身上也没有什么丑闻。啊,采访我的话难道是要把我打造成『读模2』吗!?呀——,好害羞呀」 |
菫子は早口でまくし立てた。 | 堇子飞快地蹦出一句又一句。 |
「う、ま、まあ。そんな感じですかね。ドクモ、でしょうか?」 | 「呜,是、是啊。差不多就是那种感觉。你是说,毒蛛吗?」 |
「そんなぁ、からかわないでくださいよぉ。私が読モの筈なんて無いでしょ? 外の世界の話を聞きたいんですよね」 | 「别这样啦,请不要再打趣我了呀。我怎么可能做什么读模嘛? 你只是想听听外面世界的事情而已吧。」 |
「いやまあ、その」 | 「啊哈哈,这个嘛。」 |
あの口が上手くて高圧的な天狗が押されている。僕と霊夢は口を押さえて笑いをこらえていた。ドクモとは獲物がかかるのをじっと待つ毒蜘蛛の略である。誘き寄せておいて獲物がかかった感じを見ると、まさに宇佐見君はドクモのようだった。 | 那个三寸不烂之舌还颇具压力的天狗竟然被反压了。我和灵梦掩着嘴角努力让自己不笑出声。所谓的毒蛛是指那些坐等猎物上钩的毒蜘蛛的简称。从把猎物引诱到面前再动手的这一习性上来看,宇佐见君简直就是个毒蛛嘛。 |
「え、えーと。では改めて場所を変えて取材を行いたいのですが」 | 「那、那个。那么我想重新定个地方以便好好对您进行一番采访。」 |
文は僕や霊夢の方をチラチラ見ていた。どうやら、取材内容を聞かれたくないのだろう。 | 文瞟了一眼我和灵梦。看来,她是打定主意不想让我们知道采访的内容了。 |
「私はもうすぐ外の世界に戻っちゃうわ。だから、後日でよければ」 | 「我今天很快就要回到外面世界了。所以,还是日后再说吧。」 |
「ええ、その方が私としても都合が良いです。場所は……山の会議室にお連れします」 | 「没问题,那对我来说也是求之不得。地点的话……就让我带你去山上的会议室吧」 |
「待って、それは認めないわ」霊夢が割って入った。 | 「等一下,这我可不同意」灵梦介入了其中。 |
「取材の内容は聞かなくても良いけど、せめて私の見える範囲でやって」 | 「我可以不知道采访的内容,但是采访地点至少要在我的视野范围内。」 |
急に霊夢の表情が険しくなった。その雰囲気に菫子も飲まれている。 | 灵梦的表情突然严肃了起来。堇子也不禁浸入了那股气氛。 |
「いい? まだ言ってなかったと思うけど、この新聞記者くずれは人間じゃないの」 | 「你听好了?也许还没人告诉过你,但是这个冒牌新闻记者并不是人类。」 |
「え? 人間じゃ無い?」 | 「诶? 不是人类?」 |
「妖怪なのよ。それも、人間を攫うことを生業としている天狗。だから、ホイホイとそいつらのアジトなんかに付いていっては駄目よ」 | 「她是个妖怪啊。更何况,这还是个以捕捉人类为生的天狗。所以,我可不能让你这么轻易地去到她们的大本营里。」 |
霊夢は菫子を怖がらせるように言った。しかしそれは逆効果だったようである。 | 灵梦说的这些应该是想吓唬堇子一下。但没想到的是这番话反而起了反效果。 |
「て、天狗だって? 凄い、凄いわ! 何か大物に会った感じです! 幻想郷万歳!」 | 「什么,你说天狗? 厉害,厉害了呀! 感觉和一个大人物见了面呢! 幻想乡万岁!」 |
「と、とにかく、神社を貸してあげるから、取材はそこでやって頂戴!」 | 「总、总而言之,我会把神社借给你们的,采访就在那儿进行吧!」 |
霊夢は念を押した。 | 灵梦最后又叮嘱了一遍。 |
「はーい。私は何処でも良いでーす」 | 「知道啦。我对地点反正无所谓。」 |
「はいはい。判りました。よっぽど隠したい真実があるんでしょうね。その事も真実に影響しますので、私としてはどういう流れになってもかまいません」 | 「好的好的,我明白了。看样子你真的有什么藏着掖着呢。这一点也会影响真相的全貌,对我个人来说事件如何进展倒也无所谓。」 |
文と菫子は再会の日程を決めて、二人とも去って行った。 | 文和堇子定下了下一次见面的日期之后,二人都离开了。 |
霊夢もどっと疲れが出ている様だ。 | 灵梦也露出一副累坏了的表情。 |
帰り際に「あ、そうそう。さっきの答えね。天狗は絶対駄目だわ。真実を作るとか言っちゃって、そんな奴、幻想郷の支配者にさせちゃ駄目だわ」と言って、帰っていった。 | 在回家之前「啊,对了对了。刚才你的问题的答案。天狗可绝对不行。她都把捏造真相这种话挂在嘴上了,这种家伙,怎么能成为幻想乡的支配者」灵梦这么说完,就离开了。 |
それにしても、あの宇佐見君は大したものだ。百戦錬磨の天狗を独特のノリでたじろがせ、結局霊夢に神社を貸し出させるなんて、並の人間には出来ないだろう。それに霊夢に至っては当初の目的であった勝手な行動をするなという忠告も殆ど出来ずに帰って行ってしまった。 | 不过话说回来,那个宇佐见君还真是了不起。不仅用独特的节奏让身经百战的天狗吃瘪,最后灵梦把神社借了出去,这可不是普通人类可以做到的。而且到最后灵梦也没能完成她最初提醒堇子不要擅自行动的目标结果只能无功而返。 |
彼女への取材が、どのような記事になって本が出来上がるのか楽しみである。 | 对她的采访会是如何一副光景呢,我对登载这篇报道的书着实抱有兴趣。 |
――とこの時はそう思っていた。しかし、射命丸文の初めての雑誌『文々丸新報』は、世に出ることは無かった。とある重大な見落としがあった為、自分で発禁処分にしたと伝えられた。新しい真実は作られなかったのは幸いだが、記事を楽しみにしていた僕としては少し残念である。 | ——那个时候我的确是那么想的。不过,射命丸文的第一本杂志『文文春新报』,到最后也没能问世。我只知道在制作过程中出现了重大失误,她自己对其作出了禁止发行的处分。虽然她没能捏造出真相是万幸,但是对于我来说没能读到那篇期待已久的报道还是略微有些遗憾呀。 |
次号へ続く | 下回待续 |
注释
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