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東方海恵堂 ~ Marine Benefit./宴の従者/剧情/下ノ二

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BGM: 舞姫と乙姫の部屋 ~ 1
BGM: 舞姬与乙姬的房间 ~ 1
「はい、お疲れさま」
「好了,辛苦了。」
 全ての弾幕が撃ち果たされた時、まるで軽くジョギングでもした後のように彼女が声をかけてくる。こちらはジョギングどころか中東の銃撃戦も冷めるような弾幕に、精も根も尽きかけているというのに…
 射光所有弹幕之后,她用像是刚刚慢跑完一圈的声音说道。而我别说是慢跑,简直像是去中东打了场枪战回来一样,根本精疲力尽了…
「本当に当たりませんでしたね。あなたから運以上の何かを感じますよ」
「真的没有打中呢。您可不仅有运气呐。」
 少し舌を出しながら、お茶目を装った顔と一致しない振る舞いを見せる。すでに口調も立ち姿も他所向け用である。二面性、げに恐ろしきかな。
 吐了吐舌,一脸恶作剧般的表情,与她所作所为截然相反。语气和站姿又仿佛换了个人一样。双面人,好可怕。
「さて、私の案内はここまでです。後は…」
「那么,我的向导工作就到这里为止了。之后……」
 彼女はそう言うと、自分の後ろをちらりと振り返った。
 说着,她迅即回头。
「金流?その方は?」
「あっ、風花姉さん!」
「金流?这位是谁?」
「啊,风花姐姐!」
 彼女の後ろ、いつの間にか壁際にそびえていた大扉から、新たな女性が顔を覗かせていた。金流さんの軽装な格好とはうってかわって、きらびやかな衣装に身を包んだ身の丈高い女性だった。七色と表しても足りない、色と言う色の全てをその身にやつしたような衣、まるでどこぞの歴史書で読んだ十二単を思わせる華やかさがある。
 在她身后,不知何时,又一位女性从墙边的大门中露出脸来。和金流的简装不同,一身闪亮的衣装,包裹着她修长的身材。七色决计不够,简直是能称得上颜色的一切颜色都在这身衣服上了,华丽到让我想起从前在历史书上读到的十二单。
深海エクスプレッシーヴォ
風花/Fuuka
深海表现力
风花/Fuuka
「この人は迷いこんだ放浪人。よくわからないけどここに連れてこられたんだって」
「她是迷路进来的流浪者。虽然不太清楚,不过好像是被带到这里来的。」
 …と、隣にいる金流さんが伝える。向こうにいる女性はややいぶかしげな顔をしたがすぐに表情をやわめて、扉を開いてその衣の全景を現した。
 …旁边的金流说道。对面的女人一时有些惊讶,但很快恢复平静,打开门,露出了那身衣服的全貌。
「ようこそ海恵堂へ、私は風花(ふうか)…そちらにいる金流の一つ上の姉に当たります」
「欢迎来到海惠堂,我叫风花…是那边的金流上面一位的姐姐。」
 そんな恭しい挨拶をするや否や、彼女は何かに呼びかけられるように扉の奥へと振り返る。大扉の向こうに顔を送り込んで、なにやら会話をしているようだが。
 刚说完这彬彬有礼的招呼,她就像是被谁叫了声一样,回身朝门里走去。脸藏进了大门对面,仿佛在和谁说话一样。
「はい………えっ、こちらにですか!?は、はい…乙姫様がそう仰るのでしたら………」
「是………哎,这边吗!?是、是…既然乙姬大人这么说了………」
 なにやら驚きやら困りやら、色んな反応が聞こえてくる。その中で"乙姫様"という言葉も聞こえてきた。これはいよいよ浦島太郎っぽくなってきた。
 她的声音好像有些惊讶,又有些困惑。而话中又有“乙姬大人”这样的词。越来越像是浦岛太郎了。
「…お客様。私たちの先客から、こちらのお部屋に案内するようにと仰せつかりました。ここからは私がご案内します」
「…客人。我们之前的客人,说想让我带你到那个房间去。那么往后就由我来领路。」
 風花なる女性は、座り込んでいる私をかざし手で案内する。すると風花さんの傍らに立っていた金流さんがジト目で風花さんを見つめながら、
 名为风花的女人以手搭额,为坐倒在地的我指路。站在风花旁边的金流用咭咄目看向风花,
「風花姉さん、ここが関係者以外立ち入り禁止のバックヤードだって忘れてる上に私はお客様とまで言ってない」
「风花姐姐,你忘了这里是非内部人士不得进入的后院了。而且我也不叫“客人”。」
 …とこっそりつぶやいた。風花さんはそれを聞いてハッとすると同時に少し照れくさそうな顔をした。
 …如此小声抱怨道。风花听到,惊呼一声,表情有些害羞。
「そ、そうでしたか、失礼しました。ですが、先客が申してるのは事実です、どうぞこちらへ」
「是、是这样吗,失礼了。但是,之前的客人确实是这么说的,请来这边。」
………
………
 案内されるまま中に入ると、そこは今までのどの部屋よりも広く、そして豪華な場所だった。今までよりはるかに広く、多くの飾り物にあふれている…が、その豪華さとは裏腹に、またさっきの舞台裏の喧騒との対比もあって…この部屋は静かだった。そんな部屋の向こう側に、大きな玉座と小さな少女の姿があった。
 被她引着来到内部,就见一处宽广、豪华远胜方才的所在。比之前要大得太多、装饰要好上太多…但是,与着豪华相反,正像是和刚刚的后台的喧闹形成鲜明对比一般…这所房间极其安静。在房间的对侧,巨大的玉座上,坐着一个娇小的少女。
「やあやあ、まさか私以外の客人とはね」
「嗨嗨,真没想到除了我还有别的客人啊。」
海恵堂プリンセス
観福宮 XX/Kanpukugu ()70]-[!|v|£
海惠堂公主
观福宫XX/Kanpukugu ()70]-[!|v|£
 玉座に悠々と座る少女はまるで私を待ちかねたような期待のまなざしを私に向けていた。大きな玉座に場違いなほど姿は小柄だが、その少女からはぞっとするような雰囲気を感じる。子どもらしいあどけなさも見えるが、幾何学文様の入った着物に自分の認識力を疑いそうになる綺麗な羽衣、さしずめ彼女は、この場所の姫…先ほどの言葉を借りて言うなら"乙姫様"なのだろう。
 悠然坐在玉座上的少女,简直像是迫不及待一般,向我投来期待的眼神。她的身材虽然娇小到与那巨大的玉座极其违和,但那少女却有股不怒自威的气质在。虽然能看出孩童般的稚气,但那绣着几何纹样的和服,让我简直怀疑起自己理解力那样漂亮的羽衣,看来她就是这里的公主…用刚刚的话说,“乙姬大人”了吧。
「なんだい?おとぎ話でも見るような目をして?」
「怎么?眼神像是童话成真了一样?」
 まじまじを見つめる私を見て、その少女は怪しげな笑みを浮かべてそう言った。
 看着我目不转睛的样子,少女露出了狡黠的笑容,道。
「乙姫様、お客人を招くとは言いましたけど、この方をどうしますん?」
「乙姬大人,虽然说要招待客人,但这位是?」
 私と少女がそんなやり取りをしていると、少女の傍らにいた女性がたおやかな所作と共に質問を投げ掛ける。風花さんよりもより大人びていて、直感でこの人が風花さんの上の姉妹だと気づいた。
 在我和少女如此互动的时候,少女身边的女性娴静地提出问题。看上去比风花还要成熟,我直觉此人应是比风花更年长的姐姐吧。
サーヴァント
花錦/Hananishiki
从者
花锦/Hananishiki
「面白そうじゃない。だってあなたたちの姉妹を倒した人間だよ!前に会ったあの人間たちみたいなすごい人だと思うじゃない!」
「挺好玩的嘛。这可是能打倒你的姐妹的人类啊!我觉得应该和之前见过的人类差不多厉害呢!」
 目を爛々と輝かせて大きな女性に語る少女。好奇心旺盛な子供とその母親のような構図だ。次の言葉が出るまでは…
 少女双眼熠熠地对女人说道。简直像是好奇心旺盛的孩子与她的母亲一样。直到她说出下一句话为止…
「きっと風花や花錦も倒せるんじゃないの。ねぇ?」
「肯定连风花和花锦也能打倒的。对吧?」
 どことなく不適1な笑みを浮かべる少女。嫌な予感にはもう慣れたが、この感じは少し違う。この少女は、もしかして…
 少女露出了几分信心十足的笑容。虽然已经习惯不妙的预感了,但这次却有些不同。这个少女,莫非…
「…乙姫様がそない言いはるんやったら…風花、お相手したりぃな」
「…乙姬大人既然这么说了…风花,你去和她放对吧。」
 余計な考え事をするより早く、向こうに立つ年上の女性が言葉を発した。その言葉に、私のそばで私を案内してくれていた風花さんがビクッと身体ごと飛び跳ねるように反応した。
 我还来不及多想,对面那位年长的女性就开口道。听她说完,在我身边为我引路来到这里的风花,砰地一声,整个身体跳了起来。
「は、はいっ!?わ、わかりまし・・・ましっ・・・た!」
「是、是!?我、我明…明白……明白了!」
 いきなりの事にかなりうろたえている風花さん。彼女はすぐに私から離れて一歩前へ…そしてツカツカと歩き出して私のまん前に立つ位置で立ち止まる。そして踵を返して私と向かい合うと、そこからさっきまでのおどおどした彼女からは想像できない、凛とした視線が私に突きつけられる。
 事出突然,风花颇为狼狈。但她很快从我身边走开…毫不客气地在我面前站定了。在她回身与我对面时,与我交错的视线,已经与刚刚战战兢兢的她完全不同,而是凛然威风的样子了。
「よ、よくわかりませんが…姉さまのご命令です。あなたに恨みはありませんが、この風花…舞い踊りますっ!!」
「虽、虽然不是很明白…但这是姐姐大人的命令。对你虽无怨恨,但我风花…要起舞了!!」
 そう言うと風花さんはどこに隠し持っていたのかわからない大きな扇子を一組手にすると、それを私に向けて言い放った。どうやら私は、このどこか拙い風花という少女と"踊らされる"ようだ。
 风花把不知藏在哪里的巨大扇子抓在手中,向我说道。看来我也不得不和这个有些笨拙的风花“跳一支舞”了。
BGM: 深海の雨と踊れ ~ Dance of fascination
BGM: 深海的雨与舞 ~ Dance of fascination

注释

  1. 当是「不敵」之误。顺便一提后者原本也是误用,但积非成是了。
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