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东方香霖堂/第10话/中日对照

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< 第9话   东方香霖堂   第11话 >

季節は秋の彼岸。「香霖堂」の主人·森近霖之助は、彼岸花の咲き誇る無縁塚へと赴いていた。墓参りと称しているものの、目的は境界を越えてきた「お宝」探し。そんな珍品の類に混じっていた奇妙な骨に、さすがの霖之助も困惑を隠せない様子でーー。
现在正值秋分时节1,“香霖堂”的主人——森近霖之助来到了彼岸花盛开的无缘塚这一带。他以扫墓、祭拜为名义,其实目的是来寻找从结界外面进来的“宝物”。而在那些珍奇的物品当中,他找到了一根奇妙的骨头,这令他也掩饰不住自己困惑的神情——
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無縁塚の彼岸花
无缘塚的彼岸花
  真っ赤な彼岸花の毒が、行く手を阻んだ。異形な彼岸花に守られたこの地は、この世のものとは思えないほど美しく、儚い。まさにここは、結界の外と内、そし てもう一つの異界の入り混じった「ありえない結界の交点」のように思えた。そのような不思議な場所ゆえ、見たこともないような道具も落ちている。
  开放着鲜红色花朵的彼岸花的毒素阻挡着人们再向前进的道路。被这些异常的彼岸花所保护着的这片地方美丽而缥缈,以至会让人觉得这里是人间的仙境。我想,正是这样一种处于结界的内与外、同时另一个异世界也会和这边的世界有所交融的地方,才真正称得上是“不可思议的结界的交点”。正是因为这个地方的不可思议之处,才会有连见都没有见过的道具遗留在这附近。
「ここはまさに、宝の山だ。」
“这里正可谓是,宝藏堆啊。”
  秋の彼岸の時期になると、僕は決まって墓参りに出かける。といっても、僕が行く場所は、普通の墓地ではない。幻想郷に縁者のいない人間、身元不明の仏といった者たちが眠る場所。そう、無縁塚に行くのである。
  一到秋分时节,我就肯定会出门去扫墓和祭拜,而且,我所要去的地方可不是什么普通的墓地,那是在幻想乡里无人祭拜的人类,或是身份不明的死者们所沉睡的地方。不错,我要去的地方便是无缘塚。
  なぜ、人間の数が少ないはずの幻想郷に、このような無縁塚があるのかというと、そこには現在の妖怪と人間のバランスが影響している。妖怪を完全に退治する人間もいなくなったし、妖怪も幻想郷の人間を襲うことはほとんどなくなった。人間の数も妖怪の数もこれ以上増えては困るし、減ってもまた、困るのである。
  说起为什么在本来人类数目就很稀少的幻想乡里会有那样的一片无缘塚,那是因为现在妖怪和人类数目的均衡度在起着影响。现在既没有了能完全降伏妖怪的人类,妖怪也基本上不会来袭击幻想乡里的人类了。人类的数目也好妖怪的数目也罢,现在正是多不得也少不得的状况。
  死体を放置してしまうと、大抵は妖怪の餌となってしまう。死体を喰らう妖怪が出歩くことは衛生上良くない。疫病が流行る。人間にとっては良くないことだ。また、人間が死後、妖怪になることもある。人間の数が減り、妖怪の数が増えてしまうことも、今の均衡の取れたバランスを崩してしまう。
  如果放着死尸不管的话,它们大都会成为妖怪的食物。让吃死尸的妖怪随便走动的话在卫生方面可不好,会流行疫病的,这对人类可不是好事。而且,人类死后也有可能变成妖怪,如果人类的数目减少,妖怪的数目增多的话,那也是会破坏目前的均衡度的。
  そのため、最近の幻想郷では、たとえ身元不明の遺体でも放置しておかないようになった。そういった遺体は、ここで纏めて火葬される。おかげで、幻想郷では死んだ人間は肉体を失い、亡霊になると言われるのだ。
  因此,最近在幻想乡看不到放着不明身份的遗体不管的现象了,那样的遗体,就集中到这片墓地上被火葬。也正因此,据说在幻想乡,失去了肉体的死人就会变成亡灵了。
  無縁仏も纏めて火葬し、遺骨もそのままここ無縁塚に埋葬される。僕がなぜここにいるのかというと、もちろん、無縁仏を弔うためである。決して、外から来た無縁仏と一緒に落ちている「世にも珍しい」外の道具を拾うためため、ではない。
  没人祭拜的死者也会集中起来火葬,遗骨也就在烧完后被埋葬在这片无缘塚下。问我为什么会在这里?当然,我是为了祭拜无人祭拜的死者们而来的,可决不是为了来捡拾什么和这些外面来的死者们一起流入进来的“世间珍品”的。
  そう、幻想郷に縁者のいない無縁仏のほとんどは、外の人間である。ここは冥界との壁が薄くなっている場所であり、その影響もあってか、外の世界とも近い場所でもある。人も、霊も、また奇妙な道具もよく落ちている。
  不错,幻想乡里这些没有亲人祭拜的死者大都是外面的人类。这个地方和冥界之间的结界很薄弱,也许是受此影响,这里和外面世界相隔得也很近。不管是人类还是灵,或是一些奇妙的道具总会有很多流入进来。
「彼岸花の紅い毒のおかげで、ここは荒らされることがない。ここはまさに、宝の山だ。」
“因为彼岸花红色的毒素,这里从没有被破坏过。这片地方真可谓是宝藏堆啊。”
  最初から底のない柄杓、人魂で明かりを灯す人魂灯、面白いものばかりである。これらは外の品だろうか、それとも冥界の品なのだろうか? 何度もいうが、僕は珍しい品を拾いに来た訳ではない、無縁仏を弔うためにここに来ている。今、必死に拾っている外の品は、無縁仏を弔った報酬分だから僕は堂々と拾っているだけだ。
  从根本就没有底儿的水瓢,到用人的灵魂点亮的人魂灯,净是些有意思的东西,这些东西究竟是外面的物品呢,还是冥界的物品呢?我再强调一下,我不是来这儿捡拾珍奇物品的,而是来祭拜无缘塚的。现在我所拼命捡拾着的外面的物品,那算是我来祭拜的报酬,所以我捡点儿它们也是名正言顺的。
  しかし、そんな浮かれた気分も不可解な異変によって打ち砕かれてしまった。
  不过,我那兴高采烈的心情却被一个难以理解的异变所打破了。
  火葬後の骨の数を数えていた時の出来事だった。なんと、火葬前の仏の数と骨の数が合わないのだ。それも、仏が一人多いとかではない。体の一部だけなぜか余ってしまうのだ。どうせ最初から骨を受け取る縁者もいない仏だから、多少増えたところで困ることはないが……。
  那是我在数火葬后的遗骨数目时发生的事儿,我发现火葬前的尸骸数竟然和尸骨数目不相符。那也不是说整多出一个人的尸骨来,而是不知怎的只有身体的一部分多了出来。虽说反正从一开始就没有亲属会来认领这些骸骨,多出来一点倒也没什么的,可……
「ーー無縁仏ってそんなにあったけ? 霖之助さん。」
“——没人祭拜的死者有那么多吗?霖之助。”
  僕は不可解な謎を解決できぬまま、自分の店「香霖堂」に帰って来た。だが、主人の僕が留守の間に、いつも勝手な巫女と、大体勝手な魔法使いが、勝手に店でくつろいでいた。大体いつものことだ。
  没能解开迷题的我回到了自己的店“香霖堂”里。可在我这个主人不在的时候,一向随便的巫女,还有大多时候都很随便的魔法使却在我店里很随便地舒舒服服地呆着。这也差不多是家常便饭了。
「ああ、無縁仏はほとんど外の人間だよ。霊夢にもわかっている通り、幻想郷に無縁の人間なんて少ない。でも、逃げた妖怪の食料や、道に迷ったりした外の人間がいるから、無縁塚の仏はなくならないんだよ。」
“啊啊,那些没人祭拜的死者差不多都是外面的人类呀。灵梦你也知道,在幻想乡里,没人祭拜的人类是很少的。不过,也有很多外面的人类本该成为妖怪的食物却逃掉了或是迷路了,所以无缘塚里的死者才会那么多啊。”
「で、その手に持っているガラクタは何だ? 相変わらず、訳のわからないもん一杯持ってるな。」
“我说,你那手里抱着的一堆破烂儿是什么啊?你还真是一点儿都没变,还会去拿那么多不知所谓的东西呀。”
  魔理沙はそう言った。どちらかというと、僕が拾ってきたものの方に興味があるようだった。
  魔理沙说道。看来她对我捡回来的东西更有兴趣。
「これ? その無縁塚に落ちていたものだよ。魔理沙。」
“这些?这些是掉落在那个无缘塚边的东西呀,魔理沙。”
「墓泥棒だな。」
“那你就是盗墓贼啦。”
「墓泥棒ね。嫌だわ。」
“是盗墓贼呢,真不招人喜欢。”
「墓泥棒? これはお供え物じゃないよ。大体な、いったい幻想郷の誰が、無縁塚にお供えに行ったりするんだい? これらの道具はむしろ、勝手に流れ着いたり、不届き者が捨てていったものだ。」
“盗墓贼?这些可不是供品呀。你们想想,在幻想乡里究竟会有谁会到无缘塚那儿去上供啊?这些道具不如说是它们自己遗留进来的或是被那些没规矩的人扔下的东西才对啊。”
「何だ、ゴミだな。そんなもの誰も買わないぜ。」
“什么嘛,那就是垃圾嘛。那种东西可不会有人买哟。”
「売らないよ。すぐには。」
“我才不会立刻就卖啊。”
  ゴミが道具になるには、それなりの時間がかかる。生命の輪廻と同じなのだ。
  要让垃圾变成道具,得经历相当长的一段时间,这就和生命的轮回是一个道理。
  話が途切れたところで、僕はさっきから抱えていた不可解な余った骨に繋がるように、話題を変えた。
  正好话题断了,我为了说起刚才拿来的那根不可理解的骨头,又把话题接上。
「ところで霊夢。最近、幻想郷で何か大きな異変でもなかったか?」
“说起来啊灵梦,最近,幻想乡里有什么大的异变没有?”
「そうねぇ。大きい異変はあったにはあったけど、大したことはなかったわ。」
“是啊,大的异变有倒是有,不过也不是什么大不了的啊。”
「相変わらず、大きいのかそうでもないのか、わからないな。まあいい、ちょっと不可解なことが起きたんだけど……。」
“我还是听不出到底是不是有什么大不了的啊。算啦,不过我倒是刚发现了件不可理解的事情啊……”
  僕は気になっていた骨のことについて、二人にそれとなく聞いてみた。
  我就那根很让我介意的骨头,有一搭无一搭地问起她们俩来。
「あー何だ? 寿司が喰いたいってことか?」
“啊—什吗?你是想吃寿司了吗?”
  魔理沙が訳のわからないことを言ったが、放って置くとした。
  魔理沙冒出一句意义不明的话来,我没管她。
「それって本当? 骨が余るなんて……。」
“你说的是真的?骨头竟然多出来了……”
「ああ、ほらここにその一本がある。」
“啊啊,你们看,这就是那其中一根。”
「げげ、持ってくるなよそんなもん。」
“呃呃,那种东西你就别往回拿了啦。”
「右腕の骨……、かな? 春の彼岸の時には、右足が余ったこともあったんだけど……。」
“右胳膊的骨头……是吧?春分时节的时候也有过多出来右腿骨的事……”
「まさか、右半身分ばらばらに集めるつもりなの?」
“难道说,你是打算想把这个人的右半身一点点儿集齐不成?”
  と霊夢が言った。
  灵梦说道。
「まさかね。ただそれをいうなら、全身一人分じゃないのか? なんで右半身だけに限定する必要があるんだい?」
“我才不想呢。不过这么说的话,就不能是一个全身吗?为什么就非得限定是右半身呢?”
「いずれにしても、思い当たる節は全くないわ。だいたい、その仏さんはほとんどど外の人間なんでしょ? 変なことが起きているとしたら外の世界で起きてるんじゃないの?」
“反正我是摸不到头脑了。那些死者,不大都是外面世界的人类么?如果这是件怪事儿的话也是外面世界发生的怪事儿吧?”
「巫女が死体を仏って言うのも面白いぜ。」
“不过巫女把尸首称作死者2也挺有意思耶。”
  魔理沙が茶化した。
  魔理沙打岔道。
「そうかもしれないが、バラバラになって少しずつ幻想郷にやってくる仏なんて……。外の世界で、何か悪いこと企んでいる人がいなければいいけど。」
“也许吧,不过人死了竟然还一块儿一块儿地往幻想乡里进……要是外面的世界里没有人阴谋干着什么坏事儿就好了。”
「その骨はね。きっと人間じゃないわよ。」
“我看那根骨头,肯定不是人类的哟。”
  霊夢がまた不思議なことを言い始めた。
  灵梦又开始说起不可思议的话来。
「どう見ても人間の骨じゃないか。いったい、霊夢はこれを何の骨だというんだい。」
“这怎么看不都是人类的骨头吗?那灵梦你说这到底是什么的骨头?”
「だって……、その骨からは、生きていた頃の霊魂がまったく見当たらないもの。」
“因为……从那骨头里根本看不到它活着时候的灵魂啊。”
「へぇ。霊夢にそんなもの見えるなんて聞いたことないぜ。」
“哦?灵梦还能看到那种东西啊?我还真没听说过耶。”
  と魔理沙が驚いた振りを見せた。
  魔理沙露出一脸吃惊的表情。
「あら、私は巫女よ?」
“那是,我可是巫女哟。”
  ーー次の日、僕はまた無縁塚に来ていた。もちろん、無縁仏を弔うためである。
  ——次日,我又来到了无缘塚的所在地。当然,我是来祭拜无名死者的。
  結局、昨日は、余った骨の不可解さが解けることもなく、逆に不可解さを増したままその話題は終了した。僕は理解できないことは気にしないという、重要な特技を活かして忘れることにした……、したかったんだけど……。
  结果,昨天那根多出来的骨头我还没明白是怎么回事,话题结束的时候反倒更增添了我的疑惑。不过我施展了自己那“不能理解的事情就不去管它”的特技就把它给忘了……虽然我是想这么干来的……
「ふーん。大体予想通りだが、意表を突かれたな。」
“嗯—,果然大致如我所想,真出乎人的意料啊。”
  おっと、僕にも霊夢の口癖がうつってしまったようだ。
  哎呀,灵梦的口头禅似乎也传染给我了。
  何が予想通りかというと、今日も余計な骨が落ちていたのだ。そして意表を突かれたというのは、その骨はまた昨日と同じ、「右腕」だったのだ。いや周りをよく見ていると、他にも「右腕」の骨が落ちているように見える。
  正如我所想的,今天也有多出来的骨头遗留在那里,而出乎人的意料的是,那根骨头还和昨天的一样,是“右胳膊”的。而且往四周仔细看看,似乎别处也有“右胳膊”的骨头遗留在那里。
「今日は右腕の彼岸だな。」
“今天算是右胳膊的彼岸日了啊。”
  おかしい。この骨が外の人間のものだとすると、外の世界には右腕だけ縁を切った人間が大勢いることになる。いや、人間にそんなことができるはずがない。たとえ事故で腕を失っても、体と腕の繋がりは断つことはできないのだ。体から離れても、腕は元の体を呼び、腕のない体は、腕があるものだと思い込む。人間というのは、肉体の状態に拘わらず全身に魂が宿るからである。
  奇怪了。若说这骨头是属于外面的人类的,那外面世界就会有很多人类失去了右臂。不,人类是不可能做到像这样的,就算是因为事故失去了胳膊,身体和胳膊之间的紧密联系是不会断开的。就算脱离了身体,胳膊也会呼唤原来的身体,而失去胳膊的身体也仍会强烈地认为自己还拥有那条胳膊。人类这种生物,全身各处都是有魂寄宿于其中的,这和肉体的状态无关。
  ここで、幻想郷を囲む結界が影響するものは何かを考え直すことにした。結界が影響を及ぼすもの、それは人の「思い」である。物質の壁が「肉体を通さない壁」だとしたら、結界は「人の思いを通さない壁」だ。結界を越えるということ、いわゆる神隠しは、特殊な精神状態か意識が朦朧としている時に起こり、必ず全身ごと飛び越える。腕だけが結界を飛び越えるということは、腕と体が別の思いを持っていることになってしまうのだ。腕と体が別の意思で動く人間? そんな人間がいるとは思えないし、ましてや大勢いるとは思えない。やはり、霊夢の言う通り人間の腕ではないのだろうか。
  在此,我又重新考虑了一下这圈住了幻想乡的结界所影响到的东西究竟是什么。被结界所影响到的东西,那便是人的“思想”。如果物质性的障壁是“肉体所不能通过的障壁”的话,那么结界就是“人的思想所不能通过的障壁”了。若说一个人越过了结界,即所谓神隐3,那只会在人处于一种特殊的精神状态下,或是意识朦胧的时候才会发生,而且必定是会全身整体越过结界的。若说只有一条胳膊越过了结界,那就是说这条胳膊和它的身体有着不同的思想。胳膊和身体分别靠不同的意识活动的人类?我既想象不出会有那样的人类,更想象不出会有大批那样的人类。难道果真如灵梦所说,这不是人类的胳膊么?
  ……それにしても綺麗な骨だ。まったく生活の苦労の跡が見えない骨である。大きさは成人だが、まるで赤子のようだ。こんなに綺麗なまま人間は成長することができるのだろうか。生活に何不自由しない家庭で育つと、こんな風になるのだろうか。
  ……而且这还真是条干净的臂骨,从中根本看不到经历过生活劳苦的痕迹,大小虽然是成年人的样子,可这简直就像是婴儿的骨头。人类能一直成长、生活得这么地干净么?要是成长在一个绝对不会为生计发愁的家庭里的话,也许还能长成这个样子吧?
  そんなことを考えていると、ふと足元に咲いている彼岸花が目に止まった。茎には葉がなく、地面からまっすぐに生えている異形な彼岸花は、その先端に大きな赤い花を咲かしていた。枝葉を持たず、さらに毒を持つこの花は、無縁仏の眠るこの地にふさわしい花である。いかなるものとも繋がり持たない美しさ、そんな印象を受けた。……この綺麗な右腕だけ繋がりを絶った仏。僕は、彼岸花のように右腕が整列して生えている場面を想像してちょっと嫌な気分になった。
  我正思考着这些事儿时,不经意间目光停留在了脚下盛开着的彼岸花上面。茎上没有叶子,又大又红的花朵就开放在那径直从地面生长出来的花茎的前端。没有枝叶,却更增加了它的毒素的这花朵,和这片无人祭拜的死者们沉睡着的大地很相称,那种和万物无干的孤独美给我留下着深刻的印象……正如同这干净的、和身体脱离了关系的右臂骨一样。我想象着这些胳膊也像这片彼岸花一样整列地生长在地上的场面,觉得有点不寒而栗。
「ーーそれで、その量産型の右腕をどうしたんだ?」
“——然后呢?那些量产型的右胳膊怎么样了?”
  店に戻った僕を、いつものように勝手な霊夢と、いつものように勝手な魔理沙が待ち受けていた。
  回到店里,等着我的还是一贯随便的灵梦和一贯随便的魔理沙。
「ああ、ここに一本。」
“啊啊,我这儿有一根。”
「余ったからって、持ってこないでよ~。」
“虽说那边多出来了,你也别老往回拿呀~。”
  霊夢は、お茶を片手に煎餅をかじりながらそう言った。
  灵梦一手端着茶水一边咬着烤薄饼说道。
「うーん。ちょっと気になったことがあって……。」
“嗯—我有点事儿比较在意啊……”
  僕は店の奥に向かい、昨日拾った骨とさっき拾った骨を見比べた。
  我走向店的里屋,拿来昨天捡回来的骨头和刚才的那根做了下对比。
「気になることって、何? ああ、この煎餅はそっちの棚じゃなくて、こっちの棚に置いてあったのよ?」
“你说什么比较在意啊?啊啊,这薄饼不是你那边那个柜子里的,是放在我这边这个柜子里的哟。”
  そんなことは気にしていない。霊夢の近くの棚にしまっておいた煎餅は、割と高価でなものである。霊夢はいつも選ばずして、店の中で一番良い物を手に取る癖をもっているのだ。ならば、霊夢が食べている煎餅の正体なんて……。
  我不是在意那个事情。灵梦身边那柜子里放着的薄饼可是比较高价的东西。灵梦也总是能选都不用选就可以拿到店里最好的东西,那么说,灵梦在吃的那个薄饼其实是……
「って違う、そんなことが気になっている訳ではない! 骨のことだ骨のこと。」
“不、不对,我才没在意那个事儿!是骨头的问题是骨头。”
  そう僕が言うと、魔理沙はちょっと不機嫌そうに本を置き、
「あーあ、もういいぜ。そんなに食べたければ、今日は飯を作ってやるよ。」
  我一说,魔理沙稍微有点不高兴似的把书一放,
“啊—啊,你行啦。你要是那么想吃的话今天我就做给你吃好啦。”
  と呆れたように言い放ち、お勝手に入っていった。
  不耐烦地发话之后就钻进厨房里去了。
  まぁ何に対して不機嫌なのかわからないが、魔理沙のことだからどうせ単純なことだろう。食事を用意してくれるってんだから、そこまで不機嫌ではないようだが……。それより今は、骨のことである。
  算了,虽然我不知道她在为什么事儿不高兴,不过既然是魔理沙,肯定是很单纯的事儿吧。她说要给我准备饭,我觉得也不至于那么不高兴吧……先不管了,现在更重要的是骨头的问题。
「それで? 骨のことで気になることって何なの? 霖之助さん。」
“怎么了?你说对骨头在意什么事儿?霖之助。”
「ああ、昨日拾った右腕と今日の右腕、よく見てみたんだが……。どこを取ってもまったく同じものだ。たとえ双子でもこんなことはありえない。まるでそのまま複製したかのようだよ。」
“啊啊,我仔细看了看昨天捡来的和今天捡来的右臂……看哪里都完全是一样的东西啊,就算是双胞胎这也不太可能,就好像是完美复制出来的东西一样呀。”
「それで、何が気になってるの?」
“那,你在在意什么呢?”
「わからないのか? 簡単に言うと、この右腕とその右腕は、同一人物の右腕ということだ……、と思う。」
“不明白吗?简单地说,我想……这只右臂和那只右臂,应该是属于同一个人的。”
「へぇ不思議ね。普通かもしれないけど。」
“哎—还真不可思议呢。虽然可能是普通的事儿。”
「そんな訳のわからない返事で片付けるのかい?」
“你就给我那么个莫名其妙的答复就想收拾这问题?”
  霊夢はちょっと諦めたようお茶を置いた。
  灵梦有点泄气了似的放下了茶杯。
「だって、外の世界の話でしょ? 外の世界で何が起きていようともそれは私の管轄外だわ。それにもう、外で何が起きているのかさっぱりわからないわよ。その腕だってどうせ、いいとこ六本腕かなんかの人間の骨でしょ?」
“毕竟,这是外面世界的事儿不是吗?不管外面世界发生了什么事儿都是在我的管辖以外的。而且,我们已经根本不能知道外面发生着什么事儿了呀。那胳膊我看,最多是长了六只胳膊的人类的骨头吧?”
「たとえ六本腕の人間でも、右腕だけ結界を越えるのは不自然だよ。結界のことは君の方が専門だろう? ならばわかると思うが、体の一部だけ結界を渡れるのは妖怪の証だってことだ。結界は壁じゃないんだからな。」
“就算是有六只胳膊的人类,那只有他的右胳膊越过结界来也是不自然的呀。结界方面你不是专家吗?能只让身体的一部分越过结界,这就是妖怪干的证据,那我想你应该能知道吧?毕竟结界不是真正的墙壁啊。”
「そうなの? それは面白いことを聞いたわ。」
“是吗?那我可真是听到有趣儿的事儿了。”
「そうなの、って。君は巫女の自覚があるのかい?」
“还说‘是吗?’,你还有巫女的自觉吗?”
「私の知り合いで、平気で体の一部だけ結界を渡る奴がいるんだけど……って、なるほどあいつは人間じゃなかったわね。」
“在我认识的人里面,倒的确有个家伙可以轻易地使身体的一部分穿越结界……啊,原来,那家伙不是人类呢。”
「だから、この人間の腕はあり得ないものなんだよ。こういうのなんて言ったっけ? オーパーツだったかな?」
“所以说嘛,这不可能是人类的胳膊啊。发现这种东西该叫什么来着?欧帕兹4吗?”
  それは違うぜ、という魔理沙のツッコミが聞こえた。いや、お勝手で食事の用意をしているはずだから、気のせいかもしれない。
  “那说法不对啦”,我听到魔理沙在指正我。不对,她应该正在厨房准备饭呢,可能是我听岔了吧。
「まるで作り物みたいな腕ね。魂の宿っていた跡もないし……、とても生きて生活していた腕とは思えないわ。」
“这简直就像是做出来的胳膊啊,又没有魂寄宿过的痕迹……我可是怎么也想象不出这是曾经活着并生活过的胳膊啊。”
  霊夢が煎餅を置いて、初めて骨を手に取った。もう片手にはお茶は持ったままだったので、煎餅が骨に変わっただけである。ぼーっとしてるとそのまま間違えて食べそうだ。
  灵梦放下薄饼,第一次把那根骨头拿在了手里,而另一只手上仍旧是端着茶杯,所以只是把薄饼换成了骨头而已。我都担心她一发呆就这么错把骨头吃进嘴里去。
「その腕、人の思いがないだろう? だから結界も渡って来れたんだ、たまに流れ着く道具と同じ扱いだよ。それでも生き物だったことには違いないから、どちらかというと体のない右腕だけの人間だと思う。「僕の目」で見てもこれは人間であることは確実みたいだし。そこから推測するなら……。」
“那只胳膊上,没有人的意志吧?所以才能越过结界进来啊,这就和偶尔遗留进来的道具是同一概念的东西呀。但它又确实曾经是个活物,所以怎么说好呢,我想它就是个没有身体、只有只右胳膊的人类。用‘我的眼力’来看它似乎也确实是人类的,若要从这一点上来推测的话……”
  と言いかけて、工場のような実験場のような場所で、道具のように同じ形をした人間の腕が生成されるところを想像して、喋るのを止めた。生命を侮辱した罰当たりな想像であると反省したのだ。人間がそんな愚かなことをするなんて、考えたくない。
  我正说到一半,脑子里就浮想出一幅‘在一座如同工厂般的实验场里,正如同在制作道具一般制造着形状完全一样的人类的胳膊’的场景,所以立刻就闭嘴了。我是在反省自己竟然能想出这种侮辱生命的、该遭天谴的场景出来。我可不想去考虑人类会干出那种愚蠢的事情来。
「外の世界の人間が愚かなことを行っていなければいいけど……。」
“只要是外面世界的人类没有在干什么愚蠢的事情就好了……”
  僕はそれだけ言った。
  我只说出了这句话。
「あら霖之助さん、たまに流れ着く外の道具で生計を立ててるんでしょ? それに、外の世界は進んでいるって、いつも唸ってるじゃないの。」
“嗯?霖之助,你不就是靠偶尔遗留进来的外面的道具支撑生计的么?而且,你不也老是在念叨说外面的世界进步了么?”
「生き物の身体は……、道具じゃない。この店では取り扱わないものだ。」
“生物的身体……可不是道具,不是这家店经营的东西。”
  しばらく、言葉もなく静かだったが、霊夢はボリボリ音を立てて何かをかじっていた。確か骨を持っていたよな、とドキッとして霊夢を見たが、それは煎餅だった。そりゃ当然である。というか、もうそろそろ食事の時間なのに、そんなに喰っていていいのか……。
  周围一度安静了下来,而灵梦却开始咯吱咯吱地咬起什么东西来。想起她刚才还拿着那骨头,我心里一惊朝她看去,她吃的还是薄饼,那是当然的啦。说起来,也快到吃饭的时间了,她吃那么多好吗……
「できたぜ。お望み通り、今日はちらし寿司だ。」
“做好啦。正如你所愿,今天吃散寿司饭。”
  魔理沙が威勢よくお勝手から戻ってきた。
  魔理沙气势冲冲地从厨房回来了。
「ちらし寿司? いやに豪勢だね。なるほどそれで時間がかかっていたのか、って、お望み通り?」
“散寿司饭?真豪华呢。原来啊,要不那么花时间。你说……是如我所愿?”
  魔理沙は人をおちょくったような顔をすると、
「だって、昨日からずっと言っていただろ? 寿司が喰いたいって。」
  魔理沙一脸把人当看傻子看时的表情,
“你不是从昨天开始就一直说要吃寿司的吗?”
  と言った。
  说道。
「言ってたわね。」
“你说了啊。”
  煎餅かじりながら霊夢も言う。
  咬着薄饼的灵梦也说道。
「霊夢まで……。そんなこと言ったっけ?」
“连灵梦也……我那么说过么?”
「時間がかかっていたのはシャリを冷ます団扇が見当たらなかったからだぜ。この帽子じゃなぁ、振っても疲れるだけで風が起きないんだよ。」
“我花了点时间可是因为找不到来扇凉米饭5的团扇哟。就这帽子,扇起来除了累之外就是不起一丝儿风耶。”
  ああ、なるほどね。それでさっきから魔理沙は「寿司、寿司」、って言っていたのか……。魔理沙らしいな。
  啊啊,原来如此呀。要不怎么魔理沙刚才一直在说什么“寿司、寿司”的……真像魔理沙的作风啊。
「どうした? 早く食べないとせっかくの私のちらし寿司が冷めるぜ。」
“怎么啦?不快点儿吃的话我好不容易做的散寿司饭可就该凉喽。”
「頑張って冷ましたんじゃなかったの?」
“你刚才不还在拼命地扇凉么?”
  霊夢は食べかけの煎餅をこっそりと元の棚に戻しながら言った。
  灵梦边偷偷地把吃着一半的薄饼放回柜子里一边说道。
「寿司か。悪趣味な洒落だな。魔理沙。」
“寿司呀。真是恶趣味的双关语呢6。魔理沙。”
「ふん。人の前まで平気で舎利(シャリ)を持ってくるような奴に言われたくないぜ。いいか? 人間は死んだ後、亡霊になるんだよ。舎利なんかはただの抜け殻だ。その抜け殻に何か疑問があれば亡霊に聞けばいい、一発で解決するぜ。シャリは寿司の飯だけで十分だ。」
“哼,我可不想让某个随便在别人面前就把烧过的死人骨头拿出来的家伙来数落我哦。听好啦,人类死后就会变成亡灵啦,烧过的骨头那就是个壳儿而已,你要是对那壳儿有什么疑问,去问那个亡灵就行,一下子就能解决啦。那个字眼儿,光用在寿司上就足够啦。”
「そうだな。でも、その舎利を持ってきたから、思いがけず今日はご馳走という訳だ。これも無縁仏を弔ってきた僕の善行のおかげかな?」
“说得是啊。不过,正因为我拿来了那个骨头,今天才意外地被请了一顿。这也算是我去祭拜无名死者这一善举的回报吧?”
「墓泥棒がよく言うぜ。」
“你个盗墓贼说得真好听耶。”
「あら、美味しいわね。でも霖之助さんは一度手を洗ってきた方が良いわよ。彼岸花の毒が付いてるかも知れないし。」
“哎呀,做得真好吃呢。不过霖之助你还是去洗一下手比较好啊,毕竟可能已经沾上彼岸花的毒素了。”
「そうだな。って、霊夢も骨を触っていただろう? 手は洗ったのか?」
“就是呀。说来灵梦,你不也碰那骨头了吗?洗手了没?”
「当り前じゃないの。」
“当然洗了。”
「でも、ずっとここにいたじゃないか」
“可,你不是一直在这儿没动吗?”
「魔理沙。お茶のお替りお願いね。」
“魔理沙,帮我再倒杯茶吧。”
「なんだ、またかよ。お前、飲んでないだろ?」
“干嘛?又让我来呀。喂,你刚才不没喝吗?”
  魔理沙が作った寿司のおかげで、店内はいつも通りの賑やかな雰囲気を取り戻した。むしろ喧しいくらいである。僕は、いつも通り特技を使って、骨のことを考えるのを「完全に」止めることができた。もう明日からは、彼岸花は異形の花ではなく、美しき花に見えるだろう。僕はお勝手で手に付いた毒を洗い落としながら、そんなことを考えていた。
  托魔理沙做的寿司饭的福,店里又恢复了往常热闹的气氛,甚至都有点吵了。我则用我那一贯的特技“完全地”放弃了去考虑那骨头的事情。从明天开始,彼岸花也将不再是形状异常的花,而将是看起来美丽的花朵了吧。我在厨房一边洗去附着在手上的毒素,一边这样想着。
つづく
待续

注释

  1. 原文是“秋の彼岸”,“彼岸”在日语里可以指以“春分日”或“秋分日”为中间点的前后七天时间。而彼岸花(又称“石蒜”)则是一种只在秋季彼岸时节,在长长的花茎上开放红色花朵的花卉,而花与茎是有毒的,但似乎民间也拿它来入药。
  2. 原文为“仏”,即“佛”字,意为死者。
  3. 可能有人不知道,还是说一句,神隐在日语中指“不明原因的失踪事件”。另外这一段的喻指很精妙,不妨仔细来品味一下。
  4. “オーパーツ”,即“oparts”,out-of-place artifact的简称,用于史学、人类学、考古学、主流科学和禁忌人类学上,主要针对近些年来从古老地层中掘出的、已如动植物化石般的怀疑人造物品,意即在不该出现的地方出土的加工物。
  5. 日语中“シャリ”这个词,既可以指“舎利”(烧过的死人骨头),又可以指米饭或一粒粒的饭粒儿。魔理沙是嫌“舍利”这个词不吉利所以故意避开了这层意思。
  6. 就是上文提到シャリ既有“遗骨”又有“米饭”之意
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