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东方香霖堂/第22话/中日对照

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< 第21话   东方香霖堂   第23话 >

最新単行本『東方求聞史紀 ~Perfect Mement in Strict Sence』(一迅社)が大好評発売中!!そんな今回は、なんと魔理沙と霊夢がいっぺんに病気になってしまうエピソード。この二人を苦しめる病の正体とその原因とは…!?
最新单行本『东方求闻史纪 ~Perfect Mement in Strict Sence』(一迅社)大好评发售中!!这次是魔理沙和灵梦突然生病了的小故事。折磨这两人的病的真面目和其原因是…!?
流行する神
流行的神明
  冬も中頃のこの時期になると、納戸の引き戸ががたつき開け難くなる。熱を発する物の少ない納戸の上の屋根には、雪が積もり易いからだ。雪が積もればその分屋根は重くなり、引き戸は押さえ付けられて開け難くなるのである……と言う理由もある。と言う理由もあると言ったのは、もう一つ重要な理由があるからだ。
  每到冬天过去了一半的这个时候,储藏室的拉门都咯哒咯哒的难以打开。没有什么能够发热的东西的储藏室上面的屋顶很容易积雪。雪积得愈厚屋顶就相应地变得愈沉,拉门便会被挤压地难以打开……有这方面理由。之所以说有这方面理由,是因为另外还有一个重要的理由。
  それは秋の収穫まで外で活動していた穀物の神、穀霊が次の春の農事始めまで宿る場所が納戸だからである。ただの物置である納戸は、たちまち神聖な場所となり、その神々しさに引き戸が重く感じられるのである。
  那就是直到秋季的收获都还在外面活动的谷物之神,谷灵到下一年春季的农事前所寄附的地方是储藏室。本来只是放置物品的储藏室,顿时变成了神圣的场所,拉门由于其神化也就让人感到沉重了。
  大黒様の様に台所に宿る神もいる。唯一の台所に宿るのではなく、料理を作る場所その物に宿っているのだ。
  也有像大国主命一样寄附在厨房的神明。不过不是寄附于唯一的厨房,而是寄附在做料理的那个地方。
  この様に道具だけではなく、様々な場所自体にも神は宿っている。ただし、神は感情や考え方と言った概念に宿ることはない。必ず何処かに宿っている物質や場所がある。そこが神様と、妖怪や妖精、幽霊との決定的な差なのだ。
  类似这样的不光是道具,神明还会寄附于各种场所。但是神明不会寄附于感情或思考等概念性的东西上。一定要有能够寄附的物质或场所。这便是神明跟妖怪或是妖精,以及幽灵决定性的区别。
「おや、どうしたんだい? いつもなら店でも大きな物音を立てずに行動できない君にしては、静かじゃないか」
“哦呀,这是怎么了?平时就算在店里不出大的响声就没法行动的你,竟然这么安静”
  黒ずくめの格好の魔理沙が、力なく歩いているといっそう黒く、小さく見えた。
  一身黑装的魔理沙无力地走起路来,感觉愈发变黑,并变小了。
「ゴホッ。いつも静かなつもりだが……やっと辿り着いたぜ、ふう」
“咳咳。平时也打算是很安静的呀……总算是到了,呼”
「風邪かい? 調子悪そうだね。温かい物でも飲むかい?」
“感冒吗?看起来情况不太好呢。要喝点热东西吗?”
  白湯だけど、と言ってストーブの上のヤカンからお湯を茶碗に注いだ。
  虽然只是白开水,说罢我便将火炉上水壶里的白开水倒进茶碗中。
「ああ、済まない」と言って魔理沙は椅子に腰掛けた。
“哦哦,麻烦你了”说着魔理沙便坐到了椅子上。
「風邪だったら、家で大人しくしていた方が良かったんじゃないか?」
“如果是感冒的话,不是在家老实呆着更好吗?”
「寝てれば治る普通の風邪だったらな。ゴホゴホッ」
“如果是睡了觉就会变好的感冒的话。咳咳”
「異常な風邪をひいているのか」
“你得的是异常的感冒吗?”
  僕は余り普通の風邪をひいたりはしない。別段体が強い訳ではないが、風邪をひかないのには訳がある。妖怪は人間と同じ病気にかかる事は殆ど無いからだ。人間には人間しか罹らない病が、妖怪には妖怪しか罹らない病が存在するのである。ちなみに人間の病は体の病、妖怪の病は心の病が多い。
  我一般不容易染上普通的感冒。并不是说身体有多么强健,不得感冒是有其原因的。那就是妖怪几乎不会和人类染上相同的病。人类拥有只有人类才会得的病,妖怪拥有只有妖怪才会得的病。并且人类的病通常为身体上的病,而妖怪的多为心病。
  そこで人妖である僕はと言うと……実は両方の病気に罹りにくい。だから風邪の魔理沙が訪れてきても伝染る心配は無いのである。
  那么作为半人半妖的我的话……双方的病都不容易染上。所以就算得了感冒的魔理沙来拜访,我也不必担心会被传染。
「いやぁ、実はこれが風邪なのか判らないんだが……まぁ全身に力が入らないんだ」
“哎呀,说实话我不清楚这到底是不是感冒……总之是全身无力”
「ふむ。あいにく、僕は体は強くないが余り病気にならないんでね。症状を言われても、どんな風に辛いのかよく分からないんだよ」
“嗯嗯。不凑巧,我的身体虽然不够强壮但却不容易得病。所以就算你告诉我症状,我也不太明白是怎样的一种痛苦”
「ああ、まぁ香霖に病気の診断を期待はしていない……ぜ。今回は見て貰いたい物があって来たんだ」
“哦哦,反正也没对香霖的病情诊断抱有什么期望……呢。这次来是有想让你看看的东西”
  ーーカランカラッ
  ——哐啷哐啷
「霖之助さん、居るかしら? ゴホッ」
“霖之助,在吗?咳”
「おや? 霊夢も風邪かい?」
“哦呀?灵梦也感冒吗?”
「風邪かどうかよく分からないけど……全身に力が入らなくてねぇ」
“虽然不明白是不是感冒……只是全身很乏力呢”
  と言うと、来て早々、勝手に奥に上がっていった。奥には既に先客の病人が寝ている。
  说罢,刚刚到来,就擅自进到里屋去了。不过里面已经有位病人作为先到的客人在睡了。
「既に魔理沙が寝ているよ」
“魔理沙已经在里屋睡了哦”
「そう、魔理沙も調子悪いのね」
“是嘛,魔理沙也不在状态吗”
「今日は病人が二人目だ。僕は簡単には風邪をひかないからね。医者でも始めようかな」
“今天已有两位病人了。我是不会容易染上感冒的。要不要开始做医生呢”
「……どのみち儲からないわよ。どうせ」
“……反正无论怎样都没得赚”
  それは僕を信用してくれる患者が少ないと言う意味なのか、それとも幻想郷に滅多に医者が必要になるような人間が居ないと言う意味なのか判らなかったが、二年程前から腕の立つ医者が現われ、それなりに繁盛していると言う話を聞いた事がある。後者の可能性は低い。
  虽然我不清楚这是在说信得过我的患者少呢,还是幻想乡里面少有需求医生的人类呢,我只是听说过大约两年前出现了一位高明的医生,并且事业也比较繁盛。所指是后者的可能性很低。
  その腕の立つ医者は、迷いの竹林に突如として現われ、里の人間のみならず妖怪達の病気をも治していると言う。霊夢と魔理沙の二人の症状が手に負えないようだったらその医者を呼ぶ事も考えた方が良いかもしれない。
  那位高明的医生突然出现在迷途竹林中,据说不仅限于村里的人类,同时也给妖怪治病。如果灵梦和魔理沙的病状难以控制的话便需要考虑一下是否请来那位医生比较好呢。
  それにしてもそんな調子の悪いと言う霊夢は、何故うちに来たのだろう。うちには薬も余りないと言うのに……。
  话说回来自称状态很不好的灵梦为什么来到我这里呢。明明我家也没有多少药啊……
「ゴホゴホッ、今日は捜し物があって来たのよ。欲しい物は骨董品だから……香霖堂が一番良いかと思って」
“咳咳,今天来是有要找的东西呀。想要的东西是古董所以……觉得香霖堂应该是最合适的”
「骨董品の捜し物だって? そんなの調子が良くなってから来れば良かったじゃないか」
“寻找古董吗?那种东西等状态好的时候再来不就行了吗”
「そんな訳にも行かなくて……その捜し物を見つけない限り不調は悪くなる一方だから」
“那样是不行的呢……我找不到那个东西的话身体状况就只能恶化下去”
「何か訳ありっぽいね。その異常な風邪は」
“看起来有什么缘由呢。这个异样的感冒”
  霊夢の話だと、里の人間の大半は既に同じ症状の風邪にかかっているそうである。風邪と言ってもそんなに咳が酷い訳ではないが、全身から力が抜けて歩くのが辛いらしい。それにこの風邪は、人に伝染り易いのだそうだ。
  据灵梦说,貌似村落里的大半人类已经患上了相同症状的感冒。说是感冒但并没有咳得多么厉害,好像只是全身乏力难以行走。而且这个感冒,容易在人类中传播。
「ゴホッ、捜し物は……小さな壺とか……なんかそう言った骨董品。出来るだけ古い方が良いわ」
“咳,要找的东西……像小壶那种的……类似的古董。愈古老愈好”
「壺……? 巫女を辞めて、新しい宗教でも始めるのかね」
“壶……?要辞掉巫女,开始搞新的宗教吗”
「あと重要なのは、未だ名前が付いていない物に限る事。ゴホゴホッ」
“还有重要的是,要限于还没有被命名的。咳咳”
  僕は霊夢が何を企んでいるのかいまいち掴めなかった。調子が悪いと言うのにわざわざ店にまで来て、挙げ句の果てに名前の付いていない骨董品が欲しいだなんて……ってそう言えば、魔理沙も何か見せたい物があると言っていたが、今は寝ているようだから良いか。
  我还没有怎么领悟到灵梦究竟打的是什么算盘。状态不好还特地跑到店里来,最后竟然还想要没有名字的古董啥的……说来,魔理沙也说过有东西想给我看来着,不过就先让她睡着吧。
「骨董品と言えど、名前の付いていない物となると……かなり質が落ちる物が多くなってしまうよ。えーと……」
“虽说是古董,但要是没有名字的话……大多是品质很低的东西哦。哎—……”
「神社にある物でも良かったのかも知れないけど、私にはどれが名前が付いていない物なのか判らなくて……。ゴホゴホッ」
“也许神社里有的东西就可以了,但我不知道哪个是还没有被命名的……咳咳”
  名前が付いているのかどうか、見て判るのは霖之助さんしかいないでしょ? と付け加えた。僕はそれを聞いて気を良くし、少し得意げに持ってきた骨董品の解説をした。
  还加上一句,看一眼就知道有没有名字的,不就只有霖之助吗。我听后有些高兴,便稍稍得意地开始解说拿过来的古董。
「例えば、これなんてどうだい? 時代は三百年は遡るお皿だ。実用の為だけに作られた物だが、出来は良くなかったので実際には使用されなかったらしい。その為、これと言って名前は付けられていない」
“比方说,这个怎么样?时间可以追溯到三百年前的盘子哦。本来只是为了实用而做的盘子,结果质量不怎好,于是就没有实际使用。因此也没有被起什么名字”
「うーん。出来ればもう少し古い物はない? 例えば千二百年位前の……」
“唔—— 可以的话没有更古老的东西吗?比如说千两百年前的……”
  霊夢はお皿を一瞥すると細部を見るまでもなくそう言った。骨董品の出来よりも、古さだけが重要と言った感じである。
  灵梦瞥了一眼盘子,并没有仔细看就说道。感觉比起古董的质量,只是注重其古老程度呢。
「千二百年だって? うーん、そんなに古い物はそうそう無いよ」
“你说千两百年前?嗯—— 很难有那么古老的东西哦”
  香霖堂は何でも屋でしょ? 出来るだけ古くて、それで名前の無い物が欲しいの。と言いながら霊夢は横になってしまった。道具屋とか骨董品屋とかは言った気がするが、何でも屋とは言った憶えはない。
  香霖堂不是百货店吗?就是想要尽可能古老的,没有名字的东西。说着灵梦便躺了下来。虽然记得好像说过道具店啦古董店呀什么的,但对百货店可没什么印象。
  だが、一度得意げに解説してしまった手前ここで引き下がる事は出来ず、商品にならない様な物を仕舞ってある納屋まで行って、千二百年前位の品を探す事にした。重く冷たい納屋の扉を開けた時には、霊夢が何故そんな物を欲しがっているのか考えようともしていなかった。
  不过既然一度得意地解说过了便不能在此退缩了,于是决定去放置有不成商品的东西的储藏室,找找大约千两百年前物品。当我打开又重又凉的储藏室的拉门的时候,根本没有去想灵梦为什么会要那种东西。
「ふぅ。めぼしい物は見つからなかったが……霊夢、例えばこれなんてどうだ?」
“呼。虽然没找到什么像样的东西……灵梦,像这个怎么样?”
  そう言って、僕は掌より大きい位の平べったい三角形の塊を見せた。
  说罢,我把一块比手掌大一些的扁平的三角形物给她看。
「これは、千年以上前の壺の破片だ。名前は無い」
“这个,是千年以前的壶的碎片。没有名字”
  流石にこんな破片だけでは骨董品としての価値は皆無だが、千年以上前位の古い物と言うと選択肢は無いに等しい。
  毕竟只是这样的碎片的话作为古董是毫无价值的,但说到千年以上的物品的话几乎没有什么选择了。
「だが、この破片もただの破片ではない。元々は何かを封印してあったと言う曰く付きの壺の破片だ。済まんがそこまで古いとなると、こんなのしか見つからないんだよ」
“不过,这个碎片也不是什么普通的碎片。是据说原本封印了某样东西的壶的碎片。要求那么古老的话,抱歉我也只能找到这种东西了”
「ゴホゴホッ。良い物を持ってるじゃない。流石霖之助さんね」
“咳咳。这不是有不错的东西吗。真不愧是霖之助”
  ちょっと貸してと言って破片を取り出すと、玉串を取り出し小声で語り始めた。何やら儀式でも始めるようだ。僕には霊夢の狙いが全く見えてこない。
  说着稍微借来看看并拿起碎片,接着取出玉串开始小声念语。好像要开始什么仪式似的。我完全猜不到灵梦的意图。
「……伴善男の神の声の聞こえん事を……」
“……愿听到伴善男之神之声……”
  珍しく、巫女らしい仕事をしているように見える。恐らく、異常な風邪と何か関係があるのだろう。霊夢は簡単な儀式を行い破片に御札を貼ると、一息を付いた。
  很少见地,看起来在做像巫女做的事情。估计是跟异常的感冒有关的事。灵梦进行了简单的仪式并把神符贴在碎片上后,舒了一口气。
「ふう、これで一安心。これを里に持っていって廻れば、みんなの病気も治る筈よ」
“呼,这样就安心了。只要拿着这个转一圈村子,大家的病就应该好了”
「ほう、それは良かった。だが、さっきから何をしているのかさっぱり判らない。詳しく説明してくれないか?」
“是嘛,那可不错。不过,自刚才起我就彻底不明白你在做什么。能不能详细地跟我讲讲?”
  霊夢は気分的に楽になったのか、謎の儀式を終えた後は調子を取り戻している様子で説明を始めた。
  灵梦或许是心情放松了,在进行完谜样的仪式后貌似恢复了状态地开始了说明。
  まず、この病気は人に伝染る病気なのだと霊夢は言った。同じ風邪でもたちの悪い風邪で、その伝染力は強く、近くにいるだけで伝染ってしまうらしい。何年かに一度くらい、こう言った原因不明の病気が流行る事があるという。
  首先,灵梦说这种病是在人类中传染的病。跟其它感冒比起来是属于性质恶劣的,只要在旁边就会被传染上。几年一次,就会有这种原因不明的病症流行。
  人に伝染る病気は、一人だけ治療したところで埒があかない。完全に病気を鎮めるには、病気を起こしている祟り神を何かに封印する事が必要なのだという。
  人类的传染病,只是治疗了一个人的话是得不到什么解决的。要想完全地把疾病压下去,就必须把引起疾病的疫病神给封印在哪里才行。
  霊夢曰く、病気が伝染る原因とは、その病気を持っている祟り神が猛威をふるっている事である。その祟り神を見つけ出して封印し、祟り神を封印した事を病気の人に見せて信じて貰う事で病気が治るのだと言う。
  据灵梦说,疾病之所以会传染,是因为持有那个疾病的疫病神在猖獗。找出那个疫病神后封印起来,通过把疫病神封印了的事给病人们看并得到信任来治好病。
「この様に、目前の目的の為に一時的な信仰を集める必要がある神を、流行神って言うのよ。今回の件で言えば、病気を鎮める為に病気の神をでっち上げて信仰を集めて、本当の祟り神になってしまう様な神様の事」
“像这样的,为了眼前的目的而暂时性地有收集信仰必要的神明,叫做流行神。以这次的事件来说,是指为了平息疾病,通过捏造一位疾病之神并收集信仰,最后成为真的疫病神的神明”
「でっち上げ……なのか。病気の神としてでっち上げられてしまうなんて、災難な神様だな」
“是捏造的……吗。竟然要被捏造为疫病神,还真是不幸的神明呀”
「今回の病気は、伴善男様と言う神様に祟り神の役をして貰う事にしたわ。この神様は、ちょくちょく疫病の祟り神の役を受け持つの」
“这次的疾病呢,是让叫做伴善男大人的神明来做疫病神的角色的。这位神明经常担任疫病神这个职务呢”
「それは酷いな。伴善男と言えば……実在の人間じゃないか。確か、千二百年位前の……」
“那很悲惨呀。说到伴善男……不是实际存在的人吗。记得是,大概千两百年前的……”
「良いのよ。最初は疫病に対する恐怖心と、伴善男様の恨みの念の強さが重なってそうさせられたみたいなんだけど、今では『疫病が治るのなら、祟り神でも何でもやっちゃるよ』って言う感じで気軽に汚れ役を受け持ってくれる有難い神様よ。それに何だか暇そうにしていたので、今回頼んでみたの」
“无所谓哦。虽然一开始好像是由于对于疫病的恐怖心理和伴善男大人怨念的强度重合了的缘故,但现在却是以‘疫病能够好的话,管它什么疫病神的我都可以当’这种轻松的心理来担当丑角的值得感谢的神明呢。而且好像闲着的样子,所以这次就试着拜托他了”
  巫女と神様はそんなにフレンドリーな会話をするのだろうか。神様の声の代弁者である巫女しか窺い知れない世界である。
  巫女和神明会做那种友好的对话吗。这是只有作为神明的代言者的巫女才可以窥见的世界呢。
「名前の付いていない物が欲しかったのは、名前の付いている物には既に別の神様が宿っているからよ。名前の付いていない物で、さらに長い年月が経ている物が憑代としては最適なのよ」
“之所以想要没有名字的物品,是因为有名字的物品已经寄附有别的神明了。既没有名字,又经历过漫长岁月的来做附体物最合适了”
「なるほどね。人間の病気という物はそうやって治す物なのか……。ちなみに、さっき信仰を集めるのは一時的と言っていたが、病気が治ったら神様はどうなるんだい?」
“原来如此。人类的疾病是这样治疗的呀…… 还有,你刚才说收集信仰是暂时性的,那么疾病治好后神明会怎么样呢?”
「病気の恐怖が無くなって忘れ去られた神霊は、もう何の力も持たなくなってしまうわ。現に伴善男様だって一般的には神様という扱いは受けていないでしょ?神社を立てたりする事もないし。封印したこの破片だって……最終的には無縁塚に捨てられるわね」
“对疾病的恐怖消除后被忘却了的神明,便会失去任何力量。实际上伴善男大人从一般意义上来讲不也没有受到什么神明的待遇吗?又不会为其建神社什么的。用作封印的这个碎片……最终也会被丢到无缘塚吧”
「何だか、神様の使い捨てのみたいな話で酷いね」
“感觉好像神明被即用即弃似的有些悲惨呢”
「流行神って神はそう言う宿命なのよ。基本的には忘れ去られている方が人間にとって幸せな事。それにしても封印していた筈の伴善男様が、何で暇そうにしていたのかしら?」
“流行神这种神明就是这个宿命呀。基本上来说被忘却掉对人类来讲也是好事。说来,本来被封印起来的伴善男大人为什么会闲着呢?”
  あー、何だか楽になってきたぜ、と言って上半身を起こした魔理沙が話に割り込んできた。
  啊——感觉变轻松了呢,坐起来了的魔理沙插嘴道。
「寝ながら霊夢の話を聴いていたが、なんだ病は気からって事なのか?」
“刚刚边睡边听来着,怎么疾病是从心神而来的吗?”
「そんな話はしてないでしょ? 病は神からよ」
“谁说那种话了?疾病是从神明而来的呀”
  魔理沙は「何となく、思い当たる節があるんだ」と言って、自分の帽子に手をかけ、小さな古い小皿を取り出した。
  魔理沙说“感觉会想起相关的事呢”,便从自己的帽子里取出一个陈旧的小碟子。
「今日は、香霖にこの小皿を見て貰おうと思って来たんだが……実はこれを拾ってから何だか調子が悪くなってな」
“今天来,是想让香霖看看这个小碟子呢……老实说我捡了它以后身体状况就变差了”
「それはまた古いお皿だね。何か曰くがありそうな……」
“这还真是古老的碟子。看起来有点说道……”
「価値があるかと思って拾ったんだが、何だか突然調子が悪くなったんで、二重の意味でも見て貰おうと思ってな」
“以为会有价值而捡的,却突然不舒服起来,所以从双重意义上也希望帮忙看看”
「ふむ。これは特に名前は付いていないお皿だね。残念ながら大した付加価値は無さそうだが、物自体は古くて珍しい一品であることは間違いないな……」
“唔唔。这是个没有什么名字的碟子呢。很遗憾没有多大的附加价值,不过物品本身的确是既古老又鲜有的……”
  霊夢はその皿をよく見ていて、不思議そうな表情をしていた。
  灵梦仔细看着碟子,做着惊异的表情。
「うーん。そのお皿、何処かで見た事のあるお皿だけど……」
“嗯—— 这个碟子,感觉是在哪里见过的……”
「ちなみに、この皿には最初は汚い御札が貼られていたからはがして綺麗にしたんだ。それからだな、調子が悪くなったのは」
“还有,这碟子一开始贴有脏脏的神符,于是我就揭下来弄干净了。自那开始呢,身体就不舒服了”
  ーー屋根の雪が落ちる音がした。霊夢が魔理沙に説教を始めてからどの位経ったのだろうか。説教の内容ももう三巡はしている気がする。
  ——传来房顶的积雪坠下来的声音。自灵梦开始教训魔理沙过了有多久呢。感觉教训的内容已经反复三遍了。
「あのねぇ、御札とか貼ってあったらやたらはがしちゃ駄目なの! その小皿は無縁塚で拾ってきたんでしょ? そんなもの何が憑いてるかあんたには判らないでしょうに」
“……我说呀,要是贴有神符什么的是不可以揭下来的!那个小碟子是在无缘塚捡的吧?那种东西会附有什么你又不知道”
「流行神が封印されているとか素人が見ても判らないぜ。そんな滅多な物、ホイホイと捨てんなよ」
“附有流行神什么的外行看了哪里会知道。这种少有的东西别随便乱扔啊”
「流行神は信仰が失われるまで、人里から離れた所に捨てる必要があるのよ。それをわざわざ無縁塚まで出向いてあんたが封印を破ったから、伝染病が流行ったのよ? 判る? 何で伴善男様が暇そうにしているのか判ったわ。あんたが封印を破ったのね」
“直到信仰失去为止,流行神是必须被扔到远离村落的地方才行。结果因为特地跑到无缘塚的你破坏了封印,传染病才会流行的呐?你明不明白?我总算知道伴善男大人为什么会闲着了。就因为你破坏了封印”
「そんなに大きな声を出すなよ。病み上がり途中なんだから」
“你别出那么大声嘛。我可是在恢复的途中啊”
「ああもう。あんたが馬鹿な事をしたお陰で、里の家を一軒一軒訪ねて廻らないといけないじゃないの」
“啊啊真是的。都拜你做了个愚蠢的事,害得我要挨家挨户地拜访村里人呀”
  霊夢が伝染病を治す為に、一軒一軒家を訪ねて祟り神に対する信仰を集める姿は面白そうだが……僕はそんなんで本当に伝染病が治るのか懐疑的である。祟り神の封印が病気を治すのであれば、僕が余り病気にならない理由や、妖怪と人間の病の種類が違う理由が説明付かない気がする。
  灵梦为了治疗传染病,而挨家挨户地拜访并收集信仰的样子应该是很有趣……不过我怀疑这样做是否就真的能够治疗疾病。如果通过封印疫病神就可以治好疾病的话,那我很少染病的原因,以及妖怪和人类的疾病种类不同的理由就感觉没法说明了。
  迷いの竹林に現われた医者はそんな神頼みの治療ではなく、もっと高度な治療を施すと言う。見た事もない器具を使い、体の中を写真に写したり、時には駄目になった体の一部を正常な物と取り替えたりしてしまうらしい。
  据说出现在迷途竹林的医生不会用这种依赖于神明的治疗,而是用更加高明的手段来进行治疗。使用未曾见过的器具,照一些身体内部的照片,没有疼痛地切除患病部分,有时还会把已经坏掉的身体的一部分换成正常的东西什么的。
  それはそれで、この目で見た訳ではないので僕は懐疑的なのだが……本当だとすると、迷いの竹林に現われた医者は、幻想郷の医療の現状に嘆いて開業した、知識人、もしかしたら外の人間なのかもしれない。
  尽管如此,因为我没有真正见过所以也在怀疑……但如果是事实的话,出现在迷路的竹林的医生,可能是叹惋于幻想乡医疗技术的现状而开业的,知识分子,或是外面的人也有可能。

注释


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