• 欢迎来到THBWiki!如果您是第一次来到这里,请点击右上角注册一个帐户
  • 有任何意见、建议、求助、反馈都可以在 讨论板 提出
  • THBWiki以专业性和准确性为目标,如果你发现了任何确定的错误或疏漏,可在登录后直接进行改正

东方香霖堂/第12话/中日对照

来自THBWiki
跳到导航 跳到搜索
< 第11话   东方香霖堂   第13话 >

幻想郷の寒い冬が続いている。香霖堂はそれにも増して寒い。店内に無数の幽霊が群がっているからだ。幽霊はとても冷たい。彼らが群をなすと、ただただ、凍りつくように寒いのだ。困りはてる霖之助だが、そんな彼のもとを訪れる、うっかり者なお客があらわれてーーー。落し物と拾い物をめぐる、ささやかな人生訓。
在幻想乡,寒冷的冬季仍旧持续着。而香霖堂的寒冷则要加个更字。那是因为正有无数的幽灵聚集在店里。幽灵相当地冷,若它们群聚起来了的话,那就只能剩下冰冻般的寒冷了。正在霖之助束手无策的时候,有一个冒冒失失的客人来到了他的店前——这是个围绕着丢失物和拾得物展开的,小小的人生教训。
幽し光、窓の雪
幽冥之光、窗外的雪
  ……寒い。店内は、この世のものとは思えないほど冷え込んでいる。
  ……冷。店里已经冷彻得让人不敢相信自己还在这个世界。
  店の中央にはストーブが置かれている。寒さの厳しい幻想郷の冬を過ごすための重要なアイテムだ。今年はストーブを危うく何の効果も持たない飾りにしてしまうところだったのだが、今は何とか働いている。
  在店的中央摆放着暖炉,这可是度过幻想乡严寒冬季的重要物品。虽然今年这暖炉险些成了个什么作用都起不了的摆设,不过还好一番努力之后现在它正运作着。
  ……それにしても寒い。寒いというか店全体が冷たいのだ。
  ……不过还是冷。我说冷是指整个店都是冷的。
  このストーブは外の世界のものであり、いつもなら、ありえないほどの熱を持つ。今も、これでもかといわんばかりの外の焔があたりを照らしている。これで寒いはずがないのだ。本来なら。
  这暖炉是外面世界的东西,要是平时,可是得热得非同寻常的,现在也是,它那正向外蹿的猛烈的火苗正照亮着周围的一切。本来,这个样子就不该会再冷了。
  でも……寒いのだ。というもの、朝から店内が幽霊でいっぱいになっていたから仕方がない。幽霊の温度は非常に低いからだ。店内はこの世のものではない幽かな光で包まれている。その光は窓の外の雪に反射し、店内を幻想的に演出していた。ストーブの現実的な光とは対照的である。
  可是……还是冷。不过从早上开始我店里就挤满了幽灵,所以冷也没办法,毕竟幽灵的温度非常之低。店里被现世中所没有的幽冥的光茫包围着,这光借着窗外的雪反射到店里,在店里演出着一幕极具幻想性的场面,而且它们和暖炉所发出的现实的光形成着鲜明的对照。
  あいにく、僕はこれら幽霊たちの声聴く能力を持たない。ここにいる無数の幽霊たちの目的を、知りたくても知ることができなかった。こういうことは僕の専門ではないのだ。
  很不凑巧的是,我可没有能力能听得出这些幽灵的声音,所以无数的这些幽灵呆在这里的目的,我是想知道也知道不了了。这方面可不是我的专长。
  ……この寒さのままでは、今年の冬は越せそうにない。少々荒い手段だが、専門家に幽霊退治をお願いするとしよう。荒い手段だと思うのは、これらの幽霊に悪意が感じられなかったからだ。
  ……要是就这么冷下去,今年的冬天看来我就过不去了。还是去请专家来降伏这些幽灵吧,虽然手段上有点粗暴。我之所以会觉得粗暴,是因为我并没感觉到这些幽灵有恶意。
  僕は神社まで出向のが面倒だったので、店の中で退屈そうにしている幽霊に「神社に行って巫女を呼んできてほしい」と伝えてみた。ああ、なんて滑稽な図だろう。僕は幽霊を退治するために霊夢を呼ぶというのに。
  我嫌还得往神社跑一趟太麻烦了,就试着跟一个看起来呆在店里正无聊着的幽灵说“我想让你去神社把巫女给叫来”。哎哎,这是个多么滑稽的场面啊,我本是为了降伏这些幽灵才要去叫灵梦的啊。
  でも、退屈そうな幽霊は二つ返事(といっても人魂の頭部分が上下に動いただけだが)で飛び出していた。どうやらこっちの声は聞えているらしい。それにしても、ここにいる幽霊は陽気で気楽で非常に良い。冷たくなければもっと良いのだが。
  可是,那个好像很无聊的幽灵立刻爽快地答应下来(虽这么说,它只不过是把那相当于脑袋的部分上下动了动而已)并飞了出去,看来它能听到我的声音。话说回来,在这里的幽灵又悠哉又快活的,非常不错,要是再不冷的话就更好了。
  幽霊の冷たさが世の役に立つのは、主に夏である。夏の暑い夜に、人間たちは好んで幽霊を探し、そして涼むのである。それが肝試しであり、肝試しが夏によく行われるのはそういう理由である。
  幽灵身上那股寒冷能在世间起到什么作用的时候也就主要是在夏天了。在夏天炎热的夜里,人类们会经常去找寻幽灵,然后拿它们来乘凉。那就是所谓的试胆,而试胆为什么在夏天那么常见也是由于这个原因。
  生きとし生ける者すべて生の温度を持つ。人間でも妖怪でも同じなのだ。逆に道具の温度は周りと同じになる。幽霊が冷たいのは、生きている者とも道具とも違うという、幽霊の自己主張なのかもしれない。
  所有生者都具有其作为生者的温度,不管是人类还是妖怪均是如此。而相反地,道具的温度则会和周围同化。幽灵之所以是冰冷的,是因为它既不同于生者也不同于道具,这也许算是幽灵在展现自我的特性吧。
  ーーーカラン、カラッ。
  ——叮当哐
「いったい何よ?霖之助さん。人を呼び出したりして」
“你到底什么事儿嘛,霖之助?还把人家大老远叫来。”
  霊夢が来た。あの幽霊はちゃんと役目を果たしてくれたようだ。
  灵梦来了。看来那个幽灵为我圆满地完成了任务。
「何って、この状況を見らればわかると思うけど、君にこれらの幽霊を退治、いや追い払ってもらおうかと思って」
“你还问我什么事儿,看看这状况我看你就明白了。我是想请你来降伏、哦不,赶走这些幽灵的。”
「幽霊?でも、最近多いわよね。神社にも幽霊がいっぱいくるわ。困るのよねぇ。」
“幽灵?不过最近还真多呢。神社里也来了好多的幽灵,真没辙呢。”
  それは暗に「私では幽霊は退治できない」と言っているのだろうか。
  难道她是在暗示“我可降伏不了幽灵”吗?
「寒いんだ。こいつらがいると」
“很冷啊。这些家伙们在的话。”
「幽霊だからねぇ。でも、追い払う前に何で集まっているのかを調べる方が先じゃないの?」
“因为是幽灵嘛。不过在赶走它们之前,应该先查一下它们为什么会聚集起来不是么?”
「……寒いからなぁ。それは部屋が暖かくなってから調べられればよい」
“……因为我冷嘛。那些事儿就等我屋子变暖和了再查吧。”
「そんなもんかしら。そんなんじゃ根本的な解決には繋がらないと思うけどねぇ」
“是那么回事儿吗。那么干的话不能从根本上解决问题吧。”
  霊夢はそう言いながらお札の準備をしていた。幽霊除けの護符だろうか。
  灵梦那么说着便开始准备起一些纸符来,那是驱除幽灵用的护符吧。
「いくつかお札を貼っておくわよ。気休めにしかならないけどね」
“我先给你这里贴上几张符吧。不过也就是有点儿精神安慰的作用而已哟。”
「ありがとう。でも直接手を出さないなんて霊夢らしくないな。幽霊は苦手かい?」
“多谢。不过不直接出手这可不像灵梦你啊。不擅长对付幽灵么?”
「私は、妖怪退治をする人間よ。幽霊は妖怪ではないの」
“我是降伏妖怪的人类哟,幽灵可不是妖怪。”
  霊夢は店のあちこちにお札を貼っただけで帰ってしまった。なるほど、確かに幽霊が近づかなくなったようだ。ただし、お札のごくわずかの距離だけだが。店内は相変わらず幽霊だらけのままである。これではまるで意味がないので、お札を自分の近くや寝床、大切な商品の近くに貼ることにした。
  灵梦只往我店里各处贴了些纸符就回去了。果然,好像幽灵们确实不敢去接近了。只是,那距离也就是纸符所能发挥作用的一点点范围而已,而店里边仍旧是充满着幽灵,这根本就和没意义一样,我就只得把那些符又改贴到自己的床边或是重要商品的附近去。
  よく見ると、幽霊の一部は寒そうにしながらストーブの周りに集まっていた。寒いのは誰のせいだ、と言いたくもなるが、冷たい幽霊も必ずしも寒いのが好きなわけではないらしい。
  仔细看一下就能发现,一部分幽灵也正怕冷似的集中在我暖炉的周围。我还想问它们到底是因为谁才变得这么冷的呢,不过看来冰冷的幽灵也未必就喜欢寒冷的环境。
  それはそうだ。幽霊はもともと人間である場合はも少なくないのだ。幽霊の好みや性格も生前と大きく変わらないのだろう。幽霊たちをよく観察してみると、興味津々と元気に動き回っている者、ストーブの周りから動かない者、幽霊同士話し合っている(ように見える)者、様々である。
  那也难怪,很多幽灵之前本来就是人类啊,也许幽灵的喜好和性格和生前是没有什么大变化的吧。仔细观察一下这些幽灵们:有对哪儿都好奇、活泼地到处飘动的;有就围在暖炉边上动也不动的;还有(看上去像是)正和别的幽灵说着话的,千姿百态。
  考え方だって様々であろう。でも、その様々な幽霊たちがなぜ、突然うちに集まって来たのか。そこだけが、意志が統一できたのか。もし、幽霊の声を聴くことができたならば、どれだけ楽なことだろう。
  连它们的思考方式也都会是各自不同的吧。不过,这么多千姿百态的幽灵们,为什么突然就聚集到我这里来了呢?难道是就这一点上它们达成了意志的统一?要是我能听到幽灵的声音的话,那该多方便啊。
  死者の声を聴くというと、イタコという職業を思い出す。ただ、ほとんどの人間はイタコの能力を誤解している。イタコは死者の声を聴いているのではない。口寄せを依頼した人間から発する無意識を、イタコが言葉にして伝えるのだ。だから依頼人と関係の薄い死者の声を聴くことはできない。また依頼人が 目の前にいない状態で口寄せすることもできない。
  说到听取死者的话语,我想起了一种叫做“传话巫女”的职业。不过,大多数的人类都在误解着她们的能力。她们并非是在听死者的话语,而是要去留意来委托她们传话的人们无意识中表现出来的意愿,然后把这些人表现出来的意愿用语言表达出来,说给这些人来听的。所以,若是委托人和死者的关系淡薄的话,她们是无法听到死者的声音的,或者若是委托人不在自己眼前的话,也是无法进行传话的。
  もし、依頼人の親子、夫婦、恋人以外死者を呼び出していたら間違いなくインチキである。逆に、親子、夫婦、恋人であるのならば、たとえ死んでいなくても口寄せを行うことができる。
  若死者是委托人的父母或孩子、夫妇、恋人以外的人,那么传话巫女把这种死者的灵魂召唤过来的话那肯定是不对的。反过来说,若是父母或孩子、夫妇、恋人的话,就算没有死也是能够进行传话的。
  巫女はイタコと同じ能力を持つと思われるが、少し違うところがある。巫女は、神の言葉を口にする。あらゆるものに神が宿るので、道具であろうと声を聞くことができる。ただ、その声は一方通行なのだ。いわば神の独り言をそのまま言葉にするようなものだ。
  人们都认为巫女和传话巫女有着相同的能力,但也有所不同,因为巫女是传达神所说的话的。世间万物中都寄宿着神灵,就算是个道具也是能听到它的声音的。只是,那些声音是单方面的,巫女要做的差不多就是把这些所谓神的自言自语原原本本地用语言来传达出来。
  外は静かである。雪が降っているのだろう。幽霊たちは、実は長い旅の途中で、外が雪だからここで小休止しているだけなのかもしれない。
  外面静悄悄的,可能正下着雪呢吧。其实这些幽灵们,也许只是正在进行一次遥远的旅行,途中因为外面下了雪所以才来这里小憩一下的也说不定。
  霊夢がお札を貼っていっただけで積極的に退治しなかったのは、やはり幽霊と妖怪は異なるということだろう。幽霊というだけでは退治するという理由にはならないのだ。妖怪とは違って。
  灵梦之所以只贴了几张符而没有积极地降伏它们,还是因为幽灵和妖怪的差异的缘故吧。仅仅是幽灵的话是成为不了她来进行降伏的理由的,毕竟它们和妖怪不同。
  僕は、ストーブを付けっぱなしにしたまま寝ることにした。幽霊だって寒かろう。……いや、僕が寒いのだが。
  我还是决定就开着暖炉睡觉去了,就算是幽灵也怕冷吧。……不,冷的可是我呀。
  ーーードンドンドン!
  ——咚咚咚!
  夜が明け、まだ日も昇ったばかりだというのに、扉を叩いている者がいる。
  夜渐黎明,太阳才刚升起来,就有人来敲门了。
  雪はすっかり止み、雪の光と凍った空気で幻想郷は白色で包まれていた。
  雪完全地停了,幻想乡被雪光和冰冻般的空气包裹成为白色。
  ドンドンドン!
  咚咚咚!
「すみませーん!ちょっと貴方の店で調べたいことがあるのですがー!」
“打扰您啦——!我有点儿事儿,想在您的店里调查一下—!”
  ドドド……ドサ。
  轰轰轰轰……咵嚓
  あーあ、扉を叩いて店を揺らしすぎるから……。昨夜はあれだけ雪が降っていたし、店は一晩中ストーブを点けていたから、屋根の雪も緩んでいただろうし。
  哎—呀,我说你敲门敲得我的店直晃悠呀……昨天晚上又下了那么大的雪,我又开了一晚上的暖炉子,房顶上的雪都得松动了吧。
「まだ、開店まで随分と時間があるんだが……いったい何の用だい?」
“离我开店的时间还早得很呢……你到底有什么事儿啊?”
  でも、扉を開けても誰もいないじゃないか。
  可是,开了门却一个人也看不到啊?
  いや、扉の前に雪の山がある。雪の山から二本の剣と片足が飛び出している。
  不对,门前边儿有座大雪堆,从那雪堆里面还伸出两柄剑和一只脚来。
  これでは客も入って来られないだろう。後で雪かきをしないといけないな……、ってそうじゃなくて。どうやら目の前の雪の山が「来客」らしい。
  这样的话客人都进不来了啊,呆会儿我必须得来铲雪了……不、不对,看来好像我眼前这堆雪就是“来客”了。
  雪かき用のシャベルはどこにあったかな、って中に柔らかいものが入っているようだから乱暴に掘り起こすのは危険かもしれない。
  我那铲雪用的土铲子放哪儿了呢,不过这里边儿好像有柔软的东西在呢,要是胡乱粗暴地铲下去也许会很危险。
「うー……」
“呜—……”
  目の前の雪の山からうめき声が聞える。
  从眼前的雪堆里传出呻吟的声音来。
「自分で出てこられるかね。いったい何の用だい?まだ朝も早すぎて店を開けていないんだが」
“你自己能出来么?到底有什么事儿啊?现在还太早,我的店可还没开门呢啊。”
「う、動けない……。少しくらい雪をどかすのを手伝ってくれてもいいでしょう?」
“动、动不了……稍微帮我把雪挪开点儿总行吧?”
「声だけ聞こえれば取りあえず用件は聞ける。手伝うのはその後でもいいんじゃないかな?」
“能听到声音的话我就先听听你有什么事儿吧。帮忙的事,听完之后再说也不迟吧?”
「うーっ、うー」
“呜—、呜—”
  僕は声の聞えた付近だけ雪を退けてみた。そこには来店一番に屋根の雪に反撃を受けた、間抜けな少女の頭が見えた。
  我听着声音把她附近的一点点儿雪挪开,然后我便看到了第一个来我的店这儿就遭受到屋顶上积雪反击的这个少女她那傻乎乎的脑袋。
「ぷぅ、冷たいー、って、手足が動かないよぉ。雪を全部どけて下さいよー」
“噗—,好冷啊—,手脚都动不了了。请您倒是把雪都挪走呀—。”
「雪は体を動かすと圧縮されて固まってしまう。だから」
“你越是活动身体,雪就会融化被压缩然后再凝固。所以啊……”
「だから、じゃあなくて……」
“不要说‘所以’啦……”
「で?いったい何の用だい?」
“那么,你到底有什么事儿?”
「しくしく。貴方の店で調べたいことがあるの、しかも急ぎで。だから訪れただけなのに……」
“呜呜。我有件事儿要在您的店里查一下,而且很急。所以我就来了啊,就这样而已……”
「調べたいこと?もしかしてこの幽霊のこと?」
“要查件事儿?难道是这些幽灵的事儿?”
「そうです」
“是的。”
「ならば話が早い。雪をどかしてあげよう。」
“那话就好说了,我把雪给你挪开吧。”
「って、違う用だったらこのままだったの?あーもう……」
“那,我要是别的事儿的话就得一直这样了?啊—真是的……”
「今度からは、店には丁寧に訪れるように」
“下次来店时记得要拘谨一点儿。”
  しばらく雪をどかしたら、少女は動けるようになって、雪の山から出てきた。店の扉を開けると、ばつが悪かったのか、恥ずかしそうに僕の後をついてきた。
  费了一番工夫把雪挪开以后,少女也能动了,就从雪堆里爬了出来。我打开店门后,她便很害羞地跟在我的后面进来,好像很不好意思似的。
  魂魄妖夢という変わった名前を名乗った少女は、店に入るなり寒そうに震えていた。上下緑色の服を着ていて、広がったスカートは短くて寒そうだ。おかっぱ頭は必要以上に幼く見えるが、登場の仕方からしてやっぱり幼いのだろう。もっとも特徴的なのは、背中に携えた背丈ほどもある長刀と腰のあたりの短刀である。店に来るのにこんな物騒なものを持ち歩いているというのは、何というか……。強盗だと思われてもおかしくない。そりゃ店も拒絶するだろう。雪を落としたりして。
  这个叫魂魄妖梦这奇怪名字的少女,一进店里就冷得直打哆嗦,看她穿着上下绿色的衣服,而且那又短又宽的裙子让人看上去就觉得冷。那娃娃头更让人看起来觉得幼小,而且看那个出场方式,果然还是太幼小了。更有特点的就是她那带在后背上的、有她身高那么长的长刀和带在腰间的短刀。来我店里还带着那么危险的东西,怎么说呢……就算被认定为是强盗都不奇怪,她那样子,也难怪我的店会拒绝她了吧,还把雪给弄下来一大块。
「寒いのなら、そのストーブに当たるといい。昨日から付けっぱなしなので暖まりすぎているくらいだから」
“你要是冷的话,就去烤烤那暖炉吧。从昨天就一直开着来着,估计都得暖和过头了。”
「あ、ありがとうございます。では早速」
“啊,谢谢您了。那么我就速从啦。”
  店に入るなり、丁寧な態度になったような……。もともと「こういう」娘なのだろうか。
  怎么好像一进店里态度就变谨慎了……也许她本来就是“这么个”女孩吧。
「あ、熱過ぎるかも知れないから火傷には気を付けるように……」
“啊,可能会过烫的,小心被烧伤了……”
  ストーブの方を見てみると、少女は緩んだ表情をしていた。わりとだらしない。やっぱり霊夢たちと同類かな?
  往暖炉那边瞅过去,发现那少女一脸松缓的表情。比较地懒散。果然她和灵梦她们是同类吗?
  ストーブの上のやかんのお湯が危うく蒸発しきるところだったので、外からつららと雪を持ってきて入れた。
  暖炉上那个壶里的热水再差一点儿就要全烧干了,我便只好从外面搬了些雪和冰凌进来。
「そろそろ良いかな?まず、何の用かい?君はこの幽霊のことを調べに来たと言っていたけど」
“差不多暖和过来了吧?首先,说说你有什么事儿吧。你刚才说,你是来调查这些幽灵的?”
「そうですね。ここの幽霊って、なぜ集まっているのかわかりますか?」
“是的呀。您知道这里的幽灵为什么会聚集起来吗?”
「わかっていたらもっと面白いことをしているよ」
“要是我知道的话我就会干些更有意思的事儿了啊。”
「では、貴方が意図的に集めたわけではないのですね」
“那么,您就不是有意来召集它们的了吧。”
  集めてどうしようというのだろう。それはともかく、さっきから気になっているのだが、ひときわ大きな幽霊がいつの間にか入り込み、ストーブを独占するように鎮座している。
  你说我召集它们来干吗啊。这先不说,刚才我就注意到了,有个更大一圈儿的大个儿幽灵不知什么时候钻进来的,还独占了暖炉,在它前面坐下就不动地方了。
「幽霊が集まってくる前に、何か変わったことはありませんでしたか?」
“在幽灵聚集起来之前,有过什么不对劲儿的事情发生吗?”
「その前に、君はいったい何者だい?その刀で幽霊の退治をするかい?それとも、ただの好奇心なのか……」
“我先问你,你到底是什么人?是用那刀来降伏幽灵的么?再或者,只是出于好奇心……”
「ああ、申し遅れました。私はこの幽霊たちが集まっている原因に心当たりがあるのです。私はこう見えても幽霊なのです。半分だけですが……」
“啊啊,我告诉您晚了。我对这些幽灵聚集过来的原因可是心里有数的。别看我这个样子,其实也是个幽灵,虽然只有一半儿是……”
  なんだ、人間じゃないのか。じゃあ妖怪退治も幽霊退治もお願いできそうにないな、って幽霊?
  什么嘛,不是人类啊。那看来不管是降伏妖怪还是降伏幽灵都拜托不了她了啊……等等,她是幽灵?
「幽霊だって?いつから幽霊が君みたいな実体を持つようになったんだい?亡霊じゃあるまいし」
“你说你是幽灵?什么时候幽灵也能拥有像你这样的实体啦?又不是亡灵。”
「ああ、もちろん私の『こっち』は人間部分ですよ。私の幽霊部分は『あっち』」
“啊啊,当然我的‘这一边’是人类的部分,我的幽灵部分在‘那边’。”
  少女はストーブを独占している大きな幽霊を指した。
  少女指了指那个独占着暖炉的大个儿幽灵。
  幽霊使いみたいなもんか。なら幽霊の扱いには慣れているだろう。幻想郷には変わった職業もあるもんだ。
  那就是幽灵使一类的人物吧,那样的话,对付起幽灵来就应该已经是习以为常了。这幻想乡里还真是有些奇怪的职业呀。
「ですから、もう一度訊きますが……。最近何か変わったことはありませんでしたか?例えば何かを拾ったとか……」
“哎呀,我再问您一次……最近有过什么不对劲儿的事情发生吗?比如捡到了什么东西之类的……”
「ある日突然、幽霊が集まってきたよ」
“就是有一天,突然幽灵就聚集过来了啊。”
  僕は少女の訊き方で、彼女の意図が読めた気がした。
  从这个少女的问话方式上,我觉得我似乎读出了她的意图。
「いや、それはわかっていますので」
“不是,那我已经知道了。”
「君は、何か心当たりがあると言っていたね。でも、こちらから原因を聞き出そうとしている。それはつまり、君にとってあまり堂々と言えるようなことではないからなのか?」
“你刚才不是说已经心里有数了么?但是你却要从我嘴里探出原因。那也就是说,这对你来讲不是什么能挺起胸膛说出来的事儿,对吧?”
「う。そ、そんなことはないですよ」
“呜。没、没那回事儿啦。”
「では、その心当たりを言えばいいじゃないか」
“那,你就把你心想的说出来不就得了?”
「そ、そうですね。……では率直に訊きますが、貴方は『人魂灯』を拾ったりしませんでしたか?」
“也、也是啊。……那么我就直率地问了啊,您捡到过‘人魂灯’吗?”
  人魂灯?そんなもの拾ったっけな?拾いものなんてたくさんあるから、つまらないものは覚えていない。
  人魂灯?我捡到过那种东西吗?我捡来的东西太多了,微不足道的东西我可记不得。
「その人魂灯があると何だっていうんだい?」
“那你说,有了那人魂灯就会怎样呢?”
「人魂灯は無数の幽霊を誘導するのに使うもので元々冥界にしかないの道具です。この道具の光は、どんなに離れていよう障害物があろうと、幽霊には見ることができるのです。だからそれを見て集まってきてしまいます」
“人魂灯是用来诱导无数的幽灵的、本来只有在冥界才有的道具。这个道具发出的光,不管相隔多远,不管有没有障碍物,幽灵都是可以看见的。所以它们看见了这光才聚集了过来。”
「あーそうか。人魂灯って……」
“啊—这样啊。说起人魂灯来……”
  そういえば、冬に入る前に無縁塚でそんなものを拾ったような気がするな。あれはどこに置いたっけ?
  说起来,入冬之前好像在无缘塚捡到过那么个东西啊,那个我给放哪儿了来着?
「ここにあるのですね!?」
“它在这里对吧!?”
  少女はなぜか嬉しそうだ。
  少女似乎高兴了起来。
「ああ、確か拾った気がしたよ。ずいぶんと前だけど……、でも灯を入れた記憶はない。ちょっと待ってな」
“啊啊,我好像确实捡到过,不过已经是比较远的事儿了……而且我不记得我点过那灯,你先稍等一下。”
「良かったぁ」
“太好啦—”
  去年の秋に拾った商品の山の中から、それっぽいものを見つけた。手のひらサイズの行灯のようなものだったが、確かになぜか灯が点けられている。
  我从去年秋天捡回来的商品山堆中找到了类似的一样东西,这是个只有手掌大小的如同行灯一样的东西,而且不知为什么,它的确被点亮着。
「これだね?人魂灯は」
“是这个吧?那个人魂灯。”
  僕は道具の名前と用途を知る能力を持っているのだ。
  我可是有知道道具的名称及用途的能力的。
「それです。それです。良かったですー」
“就是它。就是它。太好了—”
「勝手に灯が点いたみたいなんだけど……、この冷たい灯は、人魂のひかりかな?」
“它好像自己就点着了似的……这冷冷的光,就是人魂的光了?”
「うう。そのへんはあまり気にしないで下さい。で、その人魂灯ですけど、それを捨てれば幽霊は集まらくなります」
“呜呜,这一点就请不用太在意了。啊,这个人魂灯,只要扔掉了幽灵就不会聚集来了。”
  なるほど、つまりはこういうことか。
  原来如此啊,也就是说是这样啊。
「君が店に来た理由ようやく飲み込めたよ。僕は君に幽霊が多いとは言ったが、困っているとは言っていない。この人魂灯は君がうっかりなくしてしまったものだね?君は幽霊使いだから、これがないと困るというわけか」
“我差不多渐渐理解你来我店里的理由了。我呢,虽然跟你说过我这里幽灵很多,但我可没说我很发愁。这人魂灯是你一时大意弄丢的吧?你是幽灵使,所以没了这个就会比较麻烦吧。”
「う。幽霊使いではないですがー」
“呜。我不是幽灵使啊——”
「本当は、この人魂灯が欲しいんだよね。本当の理由を言わないと渡せないなぁ」
“反正其实,你是想要这个人魂灯的是吧。你要是不说真正的理由我可不给你啊。”
「うーしくしく」
“呜—哭”
  少女はようやく、自分の来た理由を語り始めた。
  少女终于开始将自己前来的理由慢慢道来。
  少女は冥界にある大きなお屋敷で住み込みで働いてるらしい。人魂灯は、そのお屋敷のお嬢様から預かった大切な道具だった。だが、出先でうっかり落としてしまったらしい。この少女らしい気もする。
  据这个少女讲,她是居住并工作在冥界的一座大宅子里的,而这人魂灯,就是那个宅子里的大小姐暂时放在她这里的道具。可是,她却在前往一个地方时一不小心把它丢在了那里。我看这也挺像这少女的作风的。
  なくしたことに気が付いたのだが、すでにいつどこで落としたのかも思い出せなかったし、お嬢様にも相談できず途方に暮れていたそうだ。しばらくは仕事合間に探していたが、何の進展もなく、次第にそのことを忘れてしまったという。この少女らしい、のか?
  虽然意识到丢了东西,却又已经想不起来把它丢在哪里了,而且又不能和大小姐商量,所以就束手无策地发起愁来。后来又在工作时抽空顺便寻找了一番,不过什么进展也没有,就渐渐地把这事儿给忘了。这也算是符合这少女的性格…吗?
「結局、幽々子様にバレてしまって……散々怒られたのです」
“结果,还是让幽幽子大人给知道了……我就被狠狠地给训了一顿。”
「それはそうだろうな」
“那是肯定的啦。”
  怒られた理由、なくしたことなのか、それともなくしたのを伝えなかったことなのか、彼女にはわかっているのだろうか。
  这被训的理由,是她弄丢了这东西呢,还是弄丢了之后没有报告呢?我想她应该是知道的吧。
「幽々子様は、どこにいてもその人魂灯を灯すことができるとおっしゃっていたので、それで幽霊の集まったところを探してこい、って」
“幽幽子大人说,她不管在什么地方都能把这人魂灯点亮,所以就让我来找有幽灵聚集的地方。”
  どこにあっても灯すことができるのなら、きっとどこにあるのかもわかっているのだろう。そんな都合良く「灯すことだけ」しかできないなんてことはあるまい。目の前の彼女に探せるつもりだったのだ。やはり、なくしたのを伝えなかったことに怒っていたのだろう。
  若说不管这灯在哪儿都能把它给点亮的话,那个大小姐也肯定是知道这个东西在哪儿的吧。只能做到“仅仅是点亮”这么单纯的事儿我看是不可能有的,这肯定是要我眼前这少女自己来找的。这大小姐还是因为没告诉她丢了东西这事儿而生的气吧。
  つまり、僕はこの道具を拾ったせいで、幽霊に囲まれて寒い思いをして、その上彼女の勉強のだしに使われたというわけだ。
  也就是说,就因为捡到了这个道具,我不但被幽灵围困冻得够呛,还成了那个大小姐让这个少女上一课的利用对象了。
「君は、捜し物が見つかってひと安心、って顔をしているが……。この人魂灯、すでにうちの『商品』だよ。もちろん、ただでは渡せない。まだ店は開いていないけど、特別に売ってあげようじゃないか」
“你呢,虽然是一副找到了要找的东西,暂且安了心的样子……不过这人魂灯已经是我店里的‘商品’了呀。当然我不会白给你的,虽然现在店还没开门,不过我就特殊一次卖给你吧。”
「え?そんなぁ!返して下さいよう……」
“哎?别啊!请还给我吧……”
「おっと、この人魂灯に目を付けるとはお目が高い。これはなんと冥界の品で、なかなか手に入るものじゃないよ?値段もそれ相応だけど」
“哦,你竟然看中了这个人魂灯可真是好眼力。这个据说可是冥界的东西,绝非轻易就能弄到手的哟?价钱也是相应地高啊。”
「しくしく……」
“呜呜……”
  ーーーカランカラッ。
  ——叮当叮当
「よう!昨日はすごい雪だったな」
“好呀!昨天的雪可真大呀。”
  店を開くなり、寒がりの魔理沙がやって来た。
  我刚开业,怕冷的魔理沙就来了。
「魔理沙か。扉は静かに開けないと危ないよ。屋根の雪が落ちるから」
“魔理沙呀。店门不轻点儿开可是会很危险的哟。屋顶上的雪可是会掉下来的。”
「あれ?でも屋根に雪はなかったぜ。というか珍しいな」
“哎?可是屋顶上可没有雪啊。说来真是稀奇呀。”
「何がだい?」
“你指什么?”
「香霖が屋根の雪下ろしをするなんてさ。いつもだったら、そういう体力仕事はやらないじゃないか」
“我是指香霖你竟然干起给屋顶铲雪的活来了啦。平常的话,你不是不会干那种体力活儿的吗?”
  今朝、少女が店を訪れてからすでにかなりの時間が経っている。雪が降っていれば、積もることもありえるくらいの時間だ。逆に言えば、雪かきをすれば広範囲にわたって行うことができるだろう。
  今天早上,自那个少女来店之后已经过了很长一段时间了。只要天下着雪的话,在这段时间里能堆积起来也不是什么奇怪的事儿了。反过来说,要除雪的话,那就可以大范围地来上一次了。
「ああ、親切な人間がいてね。屋根雪も、店の周りも全部を雪をかいてくれたんだよ。」
“啊啊,因为有个很亲切的人在呢,她帮我把屋顶上的雪,还有店子周围所有的积雪都给除干净了。”
「ふーん……あれ?妖夢じゃないか、ここに来るなんて珍しい。そんなにストーブに近づかなくても店内暖かいだろう?」
“哦—……哎?这不是妖梦吗,你来这里还真是少见啊。不用那么靠近炉子这店里面不也很暖和吗?”
  彼女には今朝から開店まで屋根の雪下ろしをしてもらったので、凍えていても仕方がない。
  我让她在我开店之前把屋顶上的雪都除干净了,冻成那样也难怪。
「もう、体が冷え切って……。魔理沙っていつもこんな酷い店主を相手にしているの?」
“我已经冻僵了……魔理沙你一直就是跟这么个不讲理的店主打交道的吗?”
「ああ、してやっているぜ。酷い奴だろう?」
“啊啊,是啊。是个不讲理的家伙吧?”
「それは聞き捨てならないな。酷いとは何だい?君はものを買うために店に訪れて、その上、手ぶらだって言うじゃないか。それでは幻想郷は生きていけないよ」
“这我可听不过去了啊,什么叫不讲理?不是你为了买东西来我店里,却还说是空着手来的么?那样的话在幻想乡里可活不下去呀。”
「冥界と比べて、幻想郷は厳しいところです……」
“和冥界比起来,幻想乡真是个严酷的地方……”
「あはは-、そんなことないぜ。それほど気楽なところもない。お前は、まんまと香霖に騙されて、雪かきをさせられたんだな」
“啊哈哈—,没那么严重啦,没有比这里更轻松的地方了。你呀,完全是让香霖给骗去强迫除雪的啦。”
  なんとなく、この少女は、霊夢や魔理沙にいつもからかわれているような気がした。それもこの少女の未熟さと真面目さ故だろう。雪かき程度、人生の勉強代としては安いもんだ。
  我好像觉出来,这个少女似乎一直是被灵梦和魔理沙她们嘲弄欺负的角色,这也是由于这个少女的不成熟和太过认真的态度吧。就把让她来除除雪作为她人生的学费,这可还算是便宜的呢。
つづく
待续

注释


< 第11话   东方香霖堂   第13话 >