• 欢迎来到THBWiki!如果您是第一次来到这里,请点击右上角注册一个帐户
  • 有任何意见、建议、求助、反馈都可以在 讨论板 提出
  • THBWiki以专业性和准确性为目标,如果你发现了任何确定的错误或疏漏,可在登录后直接进行改正

连缘蛇丛剑~Earthen Miraculous Sword/设定与剧情/故事背景

来自THBWiki
跳到导航 跳到搜索


--------------------------------------------------------------------
*==================================================================*
連縁蛇叢釼 ~ Earthen Miraculous Sword
(c)opyright JynX


同人サークル『トリック・ノスタルジー』
雑用[ JynX ]
2013/11/11
*==================================================================*
--------------------------------------------------------------------

無駄に長いストーリーとか

--------------------------------------------------------------------
*==================================================================*
--------------------------------------------------------------------
*==================================================================*
连缘蛇丛剑 ~ Earthen Miraculous Sword
(c)opyright JynX


同人社团『Trick・Nostalgia』
杂役[ JynX ]
2013/11/11
*==================================================================*
--------------------------------------------------------------------

冗长拖沓的故事

--------------------------------------------------------------------
*==================================================================*
◆プロローグ

~○闡裡神社にて~

 无現里(むげんり)。
 現実には存在しないこの国でも時の流れ方は変わらず、
 ただ川上から川下へ流れ落ち、
 季節と景色もそれに伴い移り変わる。
 物静かな模様の穹窿から、何者にも遮られること無く降り注ぐ旭日が
 小昼の時を告げる数刻前のこと、
 蛇は蛇穴に入り、色彩を纏うことに飽きてきた景勝が単墨色へと衣を更え、
 新たな季節を迎えるにあたり、雪化粧の仕度を整えようとしている
 そんな季節。
 ようするに晩秋。

 この国に鎮座する闡裡(せんり)神社の新たな住人達は、
 外とは少し違う生活にもようやく慣れ初めてきたところであったが、
 その異端の地にて新たに築き上げた『平凡な日常』という名の砂上の楼閣も、
 木の葉すら舞い上がらない程度のこの日の"野分"によって
 顛覆を余儀なくされようとしていた。

 神社の厨房にて、
 代理の神主を押し付けられた鳳聯 藪雨(ほうれん やぶさめ)は
 二つの湯のみに墨の様に真っ黒な汁を注いでいた。
 小気味良い音を立てながらそれらを注ぎ終えると、
 鼻歌交じりにその下に置いてあったお盆ごと
 湯のみを持ち上げ、その中身が"コーヒーとして"最後を迎える地へと
 足を運んでいった。

 藪雨がそのコーヒーの搬入先と定めてるこの神社のもう一人の代理神主、
 燕楽玄鳥(えんらく つばくら)を探すのだったら、
 その研究室(玄鳥の自室)か、境内の縁側でもグルッと一周、
 景色でも眺めながら回ればいいだろう。
 大抵はそこらで怪しい実験でもしてるか、欠伸でもしながら
 ボーっとしてる”てい”を装っているだろう。
 その証拠に今日と言う日も縁側に腰を掛け、
 分厚い本を弄びながら欠伸をしている玄鳥の姿を藪雨は難なく発見した。

  藪雨「あれ? まだ勉強終わってなかったの?」

 玄鳥の元へたどり着いた藪雨は意外そうな顔をしながら、
 片手で持っているお盆から湯のみをひとつ玄鳥へ差し出した。

  玄鳥「んっ・・・『勉強』はとっくに終わってる、だがノルマはまだだ、
     あと16周だ」

 片手で差し出された湯のみを受け取りながら、もう一方の手で本を捲りつつ、
 肩は竦めながら首を横に振り、目を瞑りながら眉を顰め、
 口からは舌と共にため息を垂れ流している玄鳥の様子は、
 大げさにその退屈さを視覚的に表現して、
 相手に分かりやすく伝わるようにしているようで、
 普段からの聞き手の理解力の低さを物語っていた。
◆序章

~○闡裡神社~

 无现里(Mugenri)。
 在这片不存在于现实的国土,时间的流动也没有改变,
 不过是从河川的上游往下游涌落,
 季节和景色也随之变迁着。
 旭日的光芒以一往无前之势从沉静的穹顶倾泻而下:
 这是晌午到来数刻钟以前的事了。
 当下蛇躲进了地洞;色彩纷繁的盛景为了迎接新的季节,
 也换上了单调的墨色衣装做着银装素裹的准备;
 当下是这样的季节。
 马上就是晚秋了。

 坐镇于这片国土的阐里神社的新住民们,
 终于也渐渐习惯于这与外部世界有着小小不同的生活。
 但是在这异端之地新建起的如同沙上楼阁一般的「平凡的日常」,
 仿佛一场连落叶也无法卷起的「秋台风」
 都能将其摧枯拉朽。

 在神社的厨房里,
 被强行冠以代理神主之名的凤联薮雨(Houren Yabusame)
 正往两只杯子中灌注着墨一样乌黑的汁液。
 随着令人愉悦的声音,汁液都注入杯中;
 薮雨哼着歌将杯子置于茶盘中、持在手上,
 迈开步子将它送去
 它「作为一杯咖啡」而该去的地方。

 薮雨搜寻着神社的另一位代理神主,
 燕乐玄鸟(Enraku Tsubakura)——这杯咖啡理应被送去玄鸟那儿。
 玄鸟可能在祂的研究室(兼私房)中,也可能正沿着神社境内的回廊踱步,
 欣赏四周的景色;
 祂可能是正在做一些奇怪的实验,或是边伸懒腰边打哈欠,
 摆出一副装腔作势的样子。
 今天薮雨又轻松地证明了这一点:
 玄鸟正坐在走廊上,翻弄着一本厚厚的书,伸着懒腰。

  薮雨「啊呀?还没结束学习吗?」

 终于找到玄鸟的薮雨故意做出一副很是意外的表情,
 单手从盘中拿出一只茶杯递给了玄鸟。

  玄鸟「嗯……‘学习’的话,老早就结束啦。但是‘每日定额’还得持续十六周呢。」

 玄鸟一边接过薮雨递出的茶杯,用另一只手合上书本,
 甩着脑袋耸了耸肩,蹙着眉合了眼,
 口舌间有气无力地流出一声叹息。
 玄鸟的这副模样,看上去表现着莫大的倦怠;
 祂深知薮雨的木头脑袋有着远低于常人的理解力,
 便表现得尤为明显。
 鳳聯藪雨、燕楽玄鳥・・・この二人はこの世界、
 『无現里(むげんり)』に閉じ込められると同時に
 重役(神主)を任された身であった。
 どうせなら巫女さんがよかったと愚痴る藪雨と
 どうせなら株主さんがよかったと愚痴る玄鳥だったが、
 その後それらの事について二人で話し合い(じゃんけん)をして、
 それぞれで役割分担を決めたのであった。
 その結果として、地味で小難しい仕事の全てが玄鳥にまわり、
 日々神社の仕来りや由緒、神事や无現里の歴史等々を
 とある人物に日々叩き込まれる生活を送っていた。
 一方藪雨はというと、料理や掃除洗濯といった家事全般を請け負い、
 堅苦しい神事とは程遠い役割を獲得したのであった。

 藪雨が差し出した湯のみを受け取った玄鳥は、
 渡されたものに入っているものが、
 通常の用途ではそこにあるべきではないものだと認識しながら、
 それを口にした。

 口の中で黒い液体を舌の上で存分に滑らせ、
 味をしっかりと噛み締めてからそのまま喉奥に流し込んだ玄鳥は、
 一息ついた後、藪雨を見てニヤリとした。

  玄鳥「この世界に来ても、お前の腕は健在のようだな」
  藪雨「それを飲んでそう言うのはたぶん玄鳥だけだろうけどねー」

 そう言いながら、藪雨は頭を傾げながら苦笑した。

 ???「なんですか? それは?」

 背後から聞こえたあどけない声に反応した藪雨が振り向いた先には、
 暗黒色の髪をなびかせた子供の姿があった。
 年柄年中、丈の短い袖無し羽織を着ているその子供は、
 そこから由来して周りから・・・

  藪雨「あっ、ジンベイくん」

 っと呼ばれているが、本名を知る者は誰もいないようだ。
 秋風も渡り鳥を追いかけるように飛び去り始め、身を震わせるに足る空風と
 一年ぶりの再会を果たすこんな季節でも、
 ジンベイは平気な顔で甚兵衛羽織を素肌に一枚だけ悠然と纏っていた。
 ちなみにこの人物こそが玄鳥の教師であるので、
 それ故に時に玄鳥はジンベイのことを『先生』と呼んだりしている。

  藪雨「コーヒーだよ、知らない?」
ジンベイ「ん~、もちろん聞いたことはありますが、
     僕は茶葉で作ったものぐらいしか飲まないので・・・」
  玄鳥「! あ~、よかったら先生も一つどうですか?
     何事も挑戦といいますからねぇ」

 妙案を思いついたのか、玄鳥は悪戯な笑みを心の奥底に隠し、
 見せしめるように自分の湯のみを啜りながら、
 もう一つの湯のみの中味をジンベイに勧めた。

ジンベイ「いいのですか? 藪雨さんの分は?」
  藪雨「えっ、うーん・・・いやー、僕はいいかな~」

 藪雨はあからさまに慌てたが、
 ジンベイはそれを只の遠慮の類のものだと思ってしまった。

 それが最大の敗因であったことを、数秒後に思い知るのだが・・・

ジンベイ「それでは、お言葉に甘えて・・・」

 幼子のような身長のジンベイに合わせてしゃがみ込んだ藪雨から
 ジンベイは湯のみを受け取り、それが放つ蒸気に鼻を湿らせた。

ジンベイ「へ~、不思議な香りですね~・・・
     頭の後ろの方がジンジンするような・・・
     これが豆汁ですか・・・」

 そう言い終えると同時にその黒い汁を口にしたジンベイの姿を横目に見て、
 玄鳥はしてやったりとほくそ笑んだ。

 涼しい顔をしていたジンベイの顔が変貌していくのには、
 さして時間を必要としなかった。

  藪雨「えっと・・・だ、大丈夫? ジンベイくん?」

 涙目になりながらも口の中のモノを意地で咽喉の奥に押し込んだジンベイは、
 息荒げに俯きながら玄鳥を睨んだ。

ジンベイ「図りましたね・・・」
  玄鳥「おやおや、サッパリ」

 悪戯心をまるで隠す気の無い玄鳥を恨めしそうに見るジンベイをよそに、
 玄鳥は平然と同じ含有物の液体を啜っていた。

 やっぱりこの世界の人でもこの味はダメなんだ・・・、
 っと心の中でつぶやきながら、
 今日のは毒物が入ってない分、マシな方なんだけどなぁ・・・
 っとも思った。
 藪雨は"玄鳥用の二杯分"とは別に、自分用に台所に置いてきた
 『特製でない』コーヒーの味を懐かしみながら、
 ジンベイが悶えてる様を同情の眼差しで観察していた。
 だが、そもそも自分は紅茶党だったことを思い出し、
 明日にでも茶葉を買いに行ってみようかなぁ・・・
 などと今の内に予定を立てておくことに頭を回し始めた。
 もっとも、明日になっても藪雨当人がその予定を覚えていられる確率は
 天文学的確率で低いのだが・・・
 凤联薮雨、燕乐玄鸟……这二人在被困在这个
 「无现里」世界的同时,
 也被委托了重任(神主)。。
 薮雨抱怨说想做巫女,
 玄鸟抱怨说想做股东,
 不过后来二人就各种各样的事情进行了交谈(猜拳),
 决定了每人的任务和担当。
 结果,接地气又有点累人的工作全部交给了玄鸟,
 祂迎来了每日执行神社的惯例,以及每日被某位人物缠着
 学习神社历史、神事、无现里历史等的生活。
 与此同时,薮雨担起了伙食、打扫、清洗等种种家务,
 从而避开了那些艰苦的神事。

 玄鸟握著薮雨递来的茶杯,
 看到杯中的佐料,
 认识到那是一种一般不会被加在咖啡里的东西,
 便将嘴贴近了杯子。

 让口中黑色的液体在舌面回转流动,
 再三回味后才缓缓灌入喉咙的深处。
 玄鸟长出一口气后,看着薮雨露出了微笑。

  玄鸟「来到这个世界后,你的手艺也和以前一样啊。」
  薮雨「喝下这个还能这么说的大概也只有玄鸟了吧。」

 薮雨这么说着,偏过头去露出了一丝苦笑。

  ???「这个,是什么呀?」

 薮雨听见这背后传来的纯真的声音便回过头去,
 看见了那暗黑色长发在风中飘摇的孩童般的身影。
 这个一年到头都穿着短小的无袖羽织的「孩子」,
 迈着弧形的步伐向这儿走了过来……

  薮雨「啊,甚平君!」

 虽然这位被叫做甚平,但是似乎没有人知道祂的本名。
 即便是在这个像是要追赶候鸟般疾疾卷起的秋风和砭人肌骨的北风
 完成一年一度的再会的寒冷季节,
 甚平仍只平静悠然地穿着一件贴身的甚兵卫羽织。
 顺便一提,这一位便是玄鸟的教师,
 所以有时玄鸟也会称甚平为「老师」。

  薮雨「这是咖啡呀,你不知道吗?」
  甚平「嗯,此物自然有所听闻,但我是只喝茶饮的……」
  玄鸟「!啊,老师也来一杯如何?
     什么事情都要勇于挑战呀。」

 玄鸟似乎想到什么好主意,将恶作剧的笑容隐藏在心底,
 故意让甚平看着自己啜饮下茶杯中的液体,
 又劝导甚平一品另一只茶杯中滋味。

  甚平「不碍事吗?薮雨的份呢?」
  薮雨「诶,唔——嗯……唉呀——,我不要紧啦~」

 薮雨慌张得都写在脸上了,
 甚平却认为这只是薮雨单纯的恭谦。

 数秒后甚平便知道这是祂最大的败因……

  甚平「那么,恭敬不如从命……」

 薮雨弯下腰来,好让孩童一般高的甚平
 取到茶杯,杯中散发的蒸气润湿了祂的鼻翼。

  甚平「呵~,真是不可思议的香味啊~……
     熏得后脑勺有点发紧……
     这莫不是豆汁……」

 甚平说着就喝下那黑色的汁水去,
 玄鸟侧目看着祂窃笑起来。

 不消多少时间
 甚平就露出了透心凉的表情。

  薮雨「那个……不、不要紧吧?甚平君?」

 甚平流着眼泪强行将口中物质灌入咽喉深处,
 大喘着气低下身去盯着玄鸟。

  甚平「上当了呢……」
  玄鸟「哦呀哦呀,这么轻松就……」

 甚平一脸哀怨地望着完全不打算隐藏恶作剧之心的玄鸟,
 玄鸟坦然地喝下了含有同样物质的液体。

 “果然这个世界的人也没法应付这个味道……”
 薮雨在心中这么嘟囔着,
 “今天的份还是没有放入有毒物质的,相对温和一点的呢……”
 又这么思索着。
 薮雨将和“玄鸟用的两杯份”不同的自用茶杯放置在厨房桌上,
 冲调着『非特制』咖啡,
 以关爱的眼神观察着闷声不吭的甚平。
 恍惚间祂想起本来自己是红茶爱好者,
 明天还是去买一点茶叶吧……
 祂在脑袋里把这一项加入了明天的日程。
 不过到了明天薮雨本人还能记起这件事
 就只有天文学级别的概率那么低了……
--------------------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------------------
ジンベイ「まっ・・まぁいいでしょ、この件はツケとくとして、
     今は過去の返済の話をしましょう」

 敗北を認めながら、ジンベイは次第に平静を取り戻しつつ、
 湯のみを藪雨が持つお盆に乱暴に返して話題の路線を変えた。

  玄鳥「そのことなら、たったいま101周目を読み終えたところですが」
ジンベイ「へ? なんだ、もうあと少しじゃないですか、随分と早いですね」
  玄鳥「由緒と歴史を煩悩の数だけ読ませるなんて、
     陳腐な修練だと思いますがね、102周目」
ジンベイ「どんなに頑張っても一ヶ月は掛かると思ったんですけどね~」
  玄鳥「暗記だけなら最初の一周で十分だろうに、103周目」
ジンベイ「出来る出来ないではなく、これが仕来りですからね!」
  藪雨「玄鳥はズルイからね~、本当にきちんと読んでるってところが」

 玄鳥は二人の言葉に対して反応することもなく、
 風圧で自身の髪が靡くほどの勢いで本を捲りながら読み進め、
 数秒後にパタンっとそれを閉じた。

  玄鳥「それで、こんな手の込んだ"偽者"をつかった
     悪戯の成果を見にきたんですか?」
ジンベイ「おー、やっぱりバレてましたか」
  藪雨「え、どういうこと?」
ジンベイ「実はそれ僕の創作なんですが、いかがでしたか?」
  玄鳥「煩悩を意識しながら108回読むと
     謎が解ける仕組みは面白かったです。 内容は酷いが」
ジンベイ「これは手厳しい・・・、
     ま、実はそれについては今は正直どうでもいいんですけどね」
  藪雨「・・・? じゃあ他に何か用があるの?」
ジンベイ「えー、といいますか・・・・右手をご覧ください」

 そう言いながら、ジンベイは縁側から見える景色に右の掌をかざした。
 ジンベイの手の導きにより藪雨と玄鳥の視線は、ジンベイの顔、
 肩、腕、掌、指先、その先の景色へと移ろい、
 そして最終的にはその延長上にある空へと到着した。

 本日の无現里の天気は、晩秋の趣を感じさせながらも見事な秋日和であった。

 三人が臨む一点の空を除いて・・・

  藪雨「うぁー、すごい曇ってるね~」

 藪雨は目を見開きながら、ジンベイの掌の延長上をじっと眺めた。
 視線の先には晴天の中に唯一、巨大で分厚い雲が『唯我独尊』
 っとでも言いたげに浮かんでいた。
 他は快晴であるにも関わらずその場所だけが異様にまで曇っているのは、
 中々の奇観であった。
 まるでそこで雲が固まり、動かなくなってしまっているかのようで、
 風にも流されずにその場に留まり続けている。
 そしてそれに扈従して、雲の下の世界はまさに常夜の国のように・・・

  玄鳥「数日前からあんな感じだな、あれならずっと寝放題だろうに、
     うらやましい限りだ」
  藪雨「あ、そうなの?」

 マヌケな声を境内の庭に響かせながらも、
 藪雨の目線は曇り空に釘付けになっていた。

  玄鳥「そいで、あの黙劇中の雲がなんだっていうんですか?
     中に天空の城でもあるのかな?」

 玄鳥は面倒くさいという内心を隠すつもりの無い口調で、
 師であるジンベイに訪ねた。
 それに対してジンベイは呆れた顔で玄鳥と藪雨を見た。

ジンベイ「知りませんよ、私がああした訳じゃないですし」
  藪雨「えー? どういうこと?」

 藪雨は曇り空から目線をジンベイに移し、
 気だるそうな玄鳥の代わりに質問した。
  甚平「嘛……不管了,这件事先记在账上。
     我们今儿个算算旧账吧。」

 承认自己落败后,甚平立马回复了平静,
 粗暴地将茶杯往薮雨拿来的茶盘里一砸便转变了话题。

  玄鸟「说的是书的话,我刚刚已经读完第101遍了。」
  甚平「诶?什么嘛,你不会是漏读了什么东西吧!这也太快了吧。」
  玄鸟「我看着渊源和历史也只能读出烦恼,
     还真是陈腐的修炼啊,第102遍。」
  甚平「我还想着你再怎么努力也要一个月才能读完呢~」
  玄鸟「哪怕背下来也只消第一周的时间就够了,第103遍。」
  甚平「不是背不背得出来的问题,这可是神社的惯例呀!」
  薮雨「玄鸟可真狡猾呀~,哪有好好读过书嘛!」

 玄鸟对另两人的言语无所回应,
 任吹乱自己头发的秋风翻动着正在读的书页,
 数秒后啪的一声合上了书本。

  玄鸟「那么,你就是来看自己用费尽心思做的“假货”
     对我恶作剧的成果的吗?」
  甚平「噢——,果然露馅了啊。」
  薮雨「诶,什么意思?」
  甚平「其实这本书是我写的。感觉如何啊?」
  玄鸟「浸泡在烦恼中阅读108遍
     才能解开谜团的圈套很有趣。内容倒是蛮糟糕的。」
  甚平「你还真是严苛……
     算了,其实这件事和我今天要讲的没什么关系。」
  薮雨「……?那另外还有什么事?」
  甚平「诶,怎么说好呢……请你看看右手边。」

 这么说着,甚平将窗边的景色稳稳托在右掌。
 薮雨和玄鸟的视线在甚平手臂的引导下,
 穿过了甚平的脸、肩、手腕、手掌、指尖,移向更前端的景色,
 最终到达了延长在线的天空。

 这天无现里的天气,是同时能让人感觉到晚秋趣味的晴朗秋日。

 除了空中三人注视着的那一点……

  薮雨「呜哇——,好重的阴云呢~」

 薮雨的眼睛瞪得大大的,紧盯着甚平手掌延长线上的那一点。
 那里浮着晴空中唯一一团巨大厚重的云,
 真个是「唯我独尊」。
 其他地方都是晴天,只有那里有着异常的云层,
 真是相当的奇观。
 云层简直就像是被牢牢钉在了空中,
 再大的风也吹不动。
 受其影响,云下的世界简直像长夜城一样……

  玄鸟「几天前就是那个样子了,这么暗应该能睡个好觉吧,
     好羡慕啊。」
  薮雨「啊,是这样吗?」

 没干劲的声音在境内庭园里回荡着,
 薮雨的视线还是牢牢聚焦在那团云上。

  玄鸟「那么,那团一声不吭的云又怎么了?
     难道里面还能有天空之城不成?」

 玄鸟用毫不隐瞒内心烦躁的语气
 向着身为人师的甚平开口了。
 甚平一脸茫然地看着玄鸟和薮雨。

  甚平「我可不知道哦,我又不是那个意思。」
  薮雨「诶——?那是什么意思?」

 薮雨的视线从阴天移向甚平,
 代替怠惰的玄鸟提问道。
ジンベイ「さあ? 単なる異常事態じゃないですか?
     『異変』ってやつですよ、巷で有名なあの」
  玄鳥「単なるものでないから異常で異変なんじゃないのか? はぁ~あ」

 玄鳥は先の展開が読めたのか、
 ため息と欠伸と台詞を絶妙にブレンドしたものを喉から吐き出しながら
 伸びをして、その姿勢のまま縁側に横になって
 仕舞いには目すら閉じてしまった。

  藪雨「異変ー? どういうこと」
ジンベイ「まぁ、誰かしらが悪巧みして、
     ああいう風になってるってことですかね」

 藪雨のお惚けな質問に、ジンベイは親切にも答えた。
 なにせ、藪雨にそれを理解してもらう必要があったからだ

  藪雨「悪巧み!? ど、どうするの玄鳥!?」
  玄鳥「そりゃ・・・誰かがどうにかしなくちゃ、なんじゃないか?」

 ホッコリした藪雨の間の抜けた質問に、
 やる気の無い玄鳥の応答が生温くなって返ってきた。

  藪雨「ほへぇー・・・それで、誰がどうすんの?」

 その答えを聞きたくなさそうな顔をしている玄鳥のことなど露知らず、
 藪雨は無邪気な質問を放った。

ジンベイ「もちろん、貴方達がどうにかするんです」
  藪雨「えっ」

 唖然としている藪雨をよそに、もはや観念した玄鳥は体を起こし、
 普段ののっぺりした表情に復帰した。

  玄鳥「超過勤務手当てが出るのなら、ですね・・・・行って何をしろと?」
ジンベイ「まぁそんな些細なことは気にせず、
     行くだけ行って人柱になるなりなんなりと、
     手段や方法は全てお任せします」

 冗談なのか本気なのかわからんその言葉に玄鳥はうへーっと舌を出した。

  玄鳥「なんで最高位の神職自らが生贄にならにゃあかんの」
  藪雨「ひとばしら・・・?」
ジンベイ「死ぬ気のない者はすべからく死ぬべし、
     ・・・っというのがこの世の常です」
  玄鳥「仕事内容と逸脱してる気がするような、しないような」
  藪雨「ちょーかきんむ・・・?」
ジンベイ「お財布の紐は誰が握ってるのか、
     また晩御飯にでも思い出させてあげましょうか?」

 二人の会話の内容を2%も理解できていない藪雨をよそに、
 ジンベイの言葉の銃口は二人に向けられた。

  玄鳥「うへぇ、レンコンか」
  藪雨「! イヤだ~、レンコン飽きた~」

 この部分だけ会話の内容が理解できた藪雨は、
 それでなんとなく話の流れも分かったようで、
 足をじたばたしながら駄々こね始めた。

 ジンベイ「いっそ、全く無くても私は大丈夫なのですよ」

 闡裡神社代々の式神はそういいながら、ニッコリと笑った。
 それは藪雨にとっては可愛らしく、玄鳥にとっては不気味な笑顔であった。

  藪雨「夜ご飯の為ならしかたないね!」
  玄鳥「恐怖政治が長続きしないということを、
     すぐに証明してみせましょう」
ジンベイ「はいはい、舌の体操はここまでにしといて」

 不満げな玄鳥の言葉と視線を無視しながら、ジンベイは話を続けた。

ジンベイ「そうですねぇ・・建前上、留守番もいたほうがいいので、
     お二人の内のどちらが現地に向かうか決めてくださいね」
  藪雨「ほーい」
  玄鳥「へーい」

 快く返事(?)をする二人であるが、
 当然どちらも「自分が行く」なんて面倒なことをするつもりなど
 毛頭無かった。
 「どちらが行くか決める方法をどうするか」
 っという事を決めるだけでこの後も
 随分と時間を有するのであるのだが、

 それはそれとしておこう。
  甚平「你看?这不就是单纯的异常情况吗?
     这正是所谓『异变』哦,街头巷尾都传开了。」
  玄鸟「不单纯的异常就不是异变了吧?哈~啊。」

 玄鸟似乎是预见了此后的发展,
 一边从咽喉中吐出叹息和吐槽的奇妙混合物,
 一边伸着懒腰倒在地上
 顺便闭上了眼睛。

  薮雨「异变?什么玩意啊。」
  甚平「总之就是说,天空是由于某个人的阴谋诡计,
     才变成这个样子的。」

 甚平亲切地回答着薮雨傻乎乎的提问。
 毕竟有必要让薮雨至少理解这个词的含义。

  薮雨「阴谋诡计!?怎、怎么办啊玄鸟!?」
  玄鸟「这么一来……得有人出面做点什么吧?」

 毫无干劲的玄鸟冷冰冰地回答着
 干劲过剩的薮雨傻呆呆的疑问。

  薮雨「呵嘿——・・・那么,要让谁去做什么呢?」

 薮雨天真无邪地问道,
 完全不顾玄鸟一脸不想知道答案的表情。

  甚平「当然是要你们去做点什么的啦。」
  薮雨「诶!」

 薮雨陷入了沉默,玄鸟却像有所觉悟般站起,
 变回了平时的扑克脸。

  玄鸟「看来是要让我们加班了・・・・去了要干什么?」
  甚平「不用管这些微小的事情,
     反正你们就是去做人柱(活祭品)而已的。
     手段和方法全由你们决定。」

 玄鸟对这不知是真是假的话“唔嘿——”一声伸出了舌头。

  玄鸟「为什么要让最高级神职人员去做活祭品啊?」
  薮雨「惑机品……?」
  甚平「不拼上性命去努力的人都该死。
     ……这是这个世界的常理。」
  玄鸟「该说是偏离了工作范围呢,还是没有偏离呢……」
  薮雨「加班加点……?」
  甚平「马上要吃晚饭了,你们还想不起来
     钱包是由谁在保管的吗?」

 将连两人对话内容的2%都无法理解的薮雨放在一边,
 甚平用言语向两人开炮了。

  玄鸟「唔嘿,吃藕吧。」
  薮雨「!不要啦~,吃藕都吃厌了啦~」

 薮雨只能理解这个部分的对话,
 但也大概由此明白了话题的走向,
 拍打着腿脚卖起萌来。

  甚平「先说一句,我可是不吃晚饭也没事的哟。」

 阐里神社历代的式神这么说着,微笑了起来。
 那笑容在薮雨的眼中分外可爱,在玄鸟的眼中却令人毛骨悚然。

  薮雨「为了晚饭,不得不上了呢!」
  玄鸟「我要立刻证明
     你的恐怖政治不会持续太久了!」
  甚平「好啦好啦,口舌之劳就到此为止吧。」

 甚平无视着玄鸟不满的言语和视线继续说道。

  甚平「说起来……原则上,留个人看家会比较好,
     请决定一下你们二位中哪一个要去实地考察。」
  薮雨「吼——。」
  玄鸟「嘿——。」

 两个人都极快地做出了回应(?),
 但两位肯定都是
 一点也不想蹚这浑水。
 「怎么决定让哪个人去实地考察呢」
 光是决定这件事
 就花了祂们相当多的时间,不过——

 花开两朵,各表一枝。1
※----------------------------------------------------------------※
※----------------------------------------------------------------※
~○人里から少し離れた森の中~


 里から道を外れて森の中をすこし抜けた先に
 小さな開拓地と丸太で作られた小屋があった。
 手荒で、杜撰に造られたその粗末な小屋は、
 多少の雨風を凌ぐには十分であるだろうが、
 嵐でもやってきた日には"パタンっ"と
 良い音を立てて倒れてしまいそうな程頼り気がなかった。
 そこには気配も服装も似たような3人が住み着いていた。

 頬赤「今日は一雨きそうだな」

 窓から空を見上げながら、炎のような真っ赤な髪の色をした人影は、
 憂鬱そうに呟いた。
 ロウソクと外から取り込む光以外に照らすものの無い薄暗い部屋の中では、
 特にすることがなく。
 雨が降ってこられると非常に退屈になってしまうのであった。

 蒿雀「ここのところずっとそればっか言ってるよね、アカは」

 丸太を切っただけのお手製の椅子と机に突っ伏しながら、
 弱々しい声で呟きに応答する緑の髪の青い人影。
 この似た姿形をした二人はここに棲息していた。
 突然聞いたことも無い国に飛ばされ、財産も住居も食料も無い状態から
 一ヶ月間、死ぬ気で生きてきたが、
 最近になってようやく安定した生活を送れるようになってきていた。
 水と食料の確保、小屋の仮建設・・・
 それらが揃った今、必要とされているのは『資金』だった。
 その『資金』については、ここにはいないもう一人が
 現在仕事を探しに行っており、この二人はその帰りを待ってた。
 っというより、待つ他にやる事がないらしい。

 頬赤「だってずっとそんな天気なんだから使用がないじゃん」
 蒿雀「そう言って、一度も降ったことないけどね」
 頬赤「人に伝えると正夢は実現しなくなるって言うじゃん、
    だからお前のせいだ」
 蒿雀「えぇ・・・」

 要領を得ない話ばかりしている所を見ると、二人は相当に暇のようだ。
~○离人类村庄不远的森林中~


 在偏离村道的森林里不很深的地方
 有一片小小的开拓地和一座圆木搭成的小屋。
 小屋是徒手凭空搭建起来的,十分简陋,
 可以多少抵御风雨的来袭,
 但在刮大风的日子里,就只能发着「啪嗒」
 这样动听的声音华丽丽地散架了。
 在这里住着气息和服饰都很相似的三个人。

 颊赤「今天好像要下雨啦。」

 发色如火焰般赤红的人影,抬头望着窗外的天空,
 忧郁地低语道。
 昏暗的居室里只有蜡烛和外面透进来的微光在发亮,
 什么事都做不了。
 要是外头再下个雨就更让人难熬了。

 蒿雀「阿赤,你最近老是说这句话呐。」

 绿发的蓝色人影深深地趴在未打磨的圆木切成的手工桌椅旁,
 以极其微弱的低语声应答道。
 身形相似的两个人栖息在这里。
 在突然被传送到这个闻所未闻的国家
 以身无分文居无定所水米不进半死不活的状态生活了一个月后,
 祂们最近终于可以过上安稳的日子了。
 确保了水和食物的获取,建设了毛坯小屋……
 万事俱备,只欠『分文』。
 说到这『分文』,现在不在家的另一个人
 正出门寻找工作,这两人就在等祂回来。
 不如说除了等待好像也没什么事情可以做的。

 颊赤「每天都是这种天气有什么办法嘛!」
 蒿雀「你每天这么说,也没见下雨呢。」
 颊赤「不是说梦被人听到就不会成真了嘛,
    所以是你不对哦。」
 蒿雀「诶诶……」

 从这一席毫无要领的话看来,这两人悠闲得很。
※----------------------------------------------------------------※
※----------------------------------------------------------------※
黒巫鳥「もう一度だけ聞く・・・・どうして暇を持て余していたんだ?」

 しばらくしてみると、帰ってきた黒髪の量産型は、
 眉を中央に寄せながら残りの二人を地面に正座させ、
 自分は椅子で足を組みながら説教と洒落込んでいた。

 蒿雀「その・・・余りにもすることがなくて・・・」

 末っ子の蒿雀は黒巫鳥から目をそらしながら小声で返事をした。

黒巫鳥「出る前に私は言ったよな?
    『金が溜まったらきちんとした家を建てるから、
    今の内に木材を集めておけ』・・・って。
    あれから一刻は過ぎてるが、
    それなのにどうしてここには一本も切り倒した木が無いんだ?
    イリュージョンでこれから出てくるのか?」
 蒿雀「ごめんなさい・・・」
黒巫鳥「いいかお前ら、少しは生活が楽になったからといって、
    決して油断のならない状況だということには変わりないんだぞ?
    我々は一刻も早くこの状況を打破しなくてはならない、
    だから一分一秒を大切にして生きていかなくちゃいけないのに、
    なんだこの体たらくは!」
 頬赤「一分一秒が大切なら、こんな説教してる暇ないんじゃなーいの?」

 反省してる演技すらしようともしない頬赤が、
 天井を仰ぎ見ながら皮肉を言った。

黒巫鳥「次にどうでもいい事で口を開いたら、
    今日の晩飯はお前以外がご馳走になるぞ」

 ふー、やれやれ・・・っとでも言いたげな表情で
 頬赤はため息をしながら黙りこくった。

黒巫鳥「もういい、とにかく仕事を決めてきたぞ」
 蒿雀「えっ!? 見つかったの」
黒巫鳥「いや、雇い主が居たというわけではないが、
    近くの里では最近子供~成人の学力低下が著しいと
    老人どもが愚痴を漏らしていた」

 蒿雀「あ、ってことは!」

 話の流れを察したのか、蒿雀は嬉しそうに声をあげた。

黒巫鳥「学び舎開設で一儲けだ!」
 蒿雀「学者一家、鵐家の出番だね!」

 はしゃぐ蒿雀を見て笑みを浮かべる黒巫鳥は、ふと頬赤の方をみた。
 その話をきちんと聞いていた頬赤は、訝しげに自分のことを指差し、
 無言の主張を訴えていた。

黒巫鳥「お前は・・・・小中学生レベルの授業を担当か・・・
    それか用心棒ってとこだな・・・」

 ひとえに智識が無いと言われた頬赤は
 あくまで無言で「はーい」っと口の動きだけで返事をした。
 
黒巫鳥「そこで一つ提案があるんだが、
    学び舎を開設するには里の住人と信頼関係を築かなくちゃならん」
 蒿雀「えー・・・でも僕達ここに来たばかりだし・・・」
黒巫鳥「そう、だから『売名行為』が必要だと思わないか?」
 蒿雀「うーん、そうだけど、何をして売名するの?」

 黒巫鳥はジェスチャーで芸をしてみせている頬赤を
 マジマジと見ながら、話を続けた。

黒巫鳥「道化、神楽に自信があるなら止めはしないが、
    それより言い方法がある」
 蒿雀「っというと?」
黒巫鳥「最近、随分と長い間曇り空が続いているよな?」
 蒿雀「うん、ここんところずっとそうだね」
黒巫鳥「巷ではこれを神や妖怪による『異変』だと言って騒いでいる」
 蒿雀「ふーん、本当にそうなのかな?」
黒巫鳥「実際、何者かの陰謀によってこういう異常現象が起こる事は
    この国ではよくあるらしい、
    本来では神社に勤めてる奴がそれを毎回解決してるらしいが・・・」
 蒿雀「神社って・・・藪雨と玄鳥がいる?」
黒巫鳥「あぁ、原因が何であるにしろ、
    奴等がその気になったらこの程度の自然現象、
    強引にでもすぐ解決できるだろう」

 黒巫鳥のその言葉に蒿雀は過去の出来事を思い浮かべて、
 うんうんっと納得したが、
 それと一緒に疑問も浮かび上がり、黒巫鳥に聞いた。

 蒿雀「だけどまだ曇ってるよ?」
黒巫鳥「うむ、おそらくあいつらはまだ『異変』について知らない、
    もしくはこの現象が『異変』だと気がついてないのかもしれない」
 蒿雀「あぁ、神社ってここから結構遠いもんね」
黒巫鳥「そう、だからこれはチャンスだ」
 蒿雀「え?」
黒巫鳥「この『異変』を我々の手で解決すれば、
    我々の名声は鰻のぼり、鯉のぼり! 天までのぼって龍となる!」
 蒿雀「そんな上手くいくかな~」

 苦い顔をしながら蒿雀は弱音を漏らした。

黒巫鳥「どうせ暇なのだから、やるだけやってみてもいいだろう」

 つい先ほど自分が言っていた事を完全に無視しながら、
 黒巫鳥は蒿雀を説得しようとする。

 蒿雀「うーん・・・どうするアカ?」

 蒿雀が意見を求めると、頬赤はサムアップしながら満面の笑みを浮かべた。

 不安げな蒿雀とやる気満々のフリをしてる頬赤を交互に見ながら、
 黒巫鳥はよし、っと短く声に出して椅子から立ち上がり、
 窓の外の曇り空を眺めた。

黒巫鳥「決定だな、・・・・それじゃまずは別行動をとり、各自情報収集だ」


 こうして、それぞれが別々の理念を抱きながらも表層上は結託し、
 立て付けの悪いお手製の木の扉は、
 音を立てながら3人の小鳥達を見送ることとなった。
黑巫鸟「我再最后问你们一遍……为什么闲着什么事都没做?」

 过了少许时间,黑发的大众脸回到家,
 做作地皱起眉让剩下两个人正襟危坐在地,
 自己在椅子上翘起二郎腿洋洋洒洒说教起来。

 蒿雀「那个……也没有闲着啦……」

 老幺蒿雀闪躲着黑巫鸟的视线小声地回答道。

黑巫鸟「我出门前不是说了吗?
    『等赚了钱我们要把房子好好修一遍,
    目前得先把木材收集好』……。
    我出门已有不少时间,
    为什么我仍然连一棵木材都没有见到?
    难道木材会从天上掉下来吗?」
 蒿雀「对不起……」
黑巫鸟「你们给我听好了,绝对不能因为生活稍微轻松了一点,
    就变成这副松懈的德行哦?
    我们必须刻不容缓地打破这种局面,
    所以你们明明应该珍惜着每分每秒过日子的,
    为什么却是这种狼狈相!」
 颊赤「说是要珍惜每分每秒,你怎么还有空絮叨个不停呢?」

 颊赤已经不屑于装出在反省的样子,
 仰望着天井讥讽道。

黑巫鸟「再说一句废话,
    今天的晚饭可就没你的份了。」

 呵——,又来又来……
 颊赤连气都不叹一口,沉默地做出了含有以上意思的表情。

黑巫鸟「不说这个了,总之我已经决定好要做什么工作了。」
 蒿雀「诶!?找到了吗?」
黑巫鸟「不,我没有找到雇主,
    但是发现了附近村里最近孩童到成人的学历都严重地低下
    以及老年人痴呆症发严重的情况。」

 蒿雀「啊,这么说来!」

 察觉到话题流向的蒿雀发出欣喜的声音。

黑巫鸟「就靠开学塾来大赚一笔!」
 蒿雀「该轮到学者家族鹀家出场啦!」

 黑巫鸟看着蒿雀拍着手,露出笑意,突然转头看向颊赤。
 已妥善听取黑巫鸟的话语的颊赤,在惊讶中伸手指向自己,
 无言地表达了自己的诉求。

黑巫鸟「你嘛……大概只能教教中小学的课程……
    或者做做保安什么的吧……」

 被说成基本没有什么智慧的颊赤
 彻底沉默下来,摆着「好——」的口型作出响应。
 
黑巫鸟「在此之前我有一个想法,
    在开设学塾前得先和村民建立信任关系才行。」
 蒿雀「诶——……但是我们才刚刚来到这里……」
黑巫鸟「是啊,所以你不觉得我们得做点什么来『彰显名声』吗?」
 蒿雀「嗯——,说是这么说,要怎么扩大名声呢?」

 黑巫鸟瞪了一眼正在摆卖艺手势的颊赤,
 接着说道。

黑巫鸟「如果你有当好小丑和神棍的自信我也不强迫你,
    但我有个更好的办法。」
 蒿雀「那是?」
黑巫鸟「最近有很长一段时间都是阴天吧?」
 蒿雀「嗯,这一带一直都是这样呢。」
黑巫鸟「街头巷尾都有这是神明或妖怪引起的『异变』这样的传言。」
 蒿雀「呵——,真的会是这样吗?」
黑巫鸟「事实上因某些人的阴谋而发生异常现象的事情
    在这个国家相当普遍,
    但本来这种事都是由在神社工作的家伙们去解决的……」
 蒿雀「神社是……薮雨和玄鸟住的地方?」
黑巫鸟「是啊,先不论原因为何,
    祂们要是注意到了这种程度的气象,
    一定会迅速出力解决的吧。」

 黑巫鸟的这一句话让蒿雀回忆起了过去的一些事情,
 祂不停地点着头,
 心中却一并生出疑惑,向黑巫鸟问道。

 蒿雀「但是外头还是阴云密布啊?」
黑巫鸟「嗯,恐怕那些家伙还不知道『异变』是什么,
    更不会意识到现在的气象就是『异变』。」
 蒿雀「是啊,神社离这里相当远呢。」
黑巫鸟「是的,所以要抓住这个机会。」
 蒿雀「咦?」
黑巫鸟「以我等之手解决这一『异变』的话,
    我等的名望就如平步青云,鲤跃龙门!简直可以上天呀!」
 蒿雀「有这么顺利就好啦~」

 蒿雀一脸苦笑地发出微弱的回应。

黑巫鸟「闲着也是闲着,试试看不也好嘛。」

 黑巫鸟像是完全无视了自己几分钟前刚说过的事一般
 劝说着蒿雀。

 蒿雀「唔——嗯……阿赤怎么想?」

 听到蒿雀的询问,颊赤竖起大拇指露出了满脸笑意。

 黑巫鸟看看一脸不安的蒿雀,又看看佯装干劲十足的颊赤,
 轻快地说了一声「嘿咻」,从椅子里站了起来,
 望向窗外阴云密布的天空。

黑巫鸟「决定好了吧,……那么先分头行动,各自收集情报吧。」


 就这样,三只小鸟怀抱各自不同的想法,在表面上达成合谋,
 在关不严而嘎吱作响的手工木门的目送下,
 奔向了远方。

注释

  1. 出自《红楼梦》第五十四回,是古代章回小说的叙述手法。意为故事发展成了两个,我们一个一个地说。

词条导航