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东方香霖堂/第11话/中日对照

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< 第10话   东方香霖堂   第12话 >

結界によって人間世界から隔絶された幻想郷。だが、妖怪の中には、その結界を超えることができる者もいる。外と内の境界線上、ストーブの燃料を求めた霖之助は、そんな妖怪と相まみえることになるのだがーー。白い箱に誘われ、想いは結界を超える!
幻想乡被结界与人类的世界隔绝开来。但是,在妖怪之中,也有可以越过那层结界的人。而在外与内的境界线上需求着暖炉燃料的霖之助,则与那个妖怪有了一次短暂的会面——被一个白色的小盒子所诱惑,思想越过了结界!
紫色を超える光
超越紫色的光芒
  聞いたこともない耳障りな喧騒。
  耳边全是些听都没听过的吵人的喧嚣。
  もうすぐ冬だというのに、嫌な暖かさのある空気。
  本来已经快要到冬季了,可空气仍旧暖得让人讨厌。
  眼を閉じていても押し寄せてくる光の洪水。
  就算闭上眼睛,如洪水般的光芒也会涌到眼前来。
  僕は恐ろしくて、眼を開けることができなかった。
  我害怕着,不敢把眼睛睁开。
  ーー色彩豊かだった外の景色は、紅く染まった葉が落ちるとともにくすんでいき、しだいに冬の色へと変化していった1
  ——户外曾经色彩斑斓的景色,也随着树叶的逐渐变红、掉落而渐渐单调起来,朝着冬季的色彩慢慢变化而去。
  紅葉とは、生の象徴であった木の葉が少しずつ狂い、人間が理解できる限界点に達した時に葉の紅く染まることである。大抵の葉は、その後自らの変化に耐え切れず落ちていってしまうが、中には完全に狂ってしまう葉も存在している。その葉は、紅色を超えて人間の目には見えない色になってしまう。幻想郷の者は、この葉が落ちた後の色を「冬の色」と呼ぶ。人間は色が失われた景色を見てそう言っているのだが、もしかしたら妖怪の中には実際に冬の色が見えている者もいるのかもしれない。
  说起红叶,就是指曾经象征着生命的树叶,其内部开始一点点变得纷乱,在到达人类可以辨认的极限点时被染成了红色。而大多数的叶子,其后都耐不住自身的变化而掉落下来,但其中也有些叶子会完全变得纷乱并超越过红色的界限、变为不能为人类的眼睛所见的颜色。幻想乡的人把这树叶掉落以后的颜色称作“冬季的色彩”。虽说人类在见了失去色彩的景色后都会这么说,但也许在妖怪之中也有人能实际地看到冬季的色彩也说不定。
  店の中も冬の色に染まっていくのだが、外の景色の変化に比べるとひどくはない。それは人間には知恵があるからである。
  我的店里虽然也渐渐被染上了冬季的色彩,不过比起户外的景色来还不算严重。那全因为这里有人类的智慧存在。
  僕は、その人間の知恵の産物、即ち「ストーブ」の準備をしていたのだが……。
  我准备起那个人类智慧的产物,也就是“暖炉”来,可……
  カランカラン。
  叮当叮当。
「ああもうまったく、外は寒いな。こう寒くっちゃ冬眠もできないぜ……って店の中も寒いな。いつものストーブはどうしたんだよ」
“啊啊真是的,外面真冷啊。这么冷的话连冬眠都睡不下去啦……喂,我说这店里面也够冷的啊。你老用的那个暖炉怎么了呀?”
「魔理沙か。ちょっと、ストーブの燃料を切らしているんだ」
“魔理沙啊。正好,暖炉的燃料用完了。”
「燃料だって?」
“你说燃料?”
  僕が使っているストーブは外の世界の拾いもので、燃料も外の世界のものである。だから一旦燃料を切らすと、なかなか手に入れることができない。いつもは最初から入っていた燃料や、他の拾いものに入っていた燃料、もしくは似たような液体で代用している。
  我使的暖炉是捡来的外面世界的东西,当然燃料就也是外面世界的东西了。所以一旦燃料用尽,想再弄到就会比较麻烦了。我用的一直都是里面本来就装好的燃料,或是捡来的别的东西的燃料,再或者就是拿差不多一样的液体代替着用。
「いくら寒くても、いらっしゃいませの挨拶くらいしたらどうだ?」
“不管再怎么冷,你多少也说句欢迎光临如何?”
「お客様にはしているよ。いくら寒くてもな」
“我一直都在对客人说呀,不管多冷。”
「あー店がこんなんだったら、ミニ八卦炉でも持って来るんだったぜ。とりあえず、燃料をどうにかしろよ」
“啊—要早知道店里边儿这样,把迷你八卦炉拿来就好了耶。反正你先为燃料想想辙吧。”
  魔理沙は寒さに弱い。寒さの厳しい冬は、いつもの「キレ味」も三分の一程度になってしまう。
  魔理沙怕冷。在严寒的冬天,她那一贯的“怪脾气”也会削减到三分之一。
「なぜか今年は、暖房器具がほとんど落ちていなかったんだ。だから燃料が集まらなかったんだよ」
“不知怎的今年基本没什么暖气用具遗留进来啊。所以我才收集不到燃料的。”
「外の世界の冬は、もう寒くないのかもしれん。うらやましいぜ」
“也许外面世界的冬天都不冷了。真羡慕耶。”
「冬が暖かいはずがないだろう?」
“冬天本来就不可能是暖和的吧?”
「それで? 香霖はこのまま永眠するつもりなのか?」
“那怎么办?香霖你打算就这样永眠吗?”
「冬眠じゃあないのか?って、冬眠もしないけどさ。まぁしょうがない。本格的に冷え込む前に、何とかして燃料は手に入れるようにするよ」
“不是冬眠的吗?嗨,我倒是也不会冬眠啦。不过没办法,在老天动真格地冷起来之前,我会尽量想法儿弄到些燃料的。”
  燃料を手に入れる方法もない訳ではない。外の世界に行って手に入れるか、妖怪に分けてもらうか、だ。現実的なのは後者の方だが……妖怪だからな……。
  也并不是完全没有弄到燃料的办法。要不就去外面的世界弄点儿来,要不就让妖怪们分给我点儿。还是后者比较现实……不过一想要打交道的是妖怪就……
「香霖に良いことを教えてあげようか? 香霖以外にも外の品を大量に持っている奴が、私の知り合いにいる。この間も『この道具は、遠くにいる者と会話ができますわ』とか言って自分の式神と話していたり……本当かどうか疑わしかったがな。そいつなら燃料ぐらい持っていると思うぜ」
“告诉香霖你一件好事儿吧。除了香霖你以外我还认识一个手上有大量外面世界东西的家伙。上次还说着‘这个道具,可以和远处的人对话哟’之类的就和自己的式神说起话来……虽然我怀疑是不是真的啊,不过那家伙,燃料这样的东西我看她总会有的啦。”
「そいつは妖怪か?」
“那家伙是妖怪吗?”
「ーーもちろん、妖怪だ」
“——那还用说,是妖怪啦。”
  カランカランカラッ。
  叮当叮当哐。
「ああ寒い寒い! 何か急に冷え込むようになったわね」
“啊啊冷!冷!好像老天一下子就冷起来了似的呢。”
「霊夢か、いらっしゃい」
“是灵梦啊,欢迎。”
  そろそろ、どこも冬支度の季節である。霊夢も、冬用の服を取りに来たに違いない。だから、今日は客なのだ。
  这季节,差不多哪里都该为冬天做准备了。灵梦也肯定是来拿冬天用的衣服来了。所以,她今天是客人。
「ちょっと、店の中も寒いじゃないの! いつもの熱くなりすぎるストーブはどうしたのよ」
“我说,这店里可也够冷的啊!那个一直热得过头的暖炉怎么了呀?”
「長い夏休みだそうだ」
“据说是要过次长久的暑假啦。”
「あれ? いたの? 魔理沙」
“咦?你在呀?魔理沙。”
「ああ、目の前にな」
“啊啊,就在你眼前啦。”
  魔理沙は、ストーブの燃料が切れていること、それを手に入れるためにどうすれば良いのか、などを僕に代わって霊夢に説明していた。魔理沙はやはり寒いのが苦手のようである。
  魔理沙把燃料用尽的事儿,还有为了弄到燃料该怎么办好的事儿,代我都向灵梦说明了一番。看来魔理沙果真比较怕冷。
「その妖怪って……やっぱり紫のこと?」
“那个妖怪……果然就是指紫喽?”
「そうだ。あいつが一番外の世界に近い。霊夢なら居場所を知っているだろう?」
“是啊。那家伙离外面的世界最近。灵梦你应该知道她在哪儿吧?”
「知らないわよ。住んでいる場所も知らないし、神社にも来てほしくないときに来て、やっぱり来てほしくないときに来ないんだから」
“我才不知道呢。她住的地方我也不知道,因为她来的时候我不想让她来,她不来的时候我还是不想让她来。”
「……いつも来てほしくないんだな」
“……这不是一直就不想她来嘛。”
「それに、もうそろそろ紫は出て来なくなるわよ」
“而且,紫也快要不出来了啊。”
「打ち止めか?」
“她子弹打完了?”
「おみくじの大吉じゃないんだから。紫はね、いつも冬は出て来なくなるのよ」
“又不是神签里的大吉。紫啊,她冬天总是不会出来的哟。”
  霊夢と魔理沙の間で、本気なのか本気じゃないのかわからないやり取りが続いていた。そもそも、僕はその妖怪に頼むとは一言も言っていない。ただ、このまま燃料が手に入らないのもやはり困ってしまうのだが。
  灵梦和魔理沙俩人那不知道是认真的还是不认真的争论一直持续着。想要让那妖怪帮忙的话本来我还一句都没说呢。只是,要是不弄到点儿燃料就这么下去的话还是会很难挨的。
「そういえば、油揚げとか撒いておけば寄って来るわよ。紫のしもべの方が」
“说起来,要是撒点油炸豆腐的话就能招她过来呢,就是紫手底下的那个。”
  ーー翌日、僕は店先に油揚げを置いてみた。特に何かを期待した訳ではないが、おまじないのようなものである。
  ——翌日,我在店前面试着放了些炸豆腐片。我倒不是期待着什么,这只是一种类似巫术一样的行为。
  今日も順調に気温が下がっていた。やはりこのまま冬になってしまうのだろう。いつものストーブが使えないのは不便だが、仕方があるまい。暖を取る方法を別に考えないといけないかもしれない。
  今天气温也顺利地下降着,这么下去肯定就会到冬天了吧。虽然不能使用那暖炉了,有点儿不方便,不过也没办法啊。看来也许得另想些取暖的办法了。
  このストーブを手に入れたのは数年前だった。最初は売りものにするつもりだったのだが、試しに使ってみて気が変わった。こんな便利な、いや使い難い道具など売ってはいけない。
  弄到这个暖炉是数年前的事情了。当初我是想把它当个出卖品的,不过试着用了一下之后我就改了主意。这么方便的…不是,是难用的道具我是绝不能卖掉的。
  部屋の隅々まですぐに暖まってしまい、冬であるという季節感を味わえなくなってしまう。面倒な薪も、煤で汚れる煙突も、暖炉のような大掛かりな装置もいらないので、体を動かす必要がなく運動不足になってしまう。すぐにこんな道具、売ってはもったいない、いや売ってはいけないと思った。
  它能让屋子的任何角落都立刻变得暖和起来,让人再也感受不到冬季的季节感。麻烦的柴火、被煤烟熏黑的烟囱还有像壁炉那样的大家伙因为都不需要了,所以也就没了活动身体的必要,人也会变得缺乏运动的。我想要是立刻就把这样的道具卖了就太可惜了…不,是绝不能卖的。
  だが、今は久々に冬を味わっている。寒い。幻想郷の冬はこんなに寒かったのか……。昔使っていた魔法で暖める火炉でも引っ張り出してみるか……って、アレは魔理沙にあげたんだよなぁ。
  可是,现在却久违地尝到了冬天的滋味。好冷,幻想乡的冬天是这么冷的么……把以前用过的那个用魔法取暖的火炉也拿出来用吧……哦对了,那个已经给魔理沙了啊。
  カランカラン。店の入り口で音がした、早速掛かったか?
  叮当叮当。店的入口处响起声音来,这么快就上钩了?
  油揚げを置いてから、まだ一、二時間しか経っていない。本当に油揚げが好きな奴なんだろう。こんなにすぐに罠に掛かるとは。
  自放下炸豆腐片才仅仅过了一、两个小时而已。真的是个喜欢炸豆腐片的家伙啊,竟然会这么快就落入陷阱中。
  ……って、誰も入ってこない。
  ……可,没有一个人进来。
「あーちょっといいかな? 君の使い主にちょっと用事があるのだが……」
“啊—稍等一下好吗?我找你的主人稍微有点事儿……”
  扉を開けたが誰もいない。ご丁寧に油揚げもない。何者かが来たのは確かのようだったが、こんなに素早くいなくなるとは思わなかった。もしかしたら狐の仕業かもしれないが……。
  打开门一看一个人都没有,而且连炸豆腐片也一起都没有了。有什么人来过看来是肯定的,但没想到腿竟然这么快。可能是哪个狐狸搞的鬼吧……
  自分から動かないで、望みのものを手に入れようということ自体が間違っているのだろう。油揚げを置いておいただけで放っておけば良いというのは、何にも努力をしていないのと同じだ。
  也许不自己付诸行动就想把想要的东西弄到手这一点本身就错了吧。以为就把炸豆腐片放那里不管就好,这和什么努力都没去做是一个道理。
「ちょっと寒いが……、こうしていれば、罠に掛かった獲物に逃げられることはないはずだ」
“虽然有点儿冷……不过这么做的话,就应该不会让上钩的猎物逃走了吧。”
「……それで、さっきから油揚げを持って店先で突っ立ってたのか? 努力の仕方が間違っているぜ」
“……就为这,你才从刚才一直拿着那炸豆腐片戳在店前边儿来着?你努力的方式有问题耶。”
「ああ魔理沙、いたのか」
“啊啊魔理沙,你在的吗?”
「いたぜ、目の前に」
“在呀,就在你眼前。”
「そうだ、僕の代わりにこうやって妖怪をおびき寄せてくれるかい?」
“对了,你来替我就这样引诱妖怪如何?”
「誰がそんな間抜けなことをしなきゃいけないんだよ」
“谁愿意干那么冒傻气的事儿呀。”
「妖怪のおびき寄せ方なんて、僕は専門じゃないからな。どうしてよいのかわからなくて」
“引诱妖怪的方法什么的我可不在行啊,不知道怎么办才好。”
  魔理沙は「いいから、とりあえず店に入れ」と言って、店に入っていった。
  魔理沙说着“好啦,先到店里去吧”就走进店里去了。
  僕はせっかくだから手にしていた油揚げを入り口に置き、魔理沙の後に付いていった。
  我也正盼着能进屋呢,就把手上的炸豆腐片放在门口处,跟在魔理沙后面进了店。
「あんな罠じゃあ、妖怪はおろか狐すら掛からないよ」
“就你那陷阱,别说妖怪了,就连狐狸都不会上钩呀。”
「それでも、さっきは何かが掛かりそうだったんだ」
“不过,刚才可好像是有什么上了钩似的。”
「まあいい。あのストーブが使えないと、この店に来てもしようがないからな。紫は探しといてやるよ」
“嗨算啦。那个暖炉要是使不了,我来店里也没意义啊。紫的话,我们帮你去找吧。”
「当てがあるのかい?」
“有门儿了吗?”
「霊夢は、ああは言ってたけど、ちょくちょく神社で見かけるぜ。あの辺に住んでいるんだよ。きっと」
“别看灵梦那么说,在神社可时不时地就能发现她哟。她就住那边儿,肯定的。”
  魔理沙は、僕の代わりに紫を探しに店を出て行った。
  魔理沙为帮我去找紫而走出店去了。
  僕は……本当にその妖怪に会いたかったのか? ストーブだって、なくても別の方法で暖を取れる。そもそも幻想郷の皆は、このような便利な道具は使っていないのだから。さらに言うと、その妖怪に会ったとしても、燃料が手に入る保証は、何一つない。
  我……真的想要去见那个妖怪吗?就算没有暖炉,也还能用别的方法来取暖,毕竟本来幻想乡的众人都没有在用这如此方便的道具。进一步说,就算见了那妖怪,也根本不能保证就可以得到燃料。
  僕は、ただ外の世界の事をもっと知りたかっただけじゃないのか? 外の世界と接点のある道具を使い、外の世界と接点のある妖怪に興味を持ち、少しでも情報を取り入れようとしただけじゃないのか?
  我是不是,仅仅是想多知道点儿外面世界的事情呢?使用和外面世界有关的道具,对和外面世界有联系的妖怪抱有兴趣,这些不都是在希望着能多少得到一些消息吗?
  僕が取り扱う数々の不思議な品。僕はそのたくさんの品に囲まれて、いつも外の世界を想像していた。
  这么多我所经营的不可思议的商品。而我经常就在如此多的物品的包围之中,想象着外面世界的状况。
  例えばオルゴールより遥かに小さいこの無機質で白い箱、僕の能力は、その箱がたくさんの音楽を蓄え、そして奏でる道具だと教えてくれる。だが、未だにその箱は僕には音を奏でてくれない。外の世界では、いったいどのような方法で、いったいどのような音を奏でていたのだろうか……。
  比如这个比八音盒小得多得多的无机物制成的小白盒子,我的能力告诉我,这个盒子是可以存储很多的音乐、并能演奏它们的道具。可是,直到现在这盒子还没有为我奏出过任何的声音来。在外面的世界里,人们究竟用怎样的方法才能让它演奏、而且它所演奏出来的究竟会是怎样的一种声音呢……
  僕は、その白くて小さな金属の箱を耳に当てて眼を閉じた。外の音が聞こえてくるかもしれない。
  我把那白色的金属小盒子放到耳朵边儿上并闭上了眼睛。也许能听到外面的声音也说不定。
  店の外で話し声のような音が聞こえた気がした。もう魔理沙が帰って来たのだろうか、それとも油揚げに釣られて妖怪が寄って来たのだろうかーーいや、何かが違う。
  我感觉到店的外面传来了像是说话声的声音。是魔理沙已经回来了吗?还是上了炸豆腐片的钩被引诱过来的妖怪呢?——不对,有一点儿不对劲儿。
  聞いたこともない耳障りな喧騒。生きものが発しているとは思えない、耳に痛い音も聞こえる。
  耳边全是些听都没听过的吵人的喧嚣,还有些让我想象不出是生物所能发出的声音,听了让人耳朵发痛。
  嫌な暖かさのある空気を肌で感じていた。突然、空気の温度も変化したようだった。こんな冬なら、暖房もいらないだろう。
  我的皮肤感到的是温暖得让人厌恶的空气,就好像是空气的温度突然变化了一般。这样的冬天,连暖气也不需要了吧?
  眼を閉じていても押し寄せてくる光の洪水。何がそんなに光っているのだろう。太陽でも魔法によるものでもない冷たい光だった。
  就算闭上眼睛,如洪水般的光芒也会涌到眼前来。是什么那么得亮呢?那是既不是由太阳,也不是用魔法发出的、冷冷的光线。
  僕は直感でわかった、今ーー僕は外の世界にいる。外の道具に囲まれ、この外の道具に想いを馳せることで、僕の想いは結界を飛び越えたのだ。
  我的直觉告诉我,现在——我正在外面的世界里。我被外面的道具所包围、思想也为它们所驰骋着。所以,这是我的思想越过了结界。
  ……だが、僕は眼を開けられなかった。もし外の世界にいることをはっきりと見てしまえば、もう幻想郷には戻れないかもしれない。神隠しに遭った人間のほとんどは、二度と戻って来ることはなかったのだ。逆に、幻覚、幻聴だと思って眼を開ければ、想いは結界を超えることなく幻想郷に戻り、外の世界を見るチャンスを逃してしまうかも知れない。僕は、どちらを望んでいるのだろう?
  ……可是,我却没能睁开眼睛。如果我清楚地看见我正处于外面的世界的话,也许我就再也回不到幻想乡里去了。遭遇了神隐的人类,他们基本上都没能再回来。反过来,若我只认为这些是幻觉、幻听而睁开眼睛的话,我的思想就不会越过结界而返回幻想乡,那么我也许就会错过看到外面世界的机会。我,究竟在盼望着哪种情况呢?
  そうだ、僕は外の世界の燃料が欲しかったんじゃなかったか? 僕には明確な目的がある。外の世界に迷い込むのではなく、用事を済ませに外の世界を訪れるだけだ。僕の想いは香霖堂、いや幻想郷に置いたまま、肉体だけ結界を飛び越えるのだ。そう、人間にはできない芸当だが……僕にはできるはずだ。
  对了,我不是正寻求着外面世界的燃料呢吗?我可是有明确的目的的,所以我不是迷失在外面的世界里,而仅是为了解决我的事情才来到外面世界的。我的念想仍然留在香霖堂…不,是仍然留在幻想乡里,而越过结界的只有我的肉体而已。不错,这人类所不能做到的事情……我想我是能够做到的。
  僕は、燃料を手に入れて店に暖かさを取り戻すために、ゆっくりと眼を開けた。
  我,以弄到燃料让我的店里重新暖和起来为目的,慢慢地睁开了眼睛。
  ーー博麗神社。幻想郷の端の端に存在する神社である。
  ——博丽神社。存在于幻想乡最最边缘之处的神社。
  魔理沙は紫を探しに神社までやってきた。香霖堂を出発する時、店の前には油揚げが置いてあったが、もっと有効利用しようとそのまま持ってきていた。
  魔理沙为了寻找紫而跑到神社里来了。她在从香霖堂出发的时候,想起在店前面放着的炸豆腐片,为了更有效地利用起它们来,她就把它们也一起都拿了来。
「おーい、いるか?」
“喂—,在吗?”
「んー? いるわよ、目の前に」
“嗯—?在呀,就在你眼前。”
「霊夢、お前じゃなくて、紫の方だ」
“灵梦,我不是说你,是说紫啦。”
「どうしたの? そんな油揚げ持って……」
“你怎么了?还拿着炸豆腐片……”
「油揚げで寄って来るって言ったの、お前だぜ」
“说要拿这东西当诱饵的可是你啊。”
「狐だからねぇ」
“因为是要引狐狸嘛。”
「どうも、香霖は妖怪の捕まえ方がさっぱりわかっていないみたいだったんで、しようがないから霊夢に捕まえさせようと思ったんだ」
“我看香霖是无论如何也不懂捉妖怪的方法,没辙了才想是不是让灵梦你来逮呢?”
「ああそう、随分と勝手ね。とりあえず、お茶でも飲みながら話しましょ?」
“啊啊是嘛,你还真不客气。咱们先边喝点儿茶什么的边说吧?”
  魔理沙と霊夢は、紫を捕まえる方法で盛り上がりながら、お茶を飲んでいた。
  魔理沙和灵梦,一边热烈讨论着捕捉紫的方法一边喝起茶来了。
「紫はねぇ、もう冬眠してるかもしれないわよ?」
“说起紫啊,说不定已经冬眠了哟?”
「冬眠たって、ただ出て来なくなるだけだろう? どこに住んでるんだかわからないんだから。本当は、南の島にバカンスに行ってるだけかもしれんぜ」
“就说是冬眠,也只是不出来了而已吧?咱们又不知道她住哪儿。说不定现在其实正跟南边儿哪个岛上休养旅游呢。”
「そうねぇ。ところで南の島って……どこ?」
“说得是啊。不过你说南边儿的岛……是哪里的?”
「そこは掘り下げなくてもよい。何か本当に紫を呼ぶ方法はないのか?」
“那个就甭想太深啦。说真的,就没有个办法把紫给叫出来?”
「しようがないわね。紫はこれをやると怒るんだけど……」
“没办法啦。要是这么干紫可是会生气的……”
「何だ手があるのか」
“有什么手段吗?”
「あるんだけどねぇ……。これをやると、危険だから止めなさい、って紫が出て来るの」
“有倒是有啦……这么干的话,紫就会说‘太危险啦,给我住手’,然后就出来喽。”
「出て来るんだな。それで良いんじゃん?」
“她还是会出来的啊。那那么干不就行了吗?”
  彼女たちに危険という言葉は、あまり抑止力がない。
  对于她们来讲,危险这个词的抑制力几乎为零。
「幻想郷の結界を緩めるの。外の世界の近くにいると、外の世界に放り出されるかもしれないわよ?」
“我们要把幻想乡的结界弄淡薄。可要是太接近外面世界的话,可说不定就会被扔到外面世界中去哟?”
  ーー光の洪水だった。明るさはあるが冷たい光だった。まぶしすぎてよく見えない。日本語とは思えない言葉での話し声。頭が痛くなるような生暖かい汚れた空気。外の世界のは……流れ着く本などで見たことがあったが、こんなにうるさく、そして美しくないものだとはわからなかった。
  ——这光就有如洪水一般,虽然足够明亮但却是冰冷的,而且太过刺眼看不太清楚。还有不像是日语的说话声和让人头发痛的潮暖、肮脏的空气。外面世界的情况……虽然我从遗留进来的书本中读到过,不过却想不到竟然会是如此地吵闹和丑陋。
  落ち着いたら燃料を探そう、その後ゆっくり、幻想郷に変える手段を探せばよい。
  先冷静下来去找燃料吧,然后再慢慢地去探寻回到幻想乡的手段。
  ……眼が慣れてきた。ここは、この見覚えのある鳥居は……神社なのか? 神社に大勢の人がいる……。
  ……我的眼睛习惯了那光线。这里是…这眼熟的鸟居……是神社吗?神社那里有着大批的人……
「あら駄目よ、こんなところに来ちゃ。貴方はこっちに来てはいけないの。貴方は人間じゃあないんだから」
“哎呀不行哟,不能到这种地方来。你是不可以到这里来的,因为你不是人类。”
「!?」
“!?”
  あれ程煩かった音がピタリと止んだ。光もすべて消え、手には白い箱。周りは薄暗いがなぜかよく見える……いつもの香霖堂店内だった。
  曾那么让人烦躁的声音一下子就停止了,光线也全都消失掉,剩下的只有手中这白色的盒子。周围薄薄地有些暗却什么都能看得很清楚……这里是平静如常的香霖堂店内。
  どうも少しの間寝ていたらしい。僕は、薄暗くても暖かい明かりを付け、白い箱を棚に置いた。
  看来是我睡了一小会儿。我把虽然比较暗淡但却温暖的灯点上,然后把那白色的盒子放到柜子里去。
  こうやって寝ているだけでは、目的のものなんて手に入るはずがない。僕は、さっき店の前に置いた油揚げに妖怪が引っ掛かっているか気になって扉を開けた。残念ながら、油揚げだけ持っていかれていた。
  就这么睡觉的话可是不会弄到我想要的东西的。我想起刚才在店前边放着的炸豆腐片来,继而开门去看是不是有妖怪上了钩。结果很遗憾地,只有炸豆腐片被拿走了。
「やっぱり……狐の仕業かな?」
“这果真……是狐狸搞的鬼吗?”
  遠くに魔理沙と霊夢の姿が見えた。それともう一人の少女も見えたが、どうやら霊夢と魔理沙に説教をしながら歩いているようだった。珍しい光景である。
  远处看到了魔理沙和灵梦的身影,然后另外还看到一个少女,而且她还好像正在对灵梦和魔理沙说教着什么。这可是难得一见的光景。
「あら初めまして。八雲紫と申します。貴方が私に会いたいって言ってた方ね?」
“哎呀初次见面。我叫八云紫。你就是说想要见我的那个人吧?”
  目の前の妖怪は、派手な服装に派手な傘を持ち、人間ではない者特有の鋭い眼をしていた。それに笑顔が不吉である。
  眼前的这个妖怪,身上穿着华美的衣装、手里打着气派的洋伞,还有一双妖怪所特有的锐利的眼睛,而且笑脸让人感到不吉利。
「ああ、どうも。会いたいというか、ちょっと仕事を依頼しようかと思ってまして」
“啊啊,你好。与其说想见你,倒不如说是想拜托你点儿事儿。”
  僕は店内に案内しながら、紫を呼ぶことになったいきさつ、ストーブの燃料のことなどを話した。
  我边把她带进店来,边把要叫她来的经过,还有暖炉需要燃料的事情都说了出来。
「電気かしら? 灯油かしら? それともニトロかしら? まぁ、何にしたってお安い御用よ。そのくらい無尽蔵に持ってるし……困った時はお互い様、だもの」
“是用电的吗?还是要灯油呢?或者是用硝石的?反正不管什么都是小事一桩。那些东西我那里又是取之不尽的……有了困难的时候就要互相帮助,对吧。”
  満面の笑みを見せた。やはり不吉である。
  她露出满脸的笑容,果然不吉利。
「流石は、妖怪ですね」
“不愧,是个妖怪呢。”
「流石は、私ですよ」
“不愧,是我哟。”
  紫はそう言うと、音もなく長いスカートを翻し、店内を歩き始めた。
  紫说完,就开始在店里走动起来,随风飘舞的长裙悄无声息。
「……貴方の店、若干流行遅れの品ばかりね。最近の流行はね、携帯できるものが多いのよ。携帯して遠くの人と話せたり、他人の記憶を携帯して小さなスクリーンに映し出したり……」
“……你的店里,净是些稍微有点儿过时的物品呢。最近流行的呢,还是可以随身携带的东西比较多哟。带上个东西和在远处的人说个话啦,或是带上些和别人的记忆,映射在小小的屏幕上……”
「うちは、流行は気にしていないのですよ。僕が気に入ったものだけを取り扱っているんです」
“我店里,可不是那么注重流行的啊。我只是在经营我所感兴趣的东西。”
「あら、この白い箱……。これは流行の品ね」
“哎呀,这个白色的盒子……这是流行的物品呢。”
「ああ、それ……。それは音楽を大量に携帯できるみたいなんですが、まだ使い方がわからなくて」
“啊啊,那个……那好像可以携带大量音乐,不过我还不知道使用方法。”
  僕は、未知の道具の用途と名前を見る能力を持っている。だが、その能力は使い方までは教えてくれない。
  我具有预知未知道具的用途及名称的能力,但这能力却不会连使用方法都告诉我。
「こんなものを耳に当てるから、さっきみたいに変な幻覚を見てしまうのよ。貴方は人間じゃあないんだから」
“因为你把这东西放到了耳边,才会看到像刚才那样奇怪的幻觉哟。毕竟你不是人类啊。”
  また満面の笑みだ。
  又是满脸的笑容。
「おい、早くストーブを点けてくれよ。寒いぜ」
“喂,快点儿把暖炉给我点上吧。好冷耶。”
「魔理沙、気が早いだろ? まだこの娘と話をしたばかりだよ」
“魔理沙,你太心急了吧?我刚和这位小姐说上话哟。”
「あら、もう点きますわよ。ほら、燃料は一杯でしょう?」
“哎呀,我已经点上了哟。看,燃料已经满满的了吧?”
  確かに満タンだった。
  确实已经装满了。
「いつの間に……。ってずっとここにいたじゃないか、いったいどうやって?」
“什么时候……你不一直都在这儿的吗?到底怎么办到的?”
「困った時はお互い様、よ」
“有了困难的时候就要互相帮助,哟。”
  そう言って紫は、手に持っていたさっきの白い箱を服の中にしまい込んだ。僕はこの妖怪少女と知り合いになったことを早くも後悔し始めていた。
  紫说着,把刚才拿在手里的白色盒子揣进了衣服中去。我早早地开始后悔起认识了这个妖怪少女来。
つづく
待续

注释

  1. 在杂志连载时为“変化させていった”。
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