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大空魔术/附带故事
< 大空魔术
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- 本页面内容为官方音乐CD大空魔术的附带文档(Booklet)的原文与翻译以及光盘的扫图。
光盘扫图
包含角色信息 | |
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作品序号 | ZCDS-0007 |
封面角色 | 玛艾露贝莉·赫恩,宇佐见莲子 |
外面
Physicist is Magician | 物理学家即是魔术师 |
永遠の浪漫、車椅子の宇宙 ――民間月面ツアーと物理学の共通の最大の問題点とは。 | 永远的浪漫,轮椅上的宇宙 ——民间月面旅行和物理学共通的最大的问题点是。 |
上海アリス幻樂団が奏でる、宇宙的で激しい音樂集第五弾 | 由上海爱丽丝幻乐团奏响,宇宙般激昂的音乐集第五弹 |
Booklet
内面与碟面
故事文本
故事内容
1.月面ツアーへようこそ | 1.欢迎来到月面旅行团 |
「人類の夢の一つ、月面旅行がついに一般人も可能に!」 「来月には日本の旅行会社各社からもツアー開始」 | 「人类的梦想之一,月面旅行对一般人也终于成为可能!」 「从下个月起日本各个旅行公司将开始展开旅行」 |
行き交う人の足取りも重い、地上の私鉄の駅前に号外が飛び交った。 | 来往的路人拖着沉重的脚步,地上的私营铁路站前无数号外飞扬着。 |
スポーツニュース以外では珍しい明るいニュースに、いつもならすぐ捨 てられてしまう号外も、今回ばかりは皆鞄の中に仕舞っている。号外の記 事の内容に興味があってと言う事もあるが、それ以上に記事の写真に惹か れた人も少なくないだろう。 | 除了体育新闻以外很少会有别的光鲜的新闻,从来都是随便扫几眼就被 扔掉的号外,这回却被大家收在了包里。除了是对号外报道的内容感兴趣 之外,也有不少人更是被报道中的照片所吸引了吧。 |
宇宙の写真は人の心を癒す。何故なら、宇宙の写真を見ると否応無しに 人間の小ささに気付かされるからだ。その時直面している苦難が、広大な 宇宙に比べると如何にちっぽけな物だと感じ、癒される。こんなに宇宙が 広いんだから、自分一人の努力なんて大して重要ではない。上司だって政 治家だって今は亡き独裁者だって小さな人間だ。自分は自分の納得のいく まで努力すればいい。宇宙の写真だけで直感的にそう感じるのだ。 | 宇宙的照片能够治愈人心。要说原因的话,那是因为看了宇宙的照片之后 都无可否认地会感受到人类的渺小。会感觉到此时所面对的苦难,比起眼前 广阔的宇宙来是多么微小的存在,从而被治愈。既然宇宙是如此之宽广,那 么自己一个人的努力就并没有那么重要了。上司啦政治家啦以及现在已经消 失的独裁者啦都一样是渺小的人类。自己只要努力到自己能够接受的程度就 好了。只是看到宇宙的照片就会在直观上有这样的感觉。 |
宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(メリー)の二人は、大学構内のカ フェテラスで興奮した様子で会話をしていた。 | 宇佐见莲子和玛艾露贝莉·赫恩(梅莉)二人,正坐在大学校园内的 露天咖啡座中兴奋地交谈着。 |
2.天空のグリニッジ | 2.天空的格林尼治 |
「『なお、今回もまた有人火星探査は見送られた』だってさ」 | 「这里写『另外,此次火星有人探测再次推延了』诶」 |
「ふーん。ま、火星探査なんてどうでも良いわ。 メリー、まずは号外の記事の『月旅行』の話よ」 | 「是吗。嘛,火星探测什么的怎样都好啦。 梅莉,首要的是号外报道的『月球旅行』的内容」 |
「うん、月と星を見るだけで時間と場所が判る蓮子の目に、 月面がどう映るのか知りたいしね」 | 「嗯,我也很想知道只看月亮和星星就能够判断时间和方位的莲子眼中, 看到的月面是什么样子的呢」 |
「そりゃ『ここは月面です』って判るんじゃないかな」 | 「不就是马上明白过来『这里是月面』嘛」 |
「時間はどうなのよ?」 | 「那时间呢?」 |
「私の目は そもそも、月面でも地球と同じ時間を使うのって変よね」 | 「我的眼睛可以看到的只有 况且,在月面也和地球使用同样的时间这很奇怪吧」 |
「ちょっとちょっと、能力外って……ただの引き算じゃないの?」 | 「等一下等一下,你说能力范围外……不就是个减法运算吗?」 |
宇宙では今のところ協定世界時(UTC)を使っているが、この協定世界時は グリニッジ標準時(GMT)と基本的に同じ物である。 グリニッジ天文台が建てられたのは17世紀である。宇宙を観る為の時間が、 宇宙でも用いられると考えると、些か滑稽である。 | 现在的宇宙里正在使用的是协调世界时(UTC),这个协调世界时 和格林尼治标准时(GMT)基本是相同的东西。 格林尼治天文台建成于17世纪。一想到用于观测宇宙的时间, 却也被用在了宇宙当中,就会觉得有些滑稽。 |
3.東の国の眠らない夜 | 3.东之国的不眠夜 |
「で、いつ行くの? 月面旅行」 | 「那,什么时候动身? 月面旅行」 |
「メリーは気が早いわね。 まぁきっと混むだろうし、早い内に予約だけは済ましておきたいわね」 | 「梅莉还真心急啊。 不过到时候肯定人多,确实我想尽快先预约一下也好呢」 |
「夏休みとかは滅茶苦茶混みそうだし、暑そうだから少しずらして 秋にしない?」 | 「放暑假那会人肯定多到不行,而且又那么热所以我们稍微推迟一点 到秋天的时候如何?」 |
「月や宇宙が暑いって事は無いと思うけど、同感ね。 秋の方が良いわ。日本的で。 どうせなら今年の中秋の名月に行きましょうよ」 | 「虽然觉得在月球和宇宙中是感觉不到热的,不过我也有同感。 秋天比较好呢。有日本风味。 既然这样就选在今年中秋月圆的时候去吧」 |
「お団子持ってね。 そうしましょう、そうしましょう」 | 「也带一些团子去。 就这么办,就这么办」 |
あらゆる情報が手に入る今でも、宇宙だけは永遠のロマンであった。 そのロマンの一つにして、最も魅力的な月に降り立つ事が出来れば、 誰だって行ってみたいと思うだろう。 | 即便是能够获得任何信息的现在,唯独宇宙还保持着永远的浪漫。 作为其中浪漫之一,我想如果能够登上那最具魅力的月球的话, 不管是谁都会想试着去的吧。 |
だがこの時、二人はまだツアーに掛かる費用を知らなかったのだ。 | 只是这个时候,二人还不知道进行这样一趟旅行所需的费用。 |
4.車椅子の未来宇宙 | 4.轮椅上的未来宇宙 |
「でも、未だに有人火星探査は上手く行かないのよねぇ。 ホーキングの頭の中にあった宇宙が、この目で確かめられる日なんて 本当に来るのかしら?」 | 「不过,有人火星探测现在还是很不顺利呢。 霍金脑子里呈现出的宇宙,我们得以亲眼见证的那一天 真的会到来吗?」 |
「結局、ホーキングを超える物理学者が出てこないのも問題よね」 | 「到头来,还没有能够超越霍金的物理学家也是个问题呢」 |
「あら、蓮子が頑張れば良いんじゃない? 稀有な能力の持ち主なんだから」 | 「哎呀,莲子你努力一下不就好了? 你这个拥有着稀有能力的家伙」 |
「私は専門が違うわよ。ま、プランク並みに頭が良いかも知れないけどね。 それにね、ホーキングの言っていたブラックホールの蒸発とかが実際に 観測される事も無いと思う。 さらに言うと、もう人類が火星に行く事すらないと思うよ」 | 「我专业的领域并不是那边啊。不过说来,说不定我的头脑跟普朗克一样好呢。 而且呢,霍金所说的黑洞蒸发之类的我觉得实际上也是无法 被观测到的。 更进一步讲,我认为人类连登上火星都是不可能的」 |
「あら、悲観的ね。でも蓮子が言うと信憑性があるわ」 | 「哎呀,真悲观啊。不过莲子这么说那就是有可信度的呢」 |
「観測する為に必要なエネルギーが膨大に成り過ぎたのよ。 理論上はともかく、事実上、観測物理学は終焉を迎えているわ。 ついでに言うと、月面ツアーは高額過ぎるわね」 | 「为了观测所需要的能量已经过于庞大了哦。 理论上且不说,事实上,观测物理学正在迎向它的终结啊。 顺便一说,月面旅行也贵得不得了呢」 |
物理学は事実上終焉を迎えている。既に物理学は、解釈と哲学の時代に 突入していた。 | 物理学事实上正在迎向终结。现在的物理学,已经进入到了解释和哲学 的时代。 |
5.Demystify Feast | 5.Demystify Feast |
「うん。ここのカフェは構内でも割とオシャレで美味しいわね。 で、蓮子、なんで物理学は終焉を迎えているの?」 | 「嗯。这家咖啡馆在校内也算装修比较气派的,味道也不错呢。 那么,莲子,为什么说物理学正在迎向终结呢?」 |
「うん。一言で言うと観測するコストが大きすぎるからよ」 | 「嗯。一言以蔽之就是因为观测的成本实在是太大了」 |
「私達が月面ツアーに行けない理由と一緒ね」 | 「就跟我们去不了月面旅行是一个道理呢」 |
「小さい物体を分離させるのに掛かるエネルギーは、小さければ小さい ほど大きいの。分子より原子、原子より核子、核子よりクオーク……。 こうしてどんどんと小さくしていくと、無尽蔵にエネルギーが必要に なっていくでしょ? すると究極まで行き着くと、宇宙最大のエネル ギーを使っても分離できない小さい物体に当たってしまう。この物体 がこの世界の最小構成物質だって言えるじゃない。 もう物理学はとっくに最小の世界まで辿り着いて、次を目指している の。ここから先は観測できないから、殆ど哲学の世界ね」 | 「为了分离小的物体所花费的能量,随着物体的缩小逐渐增大。 从分子到原子,从原子到核子,从核子再到夸克……。照这样 不断地小下去的话,总有一天需要花费的能量会变成无穷无尽 不是吗? 如此走到究极之处,就将会到达就算使用宇宙最强 的能量也无法分离的极小物体。这个物体也不能说就是构成这 个世界的最小物质。 物理学已经到达了最小的世界,开始向新的方向前进了。接下 来因为无法观测,基本上就属于哲学的世界了呢」 |
「あ、新作のケーキ、美味しそう! このケーキの最小単位は合成卵と合成苺ね」 | 「啊,新产品蛋糕,很好吃的样子! 这个蛋糕的最小单位是合成鸡蛋和合成草莓呢」 |
エネルギーの限界量は1019GeVと言われている。このエネルギー量を 超えると時空に存在し得なくなるからである。ちなみにこの1019GeVは プランクエネルギーと呼ばれ、原子力の持つエネルギーの約1021倍である。 | 据说能量的极限量是1019GeV。因为一旦超过这个能量就无法在时空 中存在。顺便一提这个1019GeV被称为普朗克能量,是原子力所拥有的 能量的大约1021倍。 |
6.衛星カフェテラス | 6.卫星露天咖啡座 |
「もう、蓮子に物理の話なんて振るんじゃなかったわよ。 一人で話し続けるんだから」 | 「真是的,就不应该跟莲子你提什么物理的话题的。 完全就是你一个人在说嘛」 |
「ごめんごめん。私の専門だからね。 でもこのケーキ美味しいね」 | 「抱歉抱歉。因为这是我的专业啦。 不过蛋糕真的很好吃呢」 |
「月面ツアー行きたかったなぁ……。 流石にこのツアー、値段が高過ぎよ」 | 「好想去月面旅行啊……。 不过这个旅行,确实费用也太高了啊」 |
「そう言えば、宇宙旅行客用に人工衛星にカフェが出来たらしいわよ? 何でも無重力で淹れた珈琲は格別だとか」 | 「说起来,好像宇宙旅客用的人造卫星里有建咖啡馆哦? 听说无重力状态下冲调出来的咖啡别有风味什么的」 |
「でもどうせ室内のカフェでしょ? 私はオープンなカフェテラスが好きなのよ」 | 「但那反正都是室内咖啡馆对吧? 我还是喜欢开放的露天咖啡座」 |
珈琲を一瞬だけ真空状態に晒すと、気圧の低さにより一瞬沸騰するが、 気化熱を奪われた水は沸騰した瞬間に凍り付く。 この沸騰しながら凍った珈琲を入れた、サテライトアイスコーヒーが 目玉メニューである。 | |
7.G Free | 7.G Free |
「そう言えば、珈琲の抽出って重力に頼ってるじゃない。 重力がなかったらドリップ出来ないでしょ? 無重力でどうやって珈琲を入れるの?」 | 「说起来,咖啡的提取不是要靠重力的吗。 没有重力的环境下是没法滴滤的吧? 在无重力条件下要怎么冲调咖啡呢?」 |
「そこで今はほぼ死滅したサイフォン式が浮上してきたのよ。 サイフォン式は蒸気圧でお湯が行き来するからね」 | 「如今基本已经灭绝的塞风式在这里就要出场了哦。 毕竟塞风式靠的是蒸汽压来进行水位升降嘛」 |
「サイフォンかー。 そう言えばもうカフェのインテリアでしか見た事がなかったけど、 一応アレも珈琲の抽出道具だったよね。 でも、ドリップより味が落ちるって聞いたけど……」 | 「塞风啊—。 说起来虽然现在已经只能在咖啡馆的展示台上看到了, 不过那个也算是咖啡提取用的道具呢。 只是,我听说那个比起滴滤来味道要差一些……」 |
「無重力用に改良されたサイフォンだと、対流が起こらないから 濃厚な珈琲が作れるんだってさ」 | 「据说用于无重力环境下的改良塞风啊,因为不会产生对流所以 一样能制作浓厚的咖啡啦」 |
「ふーん。そんなの飲まなくても宇宙は目が覚めそうだけどね。 興奮して」 | 「唔——。不过就算不喝那个宇宙也让人毫无睡意呢。 兴奋得」 |
重力から解き放たれた人間は、新しい文化を築き上げつつある。だが、 それと同時に、様々な道具が重力に頼って動いていたと気付かされる。 早い段階から存在は実証されていて、物理学者の頭を最後まで悩ませ つづけた重力が他の力と完全に統一されたのは、つい最近の事だった。 | 从重力中解放的人类,正不断构建着新的文化。但是,与此同时, 也发现以前的很多道具都是依赖着重力才能工作的。 从早期阶段起其存在就被证明,一直到最后都烦恼着物理学家头脑 的重力被完全和其他的力统一到一起,是直到最近才发生的事情。 |
8.大空魔術 | 8.大空魔术 |
「はぁ、宇宙には魅力があるわねぇ……」 | 「哈啊,宇宙还真是充满魅力啊……」 |
「どうしたの? 溜息なんて吐いちゃって。 地上にはもう魅力が無いとでも言うの?」 | 「怎么了? 发出那种叹息。 你的意思是地上已经毫无魅力了吗?」 |
「16時31分、宵の明星が見えたわ。 地上にはもう不思議が殆ど無いからね」 | 「16时31分,看到长庚星了啊。 因为地上几乎已经没有不可思议的事情了啊」 |
「蓮子ぐらいこの世界の仕掛けが全て見えていると、 もう心に虚無主義が顔を出し始めてくるのね」 | 「如果像莲子这样能够看到这个世界的全部构造, 那么心里的虚无主义也就会开始露头了啊」 |
「だからこそ、メリーの眼が羨ましいのよ。 不思議な世界がいっぱい見えて。 ついでに言うと月面の結界の切れ目も見て貰いたかったわ」 | 「正因为如此,我才羡慕梅莉的眼睛啊。 可以看到无数不可思议的世界。 顺便我还想请你帮我看看月面结界的裂缝呢」 |
「ツアーが安かったらね」 | 「等旅行便宜了之后吧」 |
結界は地上の産物ではなく、ただの境界だから当然月面にも存在する。 月面の結界は、煌びやかな月の都と、荒涼とした無生物の星を分けた結 界である。この結界が存在している限り、月面に行ったとしても月の兎が 搗いている餅も薬も手に入らないだろう。せいぜい、月の石位である。 | 结界并不是地上的产物,那不过是种境界所以月面上也理所当然地存在。 月面的结界,是将辉煌的月之都,和荒凉的无生物星球分开的结界。只要 这个结界还存在,就算是去月面也得不到月兔捣的年糕和药吧。只有,月球 的石头而已。 |
「月にも忘れられた世界が隠されているはずよ。 高度な文明を持ち、高貴な人が住む月の都。 兎が不老不死の薬を搗き、太陽に棲む三本足の鳥を眺めながら、 月面ツアーで騒ぐ人間を憂えているのよ。 その世界を見られるのはメリー、貴方しか居ないわ」 | 「月球上应该也隐藏着被忘却的世界哦。 拥有高度的文明,高贵的人所居住的月之都。 兔子捣着不老不死之药,一边望着太阳上居住的三足鸟, 一边因为月面旅行带来嘈杂的人类感到忧郁。 能够看到那个世界的人,只有梅莉你啊」 |
「確かにね。 人間が集まって開拓進みきる前に行ってみたいわ」 | 「确实呢。 真想在人类集结在那里进行开拓之前去看看啊」 |
「そうと決まれば、準備しないとね」 | 「既然这么决定了,就得赶快准备呢」 |
「月の都を見たければ、まず月の都についてもっと勉強すれば いいのかなぁ。 大昔から忘れ去られている太古の月を。 物語の中の煌びやかな月の都を。 狂気の象徴である月を。 そう、知識が境界の切れ目を明確にするからね」 | 「想看到月之都的话,首先再学习一下关于月之都的 事情会比较好吧。 学习一下在过去就已被忘却的太古之月。 学习一下故事当中辉煌的月之都。 学习一下象征着狂气的月亮。 对啊,知识能够让境界的裂缝变得更明确呢」 |
「いやどちらかというと、まずはバイトから始めないと。 ツアー代を稼ぐ為に」 | 「不是啦不管怎么说,首先得从打工开始啦。 为了攒旅行费用」 |
9.ネクロファンタジア | 9.Necro-Fantasia |
日も暮れて夕食の時間も近いというのに、新作のケーキを平らげた二人 はようやくカフェテリアを後にした。 この大学では、構内の店なら全て学生カードで清算が出来る。毎月纏め て学費として払うのである。 お金を管理するコストが減り、レジも混雑せず、さらに学生も手軽に買 い物が出来て(親が学費を払うから)売り上げも伸びている。そのお陰で、 予想以上に出費が嵩む事も少なくないが。 | 虽然傍晚来临快要到吃晚饭的时间了,吃完了新产品蛋糕的二人终于还是 暂且没去学生食堂。 在这个大学里,内部的商店可以全部使用学生卡来结帐。每月一结算在学费 里进行支付。 这样可以减少管理金钱的成本,收银台也不会拥挤,更重要的是学生可以轻 松地进行购物(因为学费是父母交的)所以商品就更好卖一些。不过拜此所赐, 也经常出现支出比预想中的高很多的情况。 |
「月には不老不死の薬があるらしいのよ」 | 「月球上好像有不老不死的药哦」 |
「不老不死ねぇ。 物理の終焉を迎えて虚無に支配されている蓮子には不要でしょ?」 | 「不老不死啊。 对于因迎向物理的终结而被虚无所支配的莲子来说根本不需要吧?」 |
「誰が虚無主義よ。 私は生きる力でいっぱいよ。 今は宇宙の事で興奮して夜もグッスリなんだから」 | 「谁是虚无主义啊。 我可是充满了生的力量哦。 现在会因为宇宙的事情而兴奋得夜里也会睡得很香的啦」 |
「じゃ、不老不死の薬が手に入ったら、蓮子は使うの?」 | 「那,假如得到了不老不死之药,莲子会用吗?」 |
世界は急速に発展して、何処の国もある程度豊かになったが、人類は次 のステージへと進んでいた。紀元前の頃から右肩上がりで増え続けた人口 が緩やかに減少に転化したのだ。 資本主義は、ノアの方舟の如く経済による格差社会を増進させた。それ により何処の国も軒並み出生率が低下したが、これは全て資本主義の最終 ステップである『人口調整』段階に入っただけである。 いち早く少子化が進み人口が減少に転じた日本は、人口減少によるデメ リットを上手く回避し、選ばれた人間による勤勉で精神的に豊かな国民性 を取り戻す事に成功した。 | 世界正急速地发展着,不管任何国家都在一定程度上富裕了起来,而这时 的人类正迈向一个新的舞台。从纪元前的时候开始一直不断增加的人口已经 转化为开始缓慢地减少。 资本主义,仿佛诺亚方舟一般以经济为基准增进着差别社会的产生。各国 的出生率也都因此而低下,但这一切都不过是资本主义进入到了其最后的 『人口调整』阶段而已。 早一步开始少子化从而导致人口减少的日本,很好地回避了人口减少所带 来的缺点,依靠经挑选过的人类的勤勉成功恢复了精神层面上丰富的国民性。 |
「不老不死の薬? 勿論、使うわよ。 物語なんかでは不老不死は辛い物だとされているのは何故だか判る? アレはみんな欲深さへの戒めと権力者への反抗を謳っているだけよ。 でもそれが反対に、不老不死の薬の実存性の裏付けの証拠になってい るわ。 不老不死は、死が無くなるんじゃなくて、生と死の境界が無くなって 生きても死んでも居ない状態になるだけよ。 まさに | 「不老不死之药? 当然,会用啊。 知道为什么在故事里不老不死会被形容成是很痛苦的事情吗? 那全部都只是为了警告那些充满欲望的人和讴歌对当权者的反抗而已啊。 但相反地,那些故事的背后恰好就证明了不老不死之药存在的可能性。 所谓的不老不死,并不是没有了死亡的概念,只是没有了生与死的境界 成为了不论生死都不存在的状态而已哦。 正是那 |
10.向こう側の月 | 10.另一侧的月 |
二人は大学の設備である噴水のある池の辺に腰掛けた。 | 二人在大学里的某个喷水池旁找了个地方坐了下来。 |
既に月が顔を出しており、湖にはクレーターの無い平らな月が浮かんでいる。 | 月亮已经探出了头,湖面上浮起了光滑得看不到陨石坑的月亮。 |
魔術師メリーには見えていた。 兎が薬を搗き 煌びやかな衣装を身に纏い 優雅に空を舞う天女 | 魔术师梅莉她看见了。 兔子在捣药 身着华美的服装 优雅地在天空中起舞的天女 |
水に映った月には結界の向こう側の姿が見えていた。 その月を見てメリーに名案が浮かんだ。 | 从倒映在水中的月亮上可以看到结界另一侧的样子。 看着这个月亮的梅莉想到了一个妙招。 |
「ねえ蓮子。 月面ツアーが高くて無理ならば、 何か別の方法で月に行けないか考えてみない?」 | 「我说莲子啊。 如果月面旅行太贵实在不行的话, 我们要不要试着想点别的办法去月球呢?」 |
注释
- ↑ Satellite Ice Coffee